ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
前回、ベッドの上にいる森人冒険者さんと再会したところからスタートです。
ええと、無事に集落まで辿り着けていたんですね、良かった。けど、どうして
「なに、≪
どうやら遺跡の調査報告のために支部を訪れた森人さんに同行してここまで来たみたいですね。んで頼みたいことってなんでしょう? 全肯定公太郎ばりに言うこと聞いてくれますよ今の吸血鬼侍ちゃんなら。
「難しい話じゃないよ。私を君たちの一党に加えてもらいたいんだ」
ほうほう……え? 一党っていっても、本来は白磁…じゃなかった、黒曜2人の一党で、銀等級の皆さんや女神官ちゃんは臨時ですよ?
「ああ、そのあたりは既に昨日
話を聞いてみると、先日の件で所属していた一党は全滅してしまったので、新たな所属先を探しているみたいです。一党の生き残りという立場とゴブリンに凌辱されたという風聞は次の所属を探すのに辛いでしょうね……。ベッドの上で吸血鬼侍ちゃんを抱きかかえて話を聞いている女魔法使いちゃんも遣り切れない表情を浮かべています。
一党に加えてあげたいのはやまやまなんですが、身バレのことを考えるとあまり一党の人数を増やすのは望ましくないんですよね。今回は偶々巡り合わせが良かった(監督官さんの胃が死んだ)だけで、一歩間違えればお尋ね者コースまっしぐらですし。女魔法使いちゃんもそれを考慮しているのか答えあぐねています……。
「ああ、君の特殊な事情については分身君から聞いているよ。その心配はいらないからね」
そんな様子を察したのか、森人冒険者さんはおもむろに首に巻いていた包帯を解き始めて……
って噛み跡ォ!? 分身ちゃん吸血しちゃったの!?
「ゴブリン共を皆殺しにした後、私の傷を癒しながら話してくれたのさ。この先もゴブリンを殺し続けたいのなら、力を貸してほしい。君の血が必要だってね」
吸った後に傷を消そうとして
「ダメかな? やっぱりゴブリン共に嬲られた、穢れた身体なんて嫌に決まっ……んくぅ!?」
女魔法使いちゃんの抱っこからするりと抜け出し、言わせねぇよとばかりに噛み跡に
遺跡に行く前から吸ってないんだから、せっかくだしそのままご馳走になりなさいという女魔法使いちゃんの後押しもあって、ゆっくりと血を吸い始める吸血鬼侍ちゃん。ワイングラス半分ほどの量を吸ったところで口を離し、噛み跡に残る血を舐めとった後≪小癒≫をかけて傷を消しています。ってなに引っ張ってるんです女魔法使いちゃん? こっちからも吸え、どうせいつも必要ギリギリなぶんしか吸ってないんでしょうに? おおう、バレてました。
女魔法使いちゃんに正面から抱き着く体勢で首筋に顔を埋める吸血鬼侍ちゃんと、その後頭部を撫でながら頬を紅潮させている女魔法使いちゃん。うーんえっちですね! 吸血はそういう行為のメタファーだって古事記にもそう書かれている。それを眺めながらニヨニヨしてるあたり森人冒険者さんもそっちのケがあるんですかねぇ。おまえも今日から当事者になるんだよぉ!
十分な量、といってもグラス1杯分ほどですが、普段より多く吸血したおかげで吸血鬼侍ちゃんの状態も非常に良くなりました! 肌と髪のツヤも増して健康そうです。健康なアンデッドってなんだろう(哲学)。
そういえば森人冒険者さんの等級とかってどうなんでしょう? 宴の時間まではまだありますので聞いてみましょうか。
>じゃあ、まず年齢と等級を等級を教えてくれるかな?
「ふふ、なんだか気恥ずかしいね。240歳、青玉等級だよ」
>青玉! 2人より二等級上ですねぇ。冒険者としての活動は長いのかな?
「いや、元々森を荒らす獣やゴブリンを駆除する猟師をしていたんだ。冒険者になって依頼として引き受けると報酬が出るからそのために登録したんだよ」
>なるほど、では冒険者としては野伏や斥候が主な役割だったんですか?
「そうだね、偵察や追跡、それに前線での的散らしが主な仕事
>……すみません。まだ時間も経っていないのに。
「かまわないよ。冒険者である以上、いつどんな時にどうなるかは骰子の出目次第だからね」
>ありがとうございます。他に何かセールスポイントはありますか?
「ああ、ちょっとした隠し種がひとつ。これは口で説明するより見てもらったほうが分かりやすいから、機会があったら教えよう」
>わかりました。森人冒険者さんから言っておきたいことなどはありますか?
「そうだね、登録上は『森人狩人』になってるので、そちらで読んでもらえると助かるかな。それと、次から血を吸うときはこっちで頼むよ(お山を指差しながら)」
というわけで、森人冒険者改め森人狩人さんの自己紹介でした。女魔法使いちゃんより小振りですがそれでも自己主張する胸部装甲と森人特有の優美な容姿。方向性は違えど女魔法使いちゃんに負けず劣らずえっちですね。あ、胸元で吸血するのは痛点の少なさからいってもアリな選択肢ですし、本来は胸元から吸うのがデフォで映像化する際に映えなかったから首筋になったという話もあるそうですよ(蛇足)。
自前の装備は全て喪失してしまい、登録票はゴブリンに壊されてしまったので、昨日ギルドに再発行の申請を出したそうです。再発行されればギルドの口座から貯えを引き出せるので、それまでは居候させて欲しいとのこと。
それならばと女魔法使いちゃんに目配せして、依頼とオーガ討伐の報酬が詰まった吸血鬼侍ちゃんの金貨袋を渡しちゃいましょう。え、いいのかって? 吸血鬼侍ちゃんお金使わないですし、装備の更新もないですからねぇ。というより更新しようとするとまるで足りないというか……。
なのでこれで装備一式を買い直して、あと栄養のある食事をしっかり取ること! 奇跡だけじゃ弱った身体を戻すのに時間がかかりますし、森人狩人さんに健康になってもらわないと吸血鬼侍ちゃんのごはんが美味しくならないんですから。
「食べられるのは私のほうなのに、不思議だね、今とても君を食べてしまいたい気分だよ……」
話の途中だがそろそろお風呂の時間だ! これは撤退ではない、後退的前進だ!
吸血鬼侍ちゃんは逃げ出した! しかしまわりこまれた!
この後2人がかりで滅茶苦茶キレイキレイされました(天丼)。
時刻は夕方、ギルド内の酒場に人が集まってきました。女神官ちゃんに引っ張ってこられたのか流石に今日はお疲れなのか、ゴブスレさんも来ていますね。お風呂に入った筈なのに、何故かしわしわになってる吸血鬼侍ちゃんとツヤツヤになってる女魔法使いちゃんと森人狩人さん。ナニがあったんですかね(意味深)。
森人狩人さんは昨日既に面通しが終わっているからでしょうか、銀等級の面々とも普通に話しています。流石に妖精弓手ちゃんには若干及び腰ですが、あんなのでも森人の超VIPですからね。今がきっと彼女の株価最高値でしょう(あとは下がるだけ)。
「それじゃ、冒険の成功と新人の昇進を祝して、カンパーイ!」
妖精弓手ちゃんが音頭を取って宴が始まりました。ゴブスレさん・妖精弓手ちゃん・蜥蜴僧侶さんは麦酒、鉱人道士さんと森人狩人さんは火酒、女神官ちゃんと女魔法使いちゃんはちょっと奮発して白葡萄酒ですか。吸血鬼侍ちゃんは……。
「ちょっと何それ? 野菜の絞り汁に火酒入れてるの?」
厨房からトマトジュースを貰って、そこに鉱人道士さんから分けてもらった火酒を注いでいる吸血鬼侍ちゃん。所謂ブラッディ・マリーですね! もちろん名前は違いますが。
血のように赤いそれをゆっくりと飲む吸血鬼侍ちゃん。卓上の調味料を加えながら好みの味に調節してますね。お、満足したようです。笑みを浮かべてますね。
「私にも一口貰えるかな? ……うん、飲みやすくなってるね。この飲み方は好みかも」
火酒をストレートで空けてる森人狩人さんも気に入ったようですね。揚げ鶏や黒麺麭を摘まみながら自分でも作り始めています。蜥蜴僧侶さんは揚げ芋に溶けたチーズをかけた物を口に運んでは「甘露!」。黒曜2人娘はお肉タップリの贅沢シチューに麺麭を浸して食べてます。あ!ゴブスレさんいけません!揚げ芋に檸檬をかける時は小皿に取り分けてから! じゃないと「なに勝手に絞ってんのよオルクボルグ!」遅かった……。兜越しに「(檸檬をかけては)いかんのか」と言ってるゴブスレさん、実は結構酔ってますよね? あーもうめちゃくちゃだよ(嘆息)。
「よぉ、お前さんが半吸血鬼……じゃなかった吸血鬼侍の嬢ちゃんだろ?」
宴もたけなわ、黒曜2人娘がウトウトし始めたころ吸血鬼侍ちゃんに声をかけてくる人が。この大きくて黒いシルエットは【辺境最高】の重戦士さんですね。新米カップルの面倒を見ている後進の育成にも熱心な冒険者です。片手にジョッキを持っているあたり、一党で飲んでる最中にこちらへ声をかけてきたんでしょうか。
どうも重戦士パイセン、新米カップルちゃんたちとはよくさせていただいてます。え、新米カップルが吸血鬼ってことに尻込みして吸血鬼侍ちゃんに声をかけ辛くなってるって? 安全かどうか試したいから俺の血を吸ってみろ? どうしましょう、周りを見渡してみますが……ダメですね、悪い酔っ払いしかいません。どいつもこいつも「イッキ!イッキ!」という酒神の祭祀用語を連呼しています。
そういえばまだ男性から吸血したことがありませんでしたね。吸血鬼侍ちゃんの安全性を皆に周知する意味を込めてちょっといただきましょう。ちゅー。
「んあ、思ったほど痛くねぇな。むしろなんかくすぐった……ッツ!?」
おや、なにか様子が……。
「お、おおおおおおおおおおおおおおおう!?」
あわてて口を離す吸血鬼侍ちゃん。重戦士さんは必死に何かを耐えているような表情をしています。
「どうしたんじゃ重戦士の、そんな血相を変えて。なんか身体に異常でも出たんかの?」
「……ヤベェ、吸われてただけなのに危うくイっちまうとこだった……」
その場にいた全員の視線が重戦士さんの下半身に突き刺さりました。
あー、吸血鬼が血を吸うときって、獲物が暴れないように痛みではなく快楽を与えるって話があったような。吸血鬼侍ちゃんは女の子なので、必然的に男性が快楽を味わうことに……。
酒場の男性諸君の視線が吸血鬼侍ちゃんに向けられてます。やべぇよやべぇよ(焦り)。
「ええい男ども散れ!散れ!吸ってもらいたきゃ金払え!!」
一気に酔いが醒めたのか、妖精弓手ちゃんが男性冒険者を蹴散らしてくれます。でもその言い方だと金を払えば吸ってくれると思われる気がするんですが(名推理)。
あれ、なんか両肩に重みが。どうしたんですか女魔法使いちゃんに森人狩人さん、そんな怖い顔して。そろそろお暇して宿に戻る? まぁぐだぐだになってきたのでそうしましょうか。先輩方お疲れ様でーす!
ふー、やっと部屋に戻ってきました。そういえば3人になったので部屋を変更してもらうよう宿主さんに言っておかないとですね。え、不要? まぁ今のままのほうが部屋代が安く済みますからいいですけど、ちょっと狭くありません? いいから早く≪分身≫出せって? まぁ今日は呪文使ってないんで大丈夫ですけど(詠唱)。はい、出しましたよ。
ちょっとなんでそんなにじり寄ってくるんです? 「今日は私が本体を貰おうかな」「じゃあ私が分身ちゃんね」今日
あの、話を聞いて……「それじゃあお互い」「満喫しましょうね」誰か助けて……タスケテ……。
翌日、女性の欲求について魔女パイセンに相談している吸血鬼侍ちゃんと、それを見て鼻を抑える監督官さんの姿が目撃されたとかしないとか。
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
小話を書くために妄想に空気を入れて膨らませるので失踪します。