転生したら山内でした。 作:鴨の加茂
穏やかな日常は突然に……
ボーッとしながら船内を歩いていると唐突に話しかけられた。
「おや?山内ボーイじゃないか。偶然だねえ」
そこには上半身裸で海水パンツを穿いた男が優雅に歩いていた。
「おう、高円寺か。無人島ではありがとな」
「お礼なんていらないさ。私も気が向いただけに過ぎないからねえ」
なるほど、そういう物なのか。
それから暫く高円寺とたわいもない話をしていると突然、俺のスマホが鳴った。キーンと言う高い音。それは学校からの指示であったり、行事の変更などが際に送られてくるメールの受信音だった。マナーモード中であっても音が強制的に出ることから、重要性の高さが窺える。ちなみに高円寺は多分スマホを持っていないので音も鳴らない。何処に置いてきたのだろうか?
「これって、学校からのメールだっけ?」
「まったく、私の時間をあまり奪わないで欲しいねえ」
こいつ、特別試験だと気が付いているのか?
『生徒の皆さんにご連絡いたします。先ほど全ての生徒宛に学校から連絡事項を記載したメールを送信いたしました。各自携帯を確認し、その指示に従ってください。また、メールが届いていない場合には、お手数ですがお近くの教員まで申し出てください。非常に重要な内容となっておりますので、確認漏れのないようお願いいたします。繰り返します────』
メールが届くとほとんど同時にそんなアナウンスが流れた。
「さて、それじゃあ私も部屋に戻るとしようかねえ。例の約束、忘れないでくれたまえよ山内ボーイ」
そう言って高円寺は自室へと戻って行った。
さて、今回の試験どうしたものか。
そんな事を考えてしまう。本来であれば平田にでも攻略法を教えてDクラスで独占、もしくはBクラスとでも協力でもするべきなのだろう。
だが、俺。つまり山内は無人島試験、その前に関しても目立ち過ぎた自覚がある。龍園に加えて坂柳にまで目をつけられる事態になったらたまったもんじゃない。むしろ、坂柳に目を付けられるのは非常に不味いのだ。
そして何よりも、俺の説明は20時40分だった。なんと嫌な時間だろうか。竜グループじゃねぇか、ふざけんな茶柱先生め。
仕方が無いので時間の少し前に部屋へと向かうが途中で平田と出会った。
「平田も20時40分組か?」
「みたいだね。山内君も?」
あぁ、と答え軽く会話をしながら歩く。途中で綾小路とも合流した。
「全員僕と同じグループ……ではなさそうだね」
「あぁ、綾小路みたいに多少の偵察か?」
「俺はそんなにつもりは無い。たまたまだ」
ん?どうやらそんな話をしている間にも堀北、葛城、神崎が楽しそうな事をしている。綾小路と平田は自分からその面どk…楽しそうな状況に首を突っ込みに行ったがとても楽しそうなので俺は遠慮させてもらう。
ただ、数秒後に俺も一緒に行けばよかったと思った。コイツのせいだ。
「クク。久しぶりだなぁ」
龍園翔。須藤の件で金を巻き上げる予定の相手だ。
「おう、久しぶり。約束の金は用意できそうか?」
「あぁ?ふざけた真似しやがって」
ふざけた真似?何を言ってるんだコイツ。
そもそも、俺は録音データをしっかりと消したしその上であの件には関わっていない。
「堀北さんが勝手に動いていた。学校側からも何も無いしそれだけだろ」
「無人島でのカラクリは解けてる。鈴音はそんな事を出来る奴じゃない、違うか?」
あ、そっちか。
「何も不自然じゃないだろ?勝つ為に堀北さんが必死に考えてくれた結果だ」
「まぁいいさ、Xを探すのはゆっくり楽しむつもりだ。邪魔するんじゃねぇぞ」
は?エックスってあのXか?ってか俺は除外かよ。ありがてぇありがてぇ。
そんな事をわちゃわちゃとやっている間に櫛田やらその他モブの方々が集まってきたので部屋に入る。説明は小説で見た記憶のある説明そのままだった。良かった事と言えば急に太陽系試験になっていなかった事かな。
ちなみにAクラスの矢野 小春と言う生徒が竜グループでは無く他のグループに所属していたのは俺が竜グループに入った関係だろう。