転生したら山内でした。   作:鴨の加茂

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再結集・赤点組

次の日、教室に着くと既に池と須藤は到着していて堀北への愚痴を言い合っていた。だが、そこで実際行動に移さないのは昨日の綾小路の『櫛田がこの話を聞いたら、お前嫌われるな。ワラ』という一言がそれ程にも効果抜群だったと言うことだろう。

放課後、櫛田から話があると連絡が来るはずだったのだが俺の所には来なかった。その代わりに、アドレスを交換した覚えの無い堀北から勉強会の要約が送られて来た。どうやら拒否権は無いらしい。

 

 

 

指定された時間よりも10分ほど早く図書室に着いたが、綾小路と櫛田以外は揃っていたので始める事になった。どうやら無事に須藤と池も呼べたようだ。そして、俺には池や須藤の様な勉強方法では無く、普通に当初堀北が行おうとしていたやり方。つまりは問題集を解きながら分からない所は綾小路に聞くという方針となった。

 

だが、少し問題もあった。正直な話をすると忘れてた。どうでも良すぎて忘れてたと言ったらいいのだろうか、Cクラスとのちょっとした言い争いの事。それに、こっちはどうでもいい訳では無いがテスト範囲のことだ。

 

「おい、ちょっとは静かにしろよ。ぎゃーぎゃーうるせぇな」

 

隣で勉強していた生徒の1人が顔をあげた。個人的には同じ学校の生徒とは言っても少しは初対面の相手への言葉遣いがあるんじゃないかと思ったが、そもそも騒いでたのは池や須藤の方だ。どちらが悪いといった話になれば向こうに分があるだろう。

 

だが、池がそんな事を考えるわけも無い。

 

「悪い悪い。ちょっと騒ぎ過ぎた。問題が解けて嬉しくってさ〜。帰納法を考えた人物はフランシス・ベーコンだぜ?覚えておいて損はないからな〜」

 

池はへらへらと笑いながら、そう言う。

 

「あ?・・・・・・お前ら、ひょっとしてDクラスの生徒か?」

 

隣の男子たちが一斉に顔をあげ、オレたちを見回す。その様子が癪に障ったのか須藤が半ばキレて口調を強張らせた。

 

「なんだお前ら。俺たちがDクラスだから何だってんだよ。文句あんのか?」

「いやいや、別に文句はねえよ。俺はCクラスの山脇だ。よろしくな」

 

ニヤニヤと笑いながら、オレたちを見回す山脇。『山の内』と『山の脇』で仲良くはしてくれないのだろうかとくだらない事を考えている間にも暴力問題に発展しそうな状況になってる。

 

「お、おいおい、暴力振るう気か?マイナス食らうぞ?いいのか?」

 

おいおい?それはこっちのセリフだ。この学校でもそこそこ重要な他クラスのクラスポイントを覚えれてないなんて山脇君は相当お疲れのようだ。

 

「減るポイントなんて持ってねーんだよ!」

 

そうして、須藤が大きく振り被った。だが、俺は須藤達の方ではなく綾小路の方を向いた。素人の俺が見た所で何も分からないが、きっと今の綾小路は的確に、須藤を止められるギリギリで予備動作をしたのだろう。だが、これまた綾小路の物凄い反射神経でその予備動作は無かった事になったのだろう。録画でもして堀北生徒会長に実況してもらえばよかった。

 

「はい、ストップストップ!」

「んだ、テメェは、部外者が口出すなよ」

「部外者?この図書館を利用させてもらってる生徒の1人として、騒ぎを見過ごすわけにはいかないの。もし、どうしても暴力沙汰を起こしたいなら、外でやってもらえる?」

 

ただの正論。流石一之瀬だな。

 

そのまま、Cクラスの生徒も一之瀬が出てきた事により、悪役の下っ端が逃げる時みたいな捨て台詞を吐いて図書室を後にした。その後、山脇君の惜しげも無い情報提供の元、堀北達は茶柱先生の元へ向かうと言っていた。だが、俺は知っている。そう、こんな状態で1人別行動をとる方法を!

 

「僕ちょっとトイレー」

 

「山内・・・。どうしたんだ?」

 

どうやら、池と須藤は櫛田とのお喋りに夢中、堀北は何か考え込んでたらしく綾小路にしか聞こえなかったらしい。だが頼む、綾小路。そんな、可哀想な人を見る目で俺を見ないでくれ。

 

「わ、悪ぃ。ちょっとトイレ行ってくるから先いってて欲しいなーって」

 

「ああ、堀北達には伝えとく。」

 

そうして、俺は一旦トイレに行った後、図書室へと戻った。既に堀北達は既に職員室へ行ったらしく、もう居なかったので俺も職員室へ向かおう。

 

「失礼します。茶柱センセーいますか?」

「ああ、いるぞ。入ってこい」

 

そう言われて入らない訳にもいかない。俺はそっと扉を閉めて茶柱先生の元へ行く。

 

「山内、さっき堀北達が来たが同じ要件なら帰ってもらうぞ。私も忙しいのでな」

「すみません、ここだと話しにくいのでどこかいい場所って無いですかね?」

 

俺がそう言うと、何となく星之宮先生の視線を感じ取ったのかそのまま指導室に案内された。

 

「ここなら大丈夫だろう、それで一体どんな要件だ?」

「先生。1つ、次のテストに関してお願いがあります。」

 

流れでお願いの内容を言おうとしたが遮られた。

 

「それは、私の生徒としてのお願いか?それともこの学校の生徒としてのお願いなのか?」

「それは・・・。」

 

正直、違いを理解するのに少し時間がかかったが結果的には俺の答えは問題無かったのだろう。俺は先生にお願いして、相手の許可があれば可能だと言質を取れた。

 

 

「レイモンド・チャンドラーか」

 

ふと、指導室を出る直前に茶柱先生が呟いた。

 

「俺が持ってると不思議です?」

「いや悪い、お前が本を読む印象は無かったからな」

「たまたま、さっき図書室で面白そうだなと思って借りたんですよ。」

 

そこで、ある物が目に入った。

 

「あ、もう昼休み終わっちゃうのでこれで失礼します。」

 

指導室から出て職員室の時計が目に入ったが、今から教室まで急いでもかなりギリギリな時間だったのだ。

 

その後、ギリギリで授業に遅れた俺は池と須藤から大声で『大便か?』と笑われたのは、また別の話だ。

山内のヒロインと言ったら?

  • 長谷部 波瑠加
  • 佐倉 愛理
  • 佐藤 麻耶
  • 王美雨
  • 篠原 さつき
  • 綾小路 清隆
  • 他クラスのまだ出てない誰か!
  • 来年入学する人達の誰か!
  • 先輩達の中の誰か!
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