ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
読み返して名作であることを再確認したので初投稿です。
グルメスピンオフの様相を呈してきた実況プレイ、はーじまーるよー。
セッション外での様子を観察している
では、そんなお義父さんとともにおちびちゃんたちの願いを叶えるべく牧場からすぐの川へと集まった勇者たちを紹介いたしましょう!
「うぅ、さぶ……シルマリル、あっためてよぅ……!」
>「いいよ~。ぎゅ~……」
まずはガタガタと震えながら吸血鬼君主ちゃんを懐炉代わりに抱きしめている妖精弓手ちゃん。昨年
「毎年のことだから仕方ねぇとはいえ、同じモンばっかり喰ってるのも飽きてきたしなぁ」
「寒空の下で塩をきつめに効かせた焼き魚で一杯ってのも悪かねェな。テメーもそう思うだろ?」
「ああ、そうだな」
続いては我らが辺境三羽烏三勇士! 手には
「うぇぇ……生きてる魚とか触ったことないのに……」
>「これもくんれん! がんばって!!」
「は~い……」
ちなみに妖術師さんのローブは他の眷属のみんなとおんなじで自らの魔力で編まれた特別製。彼女の場合不浄本から学んだ影の触手を操る呪法を利用しているようで、袖口や裾からほつれのように触手がチラチラと顔を見せています。
眷属のなかで最も身体能力が低い妖術師さんですが、操影術と再生力に関してはずば抜けて高く、その再生速度はダブル吸血鬼ちゃんの
残りの面子は釣りの歓びに目覚めた英霊さん2人に狼さん、そしてお義父さんといういつもの顔ぶれ。おちびちゃんたちも来たがっていたのですが、あんまり泳ぎの得意でない彼らが万が一冬の川に落ちたら大変なので、お義父さんに説得されておうちでお留守番してもらっています。
「さて、みんな集まってくれてありがとう。今回は釣りというよりは、この雪を利用した漁になる。互いの安全に注意して臨んでもらいたい」
牧場夫婦のお義父さんの言葉に頷きを返す一行。みんなが居る場所は川の本流から少し離れた場所、流れによって地形が浸食され盲腸から飛び出た虫垂のように行き止まりになっているところです。分厚く雪に覆われた川縁から覗き込めば、ほとんど水の流れが無いことが見て取れますね。
「冬場は魚にとっても厳しい季節。水は冷たく動きは鈍り、餌も少ない。だからこういう流れの緩やかなところに集まって、じっと動かないことが多いんだ。餌に対しての反応も悪いから、普通の方法で魚を獲るのは難しい。そこで……」
判り易く冬場の説明をしながら、手に持っていた
「さ、力自慢の男子諸君は手伝ってくれ。流れを完全にせき止めたら、そのまま雪をどんどん川の中へ投げ込んでいくんだ」
「判りました、義父さん」
「よっしゃ、任せろ!」
「冷えた身体があったまるってモンよ!」
「「……!」」(エイエイオーのジェスチャー)
お義父さんに続いて雪と格闘を始めた辺境三勇士&英霊さん。冒険や牧場での作業で鍛えられた身体能力に物を言わせ、雪のブロックを切り出しては次々に川の中へと放り込んでいきます。本流から完全に切り離され、溜池のようになったところでダブル吸血鬼ちゃんも参戦。翼を器用に使って自分よりも大きな雪の塊を川に向かって押し出してます。
「みんな、がんばりなさ~い」
「が、頑張れ~!」
「わふぅ」
妖精弓手ちゃんと妖術師さんは……2人とも狼さんをハグしながら完全に観戦モード。双璧に暖房代わりにされている狼さんはそこはかとなく物足りなさそうな表情を浮かべているような気がしますね。おおよそ30分ほどで前準備は完了し、
>「みんな、おつかれさま~!」
額に汗を浮かべた男性陣に振る舞われているのは
「ん、ここね。ここに力が集まってる!」
「ああ、ありがとう。これがこの漁で一番重要なところなんだ。上手くヘソを見つけられないと失敗してしまうからね」
妖精弓手ちゃんの立っていた場所に翼で印をつけ、杭を担いだゴブスレさんと入れ替わりにその場を離れる2人。周りから十分にみんなが離れたのを確認したゴブスレさんが、両手で持った杭を大きく振り上げ、尖らせた先端を印目掛けて勢いよく突き刺しました!
「……ッ!?」
執拗に叩き固められた雪は非常に硬く、思うように刺さっていかないみたいですね。槍ニキと重戦士さんを交え代わる代わる杭を突き刺すこと数十回。半ば以上が雪中に埋もれるようになったあたりで……。
「……お? これはいったか!?」
持ち前のタフネスっぷりを発揮し3人の中で一番回数を稼いでいた重戦士さんが感じる手応えに歯を見せる笑みをみんなに向けてますね。グリグリと杭を回し貫通したのを確認すると、勢いよく雪中から抜き取りました!
>「「ほわぁ~!!」」
「うわ、なにこれ凄い!」
穿たれた穴から川の水とともに飛び出てくる大小様々な魚たち。雪上で跳ね回るそれを手で捕まえ、みんなで木桶へと放り込んでいきます。直接触れるのがイヤなのか、妖術師さんは両の指の数を超える触手を袖口から展開して圧倒的な速度でピチピチと跳ねる魚たちをゲットしてますね。
「――そうか。雪で押し固めたことで水圧が増し、それが穿たれた穴から吹き出てきたのか」
「ほー、意外と理に適ってたってワケか!」
「なかなか少人数では難しいからね。皆の手を借りなければ出来なかったよ」
ありがとう、と腰に手をあてながら義息子とその親友にペコリと頭を下げるお義父さん。どうやら魔女の一撃が腰を掠めたようで、吸血鬼侍ちゃんが後ろで≪
>「あるぇ~?」
「出てこないわねぇ……」
おや? 吸血鬼君主ちゃんと妖精弓手ちゃんの言う通り、水も魚も出て来なくなっちゃってますね。触手で詰まりを取り除こうとする吸血鬼君主ちゃんに≪
「ああ、そうしたらみんなで一斉に跳躍して皆底に圧を加えてみるといい。絞り出すように残っていた水が出てくるだろうからね」
>「は~い! みんな、あつまれ~!!」
>「それじゃいくよ~? せ~のっ!」
冒険者一同に英霊さん2人が加わり、総勢9人による跳躍&踏みつけ。二度三度と繰り返すうちに内部の圧力が高まり……。
「キャン!?」
あ、鼻を鳴らしながら穴を覗き込んでいた狼さんに平べったい何かが命中しました! のたうち回る狼さんの傍に落下したのは……冬眠中だった
「
「……え、コレ食べるの……?」
「多少見た目は異なるが、魚や蛙と変わらん。何も問題無い」
「ドラゴンだって喰っちまうのが俺たち
予想外の獲物に頬を緩ませるお義父さんにマジで……?という顔を見せる妖精弓手ちゃん。亀やその仲間を見たことはあっても肉食文化の無い
「魚は食べやすいように臭み消しを行うし、
「明日へ繋がる糧を分け与えてくれた自然に感謝を……」
>「「ちぼしんさま、ありがとうございます……!」」
使用した道具を片付け川縁に並ぶ一行。貴重な恵みを頂いた感謝を自然と地母神さんに捧げています。
さぁ、あとはおちびちゃんたちのお嫁さんに食べてもらうだけです! ちょっとだけ時間を進めてみましょうか。万知神さん、お願いしまーす!!
「それでは調理を開始します。皆、しっかりと手は洗いましたね?」
>「「は~い!」」
「よろしい、終わったら頭を撫でてあげましょう」
>「「わ~い!!」」
療養所の調理場に集まったみんなの前に立っているのはエプロン姿が素敵な半森人夫人さん。令嬢剣士さんから事情を聞き、王都で干し魚をかき集めて≪転移≫の門で駆け付けてくれました!
「食欲不振の原因は食材のにおいが多くを占めています。なので、生臭さや血の匂いを極力取り除いた調理方法が必要なのです」
調理台の上には数々の食材。先日川で獲った獲物以外にも牧場産の
「まずは魚のほうから始めましょうか。事前に下準備をしておいたものが此方です」
そう言いながら半森人夫人さんが取り出したのは黄色い半透明の液体に浸された魚の切り身。漂う香りから考えると、蒸留酒に柑橘類の果汁を絞ったものに酢や香草を加えた
「漬け汁を綺麗に拭き取ったらお皿に並べ、それを蒸し器に入れて蒸しあげます。この後追加で熱を加えるのであまり長く蒸さなくても大丈夫ですよ」
「ん……けっこう難しいわね。身が柔らかくなっているから崩しちゃいそう」
「ふふ、多少形が崩れても問題ありませんよ? それにゆっくりやっても手から熱が移る心配もありませんし」
「あー……まぁそっか、アンデッドだものねぇ」
真剣な表情で漬け汁を拭き取る女魔法使いちゃん。
「魚を蒸している間に
「ああ、言われた通り部位ごとに切り分けたぞ。胆嚢も潰さないよう取り除いてある」
>「「ちはおいしくいただきました~!」」
フンス!と立派なたわわを張る闇人女医さんの前には綺麗に処理された
……なお、野生の
「
身や内臓、えんぺらと言われる甲羅の柔らかい部分を鍋に入れ、強火で煮ることしばし。芳醇な香りが漂い始めたころに鍋の蓋を開ければ、そこには黄金色に輝く極上のスープが出来上がっているではありませんか! 塩胡椒で味を調え、一口味見した半森人夫人さんの顔を見てみんなゴクリと唾を飲み込んでいます。
「見た目で嫌がるといけませんので、彼女たちにはスープだけにいたしましょう。……なので、残りの具は美味しく頂いてしまいましょうか」
「「「「「ヒャッハー!」」」」」
妊婦さんたち用に溶き卵を入れた汁を取り分けた後、肉や内臓が浮かぶ大鍋をみんなに向ける半森人夫人さん。食いしん坊たちが差し出された器へと群がり、一斉に口へと運びます……。
「うっま!?」
「なにこれ……なにこれ……?」
「なんていうか、すごく、すごいです!」
口に含んだ瞬間、爆発するように広がる快楽。極上の
「さぁ、どんどん作っていきますよ。次は
すりおろした
……お、そうこうしているうちに魚が蒸しあがったみたいです。ふっくらと蒸された切り身の上に剣の乙女ちゃんが白髪葱と生姜ををたっぷりとのせたところで、小鍋片手に叢雲狩人さんが近付いていきます。鍋の中身は……煙が上がるほどに熱された油です! ジュジュっと音をたてる油が身に触れた瞬間、鮮烈な香りが立ち昇りました!
「おぉ……こりゃまた美味そうな……!」
「油を多く使うので少々高くつきますが、王都の高級店でも提供されている調理法なのです」
「へぇ、食い意地が張ってるぶん詳しいのねぇ……って、いつの間に現れたのよ!?」
「最初からいたのです。……というか、私が≪転移≫の鏡を起動していたのですよ???」
重戦士さんの隣で涎を垂らしながら食い入るように料理を見つめる賢者ちゃんに驚きの声を上げる妖精弓手ちゃん。言われてみれば、王宮にある≪転移≫の鏡を起動出来るのは賢者ちゃんか銀髪侍女さんですもんね。先程から響いていたゴゴゴゴゴ……という地鳴りのような音は、彼女のおなかに生息する妖精さんの出す音だったんですね。
「はい、これで完成です。……さぁみんな、奥様たちのところへ持っていってあげてくださいな」
「「「ありがとうございます! おねえちゃんのだんなさまのおかあさま!!」」」
鱒の清蒸と
「悪阻と上手く付き合うコツは無理に食べようとしないことと、一度に食べる量を減らし、代わりに回数を増やすことです。個人差はあるかと思いますが、それで解決することが多いですね」
「成程ねぇ……。
今後に備え、半森人夫人さんの助言を
「いやぁ美味かった! この米を入れた粥みてェなのも汁の旨味を吸って最高だよな!!」
「冬の間は暇だし、また今度捕まえに行くか?」
「はは……あまり繁殖力は強くないから、ほどほどにしておいたほうが良いだろうね」
身を綺麗に食べ尽くし、〆の雑炊まで堪能して満足そうな一行。槍ニキの誘いに同意していた重戦士さんですが、牧場夫婦のお義父さんの言葉にそういうものかと頷いています。冬眠期間の長い
「フム……養殖という手もあるな」
「あはは、面白そうだね! せっかくだからやってみる? 療養所のごはんにも向いてそうだし」
「ああ。だがそのためには生息環境や餌についてもっと詳しく知らねばならん」
真剣な表情で
「まーたオルクボルグが夢中になってる。……ねぇ、親戚として何か知らないの?」
「いやぁ、拙僧
>「しんせきってことは、とかげさんからもおいしいおだしが……」
>「じゅるり……」
「こらこらおちびちゃんたち、私の亭主をそんな目で見るのは止めてもらおうか」
女将軍さんにガッチリとホールドされ、たわわに顔を押し付けられるダブル吸血鬼ちゃん。鋼のように鍛え上げられた筋肉の上に搭載されている胸部装甲は、剣の乙女ちゃんの『ふかふか』や女魔法使いちゃんの『ふわふわ』、闇人女医さんの『どたぷ~ん』とも異なる『むっちむち』な触り心地。触れれば弾き返すような感触に負けた2人が骨抜きにされちゃってますね。
「まったく2人して……ああそうだ、アンタもご飯を集りに来ただけじゃないんでしょ? さっさと本題に入りなさいな」
「げふぅ、御馳走様なのです。……もうちょっと食後の余韻に浸っていたいところなのですが、仕方が無いのです」
半目で睨む女魔法使いちゃんをいなしつつ、ぽっこりと膨らんだおなかを満足そうに擦りながら向き直る賢者ちゃん。四次元ポシェットから取り出した封書には陛下直々の案件の証明である封蝋が施されており、金等級以上への依頼であることが伺えます。封筒の宛名に書かれているのは……ゴブスレさんの名前ですね! そういえば昨年末に陛下が遊び視察に来た帰り際に依頼の話をしてましたっけ。
封蝋を砕きながら開封し、中の手紙に目を通すゴブスレさん。一通り読み終えた後、賢者ちゃんに視線を向けコクリと首肯。彼に頷きを返した賢者ちゃんが、依頼の内容について話し始めました……。
「彼の了承も得られたので、依頼の内容を伝えるのです。――依頼内容はまず第一に要人護衛。陛下の妹君2人を北方辺境に暮らす入り江の民の頭領、彼女たちの叔父の元へと連れて行くことなのです」
ほほう、王妹殿下1号と2号を
「第二に顔合わせ。新しき金等級である『辺境最優』と秩序の護り手たる『辺境最悪』に、北狄と戦う彼らと交流を深めてもらいたいのです」
なるほど、ダブル吸血鬼ちゃん
冒険者ギルドがない北方辺境において認識票は意味をなしませんが、逆に言えば実力を認めてもらえば出自でとやかく言われることもありません。ダブル吸血鬼ちゃんたち
「第三に調査。昨年秋口から入り江の民によってもたらされる交易品が減少しているのです。香辛料や装飾品など嗜好品が多いので直ちに日常生活に支障が出るわけではありませんが、商人たちの間で不安の声が上がっているのです。状況を把握し、可能であれば原因を排除して欲しいのです」
ふむふむ、これまた重要な案件ですね。喫水の浅い船を駆り、漁業や交易を生活の糧にしている勇敢なる蛮族である
「――頭領とその奥方との親交を深める都合上、『辺境最悪』の正妻2人は同行願いたいのですが、それ以外の細かな人選は『辺境最優』に任せるのです。……誰が行くのかで喧嘩しないよう、しっかりと考えて欲しいのです」
「……ああ、判った」
ヒソヒソと声を交わす賢者ちゃんとゴブスレさん。正妻2人ということは妖精弓手ちゃんと令嬢剣士さんは確定ですね。ダブル吸血鬼ちゃんに王妹2人、ゴブスレさんを合わせて現在7人が選出済み。戦闘能力以外にも移動や交渉能力なんかも考慮しないといけませんし、あまり人数が多くても動き辛くなってしまうかも。これはなかなか難しそうな予感がします。栄養満点なご飯を食べたばかりなのにキリキリと痛むのか、ゴブスレさんが胃のあたりを押さえてますねぇ……。
「……ふぅン、
「北方辺境では嗜虐神信仰が盛んと聞く。……実に興味深い」
「流氷に
――さぁ、聴覚の鋭い
「……!!」
……あ! 緊張感に満ちた場に耐えかねてゴブスレさんが戦略的撤退を選択しました!! 断固たる決意で駆け出したゴブスレさんを見目麗しい女の子たちが追いかける光景を前に、槍ニキがボソリと呟きます……。
「カワイ子ちゃんたちに追いかけられてるっつーのに、なんて羨ましく無ェ光景なんだ……」
「変わってやったらどうだ? 英雄になる夢を叶えた『辺境最強』さんよ」
「絶っ対にノウ! お前こそ変わってやれよ、『辺境最高』の
「「……いや、俺は遠慮しとく……」」
エロエロ大司教モードの剣の乙女ちゃんによって大蛇に巻き付かれた獲物の如く拘束されたゴブスレさんを眺め、晴れやかな笑みを浮かべながら彼を見捨てる決意を固めた2人。麗しい男の友情を確認したところで、次回は試される大地への冒険です! いったい誰が残りの席を確保するのでしょうか? 私も楽しみです!!
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
同行者を決めるダイスを振るので失踪します。
評価や感想、お気に入り登録ありがとうございます。もしお読みになられてまだ登録されていない方がいらっしゃいましたら、登録して頂ければ幸いです。
更新速度が向上しますので、感想も併せてお待ちしております。
お読みいただきありがとうございました。