ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
とりあえず山場は越えたので初投稿です。
はぁ……尊い……。何度観てもあの2人の関係は堪りませんねぇ! 秘密は甘いもの、アカシックレコーダーから引っ張り出した記憶映像の編集に全力を尽くした甲斐があったというものです!!
――フフ、万知神さんにとっても予想外だったんですよね。彼女が『吸血鬼侍』ちゃんから分離して王城へと向かったこと。本来は『吸血鬼侍』ちゃんの外付け記憶装置としてお母さんの
映像記憶で
だって、
それが何故かお母さんが独立して動き出しちゃったもんだから、この後処理が追い付かずに『吸血鬼侍』ちゃんの活動に制限が掛かっちゃって。ほんへ開始直前まで機械的に秩序の敵と吸血鬼を狩る
まぁ、それに目を付けた太陽神さんの協力で1つの身体に2つの魂を搭載した前期型『
――っと、可愛いN子さんともあろう者がちょっと語り過ぎちゃいましたね。そろそろ実況も再開するみたいですし、振り返りはまたの機会ということで!
前回、魔穴組の決着がついたところから再開です。
『吸血鬼侍』ちゃんから分離し、大切な約束のために魔穴へと赴いた
さて、残るは迷宮組による魔神討伐です。『吸血鬼侍』ちゃんと
『吸血鬼侍』ちゃんが先着してしまったため、コントロールセンターにおける女司教ちゃんを置いてけぼりにした
そのため、魔人の待つ最奥を目指す曼荼羅を模した迷宮の探索は彼らの消耗を抑えるべく『吸血鬼侍』ちゃんが積極的に前に出ているのですが……。
「――なぁ、ワイらの力を温存するためっちゅうのは判るんやけどな?」
通路は全て
「もうアイツだけでええんやないか???」
「ンンン~、実はそうも言ってられないんですよねぇ!」
彼の呟きに反応したのは
「今のあの
呪文の詠唱に入った魔術師の首を村正で斬り飛ばし、撃ち込まれる魔法は呪文無効化と再生の能力で強引に突破。自分と同じ姿の
「それに、いくら個としての力が皆さんより上であっても、この先で戦う魔人はそのさらに上! 個の力で敵わぬ以上、皆さんこそが勝利の鍵を握る存在なのデース!!」
たしかに。たとえ相手が自分たちより強くとも、囲んで棒で叩いて打倒するのが弱者の戦法。そういう意味では対魔人戦における『吸血鬼侍』ちゃんの役割は露払い兼肉壁あたりが妥当ですね。
「えっと、じゃあなんであなたは動かないの? あの子を援護してあげたら?」
うむ、従姉ちゃんの指摘はごもっとも。まるで
「いえ、ワタクシこう見えて
「……やっぱりここに埋めていこうかしらねぇ、この変態はぁ……ッ」
「いやん、こわ~い!」と野太い悲鳴を上げながらダバダバと駆けまわる
>「けぷっ……ふぅ、おなかいっぱい!」
「あ、待って。……ほら、口元に血が付いてますよ」
>「わわ……えへへ、ありがとう!」
お、死体から血液と
「ハァ……なんかアレコレ考えるんが馬鹿らしゅうなってきた。サッサと終わらせて冷えた
「
「戦争の火種作るのやめーや!?!?」
……うん。やっぱりいいなぁ、冒険に挑む冒険者は――っと、どうやら決戦前の装備確認が出来たみたいですね。扉の奥から漂う怪しい空気と血の匂い。見た目は今までの玄室と違いはありませんが、間違いなく魔人はこの先に待っています。互いに顔を見合わせ、決意に満ちた表情で頷く一行。半森人の斥候さんと
「前衛は一度後退、分割詠唱でアイツの≪
>「ん、まかせて!」
絶対的価値観の相違から決裂した戦闘前の会話。≪死≫を体現したような黒傘を相手に『吸血鬼侍』ちゃんたちは驚くほど優位に戦闘を進めています。
「ひゃんっ!? もう、わたくしみなさんのようなクッションは持っていないんですよ?」
>「ん~? でもいいにおい……。ヨシ、なおった! いってきます!!」
「い、いってらっしゃい……?」
深く抉られた脇腹をあっという間に修復し、むふ~! と漲った様子で黒傘の
自らの負傷を無視して重い一撃を繰り返す『吸血鬼侍』ちゃんを何故黒傘は放置しているのか。
「ええい鬱陶しい! 先刻から邪魔ばかり……君、やる気はあるのかねぇ!?」
「おお、こわいこわい! こわいからそれも打ち消しちゃいましょうねぇ!!」
――奇妙に身体を捩り、手に持つ杖を名状しがたい動作で振るう、
近接攻撃と呪文を両立させた上級職である『侍』。魔人『黒傘』の核となっている職業のため、奴もまた強力な呪文を唱えることが可能です。現に今も剣戟の合間に後衛に向け≪
「ンンー……それは通せませんねぇ! ≪
ぷしゅーという気の抜ける音とともに発動すること無く消費される呪文回数。≪
「君、いい加減にしたまえ! 君は決闘をなんだと……ぬわーっ!?」
>「すきあり~! ていっ!!」
「グワーッ!?」
前衛を無視して
「おやおやぁ? よりにもよってアナタが『決闘』を口にするのですかぁ? ≪豊穣≫さんと一緒になってはっちゃけた挙句、
「――個人の生命と誇りを賭けて行われていた『
ヒエッ……表情、というか顔のパーツ全てが消失した暗黒フェイスで見下ろす
四方世界の理から外れたその言葉に相手の正体を見出したのでしょう。怒りを浮かべていた黒傘の表情が呆気にとられたものに変わり徐々に笑みへと移り変わっていきます……。
「――ハ」
「ハハハ……」
「ハァーッハッハッハ!!」
魂を直接
「そうか、それはたしかに私たちに非があるねぇ。だがいつまでも同じ遊び方ではいずれ飽きてしまう、違うかい?」
謝罪ともとれる言葉を紡ぐ黒傘の足元には沸き立つように蠢く影。そこから次々に赤黒い輝きを放つ無数の
「それに、このまま何もせず逃げ帰っては
「……
周囲を警戒しながら集合し、油断せずに装備を確認していた半森人の斥候さんの呟き。それを耳聡く聞きつけた黒傘が楽しくて仕方が無いといった声で
「
>「!? あぶないっ!」
危機を察知した『吸血鬼侍』ちゃんの視線の先には、混沌の海から這い出した闇霊が彼女の背後に立ち上がり、手に持つ
「……え?」
急転直下の事態が続き判断力が低下してしまったのでしょう。眼前に迫る錆びだらけの刃を呆けたように眺める女司教ちゃん。間に合わぬと知りながらも必死に手を伸ばす『吸血鬼侍』ちゃんの意思に応えるように、彼女の身体から暗月の蒼き光を纏った人影が飛び出して行きました!!
「――――!!」
「――――!?」
女司教ちゃんをすり抜け、分厚い刃にその身を両断されながらも愛用の武器である
「なんて、酷いことを……っ」
「相手の実弾数が不明な状態での競りか。他人の命が賭けられていなければ面白いと笑うところだが……」
「もうお判りだろう、その
「だめ、もっと一か所に闇霊を集めて!」
「ンなこと言われても……大将後ろ!?」
「――――!!」
――どれほどの時間が経ったでしょうか。長時間の戦闘で冒険者たちの動きは精彩を欠き、闇霊を≪
>「ていっ! ……あ、あれ?」
「!? もう無理に動いてはいけません!!」
その理由は『吸血鬼侍』ちゃんの変調。危険な一撃からみんなを護るために暗月霊を用い、戦闘不能者を出さないよう立ち回っていたことで内包する
「グッ……!?」
「ちょ、ちょっとぉ、これ以上の
既に常の回数を使い切り、
「どうしよう……あとちょっとなのに、どうしても
魔法では闇霊に有効な手が無く、≪
「アナタがた
「うっさい、ちょっと黙って! ……というか、貴方は何か出来ないの?」
「ンンン~、ワタクシ発動する呪文を打ち消すのは得意ですが、既に発動している儀式を消去するの苦手なんですよ」
まぁ、青ですからねぇ。従姉ちゃんの見る前で闇霊をバウンスしてますが、すぐに何事もなかったかのように現れる姿を見て従姉ちゃんが溜息を吐いてますね……と、おや? 悩まし気に腰を揺らしていた
>「かっ……はぁ……っ!?」
「――いやぁぁぁぁぁ!?!?」
悲鳴の先には闇霊の持つ
>「く……うううぅ……っ!」
宙に掲げられたまま闇霊へと小さな手を伸ばす『吸血鬼侍』ちゃん。その手から浮かび上がるように暗月霊が顕現し始めますが、同時に彼女の身体から一気に力が抜けていくのが見て取れます。うむむ、活動限界はとっくに過ぎているのに今まで良く保ったというべきなんでしょうが……。
「……か」
……ん?
「……すか」
「何処かの誰かの幸せの為に、その身を、魂を、全てを削って抗う幼子ひとり救えずして何が英雄ですか!!」
――それは、初めての冒険で失敗し、ゴブリンに穢された少女の原点。
『鑑定』と呼ばれ、邪険に扱われ、傷モノと蔑まれながらも迷宮を踏破する者に助力しようと抗ってきた冒険者の声。
暗闇に怯え、他人の視線に恐怖し、それでも前に進もうと決意した、かつての自分を呼び覚ます再誕の叫びです……!
手に握る天秤剣を一振りすれば幻のように消える闇霊。支えを失い落下する『吸血鬼侍』ちゃんを優しく抱きとめたその腕は、女司教ちゃんのものではありません。
「ンな……!?」
「ほう……!!」
「「綺麗……」」
「(デッッ!!!)」
彼女の背後に現れし至高神さんの似姿。同性すら魅了する蠱惑的な肢体を薄衣で包み、眼帯とヴェールで顔の上半分を隠した美しい半透明の女性が、その豊かな胸元に『吸血鬼侍』ちゃんを抱きしめているのです……! あ、"君"は後で≪真実≫さんと一対一で面談です、イイネ?
>「……んゆ?」
「生まれた命を祝福せず、あまつさえ
天秤剣を肩に担ぎ、ゆっくりと黒傘へ歩み寄る女司教ちゃん。彼女が歩を進める度、足元の混沌が音をたてて蒸発していきます。彼女から発せられる
「ハハハ……まさかこんな形で盤面をひっくり返されるとはねぇ。これも君たちの
「まっさかぁ! 彼女が
「……え?」
勝敗を認め、最後はつよつよムーブで退場しようとする黒傘。しかし世間はそんなに甘くないんだよなぁ。
「いつまでも遊んでないで、さっさと
「ガッ!?」
側頭部をジャストミートされ、口からキラキラしたものを放出しながら吹き飛んでいく黒傘。玄室の壁にぶつかる前にその身体は消滅し、同時に床に広がっていた混沌の海も消え去りました。コツンと床に天秤剣の先端を打ち付け鼻を鳴らす女司教ちゃんに女性陣が笑顔で駆け寄り、男性陣が怯え交じりの表情でそれを眺めていますね。
「女とは、強いものだな」
「こっわ……ワイ、絶対にアイツを怒らせんようにしよ……」
「(――コクコク!!)」
男性陣が心を入れ替えているその一方、女性たちのほうにも動きがありますね。黒傘を盤外ホームランした女司教ちゃんのところへ幻影の女性がゆっくりと近付き、抱きかかえていた『吸血鬼侍』ちゃんをそっと差し出しています。おずおずと手を伸ばした女司教ちゃんが彼女を受け取り、未だ成長前の胸元にしっかりとホールドしたところで……。
「んむ!?」
「「きゃー!!」」
――唐突な柔らかい感触に硬直する女司教ちゃん。口内を蹂躙する蛇に圧倒され、まったく身動きが取れなくなってます。暫くして満足したのか
「えっと、あの人……人? 何を伝えようとしてたの?」
「アタタ……いえ、ワタクシがこの迷宮の後始末を押し付けられただけですよ? そんなことより、その
蹴り上げられたケツを擦りながら立ち上がり、冒険者たちを見回す
「残存
矢継ぎ早に突き付けられる悲観的な情報の数々。ですが『吸血鬼侍』ちゃんを抱く女司教ちゃんの顔にはマイナスのそれは一切ありません。寝息を立てずに胸元に頬を寄せる小さな身体をギュッと抱え直し、眉を立てた強い笑みで宣言するのは……。
「この子は、私が冒険者として一番最初に抱いていた想いを呼び起こしてくれました。今度は、私がこの子の願いを叶えてあげます! だって……」
「だって、この子は私の大切な
――大切な
さて、記憶映像はこれで終了ですね! 次回はダブル吸血鬼ちゃんの過去を知ったみんなの反応と、この祭祀場跡でダブル吸血鬼ちゃんがやりたかったことの2本をお送りする予定です!!
――え、肝心の迷宮探検競技はどうしたんだって? そ、その後に連続しての実況になりますから……たぶん、きっと、メイビー(震え声)。
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
本来の予定ではここからがセッション16だったので失踪します。
評価、お気に入り登録ありがとうございます。読んでくださった方の反応が感じられますと、やはり更新速度が上がりますね!
ご感想もあわせてお待ちしております。感想の内容によって、だだ甘やねっとり、甘酸っぱい感じなど次話の方向性が変わったり変わらなかったりするかもしれません。よろしくお願いいたします。
お読みいただきありがとうございました。