ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
業務の引継ぎに手間取っているので初投稿です。
前回、宴の前に一仕事すると決めたところから再開です。
さて、
『さ、皆様。ここが怪我人の集められている病床です』
>「「おじゃましま~す……」」
泥炭を積み上げて作られた家の中に獣革の風よけを捲り入れば、そこには戦場に付き物な呻き声の大合唱。腕や足を失い血の滲んだ包帯姿の戦士たちが、突然の闖入者に驚きながらもみっともない姿を見られては敵わんと必死に脂汗の浮いた笑みを見せていますね。
『おんや奥方様、そちらの別嬪さんたちは旅人かい?』
『王国からいらした冒険者の方々です。皆さんの治療の手伝いを申し出てくださいました』
『そんな大袈裟な、こんなモン唾でもつけとけば……イテテ』
うーんこの意地っ張りたち。
「怪我人は痛みを隠さず素直に痛いと言いなさいっ!! ……つまらない傷が原因で死んでしまっては、勇敢な戦士を迎える戦女神さまも、きっと呆れてしまわれますよ?」
まだ幼い顔つきの女神官ちゃんですが、その信仰と意志の強さは折紙付きです。髭面で人相の悪い戦士たちが思わず背筋を正してしまう、そんな『威』に満ちた言葉を皮切りに、ダブル吸血鬼ちゃん
>「それじゃ、まずはますいから……かぷっ」
>「チクっとするけど、あばれないでね~……かぷっ」
「「ふおぉぉぉぉぉ……!?」」
まず最初は丸太のように太い戦士たちの首筋に牙をあてがい、失血を最小限にするべくほんのちょっとだけちゅーちゅーするダブル吸血鬼ちゃん。吸血の量が少ないためか戦士たちもガクガクと震えるだけで槍ニキや不良闇人さんのように暴発までは至らずに済んでいる様子。彼らの目が陶然となり、痛みを堪える素振りを見せなくなったところで次は英雄雛娘ちゃんの出番です!
「いいか? 出血を止めるには傷口を縫合するのが一番良いが、道具が無い場合や緊急を要する際は焼いて塞ぐのが手っ取り早い。普通なら焼かれる痛みで暴れる患者を抑えつけねばならんが、我らが主たちが先に手を打ってくれている。焼く部位は最小限に、だが躊躇うなよ?」
「は、はいっ! ≪鍛冶神さま 私の息吹が鋼を輝かせるところ どうぞご覧ください≫……!!」
腹の破れた戦士の傍に立ち、鍛冶神さんへの祈りを紡ぐ英雄雛娘ちゃん。傷口から顔を覗かせていた腸を闇人女医さんが腹の中に押し込み、穴の周辺の皮膚を寄せたのを確認し、赤熱化した短剣の腹をそっと近付けていきます。肉の焼ける臭いが立ち昇り、戦士が患部を見ないよう顔を押さえつけていた闇人女医さんが彼女の手際を見て満足そうに頷いていますね。
「うむ、良い仕事だ。
ああ、雑菌塗れのブツが漏れてたら菌血症待ったなしですもんね。焼かれた傷口に手をあて、≪
しかし、麻痺噛みつきで痛みが軽減されているとはいえ泣き言ひとつ言わないとは、流石勇敢なる
「では、折れた骨の位置を戻しますので、舌を噛まないよう布を咥えててくださいね……むんっ!!」
『ムグー!!!』
「我慢しろ。歪んだままくっつけば二度と斧を振るえなくなる」
お、隣の
「ええと、この人の腕は……うん、これだ」
「ありがとうございます。では、傷口に宛がってくれますか?」
戦士の切断された腕の傷口に鼻を近付け、スンスンと匂いを確認する妖術師さん。道すがら触手で拾い集めていた腕の中から当人のものを選び、女神官ちゃんの指示に従って切断面を合わせるように押し付けています。女神官ちゃんが≪
『おお……腕が、腕が動く!』
「接合が馴染むまで重いものを持ったりするのは控えてくださいね?」
拳をグーパーして動きを確かめ驚きの声を漏らす戦士にニッコリと微笑みながら無茶をしないよう釘を刺す女神官ちゃん。その際くっついたばかりの腕に両手を添えているところにあざと可愛さを感じますね! 判っててやってるならナイス悪い子ですが、きっと無意識なんだろうなぁ……。
――さて、何故奇跡で癒すのに外科的処置を施しているのかという疑問を持った視聴神さんもいらっしゃるかと思いますので、軽く補足説明をさせていただきます。
まず前提として、同じ癒しの奇跡を唱えても、術者によって効果がまちまちなのは皆さんもご存知のことでしょう。
≪
また、怪我やその回復に対する術者の理解度によっても≪
嗜虐神さんや地母神さんの信徒が癒しの奇跡に長けているのは、それぞれ医術や拷問、出産など人の身体をつぶさに観察する機会が多いからという点が大きいと言われています。一部の人体マニアな知識神さんの信徒や、戦場で治療に携わることが多々ある従軍神官たちも同様の理由で優秀な癒し手になることが多いですね。
……その一方で「おひさまはみんなに元気を分けてくれる!」と無邪気に信じている頭太陽なサムシングたちがクッソ有能な癒し手なのも事実。信仰の力は偉大ですね!
まぁ長々と説明してしまいましたが、「医術と奇跡を併用すると効果は抜群だ!」とだけ覚えておいて頂ければ大丈夫です。修得が困難な≪
>「ふぅ、これでぜんいんちりょうできたかな?」
>「≪
おっと、負傷者に麻痺嚙みつきした後それぞれ治療に奔走していたダブル吸血鬼ちゃんも戻って来ましたね! 今日の奇跡の回数は使い切ってしまったみたいですが、
「はーい、それじゃシーツや包帯を回収するわよ!」
「それから、負傷された方々には此方を。
癒しの奇跡が使えない2人は洗濯などの裏方に回ってくれていたみたいですね。大きな木桶に汚れ物を回収する妖精弓手ちゃんの後ろを何本もの小瓶を持った令嬢剣士さんが付いて歩き、治療を終えた戦士たちに経口補水液代わりの飲み物を配っています。手渡された小瓶を呷る戦士たちの顔が綻んでいるあたり、味の方も上等みたいですね。
なお、竜の血を一般人が摂取して問題無いのかという意見が出そうですが、竜殺しの伝説にあるように竜の血には強い力があり、その身に浴びれば硬い外皮の如き強靭さを、体内に取り込めば竜の生命力を得られるとのこと。採取してから時間が経過しているのと
『もうじき戦乙女の迎えが来ると思っとったが、まさかこんなめんこい娘っ子たちに救われるとはのう……』
『うう……なんという柔らかさ……いかん、アレは崇高な医療行為! 消え去れ闇のワシ……!』
『死ぬ前に本物の
『こら、せっかく拾った命を簡単に投げ捨てるもんじゃありません!』
突然現れて治療を施した謎の美女&美少女集団に面食らっていた戦士たちもその鮮やかな手際と
『まったく!
「あはは……」
「まぁまぁ。常に気を張っていては疲れてしまいますし、心に余裕を持つのは良いことでは?」
『ですが、客人であるみなさんにあのような目を向けるのはちょっと……』
……まぁ、彼らも精気漲る男子。祭りで昂っていたところに怪我が重なり、生命の危機を感じたとなれば本能がムクムクとおっきくなっても不思議じゃありません。傷口に触れる指先、押し付けられる魅惑の果実、耳元に感じる甘い吐息……。幸いにも暴発(複数の意味で)する者はいませんでしたが、当人ではない
「別に気にしちゃいないわよ、減るもんじゃないし。そりゃ直接触られたりしたら引っ叩いたかもしれないけど、みんな紳士的に見るだけだったもの。それに……」
ひらひらと手を振りながら応じた妖精弓手ちゃんの視線の先には余った竜血の水割りをクピクピと飲み干しているダブル吸血鬼ちゃん。けぷっと可愛らしいげっぷをする2人を手招きし、近寄ってきた2人を抱き上げました。
>「「ふわぁ……」」
半ば条件反射のように目を細め、胸元に顔を擦り付けるダブル吸血鬼ちゃん。小さな腕でしがみつく2人を愛おし気に撫でる妖精弓手ちゃんが
「他の男たちがどんなに想像で私たちを好き勝手しても構わないわ。だって……これから先の未来永劫この子たちが私たちに与えてくれる
『はぁ……なんだか暑くなってきちゃいましたね……』
永遠に等しい寿命を持つ
>「えへへ……もちろん! みんなのココロもカラダも、ぜ~んぶぼくたちのもの!!」
>「こわさないようたいせつに、ずっとずっとあいしてあげる! だから、ぼくたちのことも……わぷっ」
「――ええ、永遠に愛して差し上げますわ。2人の素敵な
おっとここでもう1人の正妻のエントリーだ! 妖精弓手ちゃんから吸血鬼侍ちゃんを受け取り、後頭部に顔を埋めるように抱き締める令嬢剣士さん。これまた激重な感情の発露に一同もドン引き……する筈も無く、うんうんと後方愛人面で頷くばかり。王妹殿下1号2号ちゃんたちまでもが羨ましそうに指を咥えて見ている有様に、
重力異常が発生しているのかと錯覚するほどの激重空間に流石の
『やっぱり、小鬼殺し様も複数の妻をお持ちなんですか?』
「それは戦友たちだけであって、王国でも一夫一妻が常識だ」
「――俺には
『まぁ……! ふふ、御馳走様です』
「うわ、近くで見ると迫力あるわねぇ」
「すごく……すごいおっきいです……!」
夕焼け色に染まる桟橋に並び立ち、長い影を生み出す
「交易によって集まった物資はこの
『ええ、この子が街一番の働き者ですよ。なんせ戦が無くても働きっぱなしですから』
令嬢剣士さんに頷きを返し、優しく櫓の表面を撫でる
「――で、これが操作装置だな」
ダブル吸血鬼ちゃんを地面に降ろしたゴブスレさんが喰い付いたのは
「――ッ!!」
ギィ……
「!?」
「ふぬぬぬぬ……!」
先刻まで微動だにしなかった装置が軋みを上げたことに驚きを隠せないゴブスレさん。気付けば隣には真っ赤な顔で棒を押す英雄雛娘ちゃんの姿がありました。彼女を見て何かを察知した彼が顔を上げ、周囲を見渡せば……。
>「てがとどかない~」
>「こんなこともあろうかと~」
身長が足らず手が届かない為、丸太に触手を巻き付け引っ張るダブル吸血鬼ちゃんが。
「さぁお姉様、双子ならではの
「地に足が着いているということは、即ち地母神様の加護があるということです……!」
鼻息荒く丸太を押す神官銃士ちゃんと、その隣で謎の
「まったく、なんという
「あら、死体が動いて喋っている以上今更では?」
袖をまくった細腕で懸命に丸太を押す闇人女医さんと、頭に手乗りサイズになった相棒を乗せたまま丸太に手跡を刻まんばかりに力を込める令嬢剣士さんが。
「ほらほら、か弱い私のぶんまで頑張ってちょうだい!」
「うう……限界を超えて力を発揮出来る自分の身体が憎いぃ……!」
そして、ブチブチと四肢から嫌な音が響くも即座に再生することに半泣き状態の妖術師さんと、装置にふわりと腰を下ろし、みんなに声援を送る妖精弓手ちゃんが。
>「えへへ……ひとりじゃむりでも、みんなでやればできるかも!」
>「だから、もっとぼくたちにたよっていいんだよ!」
「……そうか、そうだな。手を貸してくれ、戦友」
>「「うん! まかせて、しんゆう!!」」
気合いを入れ直し、各々一番力を発揮出来るポジションに付く一行。妖精弓手ちゃんの音頭で一斉に力を込めれば……!
ズズ……
『凄い、力自慢の荷役奴隷が20人以上で動かす巻き上げ装置を……!』
口元に手をあて驚きの声を上げる
「ど~よオルクボルグ、満足した?」
「ああ、礼を言う」
一行が手を離せば、自動で既定の位置まで戻っていく巻き上げ装置。ぴょんと軽い身のこなしで装置から飛び降りた妖精弓手ちゃんの言葉にゴブスレさんは満足そうに頷き、みんなにペコリと頭を下げてますね。
『みなさん凄い力ですね! 同じ人数なら本職達でも巻き上げられるかどうか……』
「いや、あくまで今のは後先考えない1回きりの挑戦だ。仕事として日に何度も行える本職には遠く及ばんだろう」
興奮した様子の
>「「えへへ……おなかすいちゃった!」」
『あらあら! そろそろ準備も出来ているでしょうから
あざと可愛くおゆはんをおねだりする2人の頭を撫で、優雅に立ち上がる
夕日に浮かび上がる
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
うーむ……こっちのほうが彼女らしいけど、こっちも捨て難いですねぇ……。
あ、どうも知識神さん。え、何をそんなに唸ってるのかって?
いやぁ、このあと宴のシーンじゃないですか。宴に席に付き物なものと言えば? そう、場を盛り上げる歌です!
推しの子に歌ってもらいたい曲は皆さんから聞いているんですけど、これがなかなか絞り切れなくてですね?
ちょっと知識神さんも一緒に考えてもらえます?
――おおう、そうきましたか……! 確かに、この選曲はN子さん1人では思いつかなかったでしょうねぇ。
推しの子ラブ勢に確認を取って、OKならこれでいきましょう! いや~視聴神さんたちの反応が今から楽しみですよぉ!!
次話で趣味と性癖がバレそうなので失踪します。
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