転生したら山内でした。   作:鴨の加茂

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ようこそ、夢のような学校生活へ

教室に着くとそこには─────いや、知ってはいたけど実際見るとやっぱりそれは無いわ。

 

そう、皆ご存知の高円寺が机に両足を乗せて、鼻歌を歌いながら爪の手入れをするという奇行を披露していた。

他にはその光景を見てドン引きしている生徒たち、無視をして早速出来たグループで結束を固める生徒たち、窓側の奥に友達を欲しそうにしているボッチが1人とその隣の席の友達を欲しくなそうにしてるボッチが1人いた。

そこまで見渡した所でチャイムが鳴り、俺の後ろにはスーツの女性が立っていた。この人がこれからこのDクラスの担任となる人だ。俺は1度止めた足をもう一度踏み出して自分の席へと向かった。

 

「えー新入生諸君。私はDクラスを担当することになった茶柱 佐枝だ。普段は日本史を担当している。この学校には学年ごとのクラス替えは存在しない。卒業までの3年間、私が担任としてお前たち全員と学ぶ事になると思う。よろしく。今から1時間後に入学式が体育館で行われるが、その前にこの学校の特殊なルールについて書かれた資料を配らせてもらう。以前学校案内と一緒に配布はしてあるがな」

 

そう言われると前の方から見覚えのある資料が回って来たので1部取ってまた後ろへ回す。寮生活と外部との固い接触禁止についての資料だ。

 

「今から配る学生証カード。それを使い、敷地内にあるすべての施設を利用したり、売店などで商品を購入することが出来るようになっている。クレジットカードのようなものだな。ただし、ポイントを消費することになるので注意が必要だ。学校内に置いてこのポイントで買えないものはない。学校の敷地内にあるものなら、何でも購入可能だ」

 

学生証と一体化したこのポイントカードはこの学校では現金と同じ意味を持つ。

 

「施設では機械にこの学生証を通すか、提示することで使用可能だ。使い方はシンプルだから迷うことはないだろう。それからポイントは毎月1日に自動的に振り込まれることになっている。お前たち全員、平等に既に支給されているはずだ。なお、1ポイントにつき1円の価値がある。それ以上の説明は不要だろう」

 

先生がそこまで説明した所で教室の中はざわついた。

 

「ポイントの支給額が多いことに驚いたか?この学校は実力で生徒を測る。入学を果たしたお前たちには、それだけの価値と可能性がある。そのことに対する評価みたいなものだ。遠慮することなく使え。ただし、このポイントは卒業後には全て学校側が回収することになっている。現金化したりなんてことは出来ないから、ポイントを貯めても得は無いぞ。振り込まれた後、ポイントをどう使おうがお前たちの自由だ。好きに使ってくれ。仮にポイントを使う必要が無いと思った者は誰かに譲渡しても構わない。だが、無理やりカツアゲするような真似だけはするなよ?学校はいじめ問題だけには敏感だからな」

 

戸惑いの広がる教室内で、茶柱先生はぐるりと生徒たちを見渡す。

 

「質問は無いようだな。では良い学生ライフを送ってくれたまえ」

 

そんなことを言って茶柱先生は教室を後にした。その後、生徒会長の言っていた人はまだだろうかと待っている間にもDクラスの生徒たちは10万ポイントという大金に対して盛り上がりを見せている。

 

「ねぇねぇ、帰りに色んなお店見ていかない?買い物しようよ」

「うんっ。これだけあれば、何でも買えるし。私この学校に入れて良かった〜」

 

そんな中すっと手を挙げた生徒がいる、平田だ。

 

「みんな、少し話を聞いて貰ってもいいかな?」

 

やはりイケメン。俺、転生するなら平田がよかった。

 

「僕らは今日から同じクラスで過ごすことになる。だから今から自発的に自己紹介を行って、1日も早く皆が友達になれたらと思うんだ。入学式まで時間もあるし、どうかな?」

 

そんな提案に対するクラスの反応は知ってる。答えは『女子が賛成する』だ。やっぱり今からでもチェンジしたい。

 

「僕の名前は平田 洋介。中学では普通に洋介って呼ばれることが多かったから、気軽に下の名前で呼んで欲しい。趣味はスポーツ全般だけど、特にサッカーが好きで、この学校でもサッカーをするつもりなんだ。よろしく」

 

その後も見事に原作そのままな自己紹介が行なわれた。そして俺の順番になった・・・。

 

「俺は山内 春樹。小学生の時は卓球で全国に、中学生時代は野球部でエースで背番号は4番だった。けどインターハイで怪我をして今はリハビリ中だ。よろしくう」

 

俺の自己紹介は勿論これだ。これ以外の自己紹介なんて考えられないからな。

 

そして、高円寺や池、綾小路等も原作通りの自己紹介をしていた。当然途中で須藤、堀北含めた数人が教室から出ていってしまった。

そんな感じで自己紹介も終わり、平田などはみーちゃんや軽井沢に遊びに行こうと誘われている。まだ生徒会の人は来ないのだろうか?と思ったけどまだ来ないらしい。

入学式が終わったら何処に行こうか。皆がそんな話題に花を咲かせている中、俺は席を立った。

池がどうしたと聞いてきたがお腹が痛いからトイレに行く、その後はそのまま体育館へ向かうと告げて教室を後にした。

 

 

 

その後、体育館で合流した池から聞いたんだけどあの後来たのは橘 茜。つまり生徒会の書記の人だった。わざわざ教室まで来てもらってやって貰ったのはこの学校のルールについての説明、それも茶柱先生が意図的に隠した部分の。どうやら堀北会長の計らいで俺の名前は出てないらしい。

とりあえずはこれで来月のポイントがどうなるか、それを見てみようと思う。それにしても細かくお願いしなくても狙いを理解してくれたのはありがたい。

 

入学式が終わって池にカラオケに行こうと誘われたけどやりたい事があると言って断った。その代わり、次の日に遊ぶ約束を結んで今日は別れた。

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