ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
何故『ゴブリンスレイヤーのそり乗り(Goblinslayer Sledder)』にしなかったのか反省中なので初投稿です。
UAが180000まで伸びました。多くの方に目を通して頂き嬉しく思っております。これからもダブル吸血鬼ちゃんたちの冒険を楽しんで頂ければ幸いです。
前回、
「いかん、このままでは突っ込むぞ!?」
「いやぁぁぁぁ死にたくないぃぃぃぃぃ!?」
「安心なさって! 私と貴女は既に死んでおりますわ!!」
「えぇ……?」
……どうやら勢いが付き過ぎたのか、減速しきれずに突き進んでいくイボイノシシ君と後ろの橇。街の周囲は除雪され岩肌が剥き出しになっているため速度は低下しましたが、その代わり激しい震動が橇に乗った3人を襲っているようです。
少しでも速度を落とそうと妖術師さんが自分の影から展開した触手を地面に突き立て制動をかけようと試みていますが……ちょっと重量差があり過ぎますかねぇ。突き立てたそばから抜け落ちてしまい、妖術師さんの顔がちょっと視聴神のみなさんには見せられない感じになっちゃってます。
「――シルマリル、ヘルルイン! ……なんとかして!!」
>「わ~いムチャぶりだー!」
>「ぼくたちムチャぶりだいすき~!!」
あ、妖精弓手ちゃんの号令に応えてダブル吸血鬼ちゃんまで突っ込んで行きました。ブーツに板を固定していた革紐を爪で切り、背中の翼をはためかせて飛来した2人は砂煙を上げながらイボイノシシ君の前方に左右に分かれて着地。互いに頷き合いタイミングを見計らって、無数の触手を影から生み出しランディングネットのように編み込みました!
「プギィィィィィィ!?」
「橇と乗員は
令嬢剣士さんの指示に従い、ネットにぶつかる寸前で方向転換に成功したイボイノシシ君。4本の足を巧みに使いスピンターンを決める様は流石元神の乗騎と言うべきワザマエ。イボイノシシ君が進路を空ければ残るは暴走する橇だけです! 追加の触手を地面に打ちこんで固定具代わりにしたダブル吸血鬼ちゃんが、段差に乗り上げ橇から放り出された3人をネットで絡めとることに成功しました!! ……あ、もちろん橇も一緒に回収してますね。そのまま街に突っ込ませたら襲撃と間違えられちゃいますし。
「全員無事のようだな」
「だ、大丈夫ですか~? もう、
「殿方に向かって
「はしたないのは貴女でしょうに……まぁいっか。2人ともえらい!」
>「「ふわぁ……ほかほか……いいにおい……」」
お、後続も到着しましたね! ゴブスレさんが先行して進みやすいルートを探し、その後ろを王妹殿下1号と2号がおっかなびっくり追従してきたみたいです。スキー板を外した妖精弓手ちゃんは頑張ったダブル吸血鬼ちゃんに駆け寄ってご褒美のハグ。運動後の熱を帯びた頬と沸き立つ林檎の如き甘い香りに2人ともメロメロですねぇ……。触手ネットに引っ掛かっていた3人も自力で脱出し、これで全員の無事が確認出来ました!
「――さて、そろそろ向こうさんとお話ししましょうか。なんか待っててくれてるみたいだし」
両脇に抱えるダブル吸血鬼ちゃんを二度三度とキュン死させて満足した妖精弓手ちゃんがクルリと向きを変え、歩を進めるのは街の門のほう。門前には手に武器を携えた
『おい、まさかアレ……』
『間違いねぇ、
『あっちには
『なんちゅう美しさじゃ……』
『(結婚したい……)』
絵巻物の中から抜け出してきたような2人の
『こら、いい年した男が何照れてるの! ……すみません、ウチの連中が失礼を』
>「「ほわぁ……」」
妖精弓手ちゃんに抱えられたまま、感嘆の溜息を漏らすダブル吸血鬼ちゃん。妖精弓手ちゃん以外の女性陣も戦士たちの間から現れた女性に目を奪われているようです。みんなが言葉を失っているのは彼女の口から飛び出した独特な方言を理解しきれていないだけではなく、剣の乙女ちゃんや今目の前で頭に?を浮かべている妖精弓手ちゃんに匹敵するその美しさに因るものですね。
>「「きれいなおね~さんだ……」」
『あら、ありがとう可愛い旅人さん。良かったらこの街を訪れた理由を教えてもらえる?』
ニッコリと微笑む
「王国からの依頼で、この国の頭領の姪にあたる者を護衛してきた冒険者だ。依頼の詳細は此方に記してある」
『ああ、これはどうもご丁寧に』
ゴブスレさんが取り出した王家の蝋印が刻まれた封書を見て納得したように頷く女性。自らを
「えっと、中身を見なくて良いの? それとも頭領に直接見せるつもり?」
『いえいえ、ちゃんと確認させてもらいますよ? でも、それよりも重要なことがありますから』
おや、なにやら剣吞な雰囲気になってきましたね。
『王国とは違い、ギルドの無いこの地では冒険者という職業は信用がありません。何色の認識票を身に着けていようと、それは単なる飾りでしかないのですよ』
この手紙も本当の使いから奪い取ったもので、皆さんも本当は野盗か旅芸人に扮した詐欺師かもしれませんし、と冗談めかして笑う隻眼の麗人。……先の醜態を見られた以上、何も否定出来ませんね!
「――では、何を以て証とする」
『この地はただ生きるだけでも【力】が求められる厳しい土地。険峻なる道を踏破しこの地まで辿り着いた【力】を示し、己の証とするのが習わしなのです』
ああ、腕っぷしでも頭の回転でも良いから、自分の力を示せってことでしょうか。
「丁度良い。戦友、
>「は~い。あ、みんなちょっとはなれてね!」
>「てれれってれ~! キュクロプスのぶきとペットのくまさん!! ……それと、あいつらがじまんげにぶらさげてた、おそわれたひとたちのいりゅうひんもあるよ」
『んなっ!?』
『こりゃあ山に住み着いてた巨人どもの……』
黒く変色した血のこびりついた12本の
『嬢ちゃん、あの山に陣取っていた
>「そうだよ。たびのひとをおそってたみたいだし、
『うん?
>「??? ぼくたちはおんなのこだよ?」
吸血鬼君主ちゃんの『俺の嫁』発言に首を傾げる戦士たち。まー普通はそういう反応ですよねぇ。
「2人とも女の子だけど、
「一応こちらの
「あ、ちなみに既に子持ちが4人いるわ。私もそうだけど」
うーんこの砂漠の国の王様もビックリな大所帯。てれてれと頬を赤くした英雄雛娘ちゃんやまんざらでもなさそうに頬を掻く闇人女医さん――アレな笑みを浮かべている妖術師さんは平常運転ですね!――たちの表情から嘘ではないと悟ったのでしょう。幾度も死線を乗り越えてきた歴戦の戦士たちが次々に膝から崩れ落ちていきます……。
『済まねぇ
『心の中の
『(子持ち人妻百合
悔し気に拳で地面を叩く者、両手を組み祈るように頭を垂れる者、欲望を解き放ち賢者モードに突入する者……。反応は様々ですが、闘争の空気は霧散してしまいましたね。後方親友面していたゴブスレさんが決着を見届けた後、ほのかに頬を朱に染めている
「――これで良いか?」
『え? ええ……山越えの交易路を塞いでいた
「……あいつらが特殊なだけだ」
ほう、と熱っぽい吐息を伴った
『本音を言うと、とても有難かったんですよ。みなさんが
昨年の冬あたりから
……はい、もうお判りですね。封印され身動き出来ない状態でありながらも配下を使って山を支配していた氷の魔女が、ダブル吸血鬼ちゃんに美味しくいただかれちゃったのが原因でした!
そんな事情なぞ露知らず、感謝の言葉を紡ぐ
「
「ええ。多くは港まで自分たちの舟でやってきて、直接商人と交渉されるものですが……」
ああ、確かに。
2人の視線を受けた
薄暗く、炉から立ち昇る煙によって見通しの悪い
「わぁ……!」
おや、英雄雛娘ちゃんの可愛らしい声が。煙る視界の向こう、太い柱に刻まれた
「む、あれは嗜虐神様か! ……伝わりしそのお姿は異なれど、やはりこの地域でもかの女神は崇められていたのだな」
『おや、貴女
「
『それは……とっても素敵ですね! 私も
同じ嗜虐神さんの信徒である闇人女医さんと
まぁ吸血鬼侍ちゃんや若草知恵者ちゃんが信仰している万知神さんもバッチリ混沌に属する神ですし、色々と因縁のある覚知神さんだって、ゴブスレさんのお姉ちゃんが信仰していましたからねぇ。神の善悪ではなく、神を信じる者を見て判断しようという考えは四方世界では理解され難いと思いますけど、これから多くの種族、信仰と出会うみんなにはその気持ちを忘れないでいて欲しいですね。
『あー……
『ひゃん!? ……これは失礼をば、すぐに参りますっ!』
炉床の反対側からの声に可愛らしい反応を示し、しずしずと玉座に向かう
「やぁ。遠いところをようこそ、冒険者諸君。彼の右腕たる忍びから話は聞いているよ」
「……どうやら立て込んでいるところに来てしまったようだな」
「ははは、構わないさ。交易路を復活させるために助力を願ったのは此方だからな。それに……」
「――うん、良く似ている。きっと笑った顔なんかはそっくりなんだろうね……はじめまして。君たちの母親の弟……叔父を名乗るには少々威厳が足りないかな?」
「そ、そんなことないですっ。こちらこそはじめまして!」
「はじめまして、伯父様。……それとも、お
「はっはっは! 可愛い義妹は大歓迎だが、
『もうっ、
ぷくーと頬を膨らませながら否定しても説得力はありませんねぇ……。ぽかぽかと
「……さて。もう2人、挨拶をしなければいけない子がいるね」
一頻り笑った後に表情を真面目なものに変え、土間に片膝を着いて大きく屈む
「はじめまして、で良いのかな?」
>「うん、おかあさんからうけついだきおくのなかに、おねえさんといっしょに3にんであそんだおもいではのこってるの」
>「でも、それはおかあさんたちのたいせつなおもいで。ぼくたちじしんのきおくじゃないから……」
俯く2人の頭にポンと手を乗せ、不器用に撫でる
「姉が狂王に嫁ぐことが決まった時、俺は止めることが出来なかった。王宮の風紀を乱した
なるほど、乱れに乱れていた当時の王都に彼が戻っていたら、狂王や取り巻きの貴族たちの良い餌食になっていたことでしょう。すべてが終わるまで何も報せず、北領に留めておいたのは英断ですね。でもそれは金髪の陛下や義眼の宰相の都合であって、伯爵夫人の弟である彼にとっては除け者にされたと感じてもおかしくないことです。
「姉も、彼女も救えなかった俺に出来るのは、代替わりの隙を狙う混沌の軍勢を王都に近付かせないことだけだった。ひたすらに剣を振るい、戦場を駆け抜ける間に……素晴らしい伴侶を得ることが出来た」
そう言って視線を向けるのは麗しの
>「きっと、おかあさんもおねえさんも、ふたりのしあわせをしゅくしてくれてるよ!」
>「だから、およめさんをかなしませるようなまねはしちゃダメ! このケガもすぐになおすの!!」
「う、うむ。強引なところまで彼女にそっくりだな……」
そう言い放ち、返事を待たずに癒しの奇跡を唱え
>「あのね、まちをまわってけがをしているひとをなおしてもいい?」
>「いやしのきせきをつかえるひとはいっぱいいるし、それいがいにもみんな『げかてきしょち』ができるよ!!」
『それは……ほんとうなの?』
「ああ、我が主を筆頭に変わり者だらけでな。今冒険者ギルドの訓練場では、傷口の切開や縫合を含んだ応急手当を教えている。それに、こんなものまで自分たちで作るぐらいだ」
『これは……まさか……!?』
「ああ、蒸留を繰り返して度数を高めた高純度の
液体の正体は牧場で仕込まれた鉱人コンビ渾身の逸品である
「今回は試供品としてお持ち致しましたの。是非、私たちの自信作の味と効果をお試し頂きたいのですが……」
「――はは、ならば
『はい、皆に声を掛けて盛大な
宴まで時間はあると思うので、その間は信仰の暴力で癒しまくりタイムです! ゴブスレさんと英雄雛娘ちゃんがソワソワしてるので、辻ヒールついでに街中の観光もしちゃいましょうか!!
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
文化がちがーう!を上手く表現したいので失踪します。
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お読みいただきありがとうございました。