ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
早速暑さにやられたので初投稿です。
OK、落ち着きましょう。そのセッションに顔を出したがっている
確かに少々羽目を外すきらいはありますけど、そんなに悪い
んー・・・・・・流石に今回のセッションは難しいですから、次回から顔を出してもらいましょう! 原作で丁度良い感じの障害が配置されていますし、ダブル吸血鬼ちゃんがいることを加味してちょっぴりテコ入れしちゃいますか!!
それじゃ、ちょっと交渉してきますね? なーに大船に乗った気持ちでセッションを進めていてください! この可愛いN子さん、口プロレスにおいては
ついに明かされるダブル吸血鬼ちゃん誕生の真実ゥ! な実況プレイ、はーじまーるよー。
「ぎゃ、ぎゃおー! たーべちゃーうぞー……!!」
「わぁー!」
「おにがきたー!」
「にげろー!」
そんな腐った雰囲気漂う屋内を余所に、収穫を終えた畑では子どもたちが寒さそっちのけで元気に駆け回っています。どうやら今日は鬼ごっこらしく、
さて、前回のEDで賢者ちゃんに何やら不穏な台詞を投げかけられていた女の子……視聴神のみなさんのお察し通り原作でいうところの『
とはいえ、今の彼女――これからの活躍に期待する意味を込めて『英雄雛娘ちゃん』と呼んであげることになりました!――は長年の栄養不足と生活環境の影響で、しっかりと身体が出来上がっていない状態。このまま訓練場に放り込んでも常時トレ失敗確率が2桁%あるようなもんです。
そこで
食事と言えば雑穀粥に屑野菜のシチューというのが当たり前だった英雄雛娘ちゃん。食卓に並ぶ豊富な蛋白源……豚や鶏、魚に目を丸くし、ほんとうに食べて良いのかと周りを窺う姿は小動物めいており、ダブル吸血鬼ちゃん
食事療法と並行して行われているのは過酷な集落での労働で歪みを孕んでいる肉体の改善。素振りや走り込みといった本格的な訓練の負荷にまだ身体が耐えられないと教官視点から叢雲狩人さんが判断したため、実際に身体を動かす運動として先程視聴神のみなさんも見ていたような子どもたちとの触れ合い、遊びを通じてゆっくりと基礎作りが行われています。
吸血鬼ママたちからたっくさんちゅーちゅーしていた子どもたちの身体能力は種族的な特徴を含めて非常に高く、英雄雛娘ちゃんも最初はまったく追い付けない日々が続いていました。しかしそこは英雄候補の凄いところ、徐々に追い縋るようになり、
「あーう!」
>「んー? みんなといっしょにあそびたいの?」
「もうすぐ終わりますんで、あとちょっとだけ我慢ですよぉ」
お、近くの切り株に腰かけていた白兎猟兵ちゃんの膝の上で、白兎四女ちゃんが羨ましそうな顔でみんなのほうを眺め身を捩らせています……って、あれ?白兎猟兵ちゃんに全身をブラッシングされているみたいですけど、パラパラと散る茶と黒の混じった夏毛の下に見える冬毛は……座っている白兎猟兵ちゃんの背後から同じように夏毛を梳いているパパの髪色とおんなじ黄金です! どうやら吸血鬼侍ちゃんの因子はそこに反映されたみたいですね。いまはまだ首から下がふわふわの毛で覆われてますが、春になればこの子本来の毛の生え方に変わることでしょう!
「さ、みんなそろそろベッドに行こうか。パパとママたちにおやすみの挨拶をしたまえよ」
「「「「パパ、ママ、おやすみなさ~い!」」」」
>「「おやすみ~!」」
もっとも日の短いこの季節。あったかお風呂で身体の汚れを落とし、日没に合わせて早目の夕食を終えた子どもたちを叢雲狩人さんが寝室へと連れて行きました。寝る子は育つとは良く言ったもので、日を追うごとに成長する子どもたちを見るパパやママ、ひいおばあちゃんの顔には温かな笑みが溢れていますね。
「――うん、こんなところかな。
「
>「ふたりとも、おつかれさま! ぎゅ~っ!!」
他のみんなが思い思いに寛いでいるリビングでは、卓上に広げた羊皮紙に
「それじゃヘルルイン、私たちは
>「ん! おおけがはしないようなしかけばっかりだけど、なにがおこるかわからないから」
「なに、痛くしなければ覚えないという嗜虐神の教えもある。痛みに耐えられぬなら冒険者なぞ成れるわけが無い」
「えぇ……? まぁ、痛みに耐えられるというのは立派な特徴ではありますけど……」
ほほう、どうやら麗しき
「さて、子どもたちも寝たことだし……いらっしゃいな」
「は、はいっ!」
お、ソファーに腰掛けていた女魔法使いちゃんがぽんぽんと隣を手で叩き、英雄雛娘ちゃんを呼び寄せていますね。彼女が頬を赤らめながら隣に腰を下ろしたのを見て、自らの寝間着のボタンを上から順番に外していきます。零れ落ちるように姿を見せたたわわに英雄雛娘ちゃんを抱き寄せ、ゆっくりとその後頭部を撫でながら囁くのは……。
「たくさん食べて、たくさん運動して、たくさん
甘く蕩けるような言葉に顔を胸に埋めたまま頷きを返す英雄雛娘ちゃん。……はい、前述の吸血鬼ママによる手助けとは、英雄雛娘ちゃんへのちゅーちゅーだったんですね!
「――吸血鬼の母乳が子どもたちの肉体成長を促進させたのならば、その子の身体づくりにも良い影響を与えるのでは?」
「――ふむ、やってみる価値はありそうね」
「えええええ!?」
闇人女医さんと女魔法使いちゃんの言葉が切っ掛けとなって行われたこの試み。当初は尻込みしていた英雄雛娘ちゃんでしたが、少しずつ増していく力と鬼ごっこでの実感もあり、3人の眷属から生命力をちゅーちゅーする行為に対しての抵抗がだいぶ薄れてきたみたいです。その生い立ちから母性に飢えていたということもあり、たわわに埋まる顔は母親に守護られる幼子のように安心しきったものですね。
「さ、次は
「ふふ、強さと優しさを兼ね備えた子になってくださいね」
「んちゅ……ふぁい……」
女魔法使いちゃんのたわわを堪能した後、令嬢剣士さんに招かれるままふわふわとした足取りで近付き、胸元に顔を摺り寄せる英雄雛娘ちゃん。それを見る剣の乙女ちゃんの顔に慈母のような笑みが浮かんでいます。服の乱れを整えている女魔法使いちゃんの隣に吸血鬼君主ちゃんを抱えた妖精弓手ちゃんが腰を下ろし、ねぎらいの言葉をかけてますね。
「お疲れ。どう? 未来の妹分の具合は」
「素直でとても良い子よ。どっかのスケコマシには勿体無いくらい」
そーっとたわわに伸びてきたちっちゃな手をぺしりと叩きながら微笑む女魔法使いちゃん。吸血鬼君主ちゃんを妖精弓手ちゃんごと抱き寄せ、優しく頭を撫でています。
「そんな情けない顔しないの。ほら、もうすぐアンタの出番でしょ?」
「あったく、あんな幼い
>「えう……」
「……ぷぁっ。ま、マスターは悪くないです。無理を言ってるのはわたし、ですから……」
前後を異なる感触に挟まれながら項垂れる吸血鬼君主ちゃんを見て剣の乙女ちゃんのたわわから顔を離して声を上げる英雄雛娘ちゃん。剣の乙女ちゃんにくるりと向きを変えられ、背後から抱きしめられた体勢で言葉を続けます。
「も、もう……大切な人が傷つくのを黙って見ているしかない自分では居たくありません……。だから、強くなれるんだったら……そのためならなんでも……むぎゅっ!?」
「ダメですよ。女の子が簡単になんでもなんて言ってはいけません」
あ、スッと伸びてきた白い繊手に口を塞がれ、英雄雛娘ちゃんが目を白黒させてます。口を封じた張本人である剣の乙女ちゃんが「めっ!」って顔をしてますね。
「いたずらに強さだけを求めていては、いつか自分の芯を見失ってしまいます。そうならないためにも、人との繋がり……絆は大切にしなければなりませんよ?」
そう、その通り。ダブル吸血鬼ちゃんが
「強くなりたいっていう貴女の願いを否定するつもりは無いし、叶えてあげたいと思うわ。だからこそ、自分を大切にして?」
「……はいっ!」
妖精弓手ちゃんからの言葉に強く返事をする英雄雛娘ちゃん。しかしその顔は続く「それじゃ、早速シルマリルに注いでもらいましょ!」という言葉によってあっという間に崩れてしまいました。
「眷属化に失敗しないよう心身の強度を上げるためにするんだから、そりゃ肉体改造にもなるわよねぇ」
「そんな不安そうな顔しなくてもだいじょーぶ! 私たちが手伝ってあげるし、ちょっぴり痛いのは最初だけだから!!」
「その、とても丁寧に扱ってくれますし、上手ですので心配は無用ですわ」
三者三葉の言葉に顔を真っ赤に染め、グルグルお目目の英雄雛娘ちゃん。トドメとなったのは、彼女に狂おしいほど柔らかな感触を与えている剣の乙女ちゃんによる耳元への囁きでした……。
「甘く、脳髄まで蕩けてしまうほどの充足感と幸福感……一度味わったらもう戻れませんよ?」
思考と排熱が追い付かず目を回してしまった英雄雛娘ちゃんを優しく抱き上げ、二階へ続く階段を上る剣の乙女ちゃん。吸血鬼君主ちゃんの首根っこを引っ掴んだ妖精弓手ちゃんがその後を追いかけ、
「ふわぁ…これがマスターの……」
「なかなかご立派な魔剣でしょ? これで何人もの女の子を泣かせてきたんだから」
>「えう……」
「うふふ……まだ本番は早いので、今日は此方で頑張ってみましょうね」
「ん……両手で刀身を撫でながら、切先を……はむ……」
「上手上手! ほら、シルマリルの顔がどんどん可愛くなってるわよ?」
「焦らず、ゆっくりで大丈夫。……そのほうがお好きですものね?」
>「おあ~……」
「いいなぁ……」
「なーに羨ましがってるの。今回の案件が終わったら次はそっちの眷属化でしょうに」
「え、なにそれ聞いてない」
「……あの馬鹿、本人に伝え忘れるんじゃないわよまったく」
天井を見上げて指を咥える妖術師さんに呆れた様子でツッコミを入れる女魔法使いちゃん。妖術師さんから返ってきた予想外のリアクションに違った意味で頭を抱えちゃってますね。
「そっかー・・・・・・ついに私も……ふへへ……」
「おや、随分と嬉しそうだな? 失敗して
「ん? いや、その時はサクッと滅ぼして貰うつもり。それに上手くいけば知識の探求に費やせる時間が永遠に等しく伸びるかもしれないんだよ? だったら試さない理由はないよね?」
両手を頬に沿え、クネクネと身体をくねらす妖術師さんに奇妙な生物を見るような眼を向けていた闇人女医さんですが、返ってきた言葉に肩を震わせ始め、やがて堪え切れずにクスクスと笑いだしました。
「――っは。常識人気取りかと思っていたが、やはり貴様も此方側の人でなしだな。いいさ、もし
「えぇーっ!? 『私の手でぬか喜びの野に送ってやる』くらい言ってくれないの!?」
「……そこはせめて『大喜びの野』辺りにしておきませんの?」
襟首を捕まれガクガクと揺さぶられながらも笑いを止めない闇人女医さん。妖術師さんも知識神さんが推しにするくらいにはアレな性格だったんだなぁ……。あと、頭の螺子の外れた面子に紛れてますが、こっそり令嬢剣士さんも愉快なこと言ってます。ひょっとして『喜びの野』という概念は四方世界にも流布しているんですかねぇ。
「まったく随分と賑やかになったものね。……これで私たちが子どもを授かったりしたら、さらに五月蠅くなるのよねぇ」
>「でも、みんなえがお! ぼくもあのこも、こんなかぞくがほしかったの!! ……もしかして、いや?」
子どもたちが防音完備の大寝室で寝てるのを良いことに大騒ぎな大人たちを半目で眺める女魔法使いちゃん。その腰に抱き着き不安そうな表情で見上げる吸血鬼侍ちゃんでしたが、優しく胸元に抱き締められトロンとした表情に。幸せそうに目を細めるもう1人の想い人に、そっと彼女が呟いたのは……。
「まぁ、嫌いじゃないわよ。アイツとあなたがいて、血と絆で結ばれた家族がいる。……だから、ちゃんと最期まで、私たち
>「ん~? もちろん! ぼくもあのこも、もしせかいがぜ~んぶてきになったとしても、かぞくはかならずまもるから!! だから、ずっとぼくたちのそばにいてほしいな? ……んちゅ」
自身に満ちた顔でキッパリと言い切り、女魔法使いちゃんの唇を奪う吸血鬼侍ちゃん。不意の一撃に呆気に取られていた女魔法使いちゃんでしたが、あなたもエロガキみたいなことするんじゃないのと苦笑してますね。2人のいちゃつきに辛抱堪らなくなった若草知恵者ちゃんがソファーにダイビングしてきたところで、夜の家族計画を覗くのは地母神さんにお任せしちゃいますね!
「――ね、ねぇ。ホントにこれから会わなきゃいけないの?」
「まったく、昨日から何度も同じ事言わせないで頂戴。いい加減腹を括りなさいよ」
さて、場面は変わりまして現在は
本番前日ということで英気を養うつもりだった一行。しかし昨日のおゆはんの席でダブル吸血鬼ちゃんが漏らした言葉によって、約束された勝利の休憩タイムはあっけなく崩壊してしまいました。
>「そうそう、あしたのあさへいかがあそびにくるからね!」
>「めいきゅうたんけんきょうぎのしさつで、ぎるどのえらいひとといっしょにくるって!」
サプライズにしては相手がVIP過ぎるんだよなぁ……。≪
「……流石にちょっと狭いわね。ってか集まり過ぎじゃないかしら?」
>「おはなしするばしょはちゃんとよういするからだいじょうぶ!」
>「みんなでへいかをびっくりさせちゃおうね!」
女魔法使いちゃんのぼやき通り、≪転移≫の鏡が置かれているリビングにはダブル吸血鬼ちゃん一家の他にもたくさんの人が集まっています。種族や生い立ち、社会的立場もバラバラですが、みんなダブル吸血鬼ちゃんを通じた縁で繋がった人たちですね!
「ふわぁ……こんな朝っぱらから集まってよぉ……別にテメェだけでも良かったんじゃ……」
「知らん。俺に聞くな」
「そりゃアレだ、俺ら金等級だろ? 国付きの冒険者なんだからこういう時には呼ばれるもんだ」
まずは辺境三勇士であるゴブスレさんたちHFOの3人と彼らの奥さん、それにみんなの子どもたちが勢揃い。はじめてのおめかしにテンションMAXな子どもたちはダブル吸血鬼ちゃん一党のキッズと互いに可愛らしい衣装を見せあいっこしてます!
「成程、こうやって次代を担う冒険者が絆を深めるというわけですな」
「そうだな。いずれはこの子も彼らと友誼を結ぶ時が来るだろう」
天井に頭がぶつからぬよう若干前屈みな蜥蜴僧侶さんの隣には、スヤスヤと寝息を立てる竜眼少女ちゃんを抱く女将軍さんの姿が。吸血鬼君主ちゃんの奇跡で再生した生身の腕でそっと愛娘の頬を撫でる顔には幸せが満ちていますね。
「チッ、なんで俺まで……」
「鱗のと金床が顔を出しとるんだ。
こちらは若干不機嫌な隻眼鍛冶師さんを鉱人道士さんが宥めています。どうやら朝まで鉄を打っていて、さぁ寝るかというところで引っ張り出されちゃったみたいですねぇ。眠気覚ましに度数の高い火酒を煽りながら表面が波打ってきた≪転移≫の鏡を眺めています。……お、向こう側の景色が浮かび上がって来ました! さて、最初に飛び出してくるのは……。
「イェーイ! ボク一番乗り……わわっ!? 可愛い子がいっぱいだぁ!!」
「朝から五月蠅くて済まない。お邪魔する」
「ほら、後ろがつかえているので早く出るのです」
まず現れたのは我らが勇者ちゃん一行。子どもたちを目にした勇者ちゃんが瞳に☆を浮かべ、右腕に牧場の双子ちゃんを、左腕に太眉長女ちゃんと泣き黒子長男くんをいっぺんに抱きしめちゃってます。剣聖さんがペコリと頭を下げた際にたわわがたゆんと揺れるのを見た星風長女ちゃんがあざとい笑顔を浮かべながらお山に向かって吶喊、妖精弓手ちゃんの繰り出した溜息付きのアイアンクローで無事?捕獲に成功しましたね。
続いて現れたのは2人の女性。片手にスキットルを持った小柄で存在感の薄い銀髪の女性は毎度お馴染み銀髪侍女さんですが、隣の背の高いスーツ姿の女性は初対面でしょうか。……おや? 彼女を見た牧場夫妻が驚きの表情を浮かべています。2人に気付いた女性は涼やかな笑みとともに夫妻へと歩み寄って行きます。
「久しぶりですね。……結婚、おめでとうございます」
「ひゃ、ひゃい!? ありがとうございます!」
「……(ペコリ)」
彼女からの祝福の言葉に若干上ずった声で礼を言う牛飼若奥さん。その隣のゴブスレさんは……おお、なんと珍しい! 相手が陛下だろうと態度を変えないゴブスレさんが心持ち背筋を正してお辞儀をしています!! やっぱり昇級審査を担当してくれた彼女……査察官さんは、彼にとって新
2人への挨拶を終えた査察官さんですが……おや? そのままダブル吸血鬼ちゃんへと近付き、目線を合わせるようにしゃがんで手招きをしています。彼女が姿を現した瞬間女魔法使いちゃんの後ろに隠れていた2人ですが、おずおずと影から出て来ましたね。どこか不安そうに手を伸ばしてきた2人を力強く抱き寄せ、ポンポンと後頭部を優しく撫でています。
「――あなたとは『はじめまして』ですね?」
>「うん。あのころはまだはんぶんねむってるみたいで、ずっとかべをへだてたばしょからみてたかんじだから……」
吸血鬼君主ちゃんにむける片側だけの視線はとても柔らかく、受付嬢さんや監督官さんが見たら腰を抜かしてしまうほどの優しさに満ちています。躊躇いがちに抱き返す吸血鬼君主ちゃんに頬擦りをした後、顔を向けるのは……。
「――あなたとは『また会いましたね』なのですが……覚えていますか?」
>「……うん。しのめいきゅうにいったときにおもいだしたの。……あの、そのみぎめ……」
壊れ物に触れるように手を伸ばし、査察官さんの右半面を覆う髪をそっと払う吸血鬼侍ちゃん。原作では瞳孔の無い右目と傷跡の残る顔でしたが――。
「――ええ。
――そこに見えるのは傷一つない顔と、眼球の無い落ち窪んだ眼窩。どうやら吸血鬼侍ちゃんとは浅からぬ因縁があるみたいですね……。
「ちょっと、ヘルルインがやったって、それどういう……!?」
「私とこの子の関係は、この後の話の中で判ります。……
「……判った。でも、ちゃんと本当のことを話してよね?」
聞き捨てならないと食って掛かる妖精弓手ちゃんを手で制し、深々と頭を下げる査察官さん。彼女の胸元から見上げるダブル吸血鬼ちゃんの無言のお願いもあってこの場での追及は止めてくれたみたいですね。新たに鏡に浮かび上がってきた人影に視線を向けながら、落ち着かない様子でトントンと爪先で床を叩いています。
「んで? あと何人でおしまいなの?」
「残るは本命だけだよお姫様。真打は最後に登場するのがお約束というものだろう?」
妖精弓手ちゃんの呟きに律儀に言葉を返す銀髪侍女さん。彼女の言葉が終わると同時、鏡から3人の人影が……!?
――まず現れたのは獅子の如き豪奢な金髪の偉丈夫。
しなやかさと逞しさを兼ね備えた肉体を
「待たせたな諸君! 貧乏貴族の三男坊にして、みんなの
――続いて現れたのは2人の少女。ある一点を除き鏡写しのような背丈と顔立ちですが、その服装は大きく異なっています。
一部が豊満な少女は肩を大きく露出させた法衣に身を包み、首には黄金の輝きを放つ太陽神さんの
「同じく、貧乏貴族の三男坊の妹
そして一部が残念でなんだか見覚えのある少女。デザインこそ今までと然程変わらないもののずっと高品質になった法衣と、魔法の力を帯びた
「――貧乏貴族の三男坊の妹
なんだこれは……たまげたなぁ……。赤毛の枢機卿に自慢の鎧を取り上げられたために簡易KODちゃん姿で登場した陛下を始め、3人とも良い感じにダメになってますね。(精神的ストレスが)たまってる……ってやつなのかな? ……って、今サラッと女神官ちゃん凄いこと言ってませんでしたか?
「あの、陛下? 疲れてるんならこんなとこ来てないで可愛いお嫁さんに癒して貰ったらどうですか?? それに執務はどうしたんですか???」
「うむ、妃なら余の自慢の将軍たちの妻と昨夜パジャマパーティーを楽しんでいたので早朝から起こしてはいかんと思ってな。執務は宰相と枢機卿に丸投げしてきた、1日2日であれば余が居なくとも問題無かろう。それにだ……」
一早く再起動した女魔法使いちゃんツッコミに律儀に返答する陛下。もう隠す気はサラサラ無いんですね。赤毛の枢機卿が
過去を振り返るように瞑目した後、陛下が視線を向けた先はダブル吸血鬼ちゃん。どこか絞り出すように紡がれた、先程途中で言い淀んでいた言葉の続きは……。
「我らが父にして先の国王、そして『死』を恐れるがあまり『死』に囚われてしまった哀れな男。自らを
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
16巻でまたプロットが爆破されそうなので失踪します。
ご感想いつもありがとうございます。いただいた感想から次のシナリオが生まれたり
思わぬ展開へと繋がったりするので、お時間がありましたら書き込んで頂けると幸いです。
お気に入り登録や評価もお待ちしておりますので、よろしければお願いいたします。
お読みいただきありがとうございました。