ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
視聴神のみなさま、明けましておめでとうございます。本年もダブル吸血鬼ちゃんたちの冒険にお付き合いいただければ幸いです。
野郎だらけのクリスマス会(プレゼント交換もあるよ!)に参加したり、実家に帰省していたりしたので初投稿です。
前回、小鬼の群れが集まっていることを聞いたところから再開です。
青褪めた顔の
>「「あたっ」」
2人の秘匿されたおでこをペチンと叩いた蔦は互いに絡みつき徐々に立体的な造形へと変わり、やがて一行の前には見事な集落の模型が出来上がりました! ……お、別の種類の枝がニョキっと横から顔を出し、模型の外側でブルブル身震いをして実を落としていますね。集落を包囲するように蒔かれた実は毒々しい赤色、ひょっとしてゴブリンを表しているんでしょうか? その数を見て顔を顰めた従兄殿が冒険者たちに顔を向け、口を開きます。
「――言わずとも知っているだろうが、我らが暮らす森は精霊たちによって護られており、四季を通じて安定した環境となっている。そのため、冬が訪れると
無論木々を荒らしたり一歩でも里に足を踏み込んだら処理するがな、と続ける従兄殿。ふむふむ、厳しい冬をなんとか生き延びるためにゴブリンが集まる理由は判りました。……にしては、少々数が多い気がするんですが。
「だが、例年はこれほどの数が集まることは無い。違うか?」
「……その通りだ、
忌々し気に端正な顔を歪める従兄殿。大量のゴブリンが集まる理由、それは誇り高い
>「「――
「――雲霞の如き数で侵攻し、豊富な食料と
ひっ……という恐れを孕んだ声は侍女さんのものでしょうか。ダブル吸血鬼ちゃんの短い言葉に込められた悍ましさに身を震わせ、続くゴブスレさんの言葉でアイデアロールに成功してしまった彼女たちの顔は青褪めています。その一方で、『小鬼殺し』たちと同じ、狂気にも似た熱に頬を紅潮させる一団も……。
「――嗚呼。やはり私は、冒険よりも狩りのほうが好きみたいだねぇ」
猫科の猛獣を想起させるしなやかな肢体を自らの腕で抱きしめ、抑えきれない高揚感に身を震わせる叢雲狩人さん。
「それは違いますよ上姉様。――狩りではなく、
困ったように頬に手を添え、しかし宝石のような瞳を爛々と輝かせる若草知恵者ちゃん。そして……。
「まぁまぁ、あの
ギルドの訓練所で叢雲狩人さんの狂顔を見て以来若干トラウマになっているっぽい
「ともあれ、ゴブリンは滅ぶべきと考える次第ですわ」
「「「お、おう……」」」
方向性の違いこそあれ、
「――状況を整理する。ゴブリンの数は大凡
>「あいつらのもくてきは、しょくりょう、はらみぶくろ、なぶるおもちゃのみっつ。うしろのふたつはさいしゅうてきにはしょくりょうだけど、もりのたべものがあるかぎりはもてあそばれちゃうとおもう」
>「こっちのしょうりじょうけんは、だれひとりとしてエルフのみんなにぎせいをださず、いっぴきもにがさずにあいつらをみなごろしにすること。ぜったいに、はるまでいきのこるこたいをだしちゃダメ」
決断的に言い放つ『小鬼殺し』の3人。
そして、戦場で経験を積んだ一匹でも逃がしてしまっては、ソイツが渡りとなって知識を広めてしまう可能性が出てしまいます。ゴブリンを率い森人の里を繁殖場にしようと目論んだ指揮官ごと鏖殺しなければいけません。そのためには出来るだけ森を傷付けずに里の中心近くまで引きずり込み、逃げられないようにすることが重要。つまり、ゴブリンを誘引する餌が必要です。
「――それは、危険だ。いくら貴公らが熟練の冒険者とはいえ、森の中では我らほどの速さで動くことは出来まい。それに……」
冒険者たちの提示した作戦に眉を顰める従兄殿。たしかに里への被害は最小限、
「ううん、あに様。これは私たちがやらなきゃならないこと。里に
「!? ……それは、どういうことなのかしら」
妖精弓手ちゃんの言葉に驚愕の表情を浮かべる花冠の女王。王国がゴブリンを
>《font:176》「こんなにあいつらがあつまったのは、ぼくたちがへんきょうじゅうのごぶりんをころしまわったから。かずがへってあせったこんとんのぐんぜいが、のこったゴブリンをかきあつめてぜんぶとうにゅうしてきたんだとおもう」
>「へんきょうではいまもすあなにかくれてるゴブリンをみんながころしてまわってるから、はるまでいきのこるやつはいないの。だから、あったかくてえさもほうふなこのもりをねらったんだとおもう。……ごめんなさい」
……はい、ゴブスレさんやダブル吸血鬼ちゃんたちによって始まった計画的なゴブリン殲滅作戦ですが、みんなが想像していた以上に混沌勢力にとっては致命的だったみたいです。初年度こそ潰し切れずに生き残りがいたものの、昨年秋から
これに頭を抱えた混沌勢力の上層部。普段なら放置していれば際限なく増えるゴブリンが、いくら放流しても即座に殲滅されて兵力が回復しないんですから。勇者ちゃんに代表される英雄ユニットが一騎当千の活躍をする四方世界とはいえ、戦場でモノを言うのはやはり数。雑兵の枯渇に焦った混沌勢力が乾坤一擲の策として打ち出したのが
「だから、あに様たちは里のみんなの避難と援護をお願い! 大丈夫、私たちに任せ……」
未だ納得しかねた様子の従兄殿に対し、薄い胸を張り眉を立てた笑みで相対する妖精弓手ちゃん。ですが、彼女が議論を押し切ろうとしたところで……。
「――ちょっと待つのです。彼の言う通り、私たち冒険者に許されているのはあくまでも助言だけ。直接戦闘に参加することは出来ないのです」
沸き立つ冒険者たちの熱意を一気に冷ます賢者ちゃんの言葉によって、重苦しい静寂が訪れました……。
「オイオイ、そりゃどういうこった。なんで俺達が
努めて明るい表情で賢者ちゃんに訊ねる槍ニキ。ですが、その顔に貼り付いた笑みは肉食獣が牙を剥くのに似たソレです。並の冒険者なら失禁してしまうほどの圧を放つ彼ですが、対する賢者ちゃんは涼しい顔でその怒気を受け流しています。口元に付着していた
「――いいですか? ここは
そう、混沌勢力に対抗する為同盟を組んでいますが、王国と
「ぐっ……オイお前ら、お前らはこのまま何もせずに黙っているつもりなのかよ!」
淡々と突き付けられた事実にグッと退きかけた槍ニキ。援軍はいないのかと周囲を見回しますが、辺境三英雄の残りの2人、そして女騎士さんと魔女パイセンも沈黙を保ったままです。その様子に堪え切れなくなった槍ニキが首元に光る金色の認識票に手を掛けかけたその時……!
「えっと、その……ちょっといいかな?」
もう1人の金等級の伴侶がおずおずと手を挙げました。
「――何でしょうか、【辺境最優】の奥方殿? 冒険者でない貴女なら参加は可能でしょうが、奴らの孕み袋になるのがオチなのです」
「あはは……うん、そうだね。私じゃたぶん何の役にも立たないと思う」
普段の大食いキャラからは想像も出来ないほどの冷たい視線に射抜かれながらもフニャっとした笑みのままポリポリと頬を掻く牛飼若奥さん。みんなの視線が集まるのに緊張を隠せない様子ですが、コホンと咳ばらいをして何かを確認するように言葉を紡ぎ始めました。
「えっと、冒険者が他国で活動するには、その国と王国双方の許可が必要なんだよね? だったら先ずは……」
彼女が顔を向けたのは、事態を見守っていた
「お願いします! 私の夫と、その仲間のみんながこの国で冒険者として活動する許可をください!!」
「!! ――ああ、認めよう。迫る小鬼禍の解決のため、貴公らの力を貸して欲しい」
一瞬の驚きの後、力強く頷いた従兄殿にもう一度頭を下げ、再び賢者ちゃんへと向き直る牛飼若奥さん。対する賢者ちゃんは先程までとは違い、生徒の試験を採点する先生のような表情になっていますね。彼女の期待に応えるように、牛飼若奥さんがもうひとつの許可を引き出す魔法の言葉を口にしました……!
「王国と同盟関係にある
「……ところどころ言葉が怪しいですが、まぁ良いのです。『――同盟関係にある
「「「「
朗々と告げる賢者ちゃんに対し、最敬礼を持って返す冒険者たち。まだ等級の低い
「……は???」
「――友好国に国難が迫り、王との連絡が困難な際。白金等級の冒険者がその代理として冒険者の活動を承認出来る」
「金等級に昇格したとき、俺ら全員口酸っぱく説明されただろうが……」
「忘れて、たの、ね? まったく、もう……!」
「しかし良く覚えていたなぁ! 私も忘れていたぞ!!」
「えへへ……経営や法律の勉強をしているときに、『覚えておくと良いのです』って言われてたんだ!」
うーんこの槍ニキフルボッコ。覚えていた面子に合わせて沈黙を保っていた女騎士さんですが、忘れていた素振りも見せないとはある意味彼女らしいですね。
……というわけで、他国において冒険者が依頼抜きで活動する場合、金髪の陛下や宰相、枢機卿といった面子と連絡が取れない場合は代わりに白金等級の冒険者が許可を出してくれるそうです。もちろん王の名を使う責任は重く、その活動において損害が発生した場合、全てを白金等級の冒険者が負わなければならないという責任も発生します。そのため、よっぽど能力的にも人間的にも信頼出来る相手じゃないと許可が出ることは無いんだとか。そういう意味では【辺境三英雄】と【辺境最悪】は信頼されていると言って良いでしょう! 色々とズブズブ(意味深)な関係ですしねぇ。
>「それじゃみんな、がんばっていこー!」
>「つかまっているひとがいたら、かならずたすけてあげて!!」
「応、チビ助たちも気を付けろよ?」
「うごご……」
石化したままの槍ニキを重戦士さんが担ぎ上げ、一斉に計画に沿って移動を始める冒険者たち。勝利条件は困難ですが、ダブル吸血鬼ちゃんたちならきっと達成してくれるでしょう!
みんなそれぞれ所定の場所に散っていきましたが……先ずは上空へ飛翔していった2人を見てみましょうか。
>「うわぁ、うじゃうじゃいる……」
「本当、全てを喰い荒らす飛蝗のよう……」
冬晴れの空に浮かびながら、木々の切れ目に見えるゴブリンの群れを見て顔を顰める吸血鬼君主ちゃん。ちょっぴりよわよわな太陽神さんの光もあってご機嫌は宜しくないようです。そんな吸血鬼君主ちゃんをあやすように頬に手を伸ばすのは、彼女に抱かれた若草祖母さん。閉じたままの瞳と薄い微笑みのまま森の中を蠢く
>「……ねぇ、おばあちゃん。いま、おこってるよね?」
頬に触れる指先から伝わる感情を察知し、そっと呟く吸血鬼君主ちゃん。普段と変わらぬ表情に見える若草祖母さんですが、吸血鬼君主ちゃんには丸わかりなのでしょうね。
「はい、怒ってますよ。可愛い孫を嬲り、心身に消えぬ傷を刻んだ悪鬼共。それを率いる混沌の勢力。そして……そんな孫を助けてあげられなかったかつての自分自身に対して」
彼女を支えるために胸元で交差するように組まれた腕から伝わるのは、その心情を表すように激しく鼓動する心臓の音。内に籠る熱を吸い取るように、吸血鬼君主ちゃんが若草祖母さんの細く白い首筋に顔を寄せ、舌を這わせていきます。喉元から下あごを経由し、唇に到達した桃色の蛇をもう一匹が迎え、温かくぬめりを帯びた住処へと導きます……。艶めかしく淫靡に絡み合う二匹を通じて、吸血鬼君主ちゃんから若草祖母さんへと膨大な魔力が流れ込んでいるのが映像越しにもハッキリと感じられますね。
やがて二匹は名残惜し気に別れ、一筋の銀糸が2人の口元を繋ぐだけに。愛おしいものを口にするようにソレを舐め取った若草祖母さんが、ちょっとだけ申し訳無さそうに囁きました。
「ん……ぷぁ。ごめんなさいね、ほんとうはもっと良い雰囲気のときにするつもりでしたのに……」
>「ううん、とってもうれしい! おばあちゃんとつながって、そのきもちをわけてもらえて!! ……ちゅ……んちゅっ」
先ほどまでの情熱的なものとは違い、啄むような口付けを繰り返す吸血鬼君主ちゃん。お遊びのようなソレに付き合っていた若草祖母さんですが、幾度目かの交わりの後、そっと指で吸血鬼君主ちゃんの唇を抑えました。物足りないのかむ~とした顔の孫婿に苦笑し、そっと耳元に口を近付け囁くのは……。
「今はこれでおしまい。――今宵、続きを致しましょう……
>「!? いいの?」
「はい。……こんなおばあちゃんに火を点けたこと、後悔させてあげますね♪」
うわぁ……剣の乙女ちゃんや女魔法使いちゃんみたいな視覚の暴力的な色気とも、妖精弓手ちゃんの放つ宝石のような色気とも異なる、まるで足を踏み入れたら抜け出せなくなる底なし沼の如き背徳的な色気ですねぇ……! 若草知恵者ちゃんといい、若草の氏族はみんなサキュバスか何かなんでしょうか? ……え? あの2人だけ? なにそれこわい。
……おっと、あまりの色気に視聴神さんたちが前屈みになっている間に若草祖母さんが両手を空に掲げてますね! 周囲に集まってきた精霊たちも彼女の一挙手一投足に興味津々らしく、クルクルと2人の周りを飛び回っています。そして……なんと! 若草祖母さんの、瞳が! 瞳が!!
>「ふわぁ……きれい……!」
「ふふ、ありがとうございます。……これは、≪
虹色に輝く光彩の瞳で眼下を見下ろし、自らの肩を抱くように震える若草祖母さん。そんな彼女を温めるように、吸血鬼君主ちゃんが翼でその華奢な肢体を包み込みました。
>「だいじょうぶ。あいつらのあくいは、ぼくがぜんぶはねかえしてあげる! だから、ぜんりょくでやっちゃって!!」
「……ええ、そうですね。悪鬼共を逃がすわけには参りません。――精霊たちよ」
――彼女が呼び掛けた瞬間。ドクン、と鼓動のようなものが森全体に響き渡りました。森に宿り、生命の営みを見守ってきた精霊たちが、血と汚濁と欲望を撒き散らす侵入者を明確に『敵』であると認識したのです。2人が見守るなか、森の表情が徐々に変化していきます……!
寒い冬を乗り越えるために必死に生きる動物たちを優しく包み込み、シェルターのように形を変える大樹の虚。春を待つ種子を隠すように地面を覆い尽くす苔の仲間。そして……森を穢す害虫を逃さぬよう、根が! 蔓が!! 枝葉が!!! 地下茎が!!!! まるで
「GOBGOBGOB!?」
孕み袋を求めて先を急ぐ連中を尻目に、美味しいところだけ狙おうと後方で油を売っていたゴブリンの一部が異変に気付き、慌てて徐々に狭まる格子を抜けて森から逃げ出そうとしますが……。
「GOB!?」
勢いよく伸びてきた蔓がその首に、腕に、足に巻き付き、微塵も容赦無く締め上げていきます。窒息などという生易しいものではなく、首を含む複数個所の骨を折られゴブリンは地面へと落下していきました。同様の光景が外縁部の至る所で発生し、それを見た後方有能面ゴブリンたちが悲鳴を上げて森の奥深くへと駆けて行く光景があちこちに見えますね……。一個の巨大な生物と化したような森の脅威にゴブリンたちが蹂躙される姿を見て、見開いていた瞳を閉じた若草祖母さんがほうっと熱の籠った吐息を寒空に放っています。
「……ふぅ。これで外へ逃す心配は無くなりましたね」
>「おつかれさま。……もうちょっとほきゅう、する?」
「あら、いけないひと。でも……今は、もう少しだけ温かさを分けてください、あなた……」
消耗を回復するべく?再び唇を重ねる2人。2人を見守っている太陽神さんの日差しがちょっぴり暑くなるほどの光景に、
さぁ、逃げ場を失い前に進むしかなくなったゴブリンたち。果たして彼ら混沌の軍勢を待ち受けているのは、どれほど悪辣な罠(小鬼殺し監修)なのでしょうか!!
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
プレゼント交換で頂いたディランザ(ボブ専用機)のプラモを組むので失踪します。
投稿期間が空いてしまいましたが、なんとか書くことが出来ました。そしておそらくカテゴリー最大話数に到達いたしました。みなさまに読んでいただき、モチベーションが維持出来たのが一番の理由ですね。
評価や感想、お気に入り登録いつもありがとうございます。もしお読みになられてまだ登録されていない方がいらっしゃいましたら、登録して頂ければ幸いです。
お読みいただきありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。。