ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
ブラックサンが気になって仕方が無いので初投稿です。
前回、族長姉貴兄貴率いる
不吉過ぎる名前の岩礁地帯を後にし、海域を荒らす謀反人たちが根城にしている神殿跡へと舵を切った
「そもそもの発端は、前の族長であるアタシたちのダンナが
肌が乾燥しないよう大きな木桶に海水を張り、バスタブのように浸かった姿で嘆息する族長姉貴兄貴。彼の言葉には
「ねぇ可愛らしいお嬢さん。見た感じ地母神の神官っぽいけれど、どうして人は神を信じると思う? 深く考えず、アナタの言葉で話してちょうだい?」
ヒレの付いた指先をつい、と向けた先は女神官ちゃん。族長姉貴兄貴の口調こそ軽いですが、神を信ずる神官にとっては非常に重要な問い掛けですね。突然の指名に驚いた様子の女神官ちゃんでしたが、胸の前に手を合わせ、己の内から零れる思いをそのまま口にします。
「えっと……私たちの暮らしを見守り、作物や野山の恵みを豊かにして下さることに対して感謝の気持ちをお届けするためでしょうか?」
「そう、その通り! 言い方は乱暴だけど、信仰を捧げる代わりに何らかの恩恵……地母神なら豊穣や怪我、病気の治癒なんかが得られるから人は神を信ずるのよね」
もちろん、祈りが先か加護が先かなんて
「アタシたち
それなのにねェ……と肩を落とす族長姉貴兄貴。どうやらよっぽど酷い目に遭ったみたいですねぇ……と、話し合うみんなのところへ1人の
「死ぬとすぐに臭みが出ちゃうから、出来るだけ鮮度の良いものを選ぶのがコツよ?
口で説明しつつ、鋭い爪の生えた指で器用にエビの頭をもぎ取る族長姉貴兄貴。そのままペリペリと殻を剥がし、プリっとした身を取り出しました。身に残っている汚れや殻の欠片を木桶の中の海水で洗い、バチコーンとウインクをキメながら艶やかな身を妖精弓手ちゃんへと差し出します。
「ささ、人目なんか気にしないでパクっと一口でいっちゃいなさい!」
「え、ええ……!」
寄生虫が怖いため、生食はご法度なことが多い淡水生の魚介類に慣れている王国民にとって生のエビはなかなか勇気がいるかもしれません。受け取ったエビの尻尾を摘まみ、小さな口を恐る恐る近付ける妖精弓手ちゃん。僅かに伸ばした舌先に弾力のある身を乗せ、尻尾の付け根辺りまで咥え込んでちゅるりと口内へご案内。ギュッと眼を瞑った状態で咀嚼していましたが……。
「うわ、何コレ!? プリッとした歯応えも良いけど、身の甘さが海水のしょっぱさで引き立ってすっごい美味しい!!」
「ンフフ、でしょう? 海に生きる者しか味わえない、特別な美味ってヤツよ! みんなも遠慮せずに食べてみてちょうだい?」
初めての生の味わいに瞳を輝かせる妖精弓手ちゃん。族長姉貴兄貴の進めるまま手を伸ばす冒険者たち、我先にピチピチ跳ねるエビの頭をもぎ、その殻を剥いて……あ、流石に神官銃士ちゃんはちょっと及び腰ですね。吸血鬼君主ちゃんが剥いたヤツをそっと手渡しています。海水に浸し、フルフルと震えるエビの身を口へと運び……。
「ふわぁ……!」
>「「あま~い!!」」
「これは……果実の甘さとも肉の脂の甘さとも違う、今まで味わったことの無い甘さですね……っ!」
『フフ、私たちも滅多に口にすることの出来ない珍味ですから……あ、頭は捨てないでくださいね? とても良い出汁が取れますので!』
恍惚の表情を浮かべる冒険者たちを優しく見守る
「北海の幸は美味しいでしょう? 子孫繁栄とともにアタシたちが望んでいるのは大漁祈願。さっきも言ったケド、アタシたち
あっという間に無くなったエビの山に満足そうに頷く族長姉貴兄貴。エビの頭を摘まみながら語られるのは彼らが抱く信仰に対する思いの内です。利益第一の考えと思われるかもしれませんが、ダブル吸血鬼ちゃんをはじめとする神官の技能持ちが奇跡を行使できるのも信仰を捧げた代価ですし、四方世界的に不思議なことではありません。
「そんな感じで長い間信仰を捧げてきたアタシたちだけど、何が切っ掛けだったのか、神殿で深い眠りについていた落とし子が目覚めちゃったのヨ。奉ずる神の眷属なら丁重に扱わなきゃってんで、一族の戦士を連れて前の族長……アタシたちの元ダンナが供物を持って拝謁に赴いたんだケド……」
>「「あっ(察し)」」
「そのクソッタレな落とし子は、供物と一緒に族長含めた一族の戦士を『捧げもの』と思ってみ~んな食べやがったの! アタシたちが祈りを捧げてたヤツは、子孫繁栄どころかあたしたちをただの『餌』としか見てなかったワケ!! ……そしたらもう後は戦争しか無いわよね?」
一族存亡の危機に族長を失いながらも立ち上がり、神の眷属に戦いを挑んだ
その後、新たな長となり放置していた海路の整備と関係者へのあいさつ回りに奔走していた族長姉貴兄貴。以前と同じ……とは流石にいきませんが、なんとか体裁を整えることが出来たところで身内からの離反者発生&モヒカン化。鱗と粘液に覆われた顔からその心情は判り難いですが、だいぶお疲れみたいです。
「それで、海域を荒らす離反者たちの戦力は如何程なのでしょうか?」
愚痴交じりな
「まず、首謀者は元第二夫人だったヤツよ。しきたりを無視して勝手に雄化した挙句、自分の子どもや子飼いの連中を引き連れて集落を飛び出して、あの落とし子がいた神殿を拠点にしてるわ。正直オツムは大したことないケド、海底に沈んでいた怪しい硬貨の影響か、連中メチャクチャ強靭な身体に変化してるの」
ふむふむ、どうやら族長姉貴兄貴が第一夫人だったみたいですね。族長である夫を失い、新たな群れの指導者となる際雄に変化するのは次に力を持った雌の筈。勝手にポンポン雄になられたら群れの維持も出来ないでしょうし、今回の討伐作戦には種族の秩序を乱した落とし前をつけるという面もあるみたいです。
「それから、従えている怪物も厄介ね。どいつもこいつも通常より大きく、そして凶悪になってるわ。自らの弱点を克服した奴らもいるし、海中はもちろん海上でも油断は禁物よ!」
「そ、それはもしかして空を飛ぶサメがいたりとかですかっ!!」
うわ、神官銃士ちゃんめっちゃ喰い付きが良い。キラキラした瞳の圧に冒険者たちは若干引き気味です。しかし空飛ぶサメ、王国デートの時に話題にしてましたっけ。南方には生息しているみたいですが、まさかこの北の海にいるなんてそんな……。
「アラ、良く知ってるわね! いるわよぉ……空を飛ぶだけじゃなく、口から火や雷のブレスを吐いたり、竜巻の中を集団で泳いでるやつらがそりゃもうわんさか!!」
え、いるんですかやだー!?
「サメだけじゃあ無いわ、体表のトゲを撃ち出して来る
「どんだけ魔境なのよこの海は……」
水かきの付いた指を折り曲げながらウキウキと話す族長姉貴兄貴にドン引きの妖精弓手ちゃん、実に同意見ですね。一体だれがこんな混沌とした海を
「流石のアタシたちも空を飛ばれちゃうと手出し出来なくてねェ。アナタたちにはそっちの対処をお願いしたいの」
>「「は~い!!」」
族長姉貴兄貴のお願いに元気良く応えるダブル吸血鬼ちゃん。幸い飛行可能な人員と飛び道具持ちは多いですし、残りは神官なので問題は……あ。
「ふむ、そうすると俺たちが若干浮き駒になってしまうかな」
「其方は指揮官だろう。俺は……まぁ幾らでも手はある」
ちょっぴり残念そうなHFOの2人。
>「えへへ……しんぱいごむよう!」
>「ふたりへのしえんはちゃ~んとかんがえてるの!」
ムフー! と自信ありげに眉を立てた笑みを浮かべてますけど、いったいどんな考えがあるんですかね? この場で話すつもりは無いみたいなので、本番に期待しましょうか!
「さぁ到着よ! あそこが落とし子の眠っていた神殿、外見がボロボロなのは戦闘の余波の影響なの」
「う……なんて淀んだ空気。精霊たちも苦しそうですわ……!」
令嬢剣士さんが眉を顰めるのも無理はありません。船上の一行の前に現れたのは、ただ見ているだけでもSAN値を削りそうなほどに歪んだ光景。見る度に角度を変える外壁や直線と曲線が不条理に交わる石畳の参道、そして四方世界の生物の造形からかけ離れた醜い石像の数々です。族長姉貴兄貴の言葉通り幾つかは壊れ無残な姿を晒していますが、それらがより現実離れした空間を形作るのに貢献しているように思えます。
「――ホラ、どうせ覗いてるんでしょう? さっさと姿を見せなさい!!」
「……フン、相変わらず耳障りな声だ。尾鰭を巻いて逃げ出し、今度は鰭無し共に泣き付いたのか? なんと情けない……!」
渦を突き破るように出てきたのは……粘液と鱗に覆われた大きな腕! 指1本が人間ひとりと同じくらいある巨大な腕が海面から現れました!! 内に秘めた筋肉で隆起した山脈の如き腕に続き、肩、そして頭が海面から生えていきます。
どこか愛嬌のある族長姉貴兄貴とは違い、どこまでも酷薄そうな鋭い瞳に細く面長な頭部。裂けるように開いた口元には無数の鋭い牙がぞろりと並び、自らがこの海の頂点捕食者であることを無言で主張しているかのようです。甲板に立つ冒険者と
「どうした、力の差を感じ取り声を失ったか! フハハハハハ!!」
……えっと蛸神さん、あのでっかい
「すごく……大きいです……!」
「いや、デカ過ぎるでしょ……」
哄笑けたたましい
「「「「「怖いか人間よ!! 己の非力を嘆くが良い!!」」」」」
(彼らから見て)矮小なる存在を見下し、その魚眼に酷薄な光を浮かばせ、口々に叫び声を上げる
>「「ぜ~んぜん?」」
「まぁ、そうだな」
「そもそも師匠たちの放つオーラのほうが怖いですし……」
「その巨体、人型である必要はあるのか? むしろ海中で動く邪魔になりそうだが???」
自分より大きな脅威に立ち向かうなんてこと、冒険では日常茶飯事ですからね! 全く動じないダブル吸血鬼ちゃん達を見て浮足立ちかけていた戦士たちも平静を取りもどし、
「この……鱗無しどもがぁ……っ!」
忌々し気な呟きの後、甲高い奇声を上げる
「ZGOOOOOOOOOK!!」
「あらヤダ、あの馬鹿ったら
>「まがに……カニさんなの?」
「ええ、図体に似合わない俊敏さと陸上でも活動できる適応力を持った巨大蟹よ。大きくて鋭い爪は
>「ほんとう!? ・・・・・・じゅるり」
進化の過程で変化した巨大な単眼をぐぽ~んと光らせ、威嚇するように振り上げたハサミから謎の
「こ~ら、2人とも欲望で動いちゃダメでしょ! ……んで、どうするの? なんだかんで言ってもサイズ差は如何ともし難いし、どいつもこいつも急所以外抜けそうになくて面倒なんだけど」
それ急所なら抜けるってことですよね妖精弓手ちゃん。流石は一矢で
>「まずは、おふねをまもるのをだいいちに! あながあいてもさいせいできるけど、ひっくりかえされちゃったらたいへん!!」
>「おっきいやつらをちかづけないように、そらをとべるひとはなるべくふねからあいてをひきはなすようにしよう!!」
「うん、ちょっとくらいの損傷なら直ぐに修復できるから、そう簡単に沈まないと思う。任せて」
「仰せのままに、
ダブル吸血鬼ちゃんと令嬢剣士さんの飛行ユニット隊は巨大
>「しんかんのひとは、≪
「妥当な判断だ。万一船に乗り込まれても私に任せておけ、我が主よ」
「わ、わかりました!」
「お姉様、私は援護に回らせて頂いてもよろしいでしょうか。≪
>「ん……わかった! でも、むりしないでね?」
胸の谷間から
「ええと、私もまだ≪
>「だいじょうぶ、きみはせいれいさんのちからをかりてかいめんをあるけるようにしてもらうから、おもうままにたたかってみて!」
>「あぶなくなったらちゃんとフォローするから、ぜんりょくでいってみよう!!」
「……はい、頑張りますマスター!!」
おずおずと手を挙げ、不安げな表情を浮かべる英雄雛娘ちゃんですが、ダブル吸血鬼ちゃんにハグされてほわほわ顔に、令嬢剣士さんの≪
「呪文による援護感謝する。……これで鎧の重さで沈む情けない最期は迎えずに済みそうだな!」
「ああ。あとは立ち回り次第で……ん? どうした戦友」
おや、≪
>「えへへ……あのね、『じぶんがおっきくてつよい!』っておもってるやつのあたまをおさえるのって、すっごくそうかいだとおもわない?」
「ん? ああ……そうだな。油断している相手の横っ面を殴りつけるのと同等の気持ち良さはあると思うが……」
>「だよね! じゃあふたりとも、ちょっとくすぐったいけどがまんしてね?」
「――待て戦友。一体何をするつもり……!?」
発言途中で唐突に途切れる2人の言葉。僅かに露出する素肌に触れたちっちゃな2人の手から流れ込む膨大な魔力の引き起こす快感にも似た衝動に、上がりそうになる声を必死になって耐えています。
吸血鬼侍ちゃんの唱えた万知神さん専用奇跡の≪
「身体が大きくなっても反応速度はそのままか。悪くないな」
「ああ、これなら普段通りに剣を振るえそうだ」
「んな!? ……この私を見下すとはなんたる不遜! 許し難し!!」
下半身を海中に沈めた状態で頭の上から見下ろされたことに激怒した
「あーあー、オルクボルグも張り切っちゃって……」
やれやれと苦笑しながら矢をつがえる妖精弓手ちゃん……ん? そういえば≪
「あの、師匠? その膨大な魔力を感じる
>「えへへ……いままではぼくたちがしょうかんされてばっかりだけど、とうとうよぶがわになったの!」
>「
>「たすけて、とかげさ~ん!!」
天高く放り投げられた
「拙・僧・参・上!!」
黒く硬質な鱗で全身を覆い、その隙間から蒸気のように余剰魔力を放出する偉丈夫。
「こんなにも早く声が掛かるとは実に僥倖! 拙僧の相手はあちらの硬派な者たちで宜しいですかな?」
>「うん、よろしくおねがいします!」
>「とってもおいしいみたいだから、せんどをおとさないようにたおしてね!」
「ハッハッハ! それはまた難しい注文ですな!! 戦神官殿、拙僧にも呪文をお願いしても?」
「ええ、すぐに。……ご武運を!!」
蜥蜴僧侶さんが船から飛び降り、吸血鬼3人が飛翔したところで次回は決戦! 巨体同士のぶつかり合うダイナミックな戦闘に期待ですね!!
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
ゴチックメードを観に行くので失踪します。
お気に入り登録数が1200に到達しました。たくさんの方に目を通して頂き嬉しい限りです。
評価や感想もいつもありがとうございます。3年目に入る前にキリの良い話数まで書けたらいいなぁと思っております。更新速度が向上するかもしれませんので、お時間がありましたら是非お願いいたします。
お読みいただきありがとうございました。