ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ   作:夜鳥空

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 ワクチン3回目も無事発熱したので初投稿です。




セッションその15-1

 ……うん、これでヨシ! 我ながら会心の出来だと思います!! 昨年叶わなかった甥っ子と姪っ子との初対面なんですから、めいっぱいオシャレしなきゃですよ!

 

 あとは万聖節の前日、ダブル吸血鬼ちゃんが英霊さんたちを召喚するために(ゲート)を開きますから、それに便乗する形で四方世界(あっち)に向かってください!

 

 当日に太陽神さんが吸血鬼君主ちゃんに≪託宣(メッセージ)≫を送ってくれることになっていますので、向こうではバッチリエスコートしてもらえますよ!おもいっきり楽しんで来てください!!

 

 ……あ、そうそう。ついでにN子さんからひとつお願いしたいことがありまして。四方世界(あっち)に着いたら、彼女たちに()()を渡して貰えます? え、やだなぁ、そんな変なモノじゃありませんよ! 後発組の()たちを応援する、私たち視聴神一同からのちょっとしたサービスですって!!

 

 


 

 

 いつか見た生と死が交差する実況プレイ、はーじまーるよー。

 

 前回、牧場のアップグレードとお子様たちの成長を見届けたところから再開です。

 

 収穫祭と万聖節の祝いをいっぺんに行うお祭りに備え、着々と準備を進めていた牧場に集いし冒険者とその関係者たち。あっという間に時は流れ、現在はお祭り当日になっております。

 

 

「よい……しょっ。これがさいごのひとつかな?」

 

「そうね、これで食材の積み込みは完了! お疲れシルマリル」

 

 

 身の丈の何倍もある大きな木箱を荷台に運び入れ、うーんと背伸びをする吸血鬼君主ちゃん。荷の固定をしていた妖精弓手ちゃんがぴょいっと荷台から跳び下り、小さな想い人を抱き上げて頬擦りをしていますね。

 

 

「皆で釣って参りました蝲蛄(ザリガニ)は鮮度を落とさぬよう泥を吐かせた後に活けのまま積み込みましたし、オルクボルグ様が獲ってきてくださいました揚げ物用の鯰たちも元気な状態です。街に着きましたら早速調理を始めたいと思います」

 

 

 吸血鬼君主ちゃんの影から伸びる触手を手に取り、ゆっくりと降りて来たのは若草知恵者ちゃん。頑張りますと腕まくりをする姿は一児の母とは思えぬほど可愛らしいですね!

 

 

 向こうで調理するもの以外にも牧場産の燻製仕立ての腸詰やベーコン、豚の内臓と乾燥蕃茄(トマト)の煮込みなど屋台で振る舞われる料理が馬車の荷台には満載。荷運びでおなかを空かせた一行の食欲を刺激する良い匂いが辺り一面に漂っています。

 

 

「――でも、作ってるときはあんな凄かったのに、今は全然臭わないのね」

 

森人(わたしたち)は気にならないけど、慣れてない義妹(いもうと)くんたちには少々刺激が強かったかな?」

 

「ふふ、そこはおばあちゃんの年の功というものです♪」

 

 

 辟易とした顔で木箱を覗き込んでいるのは女魔法使いちゃん。中には香ばしい匂いを放つ麺麭(パン)がきっしりと詰め込まれています。鍛冶場に設けられた太陽炉の熱を分けてもらう形で設けられた竈で焼き上げられた麺麭、一見ごく普通の麺麭にしか見えませんが……。

 

 

「麦の粉に生糸を取る際に出る副産物である(サナギ)の粉を混ぜて焼き上げた森人(エルフ)伝統の麺麭。今回は他の種族の方でも食べやすいよう香草や蜂蜜を混ぜてありますが、本来は()()()()()を生かしたまま作るのですよ?」

 

 

 森人(エルフ)の食生活を支える昆虫食。コスパに優れ、カロリーベースで考えても優秀な蛋白源ですね。森人の間で盛んな生糸産業の副産物として生成されるそれを余すことなく味わえる今回の目玉ですが、焼き上げている時に発生した臭いは強烈で、好奇心からうっかり近付いてしまった兎人(ササカ)のおちびさんたちは全員鼻を抑えて悶絶し、竈の周囲一帯から森人以外の種族が姿を消してしまうほどだったとか。上手く処理してくれた若草祖母さんの料理スキルの高さが伺えますね!

 

 

 

 おや? 食材の他に明日着る衣装の積み込みも完了した出店の準備組の傍らでは、吸血鬼侍ちゃんと妖術師さん、それに牧場付きの二柱の英霊さんが地面に何やら複雑な紋様を描いています。ああ、もうひとつ頼まれていた街の警備のために英霊さんたちの追加召喚の準備をしているのかな。担当の仕事を終えて徐々に集まる面々の中心にいるのは妖術師さん、どうやら彼女が召喚儀式を執り行うみたいですね! ガチガチに緊張している彼女を見た吸血鬼君主ちゃんが、妖精弓手ちゃんの胸元からふよふよと飛行して彼女の背中に抱き着きました。

 

 

「あああああ……失敗したらどうしよう……っ!」

 

「だいじょうぶ、うまくいくよ! それに……しっぱいしても、すぐにまりょくはほきゅうしてあげるから、ね?」

 

「ふぁっ!?」

 

 

 耳元で囁かれた甘い言葉に顔を真っ赤にする妖術師さん。どうやら以前口にしていた『魔力供給』の真実を知ってしまったみたいですね。彼女をストー……見守っていた知識神さんに確認したところ、迷宮探検競技用の会場設計のために若草知恵者ちゃんと2人で≪死王(ダンジョンマスター)≫を唱えるために、それぞれダブル吸血鬼ちゃんから魔力供給(意味深)を受けていたそうです。真実を知った彼女は当初アワアワしていたものの、近頃妙に母性に目覚めている妖精弓手ちゃんと相手をトロットロに蕩けさせる吸血鬼君主ちゃんによるダブルパンチで見事型に嵌められてしまったとのこと。

 

 ちなみにご主人様ソムリエの叢雲狩人さん曰く「白いほうのご主人様は此方を魂まで融かすような甘々な魔力供給で、黒いほうのご主人様は身も心も全て自分のモノであると刻み付けてくる情熱的な魔力供給」なんだそうです。……そんな2人を小さな身体でいっぺんに受け止める若草知恵者ちゃんがやはりさいつよなのでは???

 

 

 余談ですが、治療方法の研究の一環として≪蘇生(リザレクション)≫の触媒に闇人女医さんが新たに名乗り出てくれたんですが、彼女明らかに吸血鬼侍ちゃんと魔力供給(ちゅーちゅー)しているんですよねぇ。しっかりと奇跡は発動しているので触媒の条件は満たしているのですが、清らかな乙女でなければならないのに魔力供給済みという矛盾……これは裏で万知神さんと嗜虐神さんがルールの穴を突いている予感がします! 

 

 

 

「もう、あまり純真な女の子を弄んではいけませんわ」

 

「えへへ……は~い!」

 

 ちょっっぴり羨ましそうな剣の乙女ちゃんにほっぺたを突っつかれ、にんまりと笑いながら背中から離れる吸血鬼君主ちゃん。赤い顔の妖術師さんの手を取って隣に並び、同じように手を握り合っている吸血鬼侍ちゃん&若草知恵者ちゃんペアと正対する形で魔法陣を挟んで向かい合います。触れ合う手から流れ込んで来る膨大な魔力が快感を引き起こすのか、上気した顔の妖術師さんと若草知恵者ちゃんの詠唱を始めると、それに呼応するように無数の召喚サインが地面に浮かび上がってきました!

 

 花開く様に連続する白や黄色の輝き。その光が収まったとき、一行の前に姿を現したのは――。

 

 


 

 

「お、来た来た! 西方辺境が誇る英雄と、その仲間たちのご登場だね!!」

 

「あはは……あのように笑う姿を見ていると、彼女たちが既婚者だなんて思えないですね……」

 

 

 辺境の街の入り口で一行を待っていた2人の女性……受付嬢さんと監督官さんの目に映っているのは、令嬢剣士さんの相棒であるイボイノシシ君が牽引する荷車の幌の上でぴょんぴょん飛び跳ねている我らが2000歳児のお転婆な姿。見目麗しい女性ばかりな集団の登場に街の住民は一斉に喝采の声を上げ、祭りを楽しみにやって来た商人や観光客は陶然とした表情でみんなを見つめていますね。

 

 ……牛飼若奥さんと仲睦まじげに手を繋いでいる、見る限り集団の中でただ1人の男性であるゴブスレさんに男たちから嫉妬の視線が突き刺さっていますが、そんなモノ効かんとばかりに2人で双子ちゃんの乗ったベビーカーを押す姿に敗北し、男たちは皆地面に崩れ落ちています。

 

 

「お待たせいたしました。本日提供させて頂く食材を持って参りましたわ」

 

「お疲れ~! ん~良い匂いだねぇ!! ……あれ、小さな頭目(リーダー)ちゃんたちは一緒じゃ無かったのかな?」

 

「フフ、すぐに判りますわ。……ほら、聞こえてきましてよ?」

 

 

 御者席からヒラリと華麗に舞い降りてきた令嬢剣士さんと挨拶を交わしながら、姿の見えないダブル吸血鬼ちゃんを探してきょろきょろと周りを見渡す監督官さん。令嬢剣士さんの曰くありげな言い回しに首を捻っている監督官さんの横で、受付嬢さんが街道から聞こえてくる音楽に気付きました。

 

 

「これは、行進曲(マーチ)ですか……?」

 

「あ、ホントだ。随分勇ましい曲調だけど……って」

 

 

 音の聞こえてくる方向を向いたギルド職員2人の口があんぐりと開き、周りの人々も近付いて来る一団を見てポカンとしているのを苦笑を浮かべて眺める牧場一行。みんなも最初に()()を見た時は同じ反応でしたもんねぇ。秋の陽光を反射し光り輝く揃いの甲冑に身を包んだ一団を説明するなら、召喚直後に彼らを見た牧場長女ちゃんの言い放った一言がいちばん相応しいでしょう!

 

 

 

 

 

 

「ママー、タマネギさんがいっぱいだー!!」

 

 

 

 集団の先頭を歩くのは南瓜をくり抜いて作った仮装用の兜を被り、元気に喇叭を吹き鳴らしているダブル吸血鬼ちゃん。その後ろには太陽神さんと万知神さんの聖印が描かれた戦旗を掲げた牧場付きの英霊さん二柱、さらに続いて今回集まってくれた英霊さんたちが勢ぞろいです!

 

 死者が帰って来る万聖節ということで普段よりも召喚枠が拡大し、多くの英霊さんが殺到していた今回の英霊召喚。せっかくの機会ということで鎧はみんなで統一し、それ以外は各自が生前扱っていた愛用の武器を持って馳せ参じてくれたんですね。

 

 曲面を多用したデザインの揃いの鎧は見た目に反して軽く、それでいて当世具足(フリューテッドアーマー)を超える物理耐性を持つ高機能。同じく丸みを帯びた籠手(ガントレット)脚甲(レギンス)は生半可な攻撃は逸らしてしまう高度な技術が惜しみなく投入されたものです。そして何よりも、その玉葱とも揶揄される特徴的な(ヘルム)! 耐衝撃に優れ着用者の生命をしっかりと守るユーモラスなデザインは誰にも真似出来ません。万が一祭りに乗じたテロで悪しき死霊術師(ネクロマンサー)がアンデッドを投入してきたとしても、英霊さんとの違いは一目瞭然でしょう!

 

 いやー、それにしてもみんな張り切ってますね! それぞれが個性を主張するために長年の相棒を誇らしげに掲げています。パッと目に付く中ですと、まずは背中に大きな車輪を背負っている人と雷を帯びた剣槍を持っている人。大剣と短刀の二刀流の人はなんだかピョンピョン跳ね回ってますし、少年魔術師君が狩長さんから受け継いだ聖剣と同じ気配を感じる大剣を持っている人は、他の人より装備重量が重いのかちょっと遅れ気味なようです。……お、吸血鬼君主ちゃんの頭を撫でている首から太陽神さんの聖印を下げている人、シールドバッシュ用に鋭い突起の付いた円盾と風を纏う大剣を持つ彼はもしかして、あの伝説の騎士では……!

 

 

「つ、疲れたぁ……」

 

「お疲れ様、良い仕事っぷりだったわ」

 

 

 荷馬車の中で息も絶え絶えな妖術師さんを女魔法使いちゃんが膝枕して優しく髪を撫でていますね。向かい側の席では同じようにスヤスヤと寝息を立てている若草知恵者ちゃんを若草祖母さんが介抱し、それをみんなの子どもたちが興味深げに眺めています。なるべく多くの英霊さんを招くために、ダブル吸血鬼ちゃんから補給を受けつつ限界突破(オーバーキャスト)ギリギリまで召喚していた2人。今はゆっくりと休んでもらいましょうか。

 

 


 

 

「ええと。それでは皆さん、配布した地図に対応した区画の警備をお願いしますね?」

 

「あやしいヤツがいたら、ふんじばってギルドまで連れてきてね~!」

 

long may the sun shine(太陽万歳)!/

 Y Y Y Y Y Y  Y Y Y Y Y 

Attendre et espérer(待て、しかして希望せよ)!\

 

 ……えっと、万知神さん。なんですアレ? 太陽神さんの決め台詞が羨ましかった? にしたってなんで巌〇王なんですかねぇ……。

 

 おっほん! 気を取り直して、ギルド女子2人の声を背に街中へ散らばっていく英霊さんたち。睡眠&休息不要な特性を生かし、フルタイムで警備をしてくれるみたいです。同時に住民たちに彼らが警備担当であることを周知するため、新米冒険者が駆り出され街のあちこちで声を張り上げていますね。

 

 

「それじゃ、ちょっとご挨拶に行ってくるね!」

 

「子どもたちを頼む」

 

「「「いってらっしゃいませ、だんなさま、おくさま!」」」

 

 

 おっと、牧場夫婦は商工会の偉い人や街の有力者たちのところへ顔出しに向かうみたいですね。双子ちゃんは白ウサの次女ちゃんと三女ちゃんが預かり、みんなでお見送りしています。今回はダブル吸血鬼ちゃんの子どもたちも全員連れてきてますし、交代で面倒を見るつもりなのかな。

 

 

「ほ~ら2人とも、可愛いお嫁さんたちを働かせてサボってちゃダメだよ~?」

 

「「は~い」」

 

 

 会心のポーズを決めてドヤっていたダブル吸血鬼ちゃんを監督官さんが纏めて抱え上げ、運んでいく先はお祭り用に用意された特設天幕(テント)が集まっている場所。開店に向けて多くの人が準備を進めている中に一際華やかな空気を放つ区画がありますね。お、どうやら剣の乙女ちゃんと令嬢剣士さんが本日振る舞う予定の腸詰(ソーセージ)に竹串を挿しているみたいです。

 

 

「可愛い吸血鬼(ヴァンパイア)が遊んでたから捕まえて来たよ~!」

 

「あらあら、これはどうもご丁寧に」

 

「まったく、頭目(リーダー)ったら……。あ、そうだ。もし宜しければ試食など如何です?」

 

 

 有無を言わさぬ強引な誘拐に対し監督官さんのナイスなお山に後頭部をポフポフさせて抗議していた2人でしたが、2人を受け取った剣の乙女ちゃんの暴力的なたわわに顔を押し付けられあっという間に轟沈しちゃってます。おや? 幸せそうな顔で猫のように喉を鳴らす2人を微笑まし気に眺めていた令嬢剣士さんが何かを監督官さんへと差し出していますね。

 

 

「おっほ、こりゃご立派ァ!って感じだねぇ。もしかして牧場の?」

 

「ええ、作り立ての腸詰を炭火で焼いて、さらに上から牧場産のチーズをかけてみましたの」

 

「「とかげさんスペシャルなの~……ふかふか~……」」

 

 

 表面を香ばしく焼き上げられた後にたっぷりチーズでお化粧をした大ぶりな腸詰を受け取り目を輝かせる監督官さん。トロリと蕩け落ちてきた乳白色の粘体を舌で受け止め、そのまま肉棒へと舌を這わせる仕草に周りで開店準備をしている男たちが釘付けになっています。プリッとした弾力のある表面の肉汁をたっぷりと堪能した後、ツヤを帯びた唇で赤黒い先端を艶めかしく咥え込み――。

 

 

 

 

 

 ガブッ!!

 

「「「「「ヒエッ……」」」」」

 

「ゥンまああ~いっ!! 肉の旨味と脂の甘さ、そしてそれを引き立てる香辛料が実に良い仕事してるよ!」

 

 

 先端を喰い千切られた腸詰に何かを重ねて見ていた男たちが股間を抑えて震えているのを横目に見つつ、麦酒(おビール様)が欲しくなるねぇと嘯く監督官さん。同じく開店準備を進めていた女性陣から冷ややかな目で見つめられている男たちを苦笑混じりに眺めていた令嬢剣士さんを見て何か思いついたのか、ひっじょ~に悪い笑みを浮かべていますね。

 

 

「んっふっふ。男子諸君の想像力は逞しいねぇ。ちっちゃな頭目(リーダー)ちゃんたちのもコレくらいご立派なのかなぁ?」

 

ひゃん!? な、ナニを仰ってますの!?」

 

 

手に持つ腸詰を愛おしげに舐めつつ、令嬢剣士さんを背後から強襲。瑞々しい果実を片手で揉みしだきながら眼前で肉棒を振る様はまごうこと無きセクハラ親父ですねぇ。突然の凶行に戸惑い、令嬢剣士さんは助けを求めるように、慈母の微笑みを浮かべている剣の乙女ちゃんへと視線を送っていますね。

 

 

「? ……

 

 

 おおっと、彼女からの必死の視線に気付いた剣の乙女ちゃん。ダブル吸血鬼ちゃんを胸元に埋めたままシュルシュルと蛇の如き歩法で2人へと近付いていきました! 令嬢剣士さんに流し目を送りつつ、監督官さんの持つ先っぽを喰い千切られた腸詰へとその蠱惑的な唇を寄せて……。

 

 

 

「あむ……んっ」

 

「……え?」

 

 

 根元まで一息に咥え込み、なんと咀嚼すること無く丸呑みに! ごくり、と蠱惑的に蠕動する喉元を見て先程とは違う意味で股間を抑える男性陣が見守る中、監督官さんは目の前で起きたことを理解出来ずに手に残った竹串と剣の乙女ちゃんの顔とを交互に眺めるばかり。お肉の良い匂いに釣られて顔を上げたダブル吸血鬼ちゃんを自らの両頬に寄せつつ、熱の籠った吐息とともに剣の乙女ちゃんが告げるのは……。

 

 

 

「はふぅ……2人の()()は、こんな風に呑み込んだりは出来ませんわ。――フフ、良かったら今夜、貴女も頬張り切れないくらいの()()を味わってみては? ねぇ2人とも?」

 

「えへへ、おなかいっぱいになるまでたべさせてあげよっか?」

 

「あ……でも、ふつうのじゃまんぞくできなくなっちゃうかもね?」

 

うぇっ!? あ、あはは……あ、そうだ! これから打ち合わせがあるんだった!! それじゃまたね~!」

 

 

 えろーい! 剣の乙女ちゃんに合わせてダブル吸血鬼ちゃんまで悪ノリした攻勢に喪女疑惑のある監督官さんはタジタジ、顔を真っ赤にして戦略的撤退を選択したみたいです。エロエロ大司教による唐突な暴露(エクスポーズ)に周囲は騒然、天幕(テント)の下で出番を待っている腸詰の山に受付嬢さんを含む女性たちの熱い視線が注がれ、男性陣は何か大切なものを失ったかのように三度股間を抑え崩れ落ちていますね。まだ日も高いうちにナニを言ってますの!?という令嬢剣士さんの怒声が広場に響き渡るのでした……。

 

 


 

 

 さて、一部で青少年に有害な一幕があった気もしますが、もうすぐお祭りが始まる時間となりました。……お、ギルドを更衣室代わりに着替えていた女性たちがちょうど戻って来ましたね!

 

 

「おまたせ~! ふふん、どうよこの衣装、似合ってるでしょ?」

 

 

 一番にやって来たのは妖精弓手ちゃん。普段の活動的な装いとは異なる露出を抑えたエプロンドレス姿ですが、シンプルでありながら彼女の美しさを存分に引き出していますね! 胸元に揺れる大きなリボンがボリュームを補っています。なんのとは言いませんが。

 

 

「……なぁ、本当にアレが上の森人(ハイエルフ)の姫君なのか?」

 

「良いじゃないか可愛いらしくて。それにこういうのは楽しんだ者勝ちというものだよ?」

 

 

 続いてやって来たのは民族衣装(ディアンドル)風衣装に身を包んだ闇人女医さんと叢雲狩人さん。抜群のプロポーションを見せつけるように大きく胸元の開いたブラウス姿が眩しいです。森人(エルフ)らしいモデル体型が実に映えますね! あれ、どうしました嗜虐神さん? え? 闇人女医さんの肌の傷跡が消えてる? ああ、それなら吸血鬼侍ちゃんがじっくりねっとり癒してたって地母神さんが言ってましたよ。

 

 

「うへへ……ぼくたちこんなかぁいい服着るの初めてです! おばあちゃま、ありがとうございます!!」

 

「「「ありがと~ございま~す!」」」

 

 

 おお! 白兎猟兵ちゃんと妹ちゃんたちはレースたっぷりのエプロンですね! 長いおみみのふわもこと合わさって全体的にふんわり柔らかいイメージに纏まっているみたいです。たぶん既製品も流用したんでしょうが、この完成度の高さ、やはり高性能おばあちゃん……!

 

 

「うふふ、可愛い孫たちにい~っぱいプレゼント出来て、おばあちゃんもうれしいですよ?」

 

 

 そんな若草祖母さんはシンプルな黒のワンピースに白いエプロン。スレンダーな体型も相まって若草知恵者ちゃんの姉妹にしか見えません。ロングスカートの裾からチラリと除く白い足が視聴神さんたちを悶えさせております。

 

 

「うう……こんな格好私には似合わないってば……」

 

「んなこと無いわよ。御覧なさい? 周りの男どもの目を。普段とは全然違うでしょう?」

 

 

 女魔法使いちゃんの影に隠れるようにやって来た妖術師さんは前髪をアップにしたノットメカクレスタイル! これまたフリル多めの可愛らしいディアンドルですね。ほどよい大きさのお山にほっそりとした腰つき、何よりも普段の陰気な姿とのギャップにいつもの彼女しか知らない冒険者たちが目を丸くしています。ダイヤの原石に気付いていた人は居なかったみたいですねぇ……。

 

 

 そして女魔法使いちゃんですが……デッッッッッ!!

 

 ……コホン、失礼。あまりの衝撃に語彙が消失してしまいました。

 

 腰に手を当てた自然体なポーズの女魔法使いちゃんですが、薄手のブラウスを内側から盛り上げる圧倒的なたわわに会場全員性別問わず目が釘付けになっています。背後の妖術師さんがしがみ付くのに併せて縦横無尽に揺れる様はまさに視覚の暴力、愛の狩人(エロハンター)と化した叢雲狩人さんが我を忘れて跳びかかっていき……あ、空中で顔面を鷲掴みにされてそのままアイアンクローを極められちゃいました。

 

 

「仕込みを担当してた2人も着替えて来なさいな。あ、義妹(いもうと)ちゃんは疲れて寝ちゃってるから、貴女は奉納演舞まで傍に居てあげて? ……個室を借りてるけど、あんまり激しくしちゃダメよ?」

 

「うん、がんばるね!」

 

 

 ありゃ、若草知恵者ちゃんがダウンしちゃったみたいですね。剣の乙女ちゃんと令嬢剣士さんを交代で着替えに向かわせつつ、吸血鬼侍ちゃんに若草知恵者ちゃんを託す女魔法使いちゃん。昨日も遅くまで仕込みや奉納演舞の練習をしていたので疲労が溜まっていたのかも。揚げ物系は残りの人員でなんとかなりそうですし、日が暮れてからの奉納演舞に備えて休んでもらうことにしたのでしょう。言外に魔力供給を匂わせているあたり、夕方まで2人は戦線離脱確定ですねぇ。

 

 

「さて、アンタもさっさと……ってどうしたの? 急に空を見上げて」

 

 

 おや? さっきまでお嫁さんたちの艶姿に夢中になっていた吸血鬼君主ちゃん、いつぞやの若草三女ちゃんのように虚空を見上げています。って、あれ? もしかして太陽神さん、今≪託宣(メッセージ)≫送ってます? てっきり前もって送っていたものだとばっかり……。

 

 

「えっとね、とくべつゲストがこっちにくるからおもてなししてほしいって、かみさまからのおねがいがきたの」

 

「お願いって……≪託宣(ハンドアウト)≫? 太陽神からの?」

 

「うん。もうすぐとうちゃくするって」

 

 

 信仰する対象からの無茶振りには応えなきゃならないのが神官の務め……というわけではありませんけど、突発的なイベントで予定変更を余儀なくされた女魔法使いちゃんは泣いても良いと思います。暫く考え込んでいましたが、脳内で結論が出たのか眉間を手で抑えながら口を開きました。

 

 

「まぁ、義妹(いもうと)ちゃんたちが頑張って前準備を終わらせてくれてるから後は仕上げだけだし、アンタが抜けても大丈夫でしょ。……相手が誰なのか判らないけど、上手くエスコートして楽しませてあげるのよ?」

 

「ん、わかった! いってきます!! ……ちゅっ」

 

 

 駆け出しざまに啄むようなキスをして人混みの中へと消えていく吸血鬼君主ちゃん。不意の一撃に目を白黒させる女魔法使いちゃんを、周りのみんなが羨ましさと微笑ましさが綯い交ぜになった瞳で見ていますね。

 

 

「ちょっと、今の見ました奥様? 普段は熟年夫婦みたいな空気感出しているのに、こういう時だけ初々しい反応を見せるなんて。おっぱい眼鏡ったらあざといんだから!」

 

「はっはっは、それが義妹(いもうと)くんの良いところだよ妹姫(いもひめ)様。というか、奥様なのは2人も一緒じゃないかい?」

 

「むしろ此処に居る全員が既婚者だし、うち半分は経産婦だな」

 

「しかも番った相手は同じ人っていうのが凄いですよねぇ」

 

「うふふ、おばあちゃんはまだですよ? ま~だ♪」

 

「お、おばあ様……?」

 

 

 うーんこの奥様戦隊(二夫多妻)。聞こえよがしに囁かれる女性陣の呟きに段々と赤くなる女魔法使いちゃんの顔色。それが羞恥か怒りなのかはちょっと判断が出来ませんね。子どもたちが興味津々な瞳で見ている手前怒鳴るわけにもいかず、涙目になって拳を震わせる姿は実に新鮮です!

 

 

「お待たせいたしま……何の騒ぎですの、これは?」

 

「あの子も居なく()()ってしまってるみたいです()()……」

 

 

 女魔法使いちゃんの羞恥刑は、着替えを終えて戻って来た令嬢剣士さんの男装ウェイター服と、剣の乙女ちゃんの見た者の脳を破壊する猫耳メイド姿で全員の意識が吹き飛ぶまで続いたのでした……。

 

 


 

 

 猫耳装着型エロエロ吸血鬼メイド服仕様という大量破壊兵器で全員の死亡が確認されている一方そのころ。太陽神さんから送られてきた待ち合わせ場所である辺境の街の中心にある噴水広場へと到着した吸血鬼君主ちゃん。南瓜頭に貴族風の吸血鬼装束という仮装にしか見えない姿で走り回る様は、町中の人から微笑ましい目で見られていました。

 

 

「お、いたいた♪ そそくさ~!」

 

 

 さて、誰が目的の人物なのかとキョロキョロと周囲を見渡している彼女にスススーっと近寄っていく人影が。南瓜頭が邪魔をして接近に気付かない吸血鬼君主ちゃんを背後から抱き上げてしまいました。

 

 

「わわっ!? だれ?」

 

「ふふ、だ~れだ?……って、初めて会うんだから判るわけないか!」

 

 

 抱き上げれらた状態でくるりと半回転させられ、頭の南瓜を脱がされてしまった吸血鬼君主ちゃん。対面する形となった彼女の目に入ってきたのは剣の乙女ちゃんと同じくらいに見える女性です。薄い茶色の髪を緩く一つに束ね、フリルの多い白のブラウスにコルセット付きの黒色スカートを合わせた女性らしい服装……所謂『童貞を殺す服(チェリースレイヤー)』という装い。コルセットによって強調されたお山は叢雲狩人さんを超え、女魔法使いちゃんに迫らんとする標高です。吸血鬼君主ちゃんが童貞だったら危なかったかもしれませんね。

 

 

「むぐぐ……ぷぁっ! ……あれ? おね~さん……」

 

 

 むぎゅっと抱き締められ、暫くお山の間でもがいていた吸血鬼君主ちゃん。やっと解放され見上げた先、高い知性と慈しみを秘めた()()()()が彼女の視線を捉えて離しません。やがて女性の艶やかな唇が開き、鈴の転がるような声で紡がれたのは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フッフッフ、そのと~り! わたしはみんなのおね~さん!! さぁ、キミもわたしの妹にしてやろう! 抵抗は無意味だ!!」

 

 

 

 

 

 

 ≪真実(おまわり)≫さんこっちです! ここに姉を名乗るへんたいふしんしゃさんがいます!!

 

 

 

 今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。

 

 




 関節の痛みが消えないので失踪します。

 ご感想、評価ありがとうございます。勤務地が変わりなかなか時間がとれなくなってしまいましたが、未完とならないよう頑張っていきたいと思います。

 お読みいただいた方からの反応が執筆の励みとなりますので、お時間がありましたら是非感想や評価、お気に入り登録をして頂けますと幸いです。

 お読みいただきありがとうございました。

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