ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
連休は良い文明なので初投稿です。
前回、一仕事終えてアトラクションを楽しんだところから再開です。
歓待の準備を確認するために一旦
>「「こ~んばんわ~!!」」
「おお、来たか! 外は寒いだろう、早く中に入ると良い」
炉床を挟んで並べられた長椅子には
『ささ、みなさまの席は此方ですよ!』
『おお、我らが命を救いし乙女たちの登場か!』
『戦神の愛娘たる
ちょいちょいと手招きをする
「驚かせてしまったら申し訳ない。
『すみません、みんな「絵巻物の戦乙女よりも美しいモンは初めて見た!」って興奮しっぱなしなんですよ……』
荒々しくも温かな声に包まれながら
2人の対面に用意された席にみんなが腰を下ろしたところで
「さて、この地では己の杯は己で準備するのが流儀なのだが……何か杯は持っているかな?」
……あ、鉱人道士さんがいないから、もしかして宴の作法を知ってる人いない!?
「……ねぇシルマリル、なんか杯になりそうなもの持ってないの?」
「野営で使う木のコップでは……少々無作法ですわね」
ダブル吸血鬼侍ちゃんを膝上に抱えた正妻2人がヒソヒソと声を交わす中、
うーむ、これちょっと……いやかなり不味い状況かもしれません。
同じ考えに至った女神官ちゃんと神官銃士ちゃんの顔がみるみるうちに引き攣って……おや? 吸血鬼君主ちゃんが妖精弓手ちゃんの膝から飛び降りてなにやらインベントリーから出そうとしています。やがて目当ての品を見つけたのか、にぱっと笑いながら並べ始めたのは……。
「ねぇシルマリル? なんかこの杯、みんな危険な力を感じるんだけど……」
眼前に並べられた
「??? なんだろう、意味のある単語じゃないみたい。ええと……」
「9kv8xiyi、naapatbx、wyknbf8i、4pvc5kka、by68zgaj……」
全盛り聖杯じゃないですかやだー!?
「ええと
>「えっとね、ダンジョンをつくるときにこの
ちょっと
太陽神さんと万知神さんは且を被って<ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!って叫びながら卓の周りを走り回ってますし、覚知神さんは全身から血の棘が生えて発狂中、知識神さんに至っては「血晶あたためますか……あたためますか……」ってブツブツ呟いたまま宇宙から帰って来ませんよ!?
「すぐにしまいなさい」
>「は~い」
おっと、実況に戻りますね。真顔の妖精弓手ちゃん言葉に従いいそいそと
「ん、これか? これは獣角を加工して作られた杯だ。
>「
たぶん
>「できた~!」
>「
『『『『『……え?』』』』』
「――同胞と友、そして新たなる隣人に!」
>「いつでもみんなをみまもってくれているおひさまに!」
>「みんなのゆめをあとおししてくれるかみさまたちに!」
めいめいが自分の好きな言葉を叫び、始まった盛大な
「うわぁ、貝の中身がこんなにどっさり……っ!」
『ここいらの海は豊かでの、こんなモンいくらでも獲れるわい!』
山羊の乳と潰した
「さ、魚を生で食べるんですか……!?」
『おうよ! まぁ生っつってもいっぺん凍らせてあるから
大皿に綺麗に盛り付けられた鮭のルイベにおっかなびっくり手を出す女神官ちゃん。周りのニヤニヤ笑いを見て覚悟を決めて一口にパクリ、シャリシャリとした食感の後、口の中で融けていく脂の乗った味わいに陶然とした表情になってますね。
おや、ダブル吸血鬼ちゃんと令嬢剣士さん、それに妖術師さんは戦士たちに混ざって一際大きな皿の周りに座ってますね。男たちの不安げな表情を余所に小刀で茹でた肉塊から一口大に肉を切り取り、白っぽい何かと一緒に口へと運んでいます。自分が食べるのを忘れたようにその様子を見ていた男の1人が、恐る恐るみんなに訊ねるのは……。
『な、なぁ。無理に食わんでもええぞ?
ああ、あんまり見たこと無い肉だと思ったらアザラシだったんですね! かつて野菜が手に入らなかった頃はビタミン補給のために生で食べられていたこともあるアザラシですが、非常に生臭く火を通すと固くなるという性質を持っているんだとか。慣れない人が食べると栄養豊富過ぎてお腹を壊すこともあるそうですが……。
>「「おいし~!!」」
「言われた通り、生の脂肪を添えると味わいが増しますわね!」
「わざわざ生臭くしてるだけの筈なのに、なんでこんなに美味しいんだろう……?」
どうやら
さて、肉を好まない
『その、なんだ、
「そう? 幼虫とか普通に食べてるし、別に気にならないけど」
「いや、多分そういう意味ではないと思うぞ???」
海の中にも虫はいるのねぇと興味深げにボウルの中身を観察する妖精弓手ちゃん。そんな彼女とは対照的に、若い男たちは何処か落ち着かない様子でチラチラと妖精弓手ちゃんを見ています。男たちの心情を察知した闇人女医さんが呆れたとばかりに首を振ってますが……いや、これは仕方が無いでしょう。ねぇねぇこれなんて名前の虫なの? という致命の一言に男たちが凍り付き、互いに目配せをし合う緊張に満ちた空間。やがて視線の圧に負けた1人が顔を赤らめながらその名を口にしました……。
『ええとな、お嬢さま。こいつぁその……
「え、これ魚なの!?」
違う、そうじゃない。
「なんだ、そんなコト気にしてたの? 一児の母なんだから別に騒いだりしないわよ!」
『いや、そう言われても……なぁ?』
『『『『『――!!(無言で頷いている)』』』』』
闇人女医さんから彼らの心情を聞き、あっけらかんと笑う妖精弓手ちゃん。気まずそうに顔を見合わせる男たちですが、物語か春画の中でしか想像したことの無い
というわけで、彼らが調理しようとしていたのはちん……もとい、ユムシと呼ばれる生き物ですね! その見た目から
「あら、柔らかいと思ってたけど意外と硬いのね」
「
好奇心に満ちた瞳でボウルの中のユムシに触れる妖精弓手ちゃん。僅かに膨らんだ先端を突いたりツツーと表面に指を滑らせる絵面は完全にアウト。闇人女医さんの溜息まじりの声が虚しく響く中、男衆の視線は妖精弓手ちゃんの艶やかな手付きに釘付けです。ですがそんな彼らの心を粉砕する一言が、一番大きな個体を親指と人差し指で挟み込むように擦っていた妖精弓手ちゃんの口から発せられました……。
「ん~……でもシルマリルとヘルルインの魔剣ほどおっきいのはいないのね」
「そういうとこだぞ、姫様」
言葉も無く前のめりに崩れ落ちた男たちを不思議そうに眺める妖精弓手ちゃん。なおこの後調理されたユムシはダブル吸血鬼ちゃん一行が美味しく頂きました。
いやぁ、無自覚妖精弓手ちゃんは強敵でしたね……と、そういえばゴブスレさんは楽しんでいるのでしょうか?
『ほほう、そんじゃ
「そうだ。ゴブリンは弱い。だが放置していれば際限無く増え、人々の生活を脅かす。奴らに知恵を持たせず、時間を重ねて数を減らし、この世から根絶させる。それが俺の……」
途中まで言いかけたところで自らに注がれる視線に気付き、言葉を区切るゴブスレさん。見ればダブル吸血鬼ちゃんたち冒険者が頬を膨らませて彼を見ています。その様子を見たゴブスレさんが微かに苦笑しながら続けたのは、呪いじみた使命感ではなく、自ら望む未来を見据えた決意です。
「いつか、誰もがゴブリンに脅かされることの無い生活を送れるような世界を作る。それが俺
『……そうか。難しいとは思うが、そんな世界が来ることをワシらも願っておるよ』
ちょっと呆れたような、でも断固たる決意を応援するような戦士の言葉にヘヘンと鼻の下を擦るダブル吸血鬼ちゃんたち。たとえゴブスレさんの代でそれが敵わなくとも、既に土壌は出来つつあります。歩む速度が遅くとも、確実に世界を良い方向へ変えていくでしょう!
『ちと聞きたいんだがの。お前さんの着ているその鎧下、もしかして竜革を使っておるのか?』
『そういやその杯も竜の牙だったの。 もしやお前さん
良い感じに酔いが周り、砕けた雰囲気になってきた頃。顔を赤らめた戦士たちがゴブスレさんの装備に興味を示し始めました。
「いや、この鎧は結婚祝いに戦友が用意してくれたものだ。だが、この外套は戦友と……同じ冒険者の
『おお、そんならやっぱり
『いやいや、せっかくだからお前さんたちの「冒険」っちゅうやつも話してくれ!』
おお、予想以上の喰い付きにゴブスレさんの目が泳いでますね! 助けを求めるように視線を彷徨わせてますが……残念ながらダブル吸血鬼ちゃんたちはニヨニヨしているばかりで味方は1人もいない様子。いつの間にか高座から降りて来ていた
「俺は、話下手だ。上手く伝えられるかは判らんが……」
そう前置きし、語り始めたゴブスレさん。途中途中で補足や茶々が入りながらの冒険譚は、淡々とした口調でありながら臨場感に溢れ、冒険、そして『冒険者』と縁遠い
『なるほど、「冒険」っちゅうのは血沸き肉躍るもんじゃのう!』
『こいつぁ負けてはいられんぞ! ワシらの
ゴブスレさんの冒険譚で火が点いたのか、戦士たちが歌い出したのは
「この地は生きるのに厳しい場所だ。夏は短く、暗い夜と寒さが容易く人の生命を奪っていく。だが、それでも此処には人の営みがある。強く生きる人々がいる」
「ああ、そうだな。此処は誰もが強く在る場所だ。互いに助け合い、共に戦い、そして次代に営みを繋いでいく……」
普段よりも少しだけ饒舌なゴブスレさん、吞み慣れぬ林檎酒が酔いを齎したのかもしれませんね。高らかに歌う男たちを見る目は憧れにも似た光を湛え、いつも見せる攻撃色とは異なる色合いを見せています……おや? 戦士たちの歌が終わったところでスクっと立ち上がるあの薄いシルエットは……!
「よ~し、それじゃ次はこっちの番ね! あ、ちょっとその弓貸してちょうだい!!」
そう言って手を伸ばしたのは
bon bon bon……
何度か感触を確かめた後、静かに響き渡る鳴弦の音。それに合わせるように闇人女医さんさんが爪先でリズムを刻み始めます……。
bon ti bon bon bon bon ti bon……
誰もが見惚れる笑みを周囲に向け、目配せをする妖精弓手ちゃん。自然に発生した
甘く響くハスキーなアルト。普段はムッツリと無表情なことが多い闇人女医さんですが、内に秘めた情熱は決して他の子たちに引けを取りません。吸血鬼侍ちゃんへと向けられた視線の流れ弾に当たり、歴戦の戦士たちも思わず前屈みになっちゃってます。
後に続くのは伸びやかなソプラノ。爪弾く指先はそのままに、首を緩やかに振ってリズムを取りながら楽しそうに歌う姿はまさに動く芸術。歌に聞き入っているみんなの頭も自然に動いてしまっています。サビを前に視線を交わした2人が、ダブル吸血鬼ちゃんを視界の中心に捉え、旋律に想いを乗せて歌い上げていきます……!
今が暗くても、行く先が見えなくても、ずっと一緒にいるよという想いのこもった歌に、声を失い聴き入っていた一同。終わりを告げる弦の響きによって、我に返ったように拍手が沸き起こりました! むふ~と満足げな妖精弓手ちゃんが次に目を付けたのは……。
「ほら、次はそっちの3人! 場はあっためておいてあげたわよ!!」
「「「……え?」」」
『おお、次はお嬢ちゃん達か!』
『都会の歌はきっとスゲェんだろうなぁ』
突然矛先を向けられ硬直する令嬢剣士さん、妖術師さん、英雄雛娘ちゃんの3人。まさか自分たちに振られるとは思っていなかったようで、周囲からの期待に満ちた視線によってプレッシャーに弱い妖術師さんは既に血の気の引いた……は元からですね。半笑いのような引き攣った表情になっちゃってます。
「どどどどどうしよう!? 私人前で歌ったことなんて無いってば!?」
「私だってありませんわ!? それに、この3人全員が知ってる歌なんて……」
あ、それは重要なとこですね。生まれも育ちも大きく異なる3人、知っている歌も違うでしょうし、そもそもそういうものに馴染みの無かった可能性も考えられます。動揺を隠せない様子の眷属2人と……お、なにやら英雄雛娘ちゃんが決意に満ちた表情になってます。2人に顔を寄せてヒソヒソと何かを伝えているみたいですが……。
「確かに、その歌でしたら私も知っていますわ」
「で、でもちょっとこの場にはそぐわないような……」
「――でも、時間を空けたらせっかく盛り上がった場の空気が醒めてしまいます。だから、ここは勢いに任せましょう!」
おお……先輩相手にどキッパリと言い放ちましたね英雄雛娘ちゃん! その力強さに2人も覚悟を決めたようで、揃って
まず先陣を切ったのは令嬢剣士さん。凛とした姿から繰り出される可愛らしい歌詞は破壊力抜群! 何処からか≪
続いてガチガチに緊張した面持ちの妖術師さん。本人はすっかり頭から抜け落ちているようですが、今の姿はダブル吸血鬼ちゃんをトレースした
トリを務めるのは英雄雛娘ちゃん。一生懸命歌う彼女の視線の先には……目を丸くしているゴブスレさんが! どうやら先程の決意表明に対する彼女からのメッセージみたいですね。牧場に身を寄せてからこっち何かと英雄雛娘ちゃんを気に掛けていたゴブスレさん、もしかしたら彼女のことを妹か娘のように見ているのかもしれませんね。
「――ああ、懐かしいな。昔、姉さんと
『
ひとり目を瞑り過去に想いを馳せる
「「「あ、ありがとうございました~!」」」
『『『『『ウオォォォォォォ!!』』』』』
「ふっふっふ、それじゃあそろそろ貴女たちの出番よ~?」
野太い歓声に若干引きつつも合いの手や応援に感謝を伝える3人が
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
連休明けは悪い文明なので失踪します。
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