ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
連休中にとっかかりまで書けたので初投稿です。
ふぃー、なんとかセッションに間に合いましたねぇ。駒の配置にギミックの整合性、なんとか辻褄合わせが出来ましたよ……。
まさか蛸神さんの配置した駒が流れの料理人に文字通り『料理』されちゃうなんて……。≪真実≫さんが別卓に流用してPCを全滅させた揺り戻しか何かなんでしょうかねぇ。
蛸神さんも爆笑してましたし、代わりに信徒たちが登場するから許して貰えましたけど……これ一歩間違えば油の時と同じレベルの案件になるとこだったのでは?
それにあの料理人、なんだか
……まぁ過ぎたことは置いておいて、今はダブル吸血鬼ちゃんたちの
決戦!北海の大怪獣な実況プレイ、はーじまーるよー。
陛下からの依頼で北方辺境へと赴くことになったダブル吸血鬼ちゃん
さて、目的地である
「イヤー悪いねー。便乗させてもらっちゃって!」
「ボク達の足じゃ何日もかかるし、寒いぶん普段よりも沢山食料を持たなきゃいけないからさー」
「ふふ、問題ありませんわ。旅は人数が多いほうが楽しいですもの!」
巨大化したイボイノシシ君が牽く馬車の荷台から長耳を突き出し御者を務める令嬢剣士さんに話しかけているのは、白兎猟兵ちゃんパパの戦友の垂れ耳と黒毛の
訓練に参加するのは牧場に逗留中だった
「あの、朝から歩き通しですが休憩は必要ありませんの? 昨日もずっと並走されておりましたが……」
「心配有難く。されど気遣いは無用、君主殿より譲り受けた
幌を被せた大型の馬車に匹敵する体躯。背面の大きく開いた衣装からは背鰭のような器官が突き出し、体内で生み出された熱が齎す白い湯気をたなびかせて闊歩する、全身を分厚い黒き鱗で覆った偉丈夫。先日
体内に取り込んだ
「まさか徒歩でついて来るだけじゃなく、段差に引っ掛かった荷馬車を1人で持ち上げちゃうなんてねー」
「ふふん、私の亭主殿は凄いだろう?」
>「すご~い!」
>「かっこい~!」
はい、快適な道では通常の馬車の最高速度に近い時速40kmで走るイボイノシシ君と並走し、昼休憩や夜営準備以外は休憩なしでもケロっとした顔。ぬかるみに嵌った馬車をダブル吸血鬼ちゃんが持ち上げようとするのを制し、ファイト一発ソロ救助。苦手だった低温も体内で発生する熱量が増加したことで克服した
これには奥様の女将軍さんもニッコリ、ダブル吸血鬼ちゃんも大好きな蜥蜴僧侶さんの活躍に大喜びです。あ、ちなみに竜眼少女ちゃんを妹である女騎士さんに預け、女将軍さんもブートキャンプに参加することになってます。本人曰く、妊娠中に鈍った身体に活を入れるのに丁度良いらしいのですが……いきなりハードルが高過ぎません?
なお、当初はダブル吸血鬼ちゃんと眷属を総動員して参加者全員を空輸するという案もあったのですが、女魔法使いちゃんが半鬼人先生のところへ、剣の乙女ちゃんが水の街の古巣へそれぞれ年始の挨拶と近況報告に行くということで廃案に。つまり2人は今回不参加ということですね。では残りの面子の中で誰が同行しているのかといえば……。
「ホラ、此処がボクたちが暮らしていた集落だよ! みんな、久しぶり!!」
「「「「「おじさん、ひさしぶり~!」」」」」
「わぁ……ふわふわの
雪原のあちこちに掘られた穴から次々に飛び出してくる真っ白な冬毛の
「こう一面純白だと流石にキツイな……偏光眼鏡を用意しておいて正解だった」
2人目の同行者は闇人女医さん。嗜虐神さん信仰が行われている地域であると聞いて調査のために参加を表明。いつもの軍服にも似た民族衣装の上から牛革のロングコートを羽織り、地下暮らしの影響で光に敏感な目を護るためのサングラスをかけた姿はどう見てもヤ〇ザかマ〇ィア。なお嗜虐神さんがプレゼントした魔法の縄がしっかりと服の下に装備されていることを確認済みです。
>「だいじょうぶ?」
>「きょうはここにおとまりさせてもらうから、ゆっくりやすめるよ!」
……お、ダブル吸血鬼ちゃんが最後の1人を馬車から降ろしてますね。2人に両側から支えられ、苦悶と恍惚半々というなかなか味わい深い表情を浮かべているのは……。
「ひ、暇だからって揺れる馬車の中で不浄本なんか読むんじゃなかった……うぷ」
――ただでさえ血色の悪い顔を真っ青にしている、妖術師さんですね!
「まったく、わたしたちと一緒に訓練したほうが良いのでは?」
「や~だぁ……
背後から浴びせられる少女巫術師さんの呆れた声にもめげず、ギラギラと知識欲に塗れた瞳を北へと向ける妖術師さん。死霊術師の間に伝わる伝説のアンデッドを見てみたいという想いで手を挙げた彼女ですが、鋭敏になった感覚が乗り物酔いを引き起こしグロッキー状態です。あ、ちなみに
というわけで、英雄雛娘ちゃん、闇人女医さん、妖術師さんの3名を加えた総勢10名が今回北方辺境の先、暗い夜の国へと赴くメンバーです! 若草知恵者ちゃんと白兎猟兵ちゃんは若草祖母さんといっしょに子どもたちの面倒を見るために牧場へ残ってくれました。いつもお留守番だったり後方支援だったりする彼女たちにも、そろそろ冒険を楽しんでもらいたいですねぇ……。
「何度か痩せ細ったゴブリンが攻めてきたけど、誰も怪我すること無く追い返したってさ。たぶん来る途中で潰した巣のヤツらじゃないかな」
「そうか」
訓練の拠点に使わせて欲しいことを告げ、使用料代わりにインベントリーに詰めて持ってきた保存食の山を運び込んだ後、山肌を彫り上げて作られた居住区画で歓待を受けている一行。サイズ的に入られなかった蜥蜴僧侶さんは、女将軍さんと吸血鬼君主ちゃんといっしょに幌馬車にお泊りです。空を行けばあっという間の行程ですが、陸路となればやはり時間が掛かるわけで。何度か夜営を挟んだ道中では日々の鍛錬以外にもイベントがありました……。
――そう、ゴブリン駆除です。
パっと見何も無い雪景色に思えても、見るものが見れば判るゴブリンの痕跡。誰もが"小鬼殺し"を名乗れるメンタルと技量を兼ね備えた集団にかかれば巣穴の特定など容易いもの。厳しい寒さを凌ぐために被せられた粗末な
>「ねぇ、ほんとにいいの? みててもおもしろくなんかないし、つらいものをみるかもしれないよ?」
巣穴を前に振り返り、心配そうな声をあげる吸血鬼君主ちゃん。ゴブリン駆除に同行しようとする
「――ええ。お姉様と添い遂げると決めた以上、避けて通ることは出来ませんし、私自身が許しません。だから、お願い……」
「私からもお願いします。己の目で見定めなければ、判らないこともあると思うんです」
半身ともいえる双子の姉妹からの後押しに強く頷き、拳を握りしめる王妹殿下……ここでは神官銃士ちゃんと呼びましょうか。鈍い色を放つ
「迷宮探検競技の話を聞く限り、
>「うん……」
突入部隊の指揮を執るゴブスレさんの言葉に頷く吸血鬼君主ちゃん。白磁等級の冒険者とは比較にならないほど恵まれた状況でのゴブリン退治、これで失敗するようではどのみち生き残れないという話ではありますが、姉妹でもあり恋人でもある存在を危険に晒すことに抵抗を感じるのは当然かもしれません。決心がつかず俯いていた吸血鬼君主ちゃんでしたが、そんな彼女を不意に抱き上げる人物が。黄金に輝く籠手を嵌めたその人物とは……。
「王妹殿下の気持ちも察してやれ、おちびちゃん。お前を慕う女たちは、ただ
>「はがねのおねえちゃん……」
厳しくも温かい目で吸血鬼君主ちゃんの顔を覗き込み、優しく問いかける女将軍さん。大きく首を横に振るのを見てそっと頭を撫でています。
「ならば好きにさせてやれ。己の生命の賭け時は己自身で決めるものだ。お前を愛し、お前が愛する女たちがそうしたように……な?」
「そうそう! 私が自分の全てをシルマリルとヘルルインにあげたみたいにね!!」
>「おあ~……」
女将軍さんに促がされ顔を向けた先には、待機組となった妖精弓手ちゃんの眉を立てた強い笑み。同じく待機組の吸血鬼侍ちゃんを抱きしめながら薄い胸を張る姿に漸く心が決まったのか、ぴょんと女将軍さんの抱擁から抜け出して神官銃士ちゃんへと抱き着きました。
>「わかった、いっしょにいこう! でも、ぜったいむりはしないでね?」
「――はい、お姉様!」
「ふふ、良かったですね!」
神官銃士ちゃんの咲き誇る向日葵のような笑顔と、我が事のように喜ぶ女神官ちゃんの春を告げる菜の花にも似た微笑み。趣は異なりますが、どちらもとても魅力的ですね。愛しい花たちの笑みに吸血鬼君主ちゃんも気合いを入れ直し、「あぶないとおもったらすぐによんでね!」とやる気になったみたいです。
「では、ご武運を」
「ああ、行ってくるよ」
コツン、と互いの拳をぶつけ合い微笑む蜥蜴僧侶さんと女将軍さん。軍勢同士が争う戦場とはまた違った戦いですが、纏う空気は同じもの。防寒着に籠手だけを装備し、手には鞘に入った光剣という軽装で駆除に挑む姿は言葉に出来ない「威」に溢れていますね。
>「まんがいちなかからにげてきても、ここでぜんぶしまつするからあんしんしてね!」
>「ありがとう! ……それじゃ、いくよ~!!」
パァンと手を打ち合わせ、巣穴へと歩を進める吸血鬼君主ちゃん。その後に少女剣士ちゃんと英雄雛娘ちゃんが続き、真ん中に双子の神官姉妹と少女巫術師さんを挟んで最後尾に女将軍さんとゴブスレさんと言う隊列ですね。
周辺の出入り口にトーテムは無く、妖精弓手ちゃんと叢雲狩人さん、
「≪いと慈悲深き地母神よ、闇に迷える私どもに、聖なる光をお恵みください≫」
「「「「「GOB!?」」」」」
女神官ちゃんの唱えた≪
>「きしゅうじゃないから、おとをたててもきにしなくてだいじょうぶ! むしろきかせてやるくらいのきもちでいいよ~!!」
「判りましたわお姉様! ……
「GO!?」
吸血鬼君主ちゃんの声に後押しされ、猟犬の如き
突き出された毒
「狭い場所では斬るよりも突く、斬るよりも……えいっ!」
「GO……B……」
令嬢剣士さんや半森人夫人さんの二刀流の先達から教わった内容を復唱しながら立ち回っているのは英雄雛娘ちゃん。剣の腹で足を払い、倒れ込んだゴブリンの心臓目掛け的確に切先を突き刺しています。背面まで貫通させた後に手首を捻り、しっかりとトドメを刺しているところに教育の成果が見えますね。
「「「「「GOBGOBGOB!!」」」」」
青い果実の香りに誘われにじり寄るゴブリン、リーチの差を活かし水平に構えた特大剣で牽制して近付かせない立ち回りは重戦士さんに指導してもらったものですね。突き付けられた切先によって攻めあぐねていたゴブリンですが、一斉にかかれば組み伏せられると考えたのでしょう。自分は狙われない、他のヤツが斬られている間に押し倒せば良いという根拠のない自信に突き動かされ口の端から涎を振りまきながら飛び掛かったところで……。
「――いや、
幾筋も煌めく紅の剣閃。英雄雛娘ちゃんの陰に潜んでいた少女剣士ちゃんの大太刀が跳躍していたゴブリンを斬り刻み、肉片と臓物が地面にブチ撒かれました。≪
「あらあら、みんな張り切っちゃって」
「だが誰1人として油断はしていない。個人の技量に依存しているが故に兵士には向かんが、皆良き冒険者ではないか」
「ああ、そうだな」
頬に手をあてうっそりと微笑む少女巫術師さんの隣で、血と暴力を振りまきゴブリンに恐怖を与えながら巣穴を制圧していく冒険者たちの姿に満足そうな女将軍さん。新米をフォローするために備えていたゴブスレさんも肩の力を抜いて……おや? なんだか奥のほうが騒がしいですね。キィキィというゴブリンの声を伴いながら大きな何かが向かってきて……。
「HOBGOBGOB!!」
「
威圧するように咆哮を上げながら現れたのは
「HOB!!」
「GOB!?!?」
握っていたゴブリンを頭から喰らい、不味そうに嚥下し骨と皮だけの足を吐き捨てました。
「GOBGOBGOB!?!?」
群れの仲間?の無残な最期を目撃したことで恐慌状態に陥り、我先にと逃げ出すゴブリンには目もくれず、一行を舐めるように見回す
「そう熱くなるなおちびちゃん。ちょっとこれを預かっていてくれ」
>「わわっ!? ……うん、まわりのけいかいはまかせてね!」
女将軍さんにポンと頭に手を置かれ、手渡された光剣と彼女の顔を交互に見る吸血鬼君主ちゃん。女将軍さんが静かにキレているのを察し、この場は彼女に任せるつもりのようです。剣を手放し無手で近付いてくる雌に対し嘲笑を浮かべる
「――なんだそれは。相手が無手の女というだけで油断するとは愚か者め」
「HOB!?」
優美な曲線を描きながら繰り出された上段蹴りが、
激しく脳を揺さぶられたことでたまらず膝を着いた巨体に繰り出される蹴打の嵐。肉を潰し骨を砕く拳と蹴りによって痩せた身体はみるみるうちに膨れ上がり、反対に股間にぶら下がるモノは縮こまっていきます。飛び散る血が頬に付いても構わずに繰り返される一方的な蹂躙にみんな目を丸くしていますね。
「うわ……容赦ない……」
「奴らに容赦なぞ不要だ。だが……」
ゴブリンがどんな悲惨な目に遭おうと何の痛痒も感じないゴブスレさんですが、女将軍さんの無双っぷりには少々困惑気味な様子。彼の問い掛けるような視線に気付いた吸血鬼君主ちゃんが、攻撃色の収まった瞳に笑みの色を浮かべて答えました。
>「むかし、てあしやめがかけたじょうたいでとかげさんとごかくになぐりあってたから、ごたいまんぞくならあれくらいよゆ~よゆ~!」
「……そうか」
え、なにそれこわい。いったい2人の過去にナニがあったというのでしょうか……。股間を踏み潰し、首から頭部を捩じ切ったところで蹂躙劇は終了。一方的な展開にみんなドン引き……してるのはゴブスレさんだけですね。他の女の子たちは揃いも揃ってキラキラした目で満足げに胸を張る女将軍さんを見つめています。これが女子力(物理)ってヤツなんですかねぇ……。
巣穴の主である
「――成程、これがゴブリンが齎す光景か」
「あの時マスターに助けてもらわなかったら、私も……っ」
おそらく食糧庫兼繫殖場だったのでしょう。汚物と食い残しの散乱した広間には生き残りのゴブリンが集まり、自分が集団の内側に潜り込もうと血を流すおしくらまんじゅうの真っ最中。吸血鬼君主ちゃんたちの視線に匹敵する、氷室のように冷え切ったその壁面には、元は鎖で繋がれていたであろう女性の遺体が残っていました。……
散々嬲られた末に息絶えたのでしょう。腐敗しやすい内臓は真っ先に喰われ、胴体から下は背骨が残るのみ。近くに打ち捨てられている大腿骨には無数の歯形が刻まれています。そして何よりも悍ましいのは……。
「ねぇ、アンタたちどんなアタマしてたらこんな酷いこと出来るの? そのクソの詰まった中身見せなさいよ……!」
生前は可愛い顔立ちだったであろう女性の顔に、何層にも重なって塗りたくられた汚らしい体液。唯一残っていた手は言うに及ばず、その顔の穴という穴に穢された跡が残っている無残な光景です。
過去にダブル吸血鬼ちゃんの受けた凌辱を祭祀場跡で観たことで、若干の耐性が出来ていた神官銃士ちゃんですら口元を抑え蹲るほどの衝撃。喰うものが無くても性欲を抑えきれなかったのか、乾ききらずに粘つく光を帯びた亡骸は常人には耐えられないほどのもの。……ですが、ゴブリンの巣穴に潜るということは、このような惨状を何度も見る可能性があるということです。
「――すぐに綺麗にしてあげますからね……」
足元の汚物を一顧だにせず遺体へと近付いていく女神官ちゃん。慈悲を乞い、媚びへつらうゴブリンたちには目もくれずそっと彼女を抱き上げます。その無防備な背中を見て人質にしようと何匹ものゴブリンが殺到しますが、その悉くが影から伸びた触手に貫かれ無様なダンスを踊る羽目に。神官銃士ちゃんを連れて背後に降り立った吸血鬼君主ちゃんに感謝を述べ、手を重ねてきた双子の姉妹とともに紡ぐの聖句は、もはやゴブリンを生命とは見做さず、世界を侵蝕する穢れであると断ずる≪
「≪いと慈悲深き地母神よ、どうかその御手で、我らの穢れをお清めください≫」
「≪太陽礼賛! 光あれ!≫」
2人を中心に広がる輝き。広間から巣穴全体を満たすほどの光の奔流が収まった後には、汚物もゴブリンの姿も無く、ただ清らかな水があるだけ。そして……。
「――ずっと寒い場所に居て、辛かったですよね。……彼女を送って頂けますか?」
>「うん、まかせて!」
綺麗に浄められた女性の亡骸を女神官ちゃんから受け取り、優しく抱きしめる吸血鬼君主ちゃん。その身体が徐々に光へと変わり、天井をすり抜けて消えていきました。善き
「これがお姉様の、みんなの見てきたものなのですね……」
緊張の糸が切れたのか、しゃがみ込んでしまった神官銃士ちゃん。慌てて駆け寄ってきた吸血鬼君主ちゃんを抱きしめ、震えながら心情を吐露しています。
>「うん。まえにもはなしたよね? ぼうけんはたのしいことや、きれいなものばかりじゃないって。……いやになっちゃった?」
「いいえ……いいえ! そんなことありません!! 美しいものもそうでないものも、すべて合わせての冒険ですもの。だから、私は前に進みます! お姉様やみんなと一緒に!!」
浮かんだ涙を拭い、高らかに宣言する神官銃士ちゃん。中の様子を見に来た吸血鬼侍ちゃんたちにも届くような声が、洞窟中に響き渡るのでした……。
「――とまぁ、中はそんな感じだったよ亭主殿」
「フム、流石は巫女殿の半身ともいえる方。心の強さは相当のものですな」
巣穴での顛末を蜥蜴僧侶さんへと語る女将軍さん。幌を閉じ、隙間を毛布で塞いだ馬車の中に縮こまるように入っている姿はちょっとユーモラスですね。愛用していた炬燵に入るには身体が大きくなりすぎてしまったため、
>「えっと、その……」
「ん? どうした?」
>「やっぱりぼく、あっちにいこうか? ふうふみずいらずのほうがいいんじゃない?」
ああ、竜眼少女ちゃんを預けてきたことで久しぶりに2人の時間がとれたのに、自分が一緒にいて良いのか不安だったんですか。おずおずといった様子で見上げてくるちっちゃな戦友の様子に顔を見合わせていた2人ですが、示し合わせたかの如く同時に吹き出しちゃいました。
「あいや失礼! ですがそれは杞憂というもの。我ら2人とも、君主殿を我が子のように思っております故」
>「ふぇ?」
「なにをそんなに不思議そうな顔をしている? どちらのおちびちゃんも私たちにとっては戦友にして恩人。邪険に扱うわけ無いだろう……そらっ」
>「ふむぅ!? んむ……ちゅー……」
呆けたように開いていた口に吸い口を押し付けられ、反射的に吸ってしまう吸血鬼君主ちゃん。口内に感じる生命の雫と優しく頭を撫でられる感触にトロンとした瞳になり、やがて目を瞑って眠るようにちゅーちゅーし始めました。恐るべき
「これが王国の……秩序の勢力の盾となる集団の頭目というのだから実に世界は面白いな。亭主殿もそう思うだろう?」
「然り。……先日の勝負にて君主殿の口から出た言葉。真剣に考えるべきやもしれませぬな」
あ、竜眼少女ちゃんが成長したら『ちゅーちゅーする』……『眷属に迎え入れる』って話でしたっけ? 蜥蜴僧侶さんをやる気にさせるための方便だった筈ですが、なにやら真実味を帯びてきてますねぇ……。
「あの
「はっはっは、100年とは剛毅ですな! ……拙僧もいつ戦場で斃れるか判らぬ身。されど、能う限り
硬さの異なる口同士の触れ合いとともに交わされる約束。寿命の差という越えられない壁がありますが、2人には出来るだけ幸せな時間を一緒に過ごしてもらいたいですね!
さぁ、明日は訓練組と別れていよいよ国境の山脈越えです! 滑落や雪崩に注意しながら暗い夜の国入りを目指しましょう!!
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
筆のノリが割と良いので失踪します。
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更新速度が向上しますので、感想も併せてお待ちしております。
お読みいただきありがとうございました。