転生したら山内でした。   作:鴨の加茂

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男子諸君、お待たせしました

入学式から約1週間が過ぎた。

そう、今日は原作でも俺たちへの人気がとても下がった日だ。けどよく考えて欲しい、俺は本能のままに行動した結果を知っているのにわざわざ実行に移す価値があるのかってことだ。そんな事ある訳がない。

 

今日俺がやるべき事は決まっている。その内容を頭の中でシュミレートしながら教室へ向かう。

 

「おはよう山内!」

「おはよう池!」

 

登校すると、満面の、てっかてかの笑顔で池が声をかけて来た。

 

「それにしても山内、今日の水泳のリレーで1位になったヤツに5000ポイント配られるってホントか?」

「ああ、昨日先生が話してるの聞いちゃってさ。しかも、男女別レースでそれぞれの1位に渡すらしいぜ」

 

まだ1週間しか経ってないと言ってもポイントをそこそこ使ってる女子は多いんじゃないだろうか?それに、来月も安定したポイントが入ってくる保証はない事は既に説明されている。それなら少しでも欲しいと考えるのではないだろうか?そう、俺は同じ失敗は踏まない。そんな数人の水着姿で満足なんてしない。目指すは全員だ!まぁ、軽井沢は休むだろうけどそれでも多いに越したことはない。

 

事前に池、博士、須藤とはクラス内での迂闊な発言は控えようと相談してたので女子から冷たい目で見られる要素も無い。

ちなみに、原作にもあった胸の大きさランキングとそれに伴う賭けだけど実は女子にバレないようにチャットでやり取りをしている───ちなみに綾小路は原作で上位に適当に賭けたと言っていたがどうやら佐藤に賭けていたらしい。俺?当然佐倉に賭けたさ。

 

 

 

「よっしゃプールだ!」

昼休みも終わり、ついに待ち望んだ水泳の授業がやって来た。池と須藤、博士とプールへ向かおうとしたら池が後ろから着いてきてた綾小路を誘ってた。そのまま5人で更衣室へと入る。

 

「んじゃ、先行ってるぜ」

須藤は一瞬で更衣室を出てしまった。俺も早めに着替えを終わらせよう。

 

更衣室から出ると池が興奮気味に叫んでた。

 

「女子は?女子はまだなのかっ?」

「着替えに時間かかるからまだだろ」

 

綾小路が冷静に突っ込む。

 

「なぁ、もし俺が血迷って女子更衣室に飛び込んだらどうなるかな?」

「女子に袋叩きにされた上に退学になって書類送検されるだろうな」

「・・・リアルな突っ込みやめてくれよ」

 

池は想像して怖くなったのか、ブルブルと身を震わせた。

 

「変に水着とか意識してると、女子に嫌われるぞ?」

「意識しない男が居るかよ!・・・・・・勃ったらどうしよう・・・・・・」

 

池、もうすぐ女子が来るから黙った方がいいぞ。と注意しようとした所でちょうど女子が来始めた。

 

「うわ〜。凄い広さ、中学の時のプールなんかより全然大きい〜」

そんな女子の声が聞こえてきた。

 

「き、来たぞっ!」

 

池がまた叫ぶ。もしかしたら昨日やった入念なミーティングは無駄だったのかもしれない。

 

しかし、女子の見学率は想像以上に低かった。どうやら作戦は成功したらしい。

 

「「友よ!」」

 

俺は池と男同志の友情を確かめ合い、互いに手を取り合う。

 

「二人とも、何やってるの?楽しそうだねっ」

「く、くく、櫛田ちゃん!?」

 

俺たちの間に割って入るように、櫛田が顔を覗かせた。

スクール水着を着た櫛田は、妖艶な身体のラインが浮き彫りになっている。俺たちだけじゃなくて男子のほとんどが、一瞬櫛田の身体に釘付けになっていたが、皆すぐに視線を逸らす。

 

「よーしお前ら集合しろー」

 

体育会系の文字を背負ったようなマッチョ体型のおっさんが集合をかけて授業が始まる。

体育の教師らしいが、男子からも女子からも、ちょっと引かれるタイプかもしれない。

 

「見学者は3人か、まぁいいだろう、早速だが、準備体操をしたら実力が見たい。泳いでもらうぞ」

「あの先生、俺あんまり泳げないんですけど・・・・・・」

 

一人の男子が申し訳なさそうに手を挙げる。

 

「俺が担当するからには、必ず夏までに泳げるようにしてやる。安心しろ」

「別に無理して泳げるようにならなくてもいいですよ。どうせ海なんていかないし」

 

「そうはいかん。今はどれだけ苦手でも構わんが、克服はさせる。泳げるようになっておけば、必ず後で役に立つ。必ず、な」

 

夏の無人島試験やこれから先の色んな能力を必要とする試験で出来るに越したことは無いからこその言葉なのだろう。

 

全員で準備体操を始める。池はチラチラと女子の様子を窺って止まなかった。当然俺も時々目線を向ける。その後は軽くウォーミングアップをして先生からリレーの説明をされた。

 

「櫛田ちゃん櫛田ちゃん櫛田ちゃん櫛田ちゃん櫛田ちゃん。はぁはぁはぁはぁ」

 

隣にいる池がたまに怖い。

 

そんな中、堀北がスタートラインに立つと歓声が上がる。

 

「皆、目に焼き付けろよ!今日のおかずを確保するんだッ!」

 

「「おうっ!」」

 

やっぱり昨日、池達と話してた時間は無駄な時間だったらしい。

 

第一レースの結果は堀北の独走で終わった。続く第二レース、櫛田の番だ。先程の堀北の時よりも大きな歓声が沸く、そんな男子に対して櫛田は笑顔で手を振る。

 

「うひょおおおお!」

 

悶える男子たち。中には股間をこっそり押えてるヤツまで。

 

第二レースの結果は水泳部の小野寺の完勝となった。

 

 

 

〜男子のレース中〜

 

 

 

「うお、すげぇ高円寺。須藤に圧勝じゃん・・・・・・って、何やってんだよ綾小路!」

 

試合観戦を終えた池が鬼の形相で綾小路へと飛び掛っていた。

 

「な、何って別に。何もしてないぞ」

「してんじゃねえか!」

がっと腕を首に回され、耳打ちをされてる。

 

「櫛田ちゃんは俺が狙ってるんだから、邪魔すんなよなっ」

 

原作を読んでいた俺からすると違和感がすごいな・・・やっぱり池には篠原のイメージが強いからな。

 

そんな感じで無事(? )初めての水泳の授業は幕を閉じた。

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