転生したら山内でした。   作:鴨の加茂

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1年生中間テスト編
ようこそ、実力至上主義の学校へ


明日から5月に入る。

もし、原作通りポイントが振り込まれなければ来月俺は実質的に約28ポイントで乗り切らないといけないのは辛い。

 

それもこれも、龍園がかなり最初の方に学校探検隊とかいう備品の場所、監視カメラの位置を暗記する遊びをしていたせいで出品が…。

 

ふと、今月一ヶ月のDクラスを思い返してみる。軽井沢含めた陽キャ女子連中は平田から注意を受けていたが監視カメラの存在に気が付かずに机の下でスマホを弄っていた。須藤は寝ているか大声で池と雑談、原作では俺も混じっていたが3バカトリオ等とは呼ばれたくないので俺は授業中は授業に集中している。けれども普段あの二人と絡んでた結果俺たち3人の呼び名は結局3バカトリオになっていた。とても不本意だ。

結論としては原作よりはかなりマシだが明日の結果でCクラス以上になる事はまず無いだろう。

 

 

 

 

 

 

5月最初の学校開始を告げる始業のチャイムが鳴った。程なくして、手にポスターの筒を持った茶柱先生がやって来た。

 

「これより朝のホームルームを始める。が、その前に何か質問はあるか?気になることがあるなら今聞いておいた方がいいぞ?」

 

だが、全員が心のどこかで理解をしているからこそ軽々しく聞けないのだろう。

 

「・・・・・・お前らは本当に愚かな生徒たちだな。この学校のシステムは既に先月生徒会書記の立場にある橘から聞いていたはずだ。」

 

そう言って茶柱先生は手にしていた筒から白い厚手の紙を取り出し、広げた。それを黒板に貼りつけ、磁石で止める。

 

「これは1年のAからDクラスの今月支給されたクラスポイントだ。」

 

そこにはAクラスからDクラスの名前とその横に、最大4桁の数字が表示されていた。

 

Aクラス 0940

Bクラス 0650

Cクラス 0490

Dクラス 0000

 

まさかの全てのクラスが原作通りのクラスポイントだった。

最初は心のどこかで学校側のミスでポイントが振り込まれなかったと期待した生徒も少なくなかったはずだ、しかし現実を突き付けられ、再三に渡って張り出された紙を見直して違和感に気が付く生徒たちが出てくる。

 

「何故・・・・・・ここまでクラスのポイントに差があるんですか?」

 

「だんだん理解してきたか?お前たちが、何故Dクラスに選ばれたのか」

 

「俺たちがDクラスに選ばれた理由?そんなの適当なんじゃねえの?」

 

「え?普通、クラス分けってそんなもんだよね?」

 

各々、生徒たちは友人と顔を見合わせている。

 

「なんだ、お前たち聞いてなかったのか?この学校では、優秀な生徒たちの順にクラス分けされるようになっている。最も優秀な生徒はAクラスへ。ダメな生徒はDクラスへ、と。ま、大手集団塾でもよくある制度だな。つまりここDクラスは落ちこぼれが集まる最後の砦というわけだ。つまりお前たちは、最悪の不良品ということだ。実に不良品らしい結果だな」

 

そこまで言い切ると、先生は楽しそうに生徒たちの表情を眺める。

 

「しかし、1ヶ月で全てのポイントを吐き出したのは過去のDクラスでもお前たちが初めてだ。しかも過去に1度も行われていない事前説明があったにも関わらずとは、よくここまで盛大にやったもんだと逆に感心した。立派立派」

 

茶柱先生のわざとらしい拍手が教室に響く。

 

「このポイントが0である限り、僕たちはずっと0のままということですね?」

 

「ああ。このポイントは卒業までずっと継続する。だが安心しろ、寮の部屋はタダで使用できるし、食事にも無料のモノがある。死にはしない。それに、前に聞いた筈だがこの学校特有の特別試験によってクラスポイントは変動する。その結果次第ではお前たちもCクラスへの昇級も可能だ」

 

「さて、もう1つお前たちに伝えなければならない残念な知らせがある」

 

黒板に、追加されるように貼り出された一枚の紙。そこにはクラスメイト全員の名前が、ずらりと並んでいる。そして各名前の横には、またしても数字が記載されていた。

 

「先日やった小テストの結果だ。揃いも揃って粒ぞろいで、先生は嬉しいぞ。中学で一体何を勉強してきたんだ?おまえらは」

 

一部の上位を除き、殆どの生徒は60点前後の点数しか取れていない。須藤が14点、その次が池の24点だ。

「良かったな、これが本番だったら7人は退学になっていたところだ。」

 

「た、退学?どういうことですか?」

 

「この学校では中間テスト、期末テストで1科目でも赤点を取ったら即退学になることが決まっている。今回のテストで言えば、35点未満の生徒は全員対象ということになる。本当に愚かだな、お前たちは」

 

「は、はああああああ!?」

 

真っ先に驚愕の声をあげたのは、その7人に該当する池たち。

俺は42点と決して高くはないが赤点にはならなかった。

 

「ふっざけんなよ佐枝ちゃん先生!退学とか冗談じゃねえよ!」

 

「私に言われても困る。学校のルールだ、腹をくくれ」

 

「ティーチャーが言うように、このクラスには愚か者が多いようだねぇ」

 

爪を研ぎながら、足を机に乗せたままの高円寺が偉そうに微笑む。

 

それから須藤が高円寺に突っかかったが貼りだされた高円寺のテストの結果を見て驚いていた。

 

「それからもう一つ付け加えておこう。国の管理下にあるこの学校は高い進学率と就職率を誇っている。それは周知の事実だ。恐らくこのクラスの殆どの者も、目標とする進学先、就職先を持っていることだろう。が・・・・・・世の中そんな上手い話はない。お前らのような低レベルな人間がどこにでも進学、就職できるほど世の中は甘くできているわけがないだろう」

 

茶柱先生の言葉が教室に響き渡る。

 

「つまり希望の就職、進学先が叶う恩恵を受けるためには、Cクラス以上に上がる必要がある・・・・・・・・・と言うことですね?」

 

「それも違うな平田。この学校に将来の望みを叶えて貰いたければ、Aクラスに上がるしか方法は無い。それ以外の生徒には、この学校は何一つ保証することはないだろう。」

 

先生の説明により生徒たちは『聞いていない』『そんなの酷い』とそれぞれが口にしたが、茶柱先生はそれら全てを無視して続ける。

 

「浮かれていた気分は払拭されたようだな。お前らの置かれた状況の過酷さを理解出来たのなら、この長ったるいHRにも意味はあったのかもな。中間テストまでは後3週間、まぁじっくりと熟考し、退学を回避してくれ。お前らが赤点を取らずに乗り切れる方法はあると確信している。出来ることなら、実力者に相応しい振る舞いをもって挑んでくれ」

 

原作では『ちょっと強く』と表記されていたが実際にはかなり強めに扉を閉めると、茶柱先生は教室を後にした。がっくりとうな垂れる赤点組たち、いつも堂々としている須藤も、舌打ちをして俯いた。

 

少しして幸村は、自分がDクラスである事に対する不満を口にした。そんな幸村に対して落ち着かせようとした平田だが、そのまま幸村に逆ギレされて櫛田がそれを宥める。クラスの中心ではその流れで櫛田が、皆で頑張ろうとスピーチをしていた。

 

ふと、教室の窓際。その後ろの席の方を見てみると綾小路と堀北が喋っていた。原作では茶柱先生が遅刻や私語の回数を明確に提示していたが、実はあれDクラスが1ポイントでも残ってれば計算の余地はあったのだ。だからこそ大体の予測を立てたりするためにも色々メモをしていたのだろうがそこら辺を飛ばされた現状、あの二人が何を話しているかは気になる所だ。

 

おっと、そんな事を考えていたら今度は平田がスピーチをするらしい。内容としてはクラスポイントが0のまま放置はできない、出来る事から改善しようと言う簡単なものだった。そして、事前に反映されると知っていたのに意識が甘かったとも言った。平田が少し強い意味の言葉を使うのはなかなか違和感が残るがそれ程の内容でもあるという事だ。やはりと言うか、その流れで須藤が逆ギレを起こす。

事前に知ってたのにそれでも居眠りや遅刻等を繰り返していた須藤は反論の余地もなく逆ギレを更に加速させて教室から出ていってしまった。

 

その結果、クラスの大半が須藤に対する愚痴を口にしている。確かに須藤が居なければ数ポイントは残っていたかもしれないがそれでも誤差だろう。正直、原作読んでた時も思ったけど須藤を責めれるのは綾小路や堀北みたいにクラスポイントがマイナスになった要因を作らなかったやつだけだと思う。

 

·····覚悟はしてたけどしばらく山菜定食にはお世話になりそうだ。

山内とお似合いなのは?

  • 堀北鈴音
  • 櫛田桔梗
  • 軽井沢恵
  • 松下千秋
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