ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
なんとか半期〆の業務が片付いたので初投稿です。
前回、
しっとりと愛する人への激重感情を歌い上げた
「――というのはどうでしょうか?」
>「「おもしろそう!!」」
「うう……ちょっと恥ずかしいですけど、頑張ります!」
さて、先に歌うのはどちらの……おや? 4人で集まって何やら相談してますね。神官銃士ちゃんの言葉に頷きを返し、炉床の周囲ではなく宴会の席の間に散らばるような立ち位置に付く4人。左右に大きく開いた手を頭上で打ち鳴らし、ゆっくりとしたリズムを刻み始めました。
>「それではみなさま~」
>「おてをはいしゃく~」
「えっと、ちょっと意味が違うような……」
「細かいことは気にしない! ――さぁ皆様、ご一緒に手拍子をお願い致しますわ!!」
神官銃士ちゃんの張りのある声にまず反応したのは冒険者たち。同様に戦士たちの間に分散すると、4人に合わせるように楽し気に手拍子を始めます。こういうのには慣れて無さそうなゴブスレさんも英雄雛娘ちゃんに引っ張られ、彼女の隣で躊躇いがちに手を叩いてますね。
「ふむ。では
『はい、
高座から降りてきた
――それは、混沌の軍勢に立ち向かうべく秩序の勢力が結成した多種族連合軍の間で歌われていたもの。言語も文化も社会規範も異なる彼らが互いを尊重し、認めあう中で紡がれた友誼の証。
過酷な戦場において、傷付いた仲間に手を差し伸べる勇気を、戦功を挙げた者を称え、命を散らした勇者を悼む優しさを忘れないよう心に刻むための誓いの言葉。全ての種族に伝わるよう、判り易い
ちっちゃな身体をのびのびと動かし、ステップを踏みながら大きく腕を左右に振るダブル吸血鬼ちゃん。女神官ちゃんと神官銃士ちゃんの歌声に合わせ、聴き入っていたみんなに向かって意味深なウインク。一度見れば誰でも簡単に真似出来るそのシンプルさに惹かれ、1人また1人と立ち上がり、踊りに参加していきます……。
「成程、単純な旋律と平易な歌詞が集団帰属意識を生み出し……ひゃん!? な、なにをする我が主!」
>「むずかしくかんがえちゃダメ、いっしょにおどって?」
「わ、判った! 判ったから胸から手を……んっ」
後方解説面をしていた闇人女医さん、いつの間にか忍び寄っていた吸血鬼侍ちゃんに背後から抱き着かれ、可愛い悲鳴を上げちゃってますね。厚手の布越しにもハッキリとわかるナイスたわわを下から掬い上げるように揉みしだかれ、艶めいた吐息が唇から漏れています……あ、令嬢剣士さんがエロ吸血鬼を引っぺがして、むくつけき男たちの中心に投げ混んじゃいました。イケメンよりも武骨な男性がタイプな吸血鬼侍ちゃんは好みの男衆に囲まれ胴上げされて大喜びですね。
「ほ~ら、そんな顔してないの! こういう時は楽しまなきゃ、ね?」
『お、おう……!』
いかつい顔に似合わぬ繊細な心の持ち主らしく、なかなか踏ん切りがつかない若き戦士の手を取るのは妖精弓手ちゃん。誰もが見惚れる笑みで彼を立ち上がらせ、すでにノリノリで踊っている輪の中に彼を導いていますね。物語の中から抜け出してきたような
>「えへへ……どう? たのしいかな?」
「はい、とっても!」
「――ああ、悪くない」
吸血鬼君主ちゃんの問いに満面の笑みで返す英雄雛娘ちゃん。ぎこちないながらもみんなを真似て鎧兜姿でダンスを披露していたゴブスレさんも楽しんでくれているみたいですね! 種族も性別も、生者と死者の違いもあるみんなが同じ気持ちを共有することが出来た魔法の時間は、酔いが回ってみんな潰れるまで笑い声を伴いつつ続くのでした……。
「――つまり、
「うむ、簡単に言えばそういうことだな……うむぅ……」
『もう! 飲み過ぎはいけませんとあれ程言いましたのに……っ』
騒がしくも温かな宴の翌朝、宴の料理で発生した魚のアラと干し
北の海は生者に厳しく、交易に携わることは命がけの仕事。潮流や風を読み違えればあっという間に流され、季節によっては氷に閉じ込められてしまう危険だってあります。見渡す限りの氷原に取り残されてしまったら採れる手段は極僅か。
救助を信じ日々減っていく食料を横目に耐えるか、あるいは何処にあるかも判らぬ人里を目指し自殺的な行進に臨むか。どちらにしろ生き延びる可能性は
そのような厳しい環境であるため、船乗りたちの多くは海中に暮らす
危険を冒して運んできた荷物を渡すことを渋りガイドを雇わない者もいるそうですが、たいてい航路の何処かで沈み積荷は海中に消えてしまうため多くの船乗りは
「なんでも彼らの信仰する神の落とし子がとんでもない怪物だったらしくてな、そいつを鎮めるべく赴いた族長は頭から喰われ、怪物が眠っていた彼らの神殿は酷い有様。流れの
「……なんで
蜆エキスが効いてきたのか顰め顔が薄らいできた
「……禁制の品を運んでいた連中が、
>「……なにか、あぶないものをつんでたの?」
令嬢剣士さんの膝上に乗り
「ああ。現場の近くで救助されていた水夫が口を割ったよ。なんでも船の倉庫の最奥には鉛で出来た分厚い宝箱があり、積み込むのに相当難儀したらしい。積み込んだ後に船長が中身を確認している現場を偶然目撃したそうだが……」
「――仄かに青白く光る見たことも無い貨幣がギッシリ詰まっていたらしい」
……んん? 四方世界で貨幣といえば
他に考えられるものといえば……四方世界を形作る
……まさかとは思いますがGM、もしかして
「族長が死亡し統率を失った
『交易にも出られず漁も満足に行えない親戚一同が、嫁取りにかこつけて食料と金をせびりに来たのが昨日の祭りなんです……』
ふむふむ、それで王国に入ってくる交易品が激減していたわけですね。このまま放置していては
「我らとしてもこのままでは生活が危うい。そこで
そこで言葉を区切り、姪っ子たちに視線を向ける
「――判った、引き受けよう」
>「ん、そうだね!」
>「がんばろ~!!」
「ちょっと、そんな簡単に……!?」
フンスと鼻を鳴らしやる気満々な3人の姿に慌てた様子の神官銃士ちゃん。下手に引き受けて今後の王国と
「あら、
「ここまでは王国の使者として、そしてこれからは【辺境最優】と【辺境最悪】としての仕事です。……それでよろしいですね、殿下?」
「――ヨシ!」
暫しの葛藤の後、晴れやかな笑顔とともにちょっと許されざる角度でポーズをキメながら追認する王妹殿下1号……もとい神官銃士ちゃん。立場なんてものは使いよう、状況に応じて使い分ければ良いってことは
昨夜の宴で気力体力共に充実した冒険者たちの瞳には、未知なる環境での冒険に挑む悦びの光が宿っています。爛々と眼を輝かせる彼らを呆気にとられた表情で見ていた
「はは……! そうか、冒険者とはそういうモノであったな!! ならば諸君、共に北海の怪物退治に出航だ!!」
「「「「「おー!!」」」」」
傷の癒えた右腕を高く掲げ狼の如く吠える
「――あ、そうだ。ちょっといいですか? 船で向かうなら試してみたいことがあって」
おや、妖術師さんの様子が……。
『なんとまぁ……』
「まさか、これほどのモノを呼び出すとは……!」
全長は約
桟橋に横付けされた
『えっと、よろしくお願いしますね?』
「どうして……?」
「彼らにだって推しを選ぶ権利くらいあるってコトじゃない?」
「言霊の力と戦い続ける歓びに溢れた彼らの思念を最大限引き出して、やっとの思いで成功させたのに……船体や霊体の維持も私がしてるのに……」
現場猫顔で固まる妖術師さんに容赦なくトドメを刺す妖精弓手ちゃん。魔力とともに大切な何かを失い膝から崩れ落ちる彼女を見て溜息をひとつ吐き、パチンと指を鳴らせば背後から現れる小さな影が2人ぶん。甲板に手を付き咽び泣く妖術師さんを左右から挟み込んで……。
>「もう、そんなになかないで? きみがとってもがんばってくれたこと、ぼくたちはちゃ~んとしってるから!」
>「まりょくをつかいきっちゃったよね? いまからしっかりほきゅうしてあげる! ……もちろん、
「ふぁっ!?」
さほど身長の変わらぬ妖術師さんを左右から2人掛かりで抱き上げ、半透明の船員の誘導で船内へと消えていくダブル吸血鬼ちゃん。やがて船内の一室からは湿った音と必死に快楽を押し殺す妖術師さんの艶めいた息遣いが響いてきました……。
「……んっ、んむぅ……ひぁぁ……!?」
>「おおきなこえをだすと、みんなにきかれちゃうよ?」
>「それとも……きかれたいの? ん~……ちゅっ」
「やっ、そんな……だめぇ……」
漏れ聞こえる声の方角をガン見する王妹殿下1号2号の背後では、妖精弓手ちゃんが英雄雛娘ちゃんの耳をピッチりと塞ぐ教育的な配慮をしていますね。思春期真っ只中な反応を示す2人に苦笑を隠せない様子ですが……おや? 悪戯を思い付いたのか英雄雛娘ちゃんを闇人女医さんに預け、ピコピコと長耳を動かしながら息も荒く夢中になっている彼女たちの背後に近付いて……。
「フフ、ああなった2人は
「『待って』は『はやく』に、『ダメ』は『いいよ』に、『無理』は『もっと』だと思ってるから、相手がトロトロになっちゃうまで絶対に……あら?」
あ~あ、耳元で囁かれた刺激的な内容に王妹殿下1号2号の精神はオーバーヒート、茹蛸みたいな顔で失神しちゃってますね。2人を見て慌てて駆け寄ってきた令嬢剣士さんに神官銃士ちゃんを任せ、妖精弓手ちゃんは女神官ちゃんを抱きとめてあげてます。
「もう! あまり揶揄ってはいけませんよ?
「あ、やっぱり判る?」
「当たり前ですっ。それに……どんなに夢中になっていても一言『嫌だ』『やめて』と言えばすぐに止まってくれますもの、あの可愛らしい2人の暴君は」
良かった、昼間からおっぱじめてたわけでは無いんですね! どうやら妖精弓手ちゃんはその鋭敏な聴覚で吸血の音から、令嬢剣士さんは微かに漂う2人の血の匂いから何をしているのかを把握していたみたいです。最近自分の気持ちに素直になり過ぎている2人をちょっとだけ落ち着かせるには丁度良かったかもしれませんね。
「いやーやっぱ師匠たちの直吸いは効くなぁ……げふぅ」
お、妖術師さんがツヤツヤになって帰って来ました。唇の端っこに血が付いてるあたりダブル吸血鬼ちゃんからちゅーちゅーしてたのは間違い無さそうです。
>「ただいま~……あれ?」
>「ふたりともねちゃったの?」
「んー? 昨日はしゃぎ過ぎて疲れが抜けてなかったのかもねぇ。――それよりもほら、2人ともいらっしゃい?」
王妹殿下1号2号の様子に首を傾げるダブル吸血鬼ちゃんを呼び寄せ、そっと吸い口を露出させる妖精弓手ちゃん。2人も素直にちゅーちゅーしてますし、結構な血を吸われてたのかもしれませんね。女神官ちゃんを膝枕しつつ2人を抱き寄せる妖精弓手ちゃん、その全身からは溢れんばかりのオカン
魔力を補給したところで妖術師さんがサッと手を挙げれば、帆を張ると同時に動き出す無数の櫂。半透明の船員と生身の戦士たちの視線を受けた
「微速前進! これより本船は
寒風を帆に受け、荒波を切り裂いて進む大型船。
「実に良い船だ! 船員の練度も高く、何より揺れが少ないのが良い!! ……俺も船酔いしやすい体質でね、航海中は碌に食事が喉を通らないのだ」
『此方に来たばかりの頃の
船内を見回っていた
「どうだろう
「うーん……ちょっと難しいかな。航海途中で沈んだ船やその乗組員の無念が核になってるから、無事に港まで戻れたら満足して還る魂が多いと思う。その後も付き合ってくれる物好きがいれば船は維持出来るだろうけど、船の大きさはだいぶちっちゃくなるかも」
「そうか……漕ぎ手奴隷でも無い者に航海を強制するわけにもいかんしな。その物好きが多いことを願うとしよう」
ダブル吸血鬼ちゃんをちゅーちゅーした後も維持コスト支払いのために
「――そういえば、これから会う
>「ん~?」
>「たぶんあったことないかなぁ……」
特製の焼菓子をみんなに振る舞いながらの妖精弓手ちゃんの問いに首を傾げるダブル吸血鬼ちゃん。一緒に焼菓子を頬張っている英雄雛娘ちゃんや闇人女医さんも首を横に振っていますね……お、
「ええと……『
「ゴブリンか?」
「……『ることもあるが、所謂
「ゴブリンではないのか……」
「
ゴブスレさん、ステイ! ちょっとは落ち着きなさいと妖精弓手ちゃんに兜の後頭部をぺしりと叩かれ、大人しくなるゴブスレさん。令嬢剣士さんの捕捉に黙って頷きを返しています。ちょっと見た目が変わっているとはいえ
陸で難儀していた
「――さて、そろそろ彼らの斥候が姿を現す頃合いだが……」
船が進むことおよそ半日、島というには小さすぎる岩が無数に頭を覗かせる岩礁地帯が進行方向に見え始め、船上は俄かに慌しさを見せ始めています。ダブル吸血鬼ちゃんたちも念の為装備を身に着け、甲板の上に集まっていますね。
「おっ、見えましたぜ!」
1人の戦士が指差す先、海面に何本も突き出た銛の先端が並んでいます! 少しずつ伸びる銛の根元からは鱗に覆われた手、そして鍛え上げられた肩口が顔を覗かせていきます。船の航路を塞ぐように2列の縦陣を組み、
「船上から失礼! 北の海を荒らすものに対抗すべく、勇敢なる戦士を連れて参った!! 其方の族長殿は何方に?」
「――あら、噂に違わぬ良いオトコ! 今そっちに行くわねン!!」
瞬間、爆ぜるように水飛沫を上げる海面。
スッと立ち上がるその身の丈はおよそ
魚の相を強く感じさせる頭部は何処かユーモラス。大きな瞳には深い叡智と慈愛を称え、キラキラした瞳で自分を見つめるダブル吸血鬼ちゃんに対しバチコーンとウインク。水中でも視覚を確保出来るように透明な瞼があるみたいです。ん~と伸びをする仕草から何とも言えぬ色気を放ちつつ、族長と思しき
「はじめまして、陸に棲む
クネクネと身体をくねらせながら野太い声で笑う
「ええと、はじめまして。私たちは
「あら、可愛い冒険者さん! アタシたちは1人の夫に対し複数の妻がいる一夫多妻制なんだけど、何らかの事情で夫が死んだ場合、妻の中の1人が新しい夫になって群れを引き継ぐのヨ。その際、性別もオンナからオトコに変わるってワケ!!」
まぁ見た目は殆ど変わらないけどネ!としゃがみ込んで女神官ちゃんに目線を合わせながら笑う族長……えぇと、蛸神さんより彼?のことは族長姉貴兄貴と呼んで欲しいと要望がありましたので、以後はそう呼称するということでひとつ。魚にはメスからオスに性転換する種類もいるみたいですし、群れを維持するためにそういった進化を遂げてきたのかも……あ、進化論は四方世界的には異端でしたっけ。まぁその辺りは深く追求しないようにしましょう!
族長姉貴兄貴に続いて屈強な
さて、無事に
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
月末〆の業務が待っているので失踪します。
評価や感想、いつもありがとうございます。
もうすぐダブル吸血鬼ちゃんの冒険も2年を迎えそうなところまでやって来ました。お読みいただいた方からの感想や評価の後押しが無ければ何処かでエタっていたかもしれません。
もしよろしければ、引き続きダブル吸血鬼ちゃんたちの冒険にお付き合いいただければ幸いです。
お読みいただきありがとうございました。