ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ   作:夜鳥空

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 迫りくる雪が怖いので初投稿です。


セッションその17.5-4

 

 前回、対小鬼最終兵器が火を噴いたところから再開です。

 

 迫真の悲鳴を上げゴブリンの群れから逃げる妖術師さん。誘引用の使用済み妖精弓手ちゃん上着を纏ったその姿はお気に入りの圃人(レーア)ボディではなく、ミステリアスな大人の魅力を感じさせる只人(ヒューム)のもの。おそらくゴブリンへのアピールを高めるためなのでしょうが……色々と台無しですねぇ。

 

 女将軍さんによるブートキャンプの効果か走る姿は様になっており、狼(吸血鬼君主ちゃんの使徒(ファミリア)である狼さんとは似ても似つかぬ獣性の塊ですね)に跨った小鬼騎兵(ライダー)の攻撃を危なげなく躱し、後続の群れとあわせて『殺し間』へとトレインしています。彼女が進む先の周囲は徐々に変化し、木々の隙間から差し込む太陽神さんの光は消え、暗黒の森へとその顔を変えていきます……。

 

 

 

「フフ、どうやら小鬼(オルク)共もお前の魅力に気付いたらしいな。予想よりも数が多いぞ」

 

「ヒィ、ヒィ……ま、まったく嬉しくないっての……!」

 

 

 目的地に到着した妖術師さんの頭上から響く涼やかな声。音も無く着地した闇人女医さんが荒く息を吐く妖術師さんの肩を抱き、労いの言葉をかけています。原作(ほんへ)にも同様の構図がありましたが……やっぱり闇人女医、妖術師さんに対する距離感が近いですねぇ。闇人(ダークエルフ)の蠱惑的な肢体でしなだれかかり、耳元で囁く姿は恋人同士の睦事にしか見えません。

 

 

「「「「「GOBGOBGOB!!」」」」」

 

 

 そんな百合百合しい光景を見せつけられて「もう辛抱堪らん!」なゴブリンたちの興奮は最高潮。どいつもこいつも股間を膨らませて2人を欲望でギラついた瞳で舐めるように見ていますね……あ、自分こそが最も美味しいひと口目を味わうべきだ!と考えた個体が、他の連中を出し抜き2人に向かって駆け出しました! 粗末な短刀(ナイフ)二振り(装備部位は片手と股間)を振りかざし、雌を恐怖で竦ませようと奇声を上げて飛び掛かり……!

 

 

 

 

 

 

「――無粋な奴め。黙ってそこで見ていろ」

 

「GOB!?」

 

 

 闇人女医さんの一瞥と同時に身体中を斬り裂かれ、部位(パーツ)単位で地面に落ちるゴブリン。目に見えないほどに細く引き伸ばされた神縛の綱紐(SM〇ープ)が暗黒の森の中に蜘蛛の巣のように張り巡らされ、空中で触れたゴブリンをその自重だけで物言わぬ肉塊へとジョブチェンジさせました。

 

 

「「「「「GOBBB……!?」」」」」

 

 

 迂回しようとして糸に触れ指や腕を落とす者を見て悔し気に唸るゴブリンたち。獲物を前に手を出せないことに怒り、なんとか近寄れないかと考えているようです。諦めて後退すればほんの少し命を長らえることが出来たでしょうが、残念ながらそれが出来ればゴブリンとは呼べないでしょう。忌々し気に地面に落ちている石を拾い上げ2人に向かって投擲しようとしたところで、再び闇人女医さんの声が暗黒の森に響きます……。

 

 

「ああ、そういえば言ってなかったな。既に貴様らに逃げ場は無い」

 

 

 ――その声が放たれた瞬間、一斉に蠢き始める暗黒の森。木々の表面が波打つように蠕動し、ひび割れた内部から飛び出していたのは……無数の黒い触手です! 木々を覆い隠し、その存在を秘匿していた妖術師さんの操る影の触手が喜びに吠えるように震え、状況を理解出来ない哀れな獲物……ゴブリンたちを絡めとっていきます!!

 

 

「「「「「GOB!?」」」」」

 

「ああ、引き千切るのは無理。影を消すことが出来るのは光だけ。ここにはそんなものないよ」

 

 

 四肢に巻き付き肉と骨を軋ませる苦痛に悲鳴を上げ、なんとか抜け出そうと足掻くゴブリンに対し無感情に言い放つ妖術師さん。ゴブリンを眺める目には怒りも恐怖も無く、ただただ害虫を駆除する手間に対しての面倒臭さしか感じられません。聞くに堪えない声を黙らせようと触手たちにゴブリンの喉元を締め上げるよう指示を出そうとしたところで、それを制するように闇人女医さんが己のたわわに妖術師さんの顔を埋めさせました!

 

 

「むぎゅっ!?」

 

「まぁそう焦るな。少々試したいことがある。此処は私に譲ってくれるな?」

 

 

 厚手の布地ですら隠し切れぬ胸部装甲に埋めた妖術師さんの頭部を優しく縦に動かし、問答無用で了承させた闇人女医さん。早く離せと腕をタップする動きを華麗にスルーし、くるりと彼女の向きを半回転。後頭部をたわわに預けた姿勢で真っ赤な顔の妖術師さんに向けた笑みは、まごうこと無き加虐心に満ちたものです。

 

 

「ぷぁっ。な、ナニをするつもり……!?」

 

「いやなに、我が主のモノになってからこっち、あまり『苦痛』を捧げられていなくてな。主に願っても>「だれかをいたくするのはあんまりすきじゃないの……」と言われてしまうし、自らを鞭打ってもイマイチ物足りんのだ」

 

 

 ああ、捧げる苦痛は自分が受けるものでも誰かに与えるものでも良いんでしたっけ。嗜虐神さんからプレゼントされた神縛の綱紐(SM〇ープ)を常時身に着け、秩序の勢力からの猜疑の目を向けられ続けてなお不足している奉納点をここで稼ぐつもりみたいです(俺屍並感)。なおダブル吸血鬼ちゃん曰く>「すきなひとにいたいおもいをさせるのは、はじめてのときと、あかちゃんをうんでもらうときだけ!」とのこと。触手や噛みつきを用いるときも細心の注意を払ってましたし、痛みを伴うプレイは好みじゃないんですねぇ。

 

 

「そのまま楽にしていろ。少々刺激が強いかもしれんが、お前なら耐えられるさ」

 

 

 ホールドした妖術師さんの肢体に手を伸ばし、圃人(レーア)形態時には存在しない確かな膨らみをやわやわと揉みしだきながら耳元で囁く妖術師さん。ダブル吸血鬼ちゃんや圃人(レーア)コンビによって開発済な妖術師さんは与えられる刺激に抵抗出来ず、指を噛んで必死に声を抑えていますね。雌同士の濃密な絡みに我慢の限界を超えたゴブリンが次々に暴発する悪夢的光景が広がるなか、片手に針を持った闇人女医さんが妖術師さんのたわわを下から支えてる反対の腕にそれを突き立てました!

 

 鋭い痛みと流血を触媒に、彼女が唱えるのは嗜虐神さんに捧げる祝詞。抱き合う2人を中心に、触手に拘束されたゴブリン全てを対象とした恐るべき苦痛の奇跡です……!

 

 

 

 

 

 

「――≪夜の御方よ痛みの母よ、二つ目の矢を彼の者に≫」

 

 

 

 

 

 

「「「「「GO……ッ!?!?」」」」」

 

 

 暗い森の中に響く絶叫。全身を絶え間無く襲う痛みに耐え切れず喉が破れんばかりに悲鳴を上げるゴブリンたち。その不協和音を加虐的な笑みを浮かべた闇人女医さんが心から楽しむように耳を傾けています。

 

 

「どうかね小鬼(オルク)諸君、普段獲物にしている仕打ちを自らの身体で受ける気分は。……ああ、私は親切だからな。雄しかおらん貴様等にも判り易いよう、女が受けた屈辱はちゃーんと()()で味わえるよう変換してやったぞ? 堪能してくれたまえ」

 

 

 指を折られ、耳を削がれ、目を潰され、内側から身体が裂ける()()に悶え苦しむゴブリンたち。嗜虐神さん専用奇跡である≪幻刺(ファントムペイン)≫によって齎される苦痛はすべて幻。ですが痛みを受け取る身体はそれを真実と誤認し、痛みを傷として現実化させていきます。やがて全身の穴という穴から液体を垂れ流した状態で、ゴブリンたちは蔓に実る腐った果実のような姿と変わり果てました。

 

 無数の奇妙な果実を前にご満悦の闇人女医さん。でもたしか≪幻刺(ファントムペイン)≫って「対象:すべて」でしたよね? つまり今回の効果範囲だと術者である彼女もですが、その胸元に拘束されていた妖術師さんもバッチリ奇跡の効果を受けてたんじゃ……。

 

 

「フフ、久しぶりに良い苦痛を捧げることが出来たな! ……どうだ? 意識はあるかね?」

 

 

 たわわに後頭部を預けた状態でグッタリしている妖術師さんを抱え直す闇人女医さん。出る筈の無い汗まみれの肌に貼り付いた髪をそっと持ち上げ、覗き込んだ先には……。

 

 

 

 

 

 

「す、すごかった……」

 

 

 

 ……痛みに歪んだものではなく、ダブル吸血鬼ちゃんにちゅーちゅーされた後とよく似た妖術師さんの顔がありました。

 

 

 

「痛覚は鈍くなってるからそんなに痛くなかったし、眷属に成る時に比べたらなんてことなかったけどさぁ……っ!」

 

 

 真っ赤な顔で闇人女医さんを吊し上げ、ギリギリと締め上げる妖術師さん。口には出していませんが、ローブの中は大変なことになっているみたいですね。まさか圃人(レーア)コンビにいぢめられていた影響がこんなところに現れるなんて……! 一頻り締め上げた後衣服の乱れを整えようとする彼女の手を取りそっと握ったのは、首元のボタンが外れ深い谷間も露わな姿の闇人女医さんでした。また悪戯されるのではと身構える妖術師さん、ですが手を握る闇人女医さんの顔は真剣なものへと変貌していました。

 

 

「なに? これからさっさと死体の山を片付けないといけないんだけど……おぉ!?

 

「フフ、やはりお前は良い女だよ。我が主よりも前に出逢っていたら、きっとお前を自分のモノにしようとしていただろうな。それに、皆がお前を愛する理由も判ったよ」

 

「え、ちょ、まっ……!?」

 

 

 不意の告白に目を丸くする妖術師さん。ガチ恋距離に接近してきた闇人女医さんのグンバツな脚が彼女の間に滑り込み、彼女の身体を持ち上げています。背中を木に預けた姿勢で太股に跨る形になった彼女の頬を闇人女医さんがゆっくりと撫で、囁くように告げたのは……。

 

 

 

 

 

 

「皆がお前を愛した理由。それは、お前が小鬼(オルク)に対して何の感情も抱いていないからだよ」

 

 

 ――妖術師さんが気付いていなかった、一党(パーティ)の最終安全装置としての役割です。

 

 

 

「え? いや、私だってゴブリンは嫌いだけど?」

 

「フフ……! ああすまん、お前を馬鹿にしたわけじゃない。だがそんなところもお前が愛される要因なんだぞ?」

 

 

 何を当たり前なことを、首を傾げる妖術師さん。微笑む闇人女医さんを見て馬鹿にされたとムッとした顔になりましたが、そんな仕草すら愛おしいとスキンシップはいや増すばかり。消耗か、あるいは気の緩みからか圃人(レーア)ボディに戻ってしまった彼女を抱きしめ、地面に腰を下ろした闇人女医さんが先の言葉の意味を語り始めました。

 

 

「我が主に見初められ、共に歩むことを選んだ者は大別すれば以下の2種類となる。小鬼(オルク)に尊厳を踏み躙られた者と、それに憤る者。そのどちらも小鬼(オルク)を滅ぼすことを第一に考えているが……()()()()()()()()()()()()?」

 

 

 

 

 

 

「え? うん。()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

 そう、ゴブリンによって心身に深い傷を負った過去を持つ女性を愛し、彼女たちのような悲劇を生まないために活動するダブル吸血鬼ちゃん。そしてその思想に感化(汚染)され、四方世界からゴブリンを滅ぼさんと動いているこの一党(パーティ)。剣の乙女ちゃんや叢雲狩人さん、それに若草知恵者ちゃんはもとより、未遂ではありますが圃人の少女剣士ちゃんや英雄雛娘ちゃんが前者の代表であり、女魔法使いちゃんや妖精弓手ちゃん、令嬢剣士さんが後者の代表でしょう。

 

 直接の被害を受けていなくてもダブル吸血鬼ちゃんの放つ光に脳を焼かれ殲滅思想に染まった集団の中で、唯一といっていい例外が妖術師さんです。あとは圃人の少女巫術師ちゃんも一応後者ですかね。白兎猟兵ちゃんは……ほら、癒し枠だから!

 

 原作(KUMO)神様も何度か話題に上げていますが、『ゴブリンは最弱の怪物』であり、ダブル吸血鬼ちゃんたちが保有する一国すら滅ぼしてのけるその強大な力をゴブリン殲滅だけに用いるのは非常に危険な考えです。魔神(デーモン)や恐るべき竜、そして混沌の勢力といった脅威が蔓延る四方世界、金髪の陛下や賢者ちゃんが時折案件を持ち込むのは一党(パーティ)がしっかりと国に対して貢献していることを知らしめるためでもあるのです。

 

 

「師匠やみんなが張り切ってるから付き合うけど、そうじゃなかったらゴブリンなんて関わりたくないよ。死体から採れる歯は呪文の触媒になるけど、買ったほうが手間も掛からないし」

 

 

 闇人女医さんに抱きかかえられた体勢のまま、器用に触手を操りゴブリンの死体を手元に寄せる妖術師さん。大口を開けて絶命している死体から淡々と歯を引っこ抜き、抜き終えた死体を一か所に放り投げる姿は何処までも事務的なもの。≪幻刺(ファントムペイン)≫で死に行くゴブリンを見ていた時もその顔に悦びや達成感の色は無く、ただ不快な害虫を大量に駆除した時の安堵にも似た表情だけが浮かんでいました。そしてそれこそが、ダブル吸血鬼ちゃんや一党(パーティ)の仲間たちが妖術師さんを愛している一番の理由なのです。

 

 

「お前のその感情、態度が『小鬼殺し(オルクボルグ)』に囚われた者たちにとって、日常を想起させる重要な役割を担っているのさ。……断言しよう、お前は間違いなく正気(まとも)だ。だからこそ、狂気に身を浸す我が主たちの安らぎとなっているんだ」

 

「過分な評価どーも。私は冒険しながら知識の探求が出来ればそれでじゅうぶ……もがっ!?

 

「そのつれない態度もいいな。……(しとね)で可愛がるのも良いが、まずは消耗を回復させてやろう。そら、牙を立てても構わんぞ?」

 

 

 片手で器用にボタンを外し、抑えつけられていた豊満なたわわを解放した闇人女医さん。妖術師さんの顔をむぎゅっと押し付け、後頭部を完全にホールドしちゃいました。上目遣いに抗議の視線を送っていた妖術師さんも口内に溢れる生命の雫の誘惑には勝てず、黙ってちゅーちゅーし始めました。せめてもの反抗か、ふわふわの乳房と硬くなった吸い口、そして周辺のぷるぷるをいっぺんに頬張り乱暴に吸い上げてますが……嗜虐神さんの信徒(筋金入りのドM)である闇人女医さんには逆効果、より一層優しい手つきで頭を撫でられちゃってます。

 

 

「「「「「GOBッ!?」」」」」

 

 

 盛り上がる2人の匂いに惹かれ、次々に暗黒の森へと足を踏み入れる別集団のゴブリンたち。ですが、2人の姿が見える距離に達した瞬間その五体はバラバラに斬り裂かれていきます。ゆらゆらと蠢いていた影の触手たちは、その姿を大きく変えていました……。

 

 闇人女医さんに抱かれている妖術師さんから伸びた影、極薄の刃のように姿を変えたソレは感覚器官を有しているのか表面に無数の赤い目と牙の生えた口が出現し、ガチガチと歯を鳴らしながらつまらなそうにゴブリンの死体を見下しています。身体能力と引き換えに眷属の中で最も操影術の適性が高かった妖術師さんですが、まさかこんな隠し玉を身に着けていたとは……。

 

 本人は目を瞑ってちゅーちゅーに専念しているようにも見えますが、瞼越しに目が忙しなく動いているあたり触手と五感を共有しているのかもしれません。いずれは捕食した対象の知識や技能まで奪い取れるようになるのかも、知識の探求の為に人の身を捨て、永遠を手にした彼女らしい能力であると言えるでしょう!

 

 

 さて、これで残るは人喰鬼将軍(オーガジェネラル)と直卒のゴブリンのみ! その前に立ちはだかる3人は……絶対に優しくないですよ?

 

 


 

 

「ええい、なにを悠長に遊んでいるのだ! あの2人は!!」

 

 

 抑えきれぬ苛立ちを牙の隙間から漏らし、忌々し気に進路の邪魔な木々をなぎ倒す異形の巨躯。『報・連・相』を理解出来ないゴブリンが大勢を占めるこの作戦において現在の状況を判断することは非常に難しく、せいぜいが炸裂する呪文の爆発や喚声の位置から侵攻度合いを推し量る程度。ですが先んじて呪文持ちを殲滅したことでそれらが聞こえることは無く、反抗的な態度が目に付く部下2人に預けた部隊の現状は判らずじまい。人喰鬼将軍(オーガジェネラル)の怒りはいや増すばかりといったところでしょうか。

 

 

「やはりゴブリン共を分散させたのは悪手……いや、この数ですら制御がおぼつかぬのだ、それが三倍もいたら……!」

 

 

 うーん、どうやら混沌の勢力にとってもゴブリンは扱い辛い駒みたいですね。命令は効かず好き勝手に動き、劣勢に陥れば持ち場を離れて逃げることに躊躇いなし。実は下手に操ろうとせず、放置して集落などを襲う普段の生活をさせていたほうが秩序の勢力にとっては厄介なんじゃないですかねぇ。……まぁそれはダブル吸血鬼ちゃんたちが殲滅しているんですが。

 

 そんな彼の様子を見てせせら笑うゴブリンたち。偉そうに指図してくるデカいやつが頭を抱えているのが面白くてしょうがないんでしょうね。ギロリと睨まれ一旦は口を閉じますが、チラチラと盗み見ては微かに野卑な笑みを浮かべています。

 

 彼らが進む道は木々によって邪魔されているものの、地形的には集落に向けて一本道。時間こそ消費していますが、別動隊が先着して森人(エルフ)たちを消耗させていれば御の字といったところでしょうか。森人(エルフ)の精強さは彼らも血の代償を払って知っているでしょうが、数だけは多いゴブリンが防衛線をすり抜けて集落に入り込めば一気に形成を逆転できる、別動隊はそのための捨て石と割り切っているみたいです。よく見ればゴブリンたちも僅かながら他の部隊よりも血色が良いですし、一応は優秀な個体を手元に残しておいたんでしょうね。

 

 

「「「「「GOBGOBGOB!!」」」」」

 

「五月蠅いぞ役立たず共! 逃げ遅れでも見つけたのか……!?」

 

 

 思索の海に沈んでいた将軍(ジェネラル)を現実に引き戻したのは耳障りなゴブリンたちの興奮したような声。思考を邪魔されたことの怒りを隠そうともせずゴブリンたちを怒鳴り付け、その視線の先へと瞳を向けた彼の見たものは……。

 

 

「――人喰鬼(オーガ)1、大型30、呪文持ちそこそこ。あとは普通のゴブリンでしょうか」

 

 

 蠱惑的な肢体を薄布に包み、腰に直剣を佩き胸元を強調するように突剣(レイピア)を掻き抱いた只人(ヒューム)の女と……。

 

 

「じゃあぼくはあいつがまきこまれないように()()するね!」

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()を持ち、ゴミの中から僅かに値が付きそうなものを見つけたときの顔で彼を眺める圃人(レーア)の小娘と……。

 

 

「ああ、頼んだよご主人様。誰かを対象から外せるほど、私も()()()も器用じゃないからねぇ」

 

 

 悍ましい魔力を感じさせる長柄を愛おし気に擦る女森人(エルフ)の3人が、背筋が凍るような笑みを浮かべて立ちはだかる光景です……。

 

 

「なんだ貴様等!? ……だが丁度良い! 四肢を捥ぎ取り情報を吐かせた後、ゴブリン共を増やす孕み袋に……!?」

 

 

 威圧的に舌戦を繰り広げようとした将軍(ジェネラル)、ですがその言葉は最後まで発せられることはありませんでした。背の高い2人を侍らせ、真ん中に陣取っていた圃人(レーア)の小娘が手に持つ剣を地面に突き立てた直後、木々に覆われていた筈の周囲の光景が一変しました……!

 

 


 

 

「な、なんなのだこれは!?」

 

 

 変わり果てた景色を前に慌てふためく将軍(ジェネラル)。白い霧によって視界を奪われた後、眼前に広がったのは木々はおろか草や石のひとつも見えない無彩色の光景。一面を砂……否、灰に覆われた何も無い空間に投げ出された彼らを『小鬼殺し(オルクボルグ)』たちが見つめています。

 

 

「「「「「GOBGOBGOB!!」」」」」

 

 

 鼻を刺す焼け落ちた臭いの中に森人(エルフ)の芳香を嗅ぎ取ったゴブリンたちがいち早く再起動し、現状の認識よりも雌を組み伏せ孕ませることを考え、醜悪な笑みを浮かべながら足元の灰を踏み荒らし駆け出そうとしたその瞬間、瞳に可視化するほどの殺意を浮かべた女森人(エルフ)……叢雲狩人さんの持つ火炎放射器(インフェルノ・ナパーム)が、ゴブリンたちへとその切先を向けました。

 

 

「あ、アレはマズい!? ゴブリン共、さっさと散れ……!?」

 

 

 どんなに無能な部下であっても無駄に死なせるのは指揮官の恥。ゴブリンたちに散開するよう命を下そうとした将軍(ジェネラル)ですが、そんな彼に鋭角な軌跡を描きながら突っ込んでくる一筋の閃光が。迫る小さな影が背に蝙蝠に似た翼を生やした圃人(レーア)であると脳が認識した時には、すでに彼の四肢は吸血鬼侍ちゃんの持つ血刀と暗月の剣(サタンサーベル)によって切断され、頭部と胴体だけとなった巨体は触手に拘束され吸血鬼侍ちゃんとともに空へと上昇していきます。

 

 

「がぁぁ!? 貴様、吸血鬼(ヴァンパイア)か! 同じ混沌に属する者が何故……!?」

 

 

 

 

 

 

「――かってになかまづらするな。それよりも……ていっ」

 

「がぁぁ、がぁぁ!?」

 

 

 切断面を炎、あるいは魔力によって焼かれ再生を阻害され苦悶の声を上げる将軍(ジェネラル)。痛みに耐えながらも吸血鬼侍ちゃんに疑問を投げかけた彼の顔が恐怖に染まります。能面のような吸血鬼侍ちゃんの顔から見て取れるのは、濃密な殺意だけ。声を失った将軍(ジェネラル)の頭部を掴み、頸椎を圧し折る勢いで彼の顔を地上へと向けさせました。激痛に滲む視界で将軍(ジェネラル)が見たのは……。

 

 

 

 

 

 

「いやぁ、ご主人様の異界作成能力には本当に感謝だね」

 

 

 

 

 

 

やしてはいけないものがあっても、一緒にやしてしまうから」

 

 

 遮蔽となる障害物が何一つない空間で必死に逃げ惑うゴブリンたちが、炎の槍に飲み込まれ跡形も無く焼却されていく光景でした。

 

 

「あらあら、これだと私のぶんは無さそうですね」

 

「すまないねぇ。でも君にはこの後大事な役目があるだろう? それで勘弁して欲しいな」

 

 

 煌々と瞳を紅く輝かせながらゴブリンを焼く叢雲狩人の隣で、頬に手を当てちょっぴり不満げな剣の乙女ちゃん。万一ゴブリンが接近してきたときに備え叢雲狩人さんの護衛をしていたのですが、剣の間合い(5フィート)はおろか中距離(100フィート)まで近寄ることが出来たゴブリンも居ませんでしたね。ぷくーと頬を膨らませる彼女に汚物を消毒し終えた叢雲狩人さんがひらひらと手を振って返しています。

 

 

「おつかれ~! すごかったね!!」

 

「ああ、お帰りご主人様。()()を効果範囲外に除けてくれて助かったよ」

 

 

 お、2人の傍に上空から吸血鬼侍ちゃんが降りてきました! 叢雲狩人さんの胸元に着地し、ほっぺをスリスリ。その後は剣の乙女ちゃんにもハグしてあげてます! あ、触手に捕まえていた将軍(ジェネラル)は降下の勢いそのままに灰の山へと落下し、苦し気に咳き込んでますね。

 

 

「むふ~! それじゃつぎは……」

 

 

 一通りスキンシップを楽しんで満足した吸血鬼侍ちゃん、ぽてぽてとうつ伏せに倒れる将軍(ジェネラル)に近付き、足で彼を半回転させ仰向きの体勢に。口内に溢れる灰でむせている将軍(ジェネラル)の逞しい胸板に乗り、彼の瞳をずっとハイライトさんが帰宅していない瞳で覗き込んでいますね。なんとか咳の止まった彼が恐怖に引き攣った顔を見せたところで、甘く蕩けるような声で問いかけるのは……。

 

 

 

「えっとね、ぼくごうもんってすきじゃないし、やりたくないの。だから、しってることをすなおにぜんぶはなしてくれるとうれしいんだけど……」

 

 

 おずおずと話す姿は言葉の内容さえ聞こえなければ幼子の可愛らしいおねだりにしか聞こえないでしょう。その愛らしさに襲い掛かろうとする叢雲狩人さんを剣の乙女ちゃんが絞め落としているのを背景に返事を待つ吸血鬼侍ちゃん。ですが彼から帰ってきたのは望む回答ではありませんでした。

 

 

「ハァ、ハァ……ハッ! あの吸血鬼(ヴァンパイア)が人間に飼われているとは、なんと滑稽な! 大方その2人の淫乱な肉体に溺れて誇りを失ったようだが……」

 

「おやおや、なにか勘違いしているみたいだねぇ」

 

 

 叢雲狩人さんと剣の乙女ちゃんに下卑た視線を向け嘲笑を上げる将軍(ジェネラル)でしたが、不意に脇腹に走った激痛が彼を黙らせます。未だに熱を帯びている火炎放射器(インフェルノ・ナパーム)の切先を突き立てた叢雲狩人さんが胸板の上でガイナ立ちしている吸血鬼侍ちゃんへとその顔を近付け、貪るように口付けをしています。

 

 

「この子に溺れているのは、私たちのほうですのに」

 

 

 反対側からは剣の乙女ちゃんがそっと身を寄せ、そっと胸元を覆う薄布を中央に寄せて片方のたわわも露わな姿に。口元に近付けた吸い口をそっと啄む吸血鬼侍ちゃんを優しく撫でながら、突如眼前で始まった淫靡な光景に目を奪われている将軍(ジェネラル)へ蔑むような視線を向けてますね……。

 

 

「ん……ぷぁっ。あのね、ぼくたちは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。でもゴブリンはみんなをきずつけてそれをじゃましてくるの。だから、()()()()()()()()()。なんぜんねん、なんまんねんかかってもかまわない。ゴブリンがこのせかいにいるかぎり、ぼくたちは『こおにごろし(ゴブリンスレイヤー)』でありつづけるの」

 

「く、狂ってる……!? コイツも、貴様らも……ガッ!?

 

 

 2人の重い愛を十分に堪能し、ガチガチと恐怖に震える将軍(ジェネラル)の首筋へと顔を近付けていく吸血鬼侍ちゃん。足音高く迫る生命の危機と眼前の行為の相乗効果によって腰巻の前を汚濁でビチャビチャにした彼の口を手で押さえ、牙を見せつけるように口を開きます。有用な情報を吐くことでなんとか命乞いを!という将軍(ジェネラル)の考えはあっけなく否定され、ただ最期の時を待つばかり。その耳に届いた吸血鬼侍ちゃんの言葉は、彼を絶望の底に突き落とすには十分過ぎるものです。

 

 

「いったよね、ぼくごうもんってすきじゃないって。だから、すなおにはなしてくれたら()()()()()()()()()()()()。でも、もうダメ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 ぞぶり、と首筋に刺さる牙の感触に身を震わせる将軍(ジェネラル)。跳ね回る胴体の下方からはとめどなく汚濁が噴出し、予め2人に離れるよう吸血鬼侍ちゃんが手で示していなければ撒き散らされる汚濁が2人の美貌を穢していたかもしれません。徐々に深くめり込んでいく小さな口が齎す快感に痛みを忘れ、将軍(ジェネラル)は陶然とした表情を浮かべています。

 

 ……ですが、快楽の代価は彼の(ソウル)そのもの。ダブル吸血鬼ちゃんに取り込まれた(ソウル)は輪廻の輪には戻れず、2人が滅びの時を迎えるまで解放されることはありません。

 

 

「ぷぁっ。えぅ……おおあじでいまいち……」

 

「おや、それは残念。帰ったら()()()()()を食べさせてあげるからね」

 

 

 全ての血と(ソウル)を奪い尽くした吸血鬼侍ちゃんが首筋から口を離し、取り込んだ(ソウル)から得た情報を脳内で整理し始めました。ぽえ~と虚空を見上げながらアップデート中の彼女の口元を叢雲狩人さんが拭いている間に周囲が再び白い霧に覆われ、やがて元居た森の風景が戻ってきました。3人が通常空間に帰還したことを察知した若草知恵者ちゃんが精霊を通じて他のみんなの戦果を伝えていますね。……うん、どうやら3人の蹂躙戦が最後で間違いないみたいです!

 

 

「では、後始末を済ませてしまいましょうか」

 

「ん、おねがいね!」

 

「アイツらを森にブチ撒けたままじゃ、また妹姫(いもひめ)様が怒るからねぇ。……さて、血と()()()、今日はどちらの気分かな?」

 

「フフ、では今日はこちらで……ん……ちゅ……」

 

 叢雲狩人さんのインナーを指でずらし彼女の細い首筋を露出させ、そっと唇を寄せる剣の乙女ちゃん。突き立てられた牙は痛みよりも快感を生み、叢雲狩人さんの口からは熱の籠った吐息が発せられてますね。こくり、こくりと剣の乙女ちゃんの喉が動くたび、叢雲狩人さんの身体も快感に打ち震えているようです。

 

 

「はぁ……とても美味でした」

 

「あ、ちょっとだけのこってる! ……ぺろ」

 

「こらこら、意地汚いよご主人様。……後で好きなだけ飲んでいいから、ね?」

 

 

 ちゅーちゅーしたのはおよそグラス1杯ほどの量でしょうか、血を提供した叢雲狩人さんの顔色が悪くなることもなく、吸い跡に残った血を舐め取りつつ傷を癒している吸血鬼侍ちゃんを苦笑して眺めつつ、剣の乙女ちゃんは作戦最後の奇跡の詠唱を始めました。森の至る所に散乱している侵入者の残骸、森の養分にするには穢れ過ぎているゴブリンの死体を清浄な水へと変換する【辺境最悪】御用達の奇跡はもちろん……。

 

 

「≪裁きの(つかさ)、天秤の君よ、罪ある者、咎なき者、遍くへ平等に水を≫」

 

 

 四方世界最高峰の神官にして、至高神さんと直結(意味深)した経験もある剣の乙女ちゃんによる≪浄化(ピュアリファイ)≫の奇跡は当然フルで効果を発揮! 小さな湖や街をすっぽりと収めるほどの効果範囲によって、森人(エルフ)の集落周辺の戦いの痕跡は綺麗さっぱり無くなりました!! ……あれ、至高神さんどうしました? え? 最近≪浄化(ピュアリファイ)≫がゴブリン殲滅か()()の痕跡消しにしか使われていない気がする? ま、まぁダブル吸血鬼ちゃんたちですし、そこはしょうがないんじゃないですかねぇ……。

 

 

 ……コホン! 森人(エルフ)の集落へ侵攻してきた混沌の軍勢の殲滅が完了したところで以下次回!! 濃密な交わりが多数発生することが予想されておりますので、いつもの面子に加えて嗜虐神さんと知識神さんも記録の準備をお願いしますね! 

 

 

 今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。

 

 





 対雪装備を揃えに行くので失踪します。


 ……なんとUAが20万を越えました。投稿期間が空いてしまい存在を忘れられてしまうんじゃないかという思いが募るなか、皆様にお読みいただけて感謝しております。

 今後も間が空いてしまうことはあると思いますが、気長にお待ちいただければ幸いです。

 評価や感想、お気に入り登録がモチベに繋がりますので、正座してお待ちしております。

 お読みいただきありがとうございました。

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