ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
業務の引継ぎやら何やらで遅れたので初投稿です。
前回、『はじめてのぼうけん』がスタートしたところから再開です。
最初の
ガボッ
「ンンンーーーッ!!!」
「に、兄さぁぁぁぁん!?」
「ほう? どうやら重さを感知して発動する罠だったようだの」
感圧式の罠を猛女ちゃんが踏み抜き天井から落ちてきた
ガコン
「へ? キャー!?」
「え、待っ、うにゃあああ!?」
「あばばばば!?!?」
突然上り階段が急坂に変化し、足を取られた猛女ちゃんの落下に全員が巻き込まれてゴロゴロ、ついでに2つめの
スカッ
「あ、あれっ?」
「ひっ!?」
「のわぁ!? 危ねぇなおい!?」
「フハハハハハハハハハ!」
「えぇ……アレ全部引っ掛かるの……?」
「どっせぇぇぇぇい!!」
「MOB~!?」
うわ、猛女ちゃんの一撃怖っ!? 必要筋力半分くらいの
大暴れする神官2人が目立っていますけど、英雄雛娘ちゃんも負けてはいませんね! 通路では短剣に、玄室では長剣に持ち替えて危なげなく戦っています。斬るのではなく突きを多用した剣の扱い方はゴブスレさんや令嬢剣士さんに似た狭い場所での戦法……「小鬼殺し」に向いた戦い方と言えるでしょう。後方からみんなの戦いを観察している鷲頭様もそれに気付いたのか、ステップを駆使した一撃離脱戦法を意識するよう声を掛けています。
「ひぃふぅみぃ……全部で12匹か。囲まれたら厄介だろうが、正面切っての殴り合いならそうそう遅れは取らないみたいだな」
おっと、話しているうちに玄室内に配置されていた
「油断するなよ若造。彼奴らは姿を似せただけの人形、本物の小鬼は模造品のようにお上品ではない。汚泥の中に潜み、毒を使い、人質や罠を活用する。かすり傷一つが死に至る事も決して少なくは無いぞ?」
「それに……あいつらは殺すことよりも犯すこと、嬲ることを好みます。たった1人を両手の指以上のゴブリンが取り囲み、抵抗することすら出来ずに玩具にされることだって……」
「はは、そんな大袈裟な……」
脅すような鷲頭様の言葉に頬を引きつらせる遺失魔法使いさん。続く英雄雛娘ちゃんの顔を見てそれが決して冗談では無いと察したみたいです。ぞわりと身体に走った悪寒を振り払うように身震いし、装備を確認する彼の表情からは油断の色は抜けたみたいですね。
訓練場で学ぶのは肉体の扱い方だけではありません。座学では緊急時に食べられる野草や木の実、飲み水の確保の仕方などのサバイバル技術の習得や、
女性冒険者だけを集めて行われる勉強会。若草知恵者ちゃんや叢雲狩人さん、只人寮母さんなどから語られる生々しい現実に気絶や嘔吐する女性が多発するものですが、いつ何時自分がそういう目に遭うか判らない女性たちからの「知ることが出来て良かった」という声は多く、より一層新人たちがゴブリン駆除に邁進する要因となっているみたいですね。
「そろそろ私の出番ですね。主さま、行ってまいります」
>「ん、いってらっしゃい!」
>「がんばってね!!」
お、若草知恵者ちゃんがダブル吸血鬼ちゃんに口づけをして部屋から出ていきました。競技者からは見えない位置にある専用通路を使って担当の玄室へと向かったみたいです。以前は
「ようこそいらっしゃいました、未来の冒険者の方々。ここでは
「「「うわぁ、綺麗……!!」」」
「ワン!」
女子たちの黄色い声が響く玄室。倉庫のような造りの部屋には所狭しと麻袋が積まれており、中央に据え付けられた机の上には大小2つの秤が設置されています。その傍らには奉納演舞の際に身に着けていた儀式装束姿の若草知恵者ちゃんが
「まずは休憩を兼ねて頭の体操と致しましょうか。まず此方に8枚の金貨がございます。この中で7枚は本物なのですが、1枚だけ本物より少しだけ軽い偽物が混じっております。机の上に置かれております天秤を何回使えば偽物の金貨を見つけることが出来るでしょうか?」
こちらに本物の金貨と同じ重さの分銅も用意してありますので、という若草知恵者ちゃんの言葉にめいめい考えを巡らせ始める一行。あ、鷲頭様は答える気が無いのか若草知恵者ちゃんにアイコンタクトを送って持ち込みの酒と
「はい! 片方に分銅を乗せて反対側に金貨を1枚ずつ載せるのを10回繰り返せば良いと思います!! 運が良ければ最初の1回で正解が出ます!!!」
「えっと、それじゃ
うーんこの脳筋思考。運に自信があれば初回で偽物を引き当てることも可能でしょうが、それだと問題の体を為さないんだよなぁ……おや、首を捻っていた王妹殿下が何かに気付いたみたいですね。
「あの……この分銅は必ず使わなければいけないのかしら?」
「いいえ、使わなくても結構ですよ?」
「なるほど、であれば2枚ずつ載せて……いえ、もしかして……!」
指で金貨を動かしながらブツブツと呟く王妹殿下。英雄雛娘ちゃんと猛女ちゃんはその動きに目を奪われちゃってます。どうやら遺失魔法使いさんも答えには到達しているようですが、空気を呼んで女の子たちの解答を待ってくれているみたいです。
「――判りましたわ!」
「はい、では実際に天秤を使って偽物を見つけ出してくださいませ」
キラキラ笑顔で手を挙げる王妹殿下、若草知恵者ちゃんが差し出した天秤を受け取り、その前に金貨を並べていきます。
「ではまずこのように
左右の皿に金貨を載せる王妹殿下。すべてが本物なら天秤は釣り合う筈ですが、
「抜き出した2枚が釣り合っているということは、天秤に載せなかった最後の1枚が偽物ですわ。もしこの段階でどちらかが傾けばそれで正解が判りますし、最初3枚ずつ載せたときに釣り合っていたら、
「「おおー!!」」
たゆん、とたわわを揺らしながらの答えに感嘆の声をあげる英雄雛娘ちゃんと猛女ちゃん。「正解です」という若草知恵者ちゃんの声に王妹殿下が男らしいガッツポーズを披露していますね。微笑ましい光景に眦を下げていた若草知恵者ちゃんが本番の準備として、よいしょ、と可愛らしい声を伴いながら机の上に小さな袋を並べ始めました。
「それでは
むむむ、これは有名な
「えっと、今度は天秤じゃないから同じ方法は使えない……かな?」
「ふむふむ、重さが目で見てわかるならば、順番に全部載せれば……!」
「それじゃ問題にならねぇってさっき言われただろうが!?」
「クゥン……」
腕を振り上げ力説しようとする猛女ちゃんに入る鋭いツッコミ。むー……と不満そうな猛女ちゃんが遺失魔法使いさんをジト目で睨みつけながら反論しています。
「そんなこと言うなら兄さんが答えて下さいよ! もちろんパパっと正解してくれるんですよね?」
「あー……いいのか?」
猛女ちゃんに詰め寄られ視線を泳がせる遺失魔法使いさん。どうやら答えは判っているようですが、自分が答えてしまって良いのか踏ん切りが付かない様子。どうしたものかと王妹殿下と英雄雛娘ちゃんに視線を向けたところ……。
「ええ、此処はバッチリ決めてくださいな!」
「お、おねがいします……っ」
妹分に良いとこを見せるように……じゃないですね。アレは2人とも考えるのを放棄している顔です。クソデカ溜息を引き連れた遺失魔法使いさんが猛女ちゃんを背中に張り付けたまま、無造作に置かれた金貨袋を横一列に並べ始めました。腰の呪文構成要素ポーチから取り出した炭で袋に順番に数字を書き込みながら口を開きます。
「いいか? まずはどれがどれだか判らなくならないように袋に①~⑩まで番号を振る。んで、それぞれの袋から袋に描いてある数字と同じ枚数金貨を取り出す。集めた55枚の金貨、全部本物なら550gになる筈だが……」
秤の上に金貨が積み上げられ、徐々に増えていく秤の数字。55枚全て載せられたところで表示された数字は……『545』ですね。
「偽物の枚数分だけ軽くなる。つまり550から545を引いた数と同じ番号の袋が偽物の金貨が詰まった袋だ。つーわけで、答えは『1回』……だよな?」
自信に満ちた瞳を若草知恵者ちゃんに向ける遺失魔法使いさん。ゴクリ、と喉を鳴らしながら女性陣が見守る中、若草知恵者ちゃんの口から出たのは……。
「お美事、正解で御座います!」
「「「おおー!!!」」」
「っしゃー! どうだこんなもんよ!!」
「カカッ、悪知恵は働くようだな小僧!」
どうだと言わんばかりにドヤ顔を披露する遺失魔法使いさん。猛女ちゃんや英雄雛娘ちゃんからの尊敬のまなざしに鼻高々といった様子。普段は大人びて見えていても、こうやって感情を露わにしている時は年相応の青年って感じですね! 若者たちの挑戦を見守っていた鷲頭様もこれにはニッコリ、バンバンと遺失魔法使いさんの肩を叩いています。
「では、出口で参加賞と交換出来ますのでこの金貨袋をお持ちください。迷宮の外に持ち出そうとすると消えてしまいますのでそれだけはご注意の程……」
微笑みを浮かべながら一行に金貨袋を差し出す若草知恵者ちゃん。猛女ちゃんがはにかみながらそれを受け取ろうとしますが……。
「――ちょい待ち。その金貨袋は
「ふふ、その通りでございます♪」
「うっし、ならこうするのも問題無いよな?」
お、遺失魔法使いさんが橋のところで猛女ちゃんたちが土を詰めようとしていた頭陀袋片手に悪い笑みを浮かべてます。鷲頭様も彼の意図に気付いたのかニヤリと悪い顔になってますねぇ。猛女ちゃんの手から金貨袋を取り上げて中身を頭陀袋へと流し込み、鷲頭様と2人で続けざまに他の金貨袋も同じように頭陀袋へと中身を移しちゃいました。女性たちが唖然とするなか、ずっしりと重くなった頭陀袋の口を縛りながらやり遂げた男の顔の2人が向き直り、口にしたのは……。
「へへっ、これで一袋だな!」
「うむ、『冒険者たるもの強欲であれ!』 ……であろう
「はい、なにも問題ありませんね♪」
「「「ええ……?」」」
うーんこの強欲っぷり。ですが若草知恵者ちゃんの対応から察するに想定の範囲内みたいですね。せっかくの冒険で収支が赤字になってしまっては元も子もないですし、持ち帰ることが出来る分はギリギリまで持って帰るのはアリでしょう! にこやかに手を振る若草知恵者ちゃんに見送られて部屋を出たところで……あ、出口すぐに仕掛けられていた落とし穴に前衛2人が引っ掛かっちゃってますね。まさに油断大敵!ってことでしょう。遺失魔法使いさんの差し出した杖の先に掴まって引っ張り上げられた2人がシュンとなって反省しています。幸いにもクッションが敷いてあったために怪我は無いようですが、最後まで気を引き締めて頑張ってもらいましょう!
その後幾つも仕掛けられていた
「ウーム、この暗さは年寄りにはちと厳しいのう……!」
「いや、元々鳥目じゃねぇかオッサン」
「ここに
「その通り!よくご存じだ……」
謎の声と同時に光に包まれる玄室。突然の輝きに目を覆った一行の前に現れたのは、典雅な貴族風の衣装に身を包み、付け牙を口元から覗かせた妖術師さん。ノリノリで支配者の
「数々の
「……微妙に優しい言葉遣いなのが無理している感あって可愛いですわね!」
「あ、荒っぽい口調で威圧するのとか好きじゃないし……」
あらやだかわいい。根が優しい妖術師さんにはあんまり向いてなかったかもしれませんけど、それでも精一杯悪役ムーブを頑張る彼女に向けられる挑戦者たちの視線は何処か優しさを孕んでいますね。
「えっと、あなたを倒せば
「え? あ、いや、みんなに相手してもらうのは……ゴホン! 『さぁ出でよ、我が最強のしもべ
猛女ちゃんの問い掛けに一瞬素に戻ってしまった妖術師さんでしたが、咳払いとともに練習していた台詞を宣言。それを合図に玄室が震動に包まれていきます。重々しい音とともに床の一部が開き、下からせり上がるように姿を見せたのは、見上げるほどに大きな2体の緑色の巨人です!
絡み合う触手で構成された四肢は女性の腰よりも太く、頭部と思われる部分にはぽっかりと空洞があり、まるで虚ろな表情を浮かべているかのよう。そして何よりも挑戦者たちの目を釘付けにするのは……。
>「「ぎゃお~! たーべちゃうぞ~!!」」
触手に埋もれるような形で巨人の胸元から頭を覗かせている、ダブル吸血鬼ちゃんのドヤ顔でした……。
「さぁ、みごとこの『
「いや、どう見たって触手じゃねぇか!?」
「そんな些細な事に拘っている場合ではありませんわ……っと!」
遺失魔法使いさんの叫びが虚しく響く中でなし崩し的に始まった戦闘。勢いよく振り下ろされた拳をバックステップで躱す王妹殿下。床に叩きつけられた拳は「ぽにょん」という擬音が似合いそうな衝撃吸収能力を発揮し、当たっても大事に至らないよう配慮されていることが伺えます。
しかしそこはエロイことに定評のあるダブル吸血鬼ちゃん&妖術師さん、前回挑戦者の落とし物と思しき床に落ちていた矢が触手に絡めとられ腕の中へと消えてしまいました。おそらく捕まってしまったら触手たちの歓待を受ける羽目になりそうですねぇ……。
>「へっへっへ、にげられるとおもうなよ~!」
「発言がゲスいですわお姉様!?」
後退する王妹殿下を追いかけるように歩を進め、左右の触手アームを繰り出す吸血鬼君主ちゃん。割って入った猛女ちゃんの大振りな一撃がその腕に吸い込まれ、束になった触手の半ば以上を切断しますが……。
「んぐぐ、抜け……抜け……あー!?」
あ、絡めとられた
「ええい、次から次へと生え変わりおって……!」
「うう……キリがないです……っ」
「ガウゥ……」
>「えへへ、まてまて~!」
その一方では鷲頭様と英雄雛娘ちゃんが戦闘中。触手の扱いに長けた吸血鬼侍ちゃん操る
「ええい、こうなったら一撃必殺の遺失魔法で……!」
「止めてくださいよ兄さん! どうせ失敗するんですからぁ!?」
「うっせ! 黙って見てろっての!!」
お、猛女ちゃんを抱えて下がってきた王妹殿下の前に進み出た遺失魔法使いさんが呪文の詠唱を始めましたね! 必死の形相で止めるよう説得する猛女ちゃんを横目に紡がれる
>「「まえがみえない~……」」
「あ、ありゃ?」
残念ながら『生物』にしか効果を発揮しないため、視界を妨げることしか出来なかったみたいですね……。
「このままでは埒が空かんな……おい、巨人に埋まっとる嬢ちゃんたちは殴っても構わんのだろう!」
「うひゃい!? え、えっと、はい。師匠たちの顔に一撃入れられたらこの
やっちまったという顔で一行を見る妖術師さん。鷲頭様の迫力に負けてクリア条件を漏らしちゃいましたねぇ……。
「聞いたか皆の衆! 巨人そのものを倒す必要は無い、あの2人の顔に一発入れたらワシらの勝利よ!!」
「……へっ、簡単に言ってくれるじゃねぇの。まぁ楽になったと思えばいいか!」
「あわわ……ごめんなさい師匠~!?」
>「だいじょうぶ、ま~かせて!」
>「やっとみえるようになってきたから……」
鷲頭様の声に奮い立つ挑戦者たち。一方でやらかした側の妖術師さんはテンパり気味でダブル吸血鬼ちゃんに助けを求めています。漸く霧が晴れて挑戦者たちが見えるようになってきた2人ですが……。
「お許しくださいお姉様がた! ≪太陽礼賛! 光あれ!!≫」
>「「おあ~!?」」
「みぎゃ~!?」
王妹殿下の≪
「さぁどうした、ワシは此処じゃぞ!」
「ワン!」
足音も高く玄室内を駆ける鷲頭様と狼さん。聴覚頼りで撃ち込まれる触手の群れを躱し、ダブル吸血鬼ちゃんを翻弄しています。地を這うように走る狼さんを下に空中をクルクルと回転しながら飛ぶ鷲頭様。何やら視聴神さんたちから「出たー! ワシズコプター!!」って声が上がってますけど、あれどうやって飛行姿勢を維持しているんですかねぇ……。
――あ、縦横無尽に動き回る2人の陰に隠れるように英雄雛娘ちゃんと猛女ちゃんがこっそりと巨人に近付いていますね。
>「んゆ?」
>「ふぇ?」
少女2人の甘い香りにダブル吸血鬼ちゃんが気付いたようですが、時既に時間切れ。仰向けに倒れたまま触手を繰り出していた巨人の胸部、そこからひょっこりと顔を覗かせる2人目掛けて振り下ろされる剣の腹と
「マスター、ごめんなさい!」
「こんなかっこわるい方法は嫌ですー!」
ズン、という重たい音とともに、巨人の身体を構成していた蔓は解けるように地面へと消えていきました……。
「えっと……ふはははは、よくぞ我が最強のしもべを倒したものだ! だが忘れるなよ? これはあくまでも競技、ほんとうの冒険の恐ろしさはこんなものではないのだーだーだー……」
セルフエコーを残しつつ突然床に開いた穴から
「えっと、勝ったということで良いのかしら?」
「た、たぶん……?」
「そのようだの……ぐぉぉ、こ、腰が……っ!?」
「無理すんなよオッサン、もう若くないんだろ?」
上空から舞い降りた鷲頭様ですが、やはりワシズコプターは無理があったのか魔女の一撃を貰ってしまったご様子。腰を抑えて蹲る彼を遺失魔法使いさんが担ぎ上げています。口ではアレコレ言ってますけど、やっぱり面倒見が良いですよね。
「あうう……私の相棒がぁ~」
「わふぅ」
向こうでは無残な姿になった
さぁ、後はゴールに辿り着くだけ! 最後まで気を抜かずに頑張ってもらいましょう!!
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
次回は早めに投稿したいと思いますので失踪します。
評価、お気に入り登録ありがとうございます。やっぱりモチベが保てるのは読んでくださった方々から反応頂けるところが大きいですね。
感想も併せてお待ちしておりますので、お時間がありましたらお願いいたします。可能な限り返信させて頂きたいと思います。
お読みいただきありがとうございました。