ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
雪、積もってたよ……(過去形)なので初投稿です。
ふぃ~……。皆さんの協力もあって、なんとか終わりが見えて来ましたねぇ。
お、新
視聴神さんたちも期待してますし、あなたらしくのびのびとやれば大丈夫ですって!
……それにほら、老害っぽくてあんまり大きな声では言えませんけど、
いくら
……おっと、実況神さんがマイクを持ってきましたね! それじゃ新
――それでは皆様、最後の組となりましたボス部屋突撃チームの実況を始めさせていただきます。実況は私、最近
さて、各組とも様々なイベントを消化し絆を深めあったり経験値を獲得したりと大盛り上がりだったけど、
「せぇい!」
「グワー!?」
「とりゃあ!!」
「グワー!?」
>「とおぉ~う」
「グワー!?」
「たあぁ~!」
「チッパイロリエルフママカワイイヤッター!!」
「う、うおりゃ~!?」
「オドオドケイメカクレネクロマンサーカワイイヤッター!!」
「へ、変態だ~!?」
……ふむ、ちょうど最後の拠点を護っていた
「……いまいち納得しかねるのですが、これで≪転移≫の邪魔をしていた拠点は全て落としたのです。みんな、お疲れ様なのです」
「では、補給をした後に首謀者の隠れ潜む場所へ一気に攻め入るわけでございますね」
「そうだね! あ~おなかすいた~!!」
「うむ、腹が減っては何とやら。戦の前の腹ごしらえだな」
更地と化した拠点跡に敷物を広げ、回復用の
>「んしょ、んしょ……」
「師匠、これ何に使うんです? 死霊術の触媒にするには穢れ過ぎていると思うんだけど……」
>「んとね、いまはまだないしょ。こんどみんなのまえでみせてあげるね!」
バラバラに散らばった
>「うめ、うめ、うめ……」
「あ、薄味だけど結構いけるんだね」
「でしょ~! あ、これ振りかけるともっと美味しくなるよ!!」
「量は多いですがしっかり食べるのです。『備えあれば
毒、病気、呪い、麻痺、睡眠、石化、精神作用、能力値ダメージ、能力値吸収、そして即死……相手が使用してくるであろう嫌がらせに
「――というわけで、序盤は2人に攻撃を任せ、形態移行した後に一気に畳みかけるのです」
「りょ~かい! 任せてよ!!」
「ふむ、では私はいつも通り後衛の護衛だな」
頑張るぞー!と気炎を上げる勇者ちゃんの隣で普段通り涼やかな佇まいの剣聖さん。賢者ちゃんを含め3人に気負った様子は無く、自然体なまま最高のパフォーマンスが発揮出来る状態を維持しているようだね。
>「は~い……んちゅ……ちう……」
「ふふ……主さま、そろそろおしまいでございます。それにしても、此度の支援者は随分と気前の良い方でございますね」
「そ、そうだね。≪転移≫の
一方でこちらもある意味通常運転の子たち。若草知恵者ちゃんのちっちゃいけど愛情がギュッと詰まったお山に顔を寄せ、ちゅーちゅーと生命の雫を分けて貰っている吸血鬼君主ちゃん。赤ちゃんのように乳輪ごと口いっぱいに頬張り唇と舌で吸い上げるのではなく、乳頭だけを優しく口にして啄むように吸っているみたいだね。愛する主さまの後頭部に手を添え、授乳の補助をしている若草知恵者ちゃんの慈愛に満ちた表情に目を奪われていた妖術師さんだったけど、彼女の言葉で我に返り、
「今回のように厄介な手合いが相手の場合、大抵そこかしこで恨みを買っていたりその台頭を良く思っていない存在がいるのです。わざわざ
「えっと、それはどっちの意味で?」
「勿論、両方の意味なのです」
いやぁそんなに褒められたら照れてしまうよ。『
>「……ぷぁ。ごちそうさま、これでじゅんびばんたん!」
「では≪転移≫の門を開くのです。
「じゃあみんな、いっくよ~!!」
>「とっつげ~き!!」
霧がかった門の向こうは見通すことが出来ないけれど、それで立ち止まるような一行では無いわけで。斬り込み役である2人が真っ先に飛び込み、後を追うように続く術者たち。最後に剣聖さんが門へと突っ込んだところで、クライマックスの舞台へ視点を切り替えていこう!!
――≪転移≫の門を抜けた先は広大な異空間。生物の体内を想起させる脈動する肉壁と噴き出る腐汁、そして空間全体に響き渡る囚われし魂たちの苦悶の声。おそらく廃都市の墓所はここをイメージして構築されたんだろうね。対応策を講じていなければ生者は2秒で昏倒してしまうような悪環境の中で、
「来たか、勇者を名乗る墓荒らし共め……!」
「来たよ、物語を『めでたしめでたし』で終わらせる為に!!」
一行を見下ろすように立ち上がる人影。骨だけの姿を闇の衣で覆い隠し、ローブから覗く左手には
「思っていたよりも人数が多いな。力不足を痛感して有象無象を増やしたのか? 無駄なことを……」
「まったく、
まずは軽いジャブの応酬。彼からすれば『勇者』とその
「まぁ良い。誰も彼も我が前では
「それは此方の台詞だ。貴様は四方世界に湧き出る世界の危機のひとつに過ぎず、これまでのように、そしてこれからのようにただ無為に消えていくだけだ」
「その通り! あ、世界の半分とか言われても頷かないからね? この世界はお前のものなんかじゃないもんね!!」
生命を軽んずる彼の台詞に溜息を吐き、一行に共通する本心を吐露する剣聖さん。彼女の言う通り、
>「そのてにつけてるやつ、ひょっとしてネクロディスクのつもり? ぜんぜんにあってないよ?」
「貴っ様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
最高にクールな煽りをかまし、彼をブチキレさせることに成功した吸血鬼君主ちゃん。「
「雑魚と捨て置いていれば調子に乗りおって!! 輪廻の輪に戻ること敵わず、この閉じた世界で永劫の苦痛にもがき苦しむがいい!!」
彼の怒号に呼応するように出現した無数の触手。人間の胴回りを超える太さのそれが一斉に卑猥な鎌首をもたげたところで戦闘開始だ!!
「屑どもが、我が魔術の前にひれ伏すが良い!!」
火と氷、風の刃と巨岩の礫、あらゆるものを焼き尽くす無尽の光と全てを飲み込む無限の闇。矢継ぎ早に繰り出される
>「あばれんな、あばれんなよ……!」
「なにそれ、変な言い回しだなぁ……っしゃい!!」
「
のたうち回る触手を吸血鬼君主ちゃんが引き受け、勇者ちゃんがその手に握る愛剣を一閃! 呪文の詠唱を中断し杖で受け止めた彼が忌々し気に叫ぶ声をさらりと聞き流しながら連撃を繰り出しているね。そこに触手を始末した吸血鬼君主ちゃんも加わり、ヒヒイロカネの輝く軌跡を描きながら呪文を唱えさせないよう攻め続けているけど……。
「ええい鬱陶しい! 吹き飛べ蛮族共!!」
彼を中心に発生した負の魔力の爆発によって
「≪
「うげ、せっかくかけてもらった
>「ぜんぶきえちゃった……」
「あらゆる魔術の効果を消し去る魔術の真髄、失われし叡智の恐ろしさを知るが良い!」
指先から迸った凍てつく波動によって
「まずは1人。呆気ないものだな、
「……この子に何をした?」
「フン、その身に似合いの
1つの生命を握りつぶしたことになんの感慨も浮かばないとばかりに笑う彼、しかしそんな余裕は勇者ちゃんの言葉によってあっけなく崩れ去ってしまうわけで……。
「なぁんだ、じゃあなんの心配もいらないね!」
>「と~ぜん! しんぞうなんて、もとからうごいてないもんね!!」
「んなっ!?」
滑るように接近してくる勇者ちゃんの影から何事も無かったかのように姿を現し、触れ合うような距離まで接近してきた吸血鬼君主ちゃんに驚愕の顔を向ける彼。その怯みは致命的であり、繰り出された二刀の斬撃によって跡形も無く消え去る羽目になったのは当然の代償と言えるだろうね。
「お、のれぇぇぇぇぇ……ッ!?」
恨みがましい声を残して消滅した彼に釣られるように、動きを止める触手と骨の壁。しかしそれに油断することも無く、警戒を解かずにいる一行に業を煮やし、再び彼の声が醜悪な空間に響いて来たね……!
「少しでも可愛げというものを見せたら楽に死なせてやったというのに……」
「いいからさっさと出てくるのです。もったいぶったところで結末は変わらないのです」
「……フン、くだらぬ挑発に乗ってやるとするか!」
嘲りまじりの賢者ちゃんの挑発に応えるように姿を現した彼の威容……肉膜を突き破って現れた金輪を持つ左右の手が勇者ちゃんと吸血鬼君主ちゃんを握りしめ、ズルリと這い出て来た上半身は拘束された2人が盤上遊戯の駒にしか見えない程の大きさ。巨大な王冠を戴いたあの姿が、彼……
「よくぞ我が真なる姿の存在に辿り着いた。称賛をくれてやろう」
「結構。お前のような存在が何の策も無しに姿を見せるわけが無いのです。どうせまだ生命のストックは持っているのです」
「……貴様、我が不死の秘密に気付いているのか!?」
賢者ちゃんの反応の薄さに気味悪がっていた
「だが、気付いたところで何とする!
「更にだ、念には念を入れて、貴様よりも先に此方の2人を始末してやろう。後ろで蹲っているどちらの
そう言い放ち、骨の巨腕に力を込める
……なーんて、彼は思っているんだろうねぇ?
>「――この
「フン、何を馬鹿な……!?」
吸血鬼君主ちゃんの呟きを命乞いと思ったのか、嘲笑を返す
>「――その
「わ、我が腕がバラバラに……何故だ、何故再生しない!?」
続けて囁かれる吸血鬼君主ちゃんの言葉に従うように、音を立てて崩れ落ちる一対の巨腕。肩口から先を失い、頭部と上半身だけの
「たしか、収穫祭の日に
「はい。
流石賢者ちゃん、バッチリお見通しだねぇ。彼女の推測通り、吸血鬼君主ちゃんの身体を再構成する際に取り込まれた『手』の呪物。アレが
「おのれ……一体の人形にどれ程の
>「? ぼくはにんぎょうじゃないよ? デイライトウォーカー!」
「……は?」
あ、巨大な顎がカクーンと落ちたね。吸血鬼君主ちゃんの存在を知らなかったってことは、やはり
「やれやれ、視覚が魔法的なものしかないのも考えものなのです。どうせ魔力量だけで判断して、こちらの切り札を雑魚と侮っていたのです」
「……? なんだ、何を言っている?」
クソデカ溜息とともに首を左右に振る賢者ちゃんに訝し気な視線を向ける
「ガ……ッ!?」
肉壁に覆われた空間を震わせる一際大きな鼓動。ドクン、ドクンという震動とともに崩れていく空間をただ呆然と眺める
「――ええ、永い間、良く耐えて来られました。彼の
「うん、うん、わかるよ。辛かったよね。……アイツを滅ぼすのにみんなの協力が必要なんだ。まだ躊躇っている魂も説得するから、一緒に手伝ってくれる?」
腐肉の床に手を置き、目を瞑ったまま誰かに語り掛けるように言葉を紡ぐ若草知恵者ちゃんと妖術師さん。2人の周りには肉壁から抜け出して来た魂が集まり、喜びと悲しみ、そして怒りがない交ぜになった強い感情を表すように輝きを放っているね。まさか、という
「死せる者との対話は善き
「グ……オォッ……ま、まだだ、まだ全ての魂が逃げたわけではない!」
全身に走る罅割れから漏れだす魔力を無理矢理留めながら最後の悪足掻きを企む
「我が生命を代価に、偉大なる≪死≫に乞い願う! 我が覇道を阻まんとする蛮族を焼き尽くす、紅蓮の焔を呼び起こし給え!!」
先程まで腕に嵌っていた腕輪に輝く
――注ぎ込む魔力があればの話だけれども。
「何故だ、何故我が
うん、すまない。
頼りなく燃えていた口内の火が消え、同時に崩れ落ちる巨大な
「ガハァ、ハァ、ハァ……!?」
この場から逃げることさえ出来れば再起は可能だという一心で、腕の力のみで逃亡を図る彼の目前に降り立つ小さな姿。這い蹲った姿勢から見えるのは、先刻矮小だと嘲笑っていたデイライトウォーカーの肌も露わな2本の足。それに沿って視線を上げる彼の目に飛び込んで来たのは……。
「ヒィ!? な、なんだその悍ましい
黒い粗末なキャミソール一枚の服装に、顔を隠す奇妙な紋様の刻まれた▲。そしてその小さな背に担がれた不釣り合いなほど大きな車輪。その回転に合わせて聞こえるのは、落とし切れぬ血痕とともに染み付いた犠牲者たちの苦悶の声……。
「や、やめろ、やめてくれ……ッ!?」
命乞いをする彼の声に応えることも無く、車輪を回す吸血鬼君主ちゃん。サイレンにも似たその回転音に惹かれるように集まって来たのは、家族や仲間、大切な人を消費され、輪廻に還るよりも復讐を望む魂たちのようだね。吸い込まれるように車輪の中へと彼らが消え、歓喜にも似た呻き声が一層高まったところで彼に視線を向ける吸血鬼君主ちゃんの返答は……。
>「――おなじことをいったみんなに、おまえはどんなへんじをしたの? ぼくのこたえは、それとおんなじ」
聞く耳なんぞ持たない。言外にそう言い放ち、彼女は躊躇うこと無く車輪を彼へと振り下ろし……。
「ギャアアアアアアアアアア!?!?」
「オオオオオオオオオオオオ!!!!」
車輪の回転に身体を砕かれ、削ぎ落とされ、少しづつ小さくなっていく
「こ、これで終わったの?」
「とりあえず首謀者は仕留めたのです。後は残敵掃討ですが、おそらく他の組が既に動いていると思うのです」
へなへなと座り込む妖術師さんの呟きに律儀に返事する賢者ちゃん。切り札である
「よっと、ただいま~!」
「お帰りなさいませ。主さまもお怪我はありませんか?」
>「ぴんぴんしてるよ~!」
「そうか。……ならまず服を着たらどうだ?」
お、小脇に吸血鬼君主ちゃんを抱えた勇者ちゃんも戻って来たね。手に小さな袋を持っているのを見ると、
「それじゃあ、みんなを回収しに出発だ!」
負傷の確認とドロップ品の回収などを済ませ、そろそろ戻るつもりな一行。吸血鬼君主ちゃんは脳内通信で吸血鬼侍ちゃんと連絡を取り合い、合流場所を教えてもらっているみたいだね。
「はぁ……誰か他に≪転移≫の呪文を覚えて欲しいのです。結局全部の箇所を回らなければならないのです……」
「まぁそう言うな。鏡の併用でずいぶん楽になったのだろう?」
ああ、鏡の呪物を利用した≪転移≫システムは、銀髪侍女さんと賢者ちゃんだけが全容を知っているんだったか。ダブル吸血鬼ちゃんや剣の乙女ちゃんはあくまで利用権を貸与されているだけだものね。大きな事件になって動員数が増えるほど彼女の負担も大きくなるし、これは何らかのテコ入れが必要かもしれないね。……おや?
「あ、あれ? 師匠、どうしたの!?」
>「……ふぇ?」
「主さま、涙が……」
慌てた様子の2人に指摘されたことで気付き、零れる涙を不思議そうに拭う吸血鬼君主ちゃん。後から後から流れるソレの理由が判らず首を傾げているようだね。
「なにか、異常でも感じたのですか?」
>「ううん、ぼくはなんにもへんなところはないよ。……でも」
普段の白装束に戻っていた吸血鬼君主ちゃんが胸元を抑えるように拳を握り、切なそうな顔になったのを見て、すわ何事かと周囲に集う一行。不意に顔を上げた吸血鬼君主ちゃんが零したのは……。
>「……けんぞくのだれかが、こころのなかでないてるきがする」
ふむ、どうやら女魔法使いちゃんの件が何らかの理由で「親」である吸血鬼君主ちゃんに伝播したみたいだね。とはいえ、彼女たちの夜の関係について私は然程詳しいわけでは無いし、そも心の機微なんてのは私にとって専門外だからねぇ。後はいつもの実況神さんに丸投げして、私の実況はここまでにさせてもらうことにするよ。次回は騒動の後始末とリザルトになるだろうから、視聴神のみんなは期待して待っているといい。……ああ、全裸待機は止め給えよ? 初心な≪幻想≫さんが真っ赤な顔で困っていたからね?
では、今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
やっとセッションの終わりが見えたので失踪します。
感想いつもありがとうございます。次話のネタが湧いて来たり、そんな展開もありだなという選択肢が浮上することがありますので、お時間がありましたら頂けますと幸いです。
評価やお気に入り登録もお待ちしておりますので、宜しければお願いいたします。
お読みいただきありがとうございました。