ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
前回、吸血鬼侍ちゃん死亡確認!したところから再開です。
通常プレイだったら当然リセ案件ですが、吸血鬼PCプレイですのでまだまだ続きますよー。
崩れ去った吸血鬼侍ちゃんの姿に泣き崩れてしまう女神官ちゃんと、呆然とそれを眺めている銀等級の面々……蜥蜴僧侶さんだけやっぱりな♂って顔をしてるあたり察しが良いですね!
「あ、ああ……わたし、どうしたら……ッ」
ようやく広間の反対側から駆け寄ってきた女魔法使いちゃんが到着しました。目の前で起きたことを涙ながらに伝える女神官ちゃんと、味わい深い表情でそれを眺める女魔法使いちゃん。あんまり時間をかけると帰りが遅くなっちゃうのでそろそろネタバレをお願いします!
「あー、うん。今呼び出すからそろそろ泣き止みなさい」
そう女神官ちゃんに告げ、胸の谷間からロケットを取り出す女魔法使いちゃん。蓋を開け、油紙に包まれた何かを取り出すとそれを地面に撒き始めました。お、アイコンが出ましたので早速リスポーンしましょう!
地面に撒かれたそれは魔力を放出し始め、次第に小さな人型を形作っていく……。
魔力の高まりが頂点に達し、黒い輝きが皆の視界を一瞬奪いとる。
視界が戻った先には、傷一つない、オーガと相対する前とおなじ半吸血鬼侍の姿があった……。
はい、皆様お察しの通り、予め女魔法使いちゃんに【邪な土】を持っててもらいました。
1日1回、負傷数が生命力を超えた際に発動し、生死判定を行わずに一時撤退。後に予め指定しておいた【邪な土】を起点に復活するというインチキ能力です。自分で持ち歩いてても良かったんですが、パーティ分断が発生した時なんかに自害ワープが可能なので他の人に持ってもらうほうがメリットが大きいでしょう。ぺたんと女の子座りのままこちらを呆然と見ている女神官ちゃんに手を差し伸べて起こしてあげましょうねー。
認めよう、君の力を。今この瞬間から、君は
滅茶苦茶ポカポカされました。解せぬ。
「んでちっこいの。結局あんたは何者なわけ?」
散々ウメボシぐりぐりをかました後に問い詰めてくる
(少女?説明中……)
とりあえず、剣の乙女との誓約の下でずっと裏仕事をしていて、最近ようやっと年季が明けたから夢だった冒険者になったことは伝わったようです。「死の迷宮」関連の話は中々信じてもらえないようですね。まぁ仕方ありません。ん、どうしました鉱人道士さん。その刀を見せてくれ? どうぞどうぞ、迷宮内で拾った愛刀です。え、蜥蜴僧侶さん、心臓くれないかですか? あ、明日以降なら(震え声)。
「あ、あの、本当に
どうしたの吸血鬼殺しちゃん? 冗談です泣かないで謝るから、ごめんて。やっぱり血は吸うのかって? まぁ生きていくのに必要だからね。あ、でも誰彼構わず吸ったりはしないよ? 剣の乙女との誓約もあるし、むやみに眷属を作ってもお互いにとって不幸になっちゃうし。
ほんとはギルドに献血募集の依頼を出すつもりだったんだけど、女魔法使いちゃんが協力してくれてるから今は他の人からは吸ってないよ。もちろん健康に支障が出ないぶんしかもらってないからね。
女神官ちゃんを筆頭に神職に携わる人にはなかなか受け入れてもらうのは難しいですよね。コツコツと貢献度を稼いでじっくり取り組みましょう。
もういいんですか鉱人道士さん? えへへーいい刀でしょう? ここ10年その刀か素手で首斬りしてましたから。あ、そうだ。あっちに転がってるオーガがマジックアイテムっぽいもの持ってたんですが、鉱人道士さんだったらわかりません? Moxなんちゃらとかいうアーティファクトだと思うんですが(名推理)。
「ほほう、こりゃなかなかの代物じゃ! 中心に据えてある
やっぱり! 全
Mox Tantaliteじゃないですかやだー!
よくもだましたアアアア!!
だましてくれたなアアアアア!!
わかってましたよこんな序盤にパワー9が出るわきゃないって! でも期待しちゃうじゃないですか! オーガだってJetって言ってたやん! え、鑑定に失敗してただけ? そんなー。
はい、残念ながら希望の品ではありませんでしたが、
「お前が倒した。好きにしろ」
えっいいんですか(トゥンク…)。とはいえ真言呪文が使えるのは吸血鬼侍ちゃんと女魔法使いちゃんだけですし、せっかくだから女魔法使いちゃんにあげましょう。吸血鬼侍ちゃんは呪文無しでもやることがありますし、後衛の呪文回数が増えるのは大事ですからね。なお吸血鬼侍ちゃんが持って分身すると実質2回分増えるとか言ってはいけない(戒め)。
さて、オーガの討伐の証として角でも回収しておきましょうか。それが終わったら街へ帰りましょう! とりあえず竜牙兵くんと森人冒険者さんに同行してた分身ちゃんを呼び戻して……あ。
……本体が死亡したから分身が消えてますねそういえば。
やばい、無事に辿り着けてるかなぁ。こっちの操作が忙しくてオートで放置してたから最後どうなってたかわからない……。オーガ戦開始時には既に別動隊との戦闘に突入してたので、女神官ちゃんにとどめを刺されるまでに倒せていればいいんですが……。
集落から調査隊としてやって来た
流石にお疲れなのか吸血鬼侍ちゃんもウトウトしちゃってますね。隣で寝こけている妖精弓手ちゃんの胸元に倒れこんだ後に、クッションが足りなかったのか反対隣の女魔法使いちゃんのお山にダイブしています。女魔法使いちゃんもそれをどけることなく眠ってしまってます。ゴブスレさんだけは起きてるようですが、流石にちょっと辛そうですね……。みんなお疲れ様でした。
恥ずかしながら帰ってまいりました(挨拶)。流石に馬車では疲れが抜けにくいのでお疲れ顔ですが、無事に辺境の街へ到着しました。ギルドでは受付嬢さんがゴブスレさんの無事を顔に出さないよう努力してるけどバレバレな表情で迎えています。ゴブスレさんが依頼の報告、他はテーブルでぐったり状態です。お、監督官さんが暇そうですね。今のうちに
「あ、あらお帰りなさい、なにか御用ですか?」
うむむ、初顔合わせの際に受付嬢さんからの相談を受けた時からなんだか挙動不審なんですよね監督官さん。まぁいいか、実は冒険記録用紙に間違いがあったので訂正したいんですけどー。
「間違いですか? できればもう少し早めに気付いて貰いたかったんですけど……。でも白磁の間で良かったです、等級が上がってからの訂正は支部長の承認が必要になりますから」
そう言いながらも水の都で作成(されてた)冒険記録用紙を持ってきてくれました。すいませんすぐに直しますから。さらさらさらーポン(訂正印)。
訂正前
>◆名前:半吸血鬼侍
>◆経験:従軍経験あり(名誉除隊)
>◆特記事項:吸血頻度は極稀 必要な場合はギルドに依頼として出す旨本人に通達済み
訂正後
>◆名前:半吸血鬼侍
>◆経験:従軍経験あり(名誉除隊休職中 時間外残業あり)
>◆特記事項:①吸血頻度は極稀 必要な場合はギルドに依頼として出す旨本人に通達済み
> ②
ヨシ! 書けたのでお返ししましょう。次からは間違えないようにしますねー。
ドン引きされました。今回はしょうがないよね。
「とりあえず近日中に緊急の査問会を執り行うので、逃げないで待ってろ!」というお達しをうっすいオブラートに包んで投げつけられました。依頼を受けるのも禁止されちゃったので、暫くはリフレッシュ休暇としゃれこみましょうか。え、
別室送りから3日目の朝です。面会も許されていないので非常に暇です。アルティーエの加護持つ走者であれば時空魔法クッキー☆に頼るのでしょうが、吸血鬼侍ちゃんの呪文リストには残念ながら入ってません。村正もあの後ギルド内武具店のじいじに手入れをお願いしてるので手元を離れている状態です。刀身を見て驚いている様子でしたが、研ぎに関してはしっかり請け負ってくれました。
とはいえ流石にそろそろ暇を持て余して……お、受付嬢さんが来ました。どうやら査問会の準備が整ったようです。早速会場へ案内してもらいましょう。イクゾー。
査問会場は窓の無いこぢんまりとした部屋です。中には監督官さんと支部長、それに……槍使いニキです! 形式は昇級試験の面接に似てますねー。あ、この部屋薄い壁で仕切られて隣に人が隠れられるようになってます。槍ニキがいるということは、多分魔女おねーさんが待機していそうですね……。
「それでは査問会を始めたいと思います。この場においては≪看破≫が使用されることを予めお伝えしておきます。偽証が発覚した場合には相応の処置が執られることをご理解下さい」
オッス!お願いしまーす!
(少女?説明中……)
結論からいいますと、黒曜級に昇進しました。
監督官さんですが、なんと受付嬢さんから相談された日、つまり最初の日ですが、あの後すぐに水の都のギルドと至高神の神殿に吸血鬼侍ちゃんの詳細な情報を求める手紙を出していたそうです。すぐに返信が届いたそうですが、両方からの返信に同じ一言が各々の最高責任者の署名とともに書かれていたそうです。
流石にヤベェ件に首を突っ込んだと思って、その後は支部全体でスルーすることで暫しの安寧を得ていたのですが、吸血鬼侍ちゃんがぶっぱしたせいで査問会を開かなくてはいけなくなってしまったそうです。いざ査問会を行えば吸血鬼侍ちゃんの口から出る言葉に嘘が微塵もなかったため、知りたくもなかった真実がギルド(と槍ニキと魔女おねーさん)に直撃したという顛末でした。
あのぶっぱがなければこのままなぁなぁで押し通す予定だったのにー!と、監督官さんにガン泣きされてしまいました。本当に申し訳ない。1日の≪看破≫使用回数すべてを使っての査問会だったので、余った効果時間で吸血に関しての取り決めや剣の乙女との定期的な報告についても約束させられちゃいました。
立会人として呼ばれていた槍ニキも、いざという時には吸血鬼侍ちゃんを制圧するよう依頼を受けていたそうです。魔女おねーさんも謝りながら隠し部屋から出てきてくれました。吸血鬼侍ちゃんのことは信用できなくても、監督官さんの≪看破≫は信頼してあげてください!
そして最後に、今までのゴブリン退治と今回の遺跡でのオーガジェネラル討伐の功績を以て黒曜級への昇進が通達されました。この査問会終了後に女神官ちゃん、女魔法使いちゃんと合わせて新しい認識票を渡してくれるそうです。
2人は昨日昇進審査を終えていたのですが、吸血鬼侍ちゃんに関しての質問に「嘘をつきたくないから答えられない」と言っていたため今日まで保留だったそうです。天使かな?結婚しよ。
「おっそーい! いつまで待たせるのよ!」
別室から荷物を回収し、ギルド1Fへ降りたら同志耳長ちっこいのの声が聞こえてきました。
みんな待っていてくれたんですね! 白磁3人が揃ったところで受付嬢さんの呼ぶ声。その手には艶のある黒色の登録票が乗せられています。首から下げていた白磁のそれと交換し、これで晴れて黒曜等級冒険者です!
お祝いよー!と騒ぐ同志耳長ちっこいのの音頭でパーティが開催される運びになりましたが、夕方から始めるとのことなので一言断りを入れて宿に戻ることにしました。湯で身体は拭いていましたが、流石に入浴して着替えてから参加するのがレディの嗜みというやつでしょう。
ん、どうしたの女魔法使いちゃん。吸血鬼侍ちゃんに会いたいっていう人が昨日から宿で待ってる? わざわざ会いに来る知り合いなんていましたかね……。会えばわかるって? じゃあ早く戻りましょうか。
別室送りの間ベッドが空いていたので、吸血鬼侍ちゃんのベッドを使っていたそうです。女魔法使いちゃんが同室を許すってことは女性ですかね? 全く想像がつかないにゃあ……。
歩くこと10分ちょい、数日振りに帰ってきた
「やぁおかえり、待ってたよ。随分絞られたみたいだね。それに昇進したんだ、おめでとう」
……なんで森人冒険者さんがいらっしゃるんです???
サンタさんを探しに行くので失踪します。