ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ   作:夜鳥空

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家の中で吐く息が白くて切ないので初投稿です。


いんたーみっしょん4

 前回、吸血鬼侍ちゃんの秘匿されたオデコが暴かれたところから再開……ではないです。

 

 牧場防衛ミッションから少し時間が進み、半月が経過しました。その間にあった大きな出来事といえば、やはりお引越しですね!

 

 受付嬢さんから紹介された物件は、街の外縁部にある紅玉級冒険者一党が所有していた邸宅でした。銅等級に昇進した際に、拠点を王都へ移すためにギルドへ譲渡したものだそうです。家具などについてはすべて処分してあったために買い直しとなりましたが、内装を好きに弄れると女魔法使いちゃんは喜んでいました。

 

 ちょっと街の中心部からは距離があるので不便ですが、敷地内に井戸があるのでふんだんに水を使えるのは良い点ですね。そして森人狩人さんと女魔法使いちゃんがこの物件を選んだ最大の理由が、大きなお風呂が備え付けてあることです。

 

 吸血鬼侍ちゃん一党はほぼ毎日のように利用していましたが、入浴、しかも浸かるお風呂は贅沢な娯楽です。何せ1人あたりの入浴料が一日の食費と同等かそれより高いのですから。公共の井戸で水浴びをしたり、宿でお湯をもらって体を拭くのが低級冒険者の常ですが、精神のリラックス効果や身だしなみの観点、あとは個人の趣味としてお金を惜しまず利用していたんですね。

 

 で、新居のお風呂ですが、水の心配は無くても毎日湯を沸かしていたら燃料代が馬鹿になりません。薪の置き場も考えなきゃと思っていたのですが、女魔法使いちゃんが武具店のじいじと結託して、爆発金槌の(コア)を利用した湯沸かし器を作ってしまいました。屋内に据え付けられた炉の中に≪点火≫した核を入れると、そこから熱が水へと伝わりお風呂が沸くという優れもの。なんと冬場は温水暖房にもなるようです。なにつくってんのさ2人とも……。女魔法使いちゃんが稼いだ金貨はそこに全てつぎ込んだみたいですが、本人も満足してますし深くは突っ込みませんよ。

 

 前所有者の一党が6人組と多かったので、一時参加組用の客間も合わせて居住区画が広くとられているのもポイントが高かったみたいですね。ただ、こちらは早々に並び4部屋の壁をぶち抜いて大部屋にされてしまいましたが……。

 あの、森人狩人さん? 大部屋にするのは百歩譲ってまぁ良いですけど、なんでベッドが一つしかないんですか? しかもわざわざワイドキングサイズなんか注文しちゃって……。おかげで金貨が全部無くなった? そら(特注になるうえに早急に用意しろなんて発破をかけたら)そう(お安い値段にはならないです)よ。4人で並んで寝ても余裕ある大きさとか初めて見ましたよ……。 え、余裕がないと動いたときに落ちるかもしれない? ……そうですね。

 

 リフォームをしている間は引き続き今までの宿に泊まっていましたが、先の防衛戦で受けた肉体的・精神的疲れを抜くためにみんな意識して休息を心掛けました。

 特にケアが必要だったのはやはり森人少女ちゃん。表面上の傷は癒えても、女性としての尊厳を踏みにじられた精神的苦痛は酷く、夜中突然悲鳴を上げて起きてしまったり、一党の誰かが傍に居ないと足が痙攣して歩けなくなってしまったり。

 体格が同じくらいだから仕方が無かったのだと思いますが、宿の廊下の曲がり角で吸血鬼侍ちゃんと鉢合わせしたときにゴブリンを幻視して恐慌状態に陥ってしまったときは、流石の吸血鬼侍ちゃんもベコベコに凹んでましたね……。

 

 本人も人との繋がりを求めているのか、まだ体調が本調子でないというのに吸血をせがんできました。流石にまだ早いからとやんわり制する吸血鬼侍ちゃんに対し、あろうことか「やはりゴブリンの子を産むような穢れた女の血は望まれないのですね……」と口に出してしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後どうなったかって?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 本気でキレた吸血鬼侍ちゃんが森人少女ちゃんを押し倒して昼戦開始。夕方、新居のリフォーム作業の手伝いから戻った2人が一方的な蹂躙劇を見て驚くも、開戦の原因を聞いて同様にキレて参戦。そのまま夜戦を通り越して三日三晩の大乱闘スマッシュシスターズが勃発しました……。

 

 四日目の朝日が顔を出した頃には、吸血鬼侍ちゃんがゴブリンから奪っていた一時HPは全て無くなり、ベッドの上には種族を超えた絆で結ばれた三姉妹が生まれていましたとさ。

 

 いーい森人少女ちゃん、みんなきみのことを大切に思っているんだから、あんな悲しいことは二度と言わないでね?

 

「はい、(あるじ)さま……。上姉様も下姉様も、(わたくし)を家族として迎え入れてくださいました。共に戦うことは出来ませぬが、どうか御傍にいさせてくださいませ」

 

「下姉様って、私のほうが年下なんだけど……まぁいいわ。アンタ、ちゃんと血の一滴(ひとしずく)まで愛してあげなさいよ?」

 

「私が言うのもなんだけど、随分愛が重い()だったね。でもそういう()がきみの好みなんだよね?」

 

 はっはっは、姉2人は好き勝手言いなさる。まぁ否定はしませんが。

 

 

 その後、流石に宿の店主に怒られて謝り倒し、荷を纏めて新居へと引っ越したのですが、少々吸血鬼侍ちゃんが不味いことになってしまいました。

 

「主さま、そろそろ起きてくださいね」

 

「主さま、朝食の準備ができましたよ?」

 

「主さま、お風呂が沸きましたので、おゆはんの前にみんなで入ってしまいましょう」

 

 あぁ^~吸血鬼侍ちゃんのバブみ(ちから)が森人少女ママに吸い取られていくんじゃぁ^~

 

 このままでは吸血鬼侍ちゃんが依頼を受けに行かないダメ冒険者になってしまいます。

 他の人の疲労も抜けたようですので、そろそろギルドへ顔を出してみましょう!

 

 

 

 

「おはようございます! 新居の住み心地は如何ですか!」

 

 受付嬢さんは今日もかわいいなぁ(ほっこり)。いい感じですよ。そろそろ活動しようかと思うんですけど、なにかお勧めの依頼ってあります?

 

「そうですねー。ゴブリン退治の依頼は殆ど無いですし、数少ないそれは全部ゴブリンスレイヤーさんが持って行ってしまいまして……」

 

 ですよねー。おや、盗賊退治とかが増えてるみたいですけど、あ、もしかして。

 

「ええ。ゴブリンの数が減って野外の危険性が下がったために、野盗や追剥が活発化しているみたいなんです」

 

 ゴブリンがいなくなったと思ったら代わりに人間が出てくるのかー。依頼が多く残ってるのは、やっぱり対人は躊躇する冒険者が多いんですかねぇ。或いは危険度が高いから白磁や黒曜では受けさせてもらえないのか。受付嬢さん、この辺の依頼纏めて引き受けてもいい?

 

「はい、先の功績で翠玉1人鋼鉄2人の一党になりましたので、条件は満たしています。まぁ皆さんでしたら等級はあんまり関係ないかもしれませんが……」

 

 吸血鬼侍ちゃんは言うまでもないですが、2人も大概等級詐欺ですからねー。

 

 あっそうだ(唐突)。ちょっとお伺いしたいんですけど、このギルド内で吸血鬼侍ちゃんと森人少女ちゃんが出来る仕事とかって何かありません? まだ森人少女ちゃんにはメンタルケアが必要なのであまり街から離れたくないですし、一緒にいる吸血鬼侍ちゃんも手持無沙汰なので。

 

 ……うーん、流石に急過ぎましたかね。受付嬢さんも悩んでしまってます。

 

 あれ、監督官さんが手招きしてますね、受付嬢さんに断りを入れて近寄ってみましょう。

 2人とも公文書の書式はわかるかって? 吸血鬼侍ちゃんは剣の乙女の下でドンパチしてた時に覚えましたけど、森人少女ちゃんはどう? おお、家の仕事の関係で外交文書の作成をしていた。流石王族の従者の家系ですね! でもそれがどうかしましたか監督官さん? 

 

 ……どうやら先の冒険者の活躍が辺境に知れ渡り、冒険者を志望する若者の数が増えているとのこと。そのためギルドの書類仕事も大幅に増え、手が足りていないそうです。つまり臨時の職員採用というわけですね。

 どうする森人少女ちゃん、せっかくだから受けてみる? 少しずつでいいから働いて皆を助けたい? ええ()や……。あんまり無理はしないでね?

 じゃあ監督官さん、2人ともお引き受けします。でもこれ個人情報とか大丈夫なんです? ほほう、定期的に≪看破≫で他人に漏らしていないか確認してるんですね。なるほどなー。

 

 それでは吸血鬼侍ちゃんと森人少女ちゃんはギルドで事務仕事、分身ちゃんたち3人は野盗退治を頑張りましょう!

 

 

(少女?たち活動中……)

 

 

 はい、こちらはギルド組です。2人とも貸与された制服に身を包んでお仕事中です。森人少女ちゃんはともかく良く圃人用のサイズなんてありましたね。え、制服作成時に全ての種族に合うサイズを用意するようお達しがあった? うーんこのお役所仕事。

 吸血鬼侍ちゃんもなかなかの速度で書類を捌いてますが、森人少女ちゃんたら滅茶苦茶有能ですね。用意されたデスクにいくつも書類ボックスを並べ、複数枚を並列で処理しています。唖然とした顔で見ている受付嬢さん、口開いてますよ。あと監督官さん、ええもん拾ったって顔は当人達に見せないでください。

 

 お、分身ちゃんのほうから着信が。ふむふむ、ではそのように。受付嬢さん、ちょっといいですか?

 

「なるほど、捕縛した野盗を連行する人員を送って欲しいと。皆さんの依頼料から支払う形でいいんですね?」

 

 いいですよー。報酬としてはたかが知れてますが、依頼からあぶれた白磁等級の子のおゆはん代にはなりますし、彼らの野外活動の練習も兼ねてますからね。

 

「ありがとうございます。ちょっと声をかけてきますね!」

 

 そのまま受付嬢さんはテーブル席で途方に暮れている白磁等級の子たちに声をかけ、複数人を纏め上げて分身ちゃんの伝えてきた地点へと送り出してくれました。ほんとはダメなんですけどねーと言いながらも受付嬢さんの表情は明るいです。予めちょっとでも経験を積んでいれば、最初の冒険で失敗する白磁等級が減るかもしれません。今までたくさんの夢見る若者を送り出してきた職員の心情を思えば、いくらか報酬が減るくらいどうってことありませんから!

 

 

 夕方、捕縛した野盗と新人を引き連れて一党がギルドへ帰ってきました。なにやら新人たちは興奮している様子。なにかあったんでしょうか? 

 分身ちゃんに確認したところ、帰り道でゴブリンの巣を見つけたので、新人を引率してゴブリン童貞を捨てさせてきたそうです。最初は3人とも手を出さず、原作の青年剣士君よろしくズンズン進んでいった新人たちがゴブリンに奇襲を受けるまで静観。負傷者が出た段階で介入し第一波を殲滅。怪我人の治療を済ませた後に森人狩人さんによる探索のレクチャー&ゴブリンの生態教育を行ったとのこと。

 幸か不幸か生存者はいなかったものの、惨たらしい遺体とゴブリンの子供は残っていたので、新人にしっかりと始末をつけさせてきたそうです。

 ゴブリンと対峙したものは屋内での戦闘の怖さを、負傷した者は怪我と毒の恐ろしさを、罠を踏みつけたものはゴブリンの悪辣さをそれぞれ身を以て学べたことでしょう。きっと自分たちでゴブリン退治を受ける時、今日の経験が生かされるはずです。

 

 書類仕事も終わりまして、外回り組と合わせて報酬をいただきました。ん? 白磁の子たちに払った割には結構残ってますね。え、書類のほうを頑張ってもらったから少し色を付けてある? 引き続きお願いしたいからその唾付けも兼ねて? 良かったね森人少女ちゃん、しばらくはギルドで働けそうだよ。そうだ、今日はこのままギルドでおゆはんにしましょうか。監督官さんもご一緒しません? 一杯奢りますよ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だーかーらー! キミもあの変なのにくっついて回ってる神官ちゃんもギルドでイチャイチャし過ぎなのよ! うちの後輩も気もそぞろになってるし、私だってキミみたいな可愛い子にちゅーされたいのー!」

 

 誰だ彼女に酒を飲ませたのは!? 吸血鬼侍ちゃんだ!!

 うーん……(ストレスが)たまってるってやつなのかな? 目が据わっていて怖いです。あの監督官さん、他の人の迷惑になるのでもうちょっと声を抑えて……。

 

「キミだって嘘つきじゃないのー! 吸血が必要な時はギルドに依頼を出すって書いときながら、いつのまにかちゃっかりキレイどころばかり確保してちゅーしてんだからー!」

 

 あ、アレは剣の乙女が勝手にやった事だから(震え声)。いや、こうなることを予想して布石を打っていたのか……? 剣の乙女、なんて恐ろしい子!

 

「そーかいそーかい、ちゅーしてくれないんなら、こっちからちゅーしてやるんだから!」

 

 え、ちょっと待って! 首筋に甘噛み通り越して割と本気で噛みつかないで!? 

 あと森人少女ちゃん実は酔ってるでしょ? (わたくし)もご奉仕いたしますなんて言いながら反対側に噛みつかないで……。あ、こっちは痛くなくてちょっと変な気分に……。

 

 ふぅ、暫く噛みついてちうちう肌を吸っていた監督官さんですが、酔いが回りきったのかやっと静かになりました。監督官さんの真似をして反対側を吸っていた森人少女ちゃんも、今は森人狩人さんに抱かれて夢の中です。監督官さんどうしよう、このまま置いて帰るわけにはいかないですし……。仕方ないから家の客間に放り込んでおきましょうか。みんなかえるよー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌朝、見知らぬベッドで目を覚まし、その後4人がワイドキングサイズのベッドで寝ている姿を見て尊死しかけた監督官がいたのは一党内の秘密である。

 

 

 

 

 今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 




心温まるものを探すので失踪します。

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