ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ   作:夜鳥空

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おしごとたーのしー! ので初投稿です。


セッションその5ー3

 前回、百手巨人(ヘカトンケイル)に挑むところから再開です。

 

 儀式にて束ねられた祈りの力を利用し、賢者ちゃんの手腕により霊界(アストラル)へと魂を投射した一党。眼前には暴威という言葉をそのままカタチにしたような嵐が渦巻いています。

 

「うっひゃー! いーちにーいさーん……あれ、もしかして百本より多いんじゃない? きっと千本くらいあるよ千本くらい!」

「なるほど、千手巨人か」

「じゃあ呼び名はキロトンケイルに変更してやるのです」

 

 次々と腕を生み出す巨人に対峙しながらも余裕のあるやり取りをしている勇者ちゃん一行。あるいはこれが彼女たちのリラックス方法なのでしょうか。勇者ちゃんは半透明に透けた身体をダイナミックに躍動させ、準備運動を始めています。

 

「キミのほうは問題ないかな……って、なんだか凄いことになってるね!?」

 

 へ? 何か変なところが……ってなんじゃこりゃあ!? 半透明なのは勇者ちゃんたちと変わりませんが、吸血鬼侍ちゃんの姿が普段と違っています!

 

 胸甲付き長衣とフードは消え失せ、典雅な装飾の衣装に漆黒の外套、いわゆる吸血鬼っぽい服装に変わってますね。一体何が原因なんでしょう?

 

霊界(アストラル)では魂のカタチがより鮮明に具現化するのです。恐らくその姿が貴女の思う自分自身の在り様なのです」

 

 ほうほう、つまり吸血鬼としての本質が剥き出しになっている感じですかね。となると、外套を握って……そぉい!

 

ヒュパァ!

 

 おお! 思った通り、しなやかな生地の外套が硬質な刃に変わりました! 上手く操れば盾にもなりそうですね。ビジュアル的には神祖生まれのDさんが出演する映画の貴族や、カットカットする死徒さんの振るうアレが一番近いかなぁ。

 

「おお、かっこいいじゃん! なんか吸血鬼っぽい!!」

 

 吸血鬼なんだよなぁ……。すっごーい! と連呼しながらぴょんぴょん跳ねている勇者ちゃんですが、残念ながらまったく揺れていません。まぁそれは吸血鬼侍ちゃんも同じですが。

 

「2人とも遊んでないでさっさと構えるのです。どうやら此方を敵として認識したようなのです」

 

 呆れた様子で2人を窘める賢者ちゃん。そのお山は小柄な体格に反してたわわに実っています。視線か、或いは感情を感じたのか、頬を赤らめながら吸血鬼侍ちゃんから隠すように胸元を抑える賢者ちゃん。かわいい(かわいい)

 

 

「Ah・・・・・・Aaaaaaahhhhhhhhh!!」

 

 それじゃ吸血鬼侍ちゃんは露払いを……っておわぁ!? 腹の底に響くような雄叫びを上げたかと思えば、太い腕から枝分かれするかのように無数の腕を伸ばし、天から降り注ぐ流星のように周囲一帯(シーン全体)に叩きつけようとしています! まだ接敵前段階(セットアップ)だってのに気が早い! 虚を突かれ味方は一塊のまま(同一エンゲージ)なので、このままでは全員巻き込まれちゃいます。しからば吸血鬼侍ちゃん、GO!

 

「おい、何をする気だ!?」

 

 後方から剣聖さんの声が聞こえますが、答えている暇はありません! 人外の反応速度で勇者ちゃんたち(エンゲージ)から離れ、生命力(ライフ)を代償にクイックチャージした≪巨人殺し(ストームルーラー)≫による嵐の一撃を百手巨人(ヘカトンケイル)に叩きつけます! 装甲で殆どが防がれてしまいますが、振るわれたのは紛れもない巨人殺しの業。百手巨人(ヘカトンケイル)敵愾心(ヘイト)を吸血鬼侍ちゃんへ向けることに成功しました!

 

「Gi・・・・・・Gaaaaaahhhhhhhhh!!」

 

 前方、後方、360度全方位から押し寄せる拳の弾幕。小さな身体を僅かな隙間に潜り込ませながら百手巨人(ヘカトンケイル)へと前進していく吸血鬼侍ちゃん。多少の傷は再生するに任せて無視し、致命の一撃のみ躱し、剣で受け、外套で凌いでいきます。一撃でも多く引き付け、一秒でも長く時間を稼げば、それだけ勝利への道が近付いてくるんですから。

 

 顔面狙いの一撃を首を傾げて避け、噛み千切りつつ吸血(ドレイン)して再生速度を向上させる吸血鬼侍ちゃん。近付くにつれて激しくなる拳の重爆。見上げるほど大きくなった巨人の足元に再び嵐の一撃を……ってヤバッ!?

 

ぐしゃり

 

 あー!? 避けるのを見越してか、途中で拳を開き指に引っ掛かるを幸い吸血鬼侍ちゃんの左腕をもぎ取っていきやがりました! 迫る拳と吸血鬼侍ちゃんの回避速度に大きな差はありませんが、絶望的な質量差からくる衝撃は覆すことができません。腕を持っていかれた勢いで吹き飛び、転倒してしまいました。動きを止めた小さな羽虫(吸血鬼侍ちゃん)を確実に仕留めるべく、無数の腕をより合わせ、巨大な腕を生み出す百手巨人(ヘカトンケイル)。さ、流石にアレを喰らったら再生がどうとかって問題じゃないですね……。

 

 

 

 

「おまたせ! 無理させちゃってごめんね!!」

 

 振り下ろされた腕と吸血鬼侍ちゃんの間に割って入ってきたのは我らが勇者ちゃん! 自身の身体の何十倍も大きな拳を受け止め、裂帛の気合いとともに弾き返しました! 重心の乗った一撃を跳ね返され、堪らずに蹈鞴を踏む百手巨人(ヘカトンケイル)。その隙を見逃す勇者ちゃんではありません!!

 

「太陽は……爆発だぁぁぁ!!」

 

 必殺の一撃を放つ勇者ちゃん。技名はちょっとずつアレンジしてるんですね。

 

 閃光が通り過ぎたその後には、焼けた腕が枯れ木の外皮の如く剥がれ落ちる百手巨人(ヘカトンケイル)の巨体。ですがとどめには至らなかったのか、黒く変色した表皮の下から再び腕を生やそうとしています。大技を連続して放つのは厳しいのか、勇者ちゃんの構えた剣には先ほどまでの眩い光は宿っていません。このままではジリープアー(徐々に不利)、なんとか再生を止めないと……。

 

「成程、この霊界(アストラル)では姿は仮初、意思によって変化するということか」

 

 緊迫した空間に涼やかな声が響きます。出処は後方、賢者ちゃんの護衛に回っていた剣聖さんからでした。

 

「つまりだ、私が望めば普段飛ばしている剣気を伸ばすことが出来るわけだ」

 

 眼前に構えた剣を高く掲げる剣聖さん。剣身が輝いたその刹那、天に届かんとばかりに伸びたではありませんか!

 

「チェストォォォォォ!!」

 

斬!!

 

 駆ける勢いのまま跳躍すると、重さをまったく感じさせぬ所作で剣を振りかぶり縦一閃。再生を始めていた巨体はその背後の空間ごと分かたれ、徐々にズレ始めました。

 

「GiGi・・・・・・GaGaGaGaGaGa!!」

 

 うわぁ、まだ頑張るのかぁ……。左右に断たれた巨体から湧きだした無数の手が握手をするように互いを掴み、必死に崩壊を食い止めようとしています。ちょっと生命力(ライフ)が危険域に突入しそうですが、吸血鬼侍ちゃんがもう一撃入れないとかなぁ……ん?

 

「その必要はないのです。……時間がかかりましたが、皆の祈りを集めていました」

 

 賢者ちゃんが杖を翳すと、勇者ちゃんの持つ剣に再び光が宿りました。

 祈りは力なり、力は祈りなり。賢者ちゃんの祝詞とともに、その輝きはいや増すばかりです!

 

 

 

「この一撃は、みんなの想いが込められた一撃!

――――――太陽は、再び昇るっ!!――――――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 勇者ちゃんの渾身の一撃で、百手巨人(ヘカトンケイル)は四方世界に顕現することなく消えていきます。転んでいた吸血鬼侍ちゃんは勇者ちゃんによって引き起こされ、勝利の両手ハイタッチを……しようとして、まだ左腕の再生ができていないことに気付いたようです。これには一同苦笑い。

 

 いやーどうなることかと思いましたが、終わってみれば完勝でしたね! 大きな被害も無く、勇者ちゃん一行の好感度も稼げました。このままサイドキック・・・・・・もといPC④として参加していれば、酷い目にはあっても死ぬことはないでしょう! それにしても随分あっさり終わりましたね。無貌の神(月の魔物)さんが口出ししてたからもっとヤバい級の出来事が待ち構えていると覚悟していたんですが。……え、ちゃんと用意してある?

 でもこっちはもうエンディングで……ってまさか分身ちゃん(あっち)に出すつもりですか!? 今どうなってるの!? 卓移動しますからね!!

 

 

 

 

 

 ええと、分身ちゃんサイドは……どうやらタワーディフェンスには成功して、ゴブスレさんのマンチプレイと妖精弓手ちゃんの矢で、敵の首魁である闇人(ダークエルフ)が仕留められたところのようですね。

 

 なぁんだ脅かさないでくださいよ無貌の神(月の魔物)さん、そんなおやつなんか食べちゃったりして。美味しそうに食べてますけどなんですそれ? アーモンド入りチョコ? うわぁカロリー高そう。でもひとつもらってもいいですか? ありがとうございま……アーモンド?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あっ(察し)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「嘘、確かに手応えはあったのに……ッ!?」

 

 雷鳴轟く嵐の中、妖精弓手ちゃんの悲鳴にも似た声が響きます。肌の色こそ違えど、森人と大差ない生命力しか持たぬはずの闇人。呪物の加護を失い死に体だった筈のそれが操り人形のような不自然な動きで立ち上がりました。上体をブラブラと動かすそれは内側から裂けるように爆ぜ、現世の法則から外れた異界の理に従うかのように見る者の正気を削る異形が現れました。

 

 七本の腕を持つことは変わりませんが、見上げるほどの巨体、人族から逸脱した本数の指、枯れ木のようにやせ細った体躯と扁桃(アーモンド)にも見える異貌。本来四方世界に現れることの無い他次元の生命体、その名は……。

 

「アメンドーズ、アメンドーズ……哀れなる落とし子に慈悲を……ヒィーヒッヒッヒ!!」

 

 ……何処からともなく道化師(フラック)の嘲笑が聞こえてきました。あん畜生最初から知ってたなー。恐らく目の前のコレはアメンドーズそのものではなく、「7本の腕」「上位存在の加護」といった類似点から浸食されて生み出された紛い物といったところでしょうか。

 

 偽物とはいえ眼前の悍ましい巨体から発せられる瘴気は人間にとって毒そのもの。特に儀式によって感受性が高まっている女神官ちゃんはこみ上げる嘔吐感を抑えるのに必死なようです。早いとこ仕留めないとSAN値がガリガリ削れて大変なことになっちゃう! 走れ分身ちゃん!

 

 雨で視界が妨げられる中、巨体へと疾走する分身ちゃん。振り回され、駄々っ子のように地面に打ちつけられる拳には膨大な魔力が込められており、触れた箇所が半円状に抉り取られています。

 

 眼前を掠める腕を村正で斬りつけますが、硬い外皮に阻まれ僅かな出血に留まっています。目晦ましを兼ねて≪力矢≫を顔面に放ちますが……うーん、やっぱり威力不足ですね。≪火与(エンチャントファイア)≫や≪力与(エンチャントマジック)≫が使えれば話は違うんですが、吸血鬼侍ちゃん覚えてないんですよねぇ……。

 

「なるほど、つまり私たちの出番というわけだねご主人様?」

「あーもう、私は後衛だって言ってるのに……ッ!」

 

 雷光と炎を纏った連撃が叩きつけられ、千切れ飛ぶ二本の腕。傷口から夥しい血を流し絶叫を上げる異形の前には女魔法使いちゃんと森人狩人さんの立ち姿! 牧場防衛ミッションからこっち無茶な冒険に付き合ってもらってましたが、こんなに強くなってるとは思いませんでした。

 

 分身ちゃんが囮となって異形の攻撃を誘い、振り下ろされた腕や体重を支えるには華奢過ぎる脚に攻撃を集中させる2人。物理的な威力は低くとも、炎と雷撃によるダメージは確実に蓄積しています。

 

「cyuoooooooooaaahhhhhhhh!!」

 

 危なっ!? 最早なりふり構っていられなくなったのか、先程千切れ飛んだ二本の腕を棍棒のように握り、3人を纏めて薙ぎ払おうとしてきました! 分身ちゃんほど回避と耐久力に自信のない2人は、一旦射程外へ退避し隙を窺っています。とはいえ分身ちゃんだと決定打不足だから、隙を作るために被弾覚悟で突っ込むしか……おや、急に雷が強くなって……違う、これはもしかして!

 

「《裁きの司、つるぎの君、天秤の者よ、諸力を示し候え》!」

 

 背後から響く朗々たる詠唱、艶やかな声色とは裏腹に、軍勢すら消滅させる威力を秘めた剣の乙女の≪聖撃(ホーリースマイト)≫です! 天上から降り注ぐ無数の雷撃により、断末魔の声を上げることすら許されず消えゆく異形の偶像(アメンドーズ)

 後には左手を象った呪物が水たまりにポチャリと落ちるだけ。≪聖撃≫の余波で雨雲は吹き散らされ、2つの月がぬかるんだ大地を照らし始めました。呪物を拾い上げ、興味深げに眺めている分身ちゃん。それ後で必要になるからキープしておいてね。放置しておくとゴブスレさんにパリーンされちゃうから。

 

 

 

 

 いやーようやく現世に戻ってこれましたよ吸血鬼侍ちゃん! 勇者ちゃん一行は霊界渡りの後始末と負荷がかかったレイラインの修復に取り掛かるそうですが、吸血鬼侍ちゃんは一党が心配だろうと先に帰してくれました。まさか分身ちゃんサイドに今週のビックリドッキリ変態を出してくるとは思いませんでしたが、全員無事にミッションを終えレアアイテムも回収できて万々歳です! 

 

 ただいまーみんな、怪我してない? あ、これ? 再生が間に合ってないだけだからヘーキヘーキ! そっちも変なのが出て大変だったみたいだね。とりあえず勝利を祝して酒場で「いや、ご主人様。これからが本番だよ」……へ? まだなにか残ってたっけ……って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 森人狩人さん

 

 

 

 

 

 生きたまま捕獲したゴブリン(そんなもの)

 

 

 

 

 

 い っ た い な に を す る つ も り な の ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。

 

 




仕事に全集中するので失踪します。

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