ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
トップガンが実にトップガンだったので初投稿です。
前回、ゴブリンに襲われていた少女を救出したところから再開です。
「それじゃ申し訳ないけど、朝まで寝させてもらうから……グゥ」
「では、見張りの1直を宜しく頼むぞ! フゴーッ、フゴー……」
>「ん、まかせて! ……て、もうねちゃった」
「2人とも寝付くのが早いんだよねぇ。まるで赤ちゃんみたいでしょ?」
死体の後始末や一帯の消毒に時間を取られたため、当初予定していた少女の暮らしていた集落までの道のりを変更し、森の中で一夜を明かすことにした一行。睡眠不要の吸血鬼君主ちゃんが通しで見張りを担当し、女剣士さんと太陽戦士さんが分担して相方を務めてくれるみたいです。薬草採取やしたいの検分で疲労していた力術師さんと治療師さんにはゆっくりと睡眠をとってもらうみたいですね。
「夜の森は冷えます。互いの体温で温まり合い体力の消耗を抑える必要がありますので、此方へ。……あなたも入りますか?」
「あ、えと……おじゃまします……」
「ワン!」
焚火の傍では治療師さんが少女を外套の中へと招き入れ、そのたわわに小さな身体を抱きしめてあげてますね。羨ましそうな視線を向けていた狼さんも併せて抱え込み、1人と1匹の温もりで少女が寒さを感じないように気を遣ってあげているみたいです。心身ともに酷く消耗していたのでしょう、あっという間に少女は
「あのけむくじゃらはあったかそうだねぇ。それならあたしは……そぉい!」
>「わわっ!?」
お、どうやら女剣士さんは吸血鬼君主ちゃんを懐炉代わりにするつもりですね。毛皮の敷物の上に吸血鬼君主ちゃんを抱えて座り、両脚で小さな身体を絡めとるようにしてすっぽりと外套の中に包み込んじゃいました。しばらく内側でジタバタともがいていた吸血鬼君主ちゃんでしたが、やがて女剣士さんの胸元にある外套の合わせ目から顔だけを覗かせるように出て来ました。
>「だいじょうぶ? あつくない?」
「おお? じんわりとあったかくなってきたよ~」
「――んで、おチビちゃんはどう思う? 明日向かう集落のコト」
パチパチと薪が爆ぜる音と、梟の鳴き声だけが寂しく響く森の中。女剣士さんが吸血鬼君主ちゃんへと声を掛けてきたのは他のみんなが完全に寝入った後のことです。視線を焚火に向けたままの女剣士さんの表情は外気よりも低い冷笑の色を帯びており、昼間に見せていたクルクルと変わる気まぐれな猫のような表情とは大きく異なっています。
>「……ほんとうは、よらないほうがいいとおもう」
「だよねぇ。でもウチには医狂いと太陽馬鹿がいるし、なによりも……ねぇ?」
>「うん。それに、かんせんしているのがあのこのおとうさんだけじゃないかも……」
2人の視線の先には、採取した薬草でパンパンに膨れ上がった鞄を枕に力術師さんが鼾をかいている姿が。疫病で故郷の村を焼き滅ぼされた過去を持つ彼と
「頭太陽な
>「ん、まかせて。……だれもかれもすくえるほど、ぼくたちのてはおっきくないから」
外套の隙間からそっと小さな手を伸ばし、木々の向こうに顔を覗かせているまんまるお月様を掴むように拳を握りしめ、そっと呟く吸血鬼君主ちゃん。2人の話し合いは女剣士さんが太陽戦士さんと交代する時間が来るまで続けられたのでした……。
「――駄目だ。あの村はもう『終わってる』……」
力術師さんが力無く呟きながら見つめる先、目的地であった集落を見下ろす丘の上に到着した一行が目にしたのはあまりにも冒涜的な光景でした。
まだ太陽が頂点に達しない時間であるにも関わらず集落のあちこちに灯された無数の篝火。フラフラと覚束無い足取りで徘徊する住人の手には同様に燃える松明と、そして粗末な武具や農工具などの凶器が握られているのが見て取れます。なによりも彼らが正気を喪失しているのを証明しているのは……。
「あーあー、生半可に知識と判断力が有ったぶん酷いことになってるねぇ」
「なんと、惨い事を……ッ」
――村の広場に建てられた幾つもの奇怪なオブジェ。大小様々な人型の物体が括り付けられたソレは何れも黒く焼け焦げ、吸血鬼君主ちゃんの【脳の瞳】を通して見ればその表情がどれも苦悶に歪んでいるのが確認出来ます。恐らく、まだ息のあるうちに燃やされたのでしょう……お、磔にされた死体を見て吸血鬼君主ちゃんが何かに気付いたみたいですね。
>「あのちいさなしたい、にんげんだけじゃない。ゴブリンもまじってる」
「……食糧を狙って押し寄せてきた感染済みのゴブリンを返り討ちにして、それが感染源となったのでしょう。集落を徘徊しているのは皆成人男性。恐らくは体力の無い女子供や老人から罹患し、感染拡大を防ぐために死体を焼却するうちに狂気が伝播して獣に堕ちたのだと考えられます」
なるほど、体力に劣る人たちは病によって倒れ、余裕のある人々は心を侵されて狂気に墜ちる。≪
「あの、みんなは……村の人たちはどうなるんですか?
村から漂ってくる肉の焦げた臭いに耐え切れず、蹲って嘔吐していた少女がノロノロと顔を上げ、一行に縋るような視線を向けています。ふむ、あの惨事を目の当たりにしてなお彼らを『助けられる』のかを問いかけるとは……鍛冶神さんが目を付けるだけのことはありますねぇ。吸血鬼君主ちゃんも含め、皆驚いた表情で少女を見つめています。返事をしようとした吸血鬼君主ちゃんの肩を抑え、一歩前に出たのは太陽戦士さん。
「人の心は繊細なもの。心という器はひとたび、ひとたびひびが入れば二度とは、二度とは……」
「そんな……じゃあ、もう……」
太陽戦士さんの言葉に項垂れる少女。地母神さんと万知神さんに確認したところ、ひとたび人間の領域から逸脱してしまった精神は≪
「私たちに出来るのは、これ以上病が拡大するのを防ぐことだけです」
「そしてその手段は、今彼らがしているのと同じ方法しかないからね」
腰に下げた銃と呪文構成要素ポーチを改め、断固たる決意を秘めた眼差しで村を見る癒し手の2人。
「我々は彼らを止めるために征くが……君は如何するかね?」
装備を確認していた太陽戦士さんの言葉に俯く少女。ほとんど柄だけになった剣を強く握りしめ、勢いよく上げたその顔には悪魔殺し一党に勝るとも劣らない覚悟の意志が宿っていました。
「いろいろ意地悪されたり、仲間外れにされたこともあったけど……それでも同じ村で暮らしていた人たちだから。みんなが苦しんでいるなら、助けてあげたい……です」
>「それじゃあきまりだね! ……おねがいしてもいい?」
「ワン!」
「え? ……ひゃんっ!?」
少女の言葉に深く頷き、狼さんに目配せをする吸血鬼君主ちゃん。アイコンタクトの意味を察した狼さんが少女の襟元を咥えて空へと放り上げました! 突然の出来事に思わず目を瞑ってしまった彼女が瞳を開けば、そこは狼さんの背の上。吸血鬼君主ちゃんがインベントリーから取り出した
>「そのこのせなかがいちばんあんぜんなばしょだから、ぜったいにおりないでね?」
「は、はいっ!」
あとコレもね!と言いながらヒヒイロカネの剣を狼さんの口元に差し出している吸血鬼君主ちゃんの言葉に慌てて頷きを返す少女。たしかに、今の状況ではそこが一番安全ですね!
……ん? 剣と勾玉を狼さんに渡しちゃいましたけど、吸血鬼君主ちゃん本人は何を使うつもりなんでしょう? 流石にこの状況で
「おチビちゃんは準備出来たかな~……って、何ソレ?」
「貴公……」
様子を見に来た女剣士さんと太陽戦士さんが絶句するのも無理はありません。普段の可憐な
>「これいじょうかんせんをかくだいさせないために、かならずここでこんぜつさせようね!」
金のアルデオ越しのくぐもった声に強く頷きを返し、村へと駆け出す一行。――治療か、或いは虐殺か。決して冒険に成り得ない、
「「「
「うっさいなぁ……。言われなくったって、テメェらを掃除したら出てってやるっつーのッ!」
奇声を上げて襲い掛かってくる村人に愛用の
「ムウ……下手な攻撃は逆効果のようだな」
どうやら痛覚も鈍くなっているようで、手足の1本を斬り飛ばされても怯むことなく一行に迫る姿に太陽戦士さんも兜の奥の瞳を見開いています。単筒による銃撃で肘から先を吹き飛ばされながらも歯を剥き出しにした表情で近寄ってくる村人の姿に、流石の治療師さんもその鉄面皮に微かな驚きと嫌悪感を滲ませていますね。
「やはり、急所を狙わねばなりませんか」
「いや、近寄るのは危ないからここは任せて……よ!」
再装填の隙を嫌った治療師さんが銃をホルスターに納め、拳を固く握りしめましたが……お、彼女の前に力術師さんが進み出ました! 走り寄る村人に向かって彼が右手に持った杖を一振りすると、その
「恨んでくれて構わない。でも、お前たちをこのまま放置することは出来ない」
その体型からは想像出来ない素早い動作で仕込み杖を振るい、次々に手足の腱や血管を切り裂いていく力術師さん。痛みには強くても人体の構造上無視出来ない損傷を受けた村人は地面に倒れ、恨みがましい目で余所者たちを睨みつけています。ガキン!という変形音を響かせながら蛇腹剣をもとの杖状に戻した力術師さんが彼へと近付き、杖の先端、その鋭い切先を村人の頭部へと突き立てました……。
うーん流石は
さて、吸血鬼君主ちゃんたちは……と。あ、いました! 焼け落ちた家の跡地らしき場所で、狼さんの背に乗った少女と一緒に……村人に囲まれていますね。何やら矢継ぎ早に罵声を浴びせかけられているみたいですが、どれどれ……?
「全部お前のせいだ! この呪われた獣め!!」
「お前のせいでみんな死んだ! 病気持ちの雌犬が!!」
「最初からお前なんかいなければ良かったんだ!」
「ち、ちが……わたしのせいじゃ……っ」
うーんこの圧迫面接(違)。口の端から唾を飛ばしながら捲し立てる村人たちの勢いに呑まれ、言い返すことの出来ない少女。その様子を見て村人たちの罵声はヒートアップする一方です。
「お前の親父もそうだ!
「最後はゴブリンと同じ病で死んだんだ、どうせその話も嘘だったんだろうさ!!」
「商売女に産ませたお前を連れてこの村にやって来た時、2人まとめて殺しておけば良かったんだ!!」
……んん? ひょっとして彼女のお父さんって元牙狩りだったんですか!? もしその話が本当だとすると、時系列的に該当するのは
「ち……ちがいます! おとうさんは戦いから逃げたんじゃない、戦えなくなったから仲間と別れたって言ってた!! それに、おかあさんとは深く愛し合っていて……病気で長く生きられないおかあさんといっしょになって、最期にわたしを産んでくれたって……っ」
目に涙を浮かべながら必死に両親の名誉を護ろうと反論する少女。しかし既に理性と正気を喪失している彼らにその言葉は届くはずもなく、悪意に満ちた言葉は留まることを知りません。そしてその罵声は少女だけではなく……。
「五月蠅い! 母親殺しの親不孝者め!!」
「
「お前なんか……
――吸血鬼君主ちゃんの逆鱗にも触れてしまいました。
>「もういいよ、だまって」
「なんだお前、余所者が口出しを……」
途中で遮られる村人の罵声。頭部に叩きつけられた車輪によって彼の口は永遠に閉ざされ、自己陶酔と被害妄想に満ち満ちた偽りの先覚的思考は停止しました。血に染まり回転を増す車輪から響く呪われた歓喜の声に村人たちは怯え、手に握る獲物を次々に吸血鬼君主ちゃんへと突き立てていきます……。
「あ、ああ……っ!?」
狼さんの背中で声にならない悲鳴を上げる少女の視線の先で、串刺しになった吸血鬼君主ちゃんの身体を
>「――そのこのおとうさんはうそつきなんかじゃないよ。だって、きばがりもヴァンパイアも、ほんとうにいるんだから」
腹部に突き刺さった四又鋤を意に介さず、下方の村人たちを眺める吸血鬼君主ちゃん。一方で見上げる村人たちは仕留めた筈の
>「ひとはみんな、うまれてきたことにいみをもってるはずなの。どんなうまれでも、それはけっしてかわらない。うまれるべきじゃないこなんて、ぜったいにいないもん」
聖者のような清らかさで、生まれてくる生命の尊さを語る吸血鬼君主ちゃん。その表情が酷薄なものへと変貌し、獣へと堕した村人たちを塵芥を見る目で見下ろしながら続けられた言葉は……。
>「ただし、ゴブリンとケダモノをのぞいてだけど、ね?」
――彼らに向けた宣戦布告ではなく、一方的な死刑宣告でした。
「化物め、死ね! 死ねっ!!」
身体を貫く刃を身を捩って強引に引き抜き、地面へと着地した吸血鬼君主ちゃん。怯えた表情で木の棒に包丁を括り付けた即席の槍を構える村人へと疾走し、突き込まれた穂先をステップで回避。身体を一回転させ勢いを乗せた車輪を体勢を崩している村人に叩き込み、地面の染みへと変えていきます。叩きつけた反動を利用して次々に染みを増やしていく吸血鬼君主ちゃんから悲鳴を上げて他の村人が逃げようとしますが、急に何かに足を取られたように皆転倒してしまいました。
「ひぃっ、なんなんだよコレは!?」
「クソ、離せ! 離せぇぇぇぇぇぇぇ!?」
彼らの足に絡みつき、動きを封じているのは吸血鬼君主ちゃんの影から伸びた触手、どうやら実戦に耐え得る強度を確保することが出来たみたいですね。必死に命乞いをする村人たちですが、能面のように無表情な吸血鬼君主ちゃんの顔を見て絶望に顔を歪ませています。
「ガルル……!!」
「なんだこの犬、邪魔をする……ギャアッ!?」
「ヒ、ヒィィィィ!?!?」
「ふぅ……くっ、うぅ……っ!」
吸血鬼君主ちゃんが無慈悲な狩りを行う傍らでは、少女に歪んだ正義をぶつけようとしていた村人たちが狼さんによって蹂躙されています。四本足を活かした軽快な機動力と口に咥えた剣、そして周囲を漂う
「やっほ~! 全員元気してる~?」
「貴公、怪我を……ウム、既に治っているようであるな」
駆け寄ってくる4人も吸血鬼君主ちゃんと同様に血塗れ姿。このままでは感染の恐れがあるため、全員揃ったところで吸血鬼君主ちゃんが≪
「ん~? まだなにかあるのかにゃ~?」
>「うん、ねんにはねんをいれておくね」
そう言いながら吸血鬼君主ちゃんが取り出したのは戦場遊戯の駒。怪訝そうな顔をしている一行の前で始まった詠唱は、奇跡でも真言でもない、吸血鬼君主ちゃんが習得している第三の呪文体系のものです!
>「≪はこよりとびでるねずみがいっぴき、つきしたがうはしのおどり、きしはやぶれ、だいななのふういんはとかれたり≫」
詠唱が完了すると同時に、吸血鬼君主ちゃんを中心に広がっていく不可視の領域。半径1kmに達するその領域内において病毒の活性を操作する死霊術の呪文である≪
「成程、こういった事態においては非常に有効な呪文ですね」
>「う、うん。いちおうびょうきにかかりやすくなるようにもつかえるけど……つかわないからね? ほんとだよ?」
吸血鬼君主ちゃんから呪文の効果を聞き、たわわの感触を味わうどころか眼球同士がくっついてしまいそうなガチ恋距離な治療師さんに吸血鬼君主ちゃんも若干引き気味な様子。やはりさいつよは
「ダメだねぇ。生き残りはゼロ、み~んな殺されるか狂うかしちゃってたみたいだよぉ」
村の探索に出ていた女剣士さんが戻って来ましたが……残念ながら生存者はいなかったみたいです。治療する患者がいないのであれば、この村ですべきことはあと一つだけでしょう。≪
「すまないが、魔神を逃さぬためにもあまり時間を費やすことは出来ないのだ……」
「……はい。ですから……」
太陽戦士さんの謝罪に対し涙を浮かべながら笑みを見せ、近くにあった松明を手に取る少女。吸血鬼君主ちゃんと女剣士さんが積み上げた村人だったものへと近付き……。
「すべてを、燃やしてしまいましょう。思い出も、辛い記憶も、みんな、みんなまとめて……」
炎に焼かれ、輪廻の輪へと還っていく村人たち。身体の水分が抜けたことにより僅かに身じろぎするように動き、天に救いを求めるように手を伸ばす亡骸を見つめる一行。お父さんの形見となった折れた直剣を胸に抱いていた少女が、太陽神さんへの祈りを捧げていた吸血鬼君主ちゃんにそっと近付いています。気配を感じた吸血鬼君主ちゃんが祈りを終えたのを見て、言葉を紡ぎ始めました。
「みなさんが追っている魔神を逃せば、こんな悲劇が続いてしまうんですよね……」
>「うん。だから、ぜったいににがさない。かならずほろぼすの」
薄い胸を張って言い切る吸血鬼君主ちゃんを見た少女の顔に、微かに笑みが浮かびました。「帰る場所が無くなってしまったので、昨日話していたダブル吸血鬼ちゃん
さぁ、いよいよ次回は元凶である≪
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
大神のボス戦をやり直しにいくので失踪します。
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お読みいただきありがとうございました。