ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
筑前煮とモツ煮が上手くできたので初投稿です。
前回、森人少女ちゃんに≪
ゴブスレさん一党と行き違いになると拙いので、女魔法使いちゃんと森人狩人さんを起こして後から来るよう分身ちゃんにお願いし、吸血鬼侍ちゃんと森人少女ちゃんは2人で先にギルドへ向かいましょう。森人少女ちゃんには悪いですが、急いだほうが良さそうなので一言断りを入れて抱き上げ、
依頼の張り出しこそまだですが、夜通し酒場で痛飲する者や早朝出発の冒険者がいるためギルドの1階部分は夜通し解放されています。入り口を潜り、中を見回せば……いました! 女神官ちゃんと一緒に、珍しく早起きしたのか妖精弓手ちゃんが朝食を食べています。早朝から忙しそうに駆け回っている獣人給仕さんに軽い物を頼んでから2人に近付き、挨拶もそこそこに森人少女ちゃんに配布された≪
「万知神からの≪
あまり例のない形式ですねと考え込む女神官ちゃん。たしかに神官でもない者に≪
「ですが、皆様と主さま、それに
「まぁ、ゴブリンしかないわよねぇ」
ゴブスレさんご指名の時点で明らかですが、どう考えてもゴブリン案件、しかも厄介なもので間違いないでしょう。また冒険とは程遠いものになりそうねえとぼやく妖精弓手ちゃん。今度死の迷宮観光にでも連れてってあげましょうかね。
「おはようご主人様。≪
「分身ちゃんはゴブリンスレイヤーを呼びに行ったわ。遅れて合流するって」
お、後続の2人が到着しました。街の外に住んでいるゴブスレさんを早急に連れてくるために分身ちゃんが向かってくれたようですね。それじゃ私は吞兵衛と冬眠しかけてるのを起こしてくるわと2階へ消える妖精弓手ちゃん。今のうちに他の人の分の朝食も追加で頼んでおきましょうか。
「……ゴブリンか」
妖精弓手ちゃんが鉱人道士さんと蜥蜴僧侶を起こしてきてくれてからそう時間を空けずに、分身ちゃんがゴブスレさんを連れてきました。……大丈夫ですかゴブスレさん? ちょっとふらついてるみたいですけど。分身ちゃんに抱えられた状態で飛行してきた? 魔術師の塔は登頂してましたし、高所恐怖症じゃないってことは乗り物酔いに近い感じですかね。温かいお茶があるんで良かったらどうぞ。
「それで新芽っ子や、≪
鉱人道士さんの問いに頷き、予め用意しておいた地図を広げる森人少女ちゃん。ペンで印をつけた場所は雪山の麓にある寒村、2日ほど前に緊急便で物資を求める依頼が届いた集落です。恐らく令嬢剣士さん一党が買い占めた影響で物資が枯渇してしまったからですね。
「しかし、侍殿の魔具で物資は運べても一党を運ぶことは無理と聞きおよんでいる次第、素直に馬車を用いるのが無難と考えますがな?」
「この人数だと2輌用意する必要があるかな。急ぐとなると二頭立てが望ましいけど、すぐに手配できるとは考えにくいね……」
旅慣れた2人が移動手段を考えてくれていますが、なかなか良い方法が浮かばない様子。
うーん、世間的にも女神官ちゃん的にも好ましくないと思いますが、馬車を引く馬についてはなんとかするので、車両と車内に設置できるくらいの丸机を用意してもらえますか?
「ほう、ちみっこには何か考えがあるようじゃの」
「それじゃ、各自準備をしてまたここに集合しましょ」
ギルドに部屋を借りている面々は一度部屋に戻って冒険の準備を。吸血鬼侍ちゃんたちも装備を取りに一旦自宅へ帰り、依頼張り出し直前に集合となりました。
さて、本来ならば森人少女ちゃんにはいつも通りお留守番をお願いするところなんですが……。
「無理なお願いであることは百も承知でございますが、どうか私の同行をお許しくださいませ」
ですよねー。こういう時に備えて冒険者登録だけはしておいてもらっていましたが、大変だし危ないかもしれないよ? ≪
「頼まれていた通り、床面に毛布を敷き詰めて、足を短くした丸机を乗せておいたぞい」
「やっぱり馬はダメだったわ。連日の輸送に酷使されてて、今日は休息が必要だってさ」
吸血鬼侍ちゃん一党が装備を整えてギルドに戻ると、既に凸凹コンビが場所の準備を終わらせてくれてました。予め≪
後は丸木机の下に女魔法使いちゃんが持つ爆発金床の≪
馬車での移動は身体を動かさない分体温が低下しやすくなってしまいますし、それを防ぐために外に出て歩けば今度は体力を消耗してしまいます。原作準拠で
「おお、これは
脚と尾を毛布に潜らせ、
「それで、肝心の馬はどうするの? まさかアンタが引っ張るわけじゃないでしょうに」
重さはともかく、手が届かないから難しいかなぁ。女魔法使いちゃんがジト目で見てくるので、そろそろ助っ人をお呼びしましょう。……みんな、攻撃したりしないでね?
吸血鬼侍ちゃんと分身ちゃんがそれぞれ馬車の前に立ち、爪で自らの手に傷を付けます。握りしめた拳から流れた血が地面に触れると、複雑なサインが地面に浮かび上がり、収束する魔力が徐々に実像を結んでいきます。閃光とともにそれは実体化し、冷たい死の気配を纏って一同の前に現れました!
妖精弓手ちゃんは長耳を緊張でピンと跳ね上げた状態で弓をつがえ、女神官ちゃんは目の前の存在の気配に中てられて若干涙目になっています。ゴブスレさんは……ゴブリンじゃないと判断したのか、あんまり興味を持ってないみたいですね。
堂々たる体格の軍馬に跨り、左手に騎士盾を、腰に長剣を刷いた全身鎧の騎士が2騎。それだけならば物語の登場人物のようですが、ある一点を以て皆の警戒心を煽っています。
「な……な……」
騎士にもその相棒たる軍馬にも、
「なんで
うがー!と怒声を上げながら吸血鬼侍ちゃんのほっぺを両手で引っ張る妖精弓手ちゃん。いや、考えてみてくださいよ? 疲労もせず、魔法視覚で夜間も吹雪も問題なく、しかも……おっと、女神官ちゃんは気付いてくれたみたいですね!
「この
女神官ちゃんの声に正解!とでも言いたげに乗騎から降りる2体の騎士。皆に向ける一礼は洗練された騎士の所作そのものです。既に予想されていた方もいるでしょうが、お二方とも水の街の
吸血鬼が持つ特殊能力のひとつである【不死召喚】。本来は自らの威を以てアンデッドを従わせるものですが、吸血鬼侍ちゃんの場合【死霊術】に近い方法で召喚を行っています。予め助力を乞う相手と契約を交わし、自らの血を媒介に一時の協力を得る。しかもこの方法、なんと呼び出される側の英霊さんにも好評なんですよね。
【
そんな未練を抱えた霊が、もう一度冒険や人助けの機会を得られたならば……そりゃもう大喜びです。しかも満足すると輪廻の輪に還られるというオマケ付き。現在応募多数で召喚待ちの状態が続いています。
というわけで、彼らに何かを強制したり無理矢理従わせているわけじゃないことを分かってもらえると嬉しいのですが女神官ちゃん。
「ええと、事情は分かりました。彷徨える霊を救うのであれば、地母神様もお許しくださると思います。ただ、その、見た目が……ですね?」
うんうん、言いたいことはわかります。どんなに高潔な騎士でも、首無しじゃあ怖がられてしまいますからねぇ。ですがそのあたりも抜かりありませんよ!
「おまたせ、親父さんに無理言って用意してもらったわ」
お、丁度女魔法使いちゃんと森人少女ちゃんが戻ってきました! 頼んでいたアレを調達してきてくれましたね。2人が腕に抱えているのは、防寒用の襟巻とゴブスレさんの生首……もとい、武具店で販売されている兜です。
何故かゴブスレさんを真ん中に挟んだ状態で並んで待っていた騎士さんの首元に毛布を詰めて支えとし、被せるように兜を備え付けます。最後に毛布を隠すように襟巻を巻き付ければ……。
「金属鎧のオルクボルグというか、本来の銀等級並の装備を整えたオルクボルグって感じね……」
そこには側面の角飾りが健在で
上の人は首有り
途中で一泊する行程なので男女に分かれての乗車となりますが、分身ちゃんを女性車両の生贄護衛にして、吸血鬼侍ちゃんは男性陣のほうに乗り込みましょう。……別に逃げたわけじゃないですからね?
「寒風に晒されて洟垂らしながら歩くもんだと思っとったが、こりゃあ快適でいいのう!」
首有り
「……そうだな」
最初は炬燵に入らず後方を警戒していたゴブスレさんですが、寒さに耐性のある……というかまったく影響のない吸血鬼侍ちゃんが早々に交代し、剣こそすぐ手に取れる場所に立てかけていますが、しっかり炬燵で暖を取ってくれています。正面からのゴリ押しでいける場面や今週のビックリドッキリ変態が出る状況では吸血鬼侍ちゃんが輝くものの、それ以外ではゴブスレさんの知識と経験が重要になってきますからね。圃人の先生に扱かれたとはいえ冬の旅路は消耗との戦いですし、休める時には休んでもらいましょう。
「侍殿も先の呪物によって更なる力を得たご様子。やはり一度お手合わせ願いたいものですな」
構いませんけど、春が来て暖かくなってからにしましょうね。冬の間はどうしても身体のキレが落ちてしまってるでしょうから。たしかにそうですなーと首肯し、春といえば……と言葉を続ける蜥蜴僧侶さん。春といえば? チーズですか?
「侍殿は、いつ己の子を設けるのですかな?」
え、いやなんでそんな発想に? もしかして蜥蜴人さんたちって春が繁殖のシーズンなんですか? 年中発情してるのは只人だけって話も聞いたことありますし……あ、ゴブリンもか。じゃなくって、女同士じゃ子供は出来ないですって! え、そちらの狩人殿から指輪の話を聞いた? なんでそんなデリケートな話題を……。
鉱人道士さんはニヤニヤしながら吸血鬼侍ちゃんを囃し立ててますし、ゴブスレさんも兜の奥からジッとこちらを見つめています。あとそっちの首有り
たしかにそういうコトはしてますけど、擬似的なものなので赤ちゃんは出来ないんじゃないですかねぇ。それに生まれてくるのが
「……俺か?」
そうわよ(なすりつけ)。牛飼娘さんに女神官ちゃん、受付嬢さんからも好感を持たれているんですから、むしろ寿命が一番短いゴブスレさんが早く考えるべき話題でしょう?
「ふむ、一理ありますな。失うものを持たぬ強さよりも、大切なものを守る強さのほうが、難事を乗り越える際の力に繋がるという話を拙僧も耳にしたことが」
流石強さの求道者な蜥蜴僧侶さん、含蓄深い言葉です。ゴブスレさんは深く考え込んでしまったようで、鉱人道士さんの声も耳に届いてないみたいですね。なんとか話題を逸らす事には成功しましたが、ゴブスレさんにも幸せを掴んでもらいたいんですよねぇ……。
その後は互いの冒険の話やゴブスレさんのゴブリン講座などで時は過ぎ、何事も無く夜を明かして翌日の昼前に≪
馬車を村の入り口付近に停め、今のうちに不自然ではない程度の物資を馬車の中に出しておきましょうか。あ、日が変わって消えちゃった分身ちゃんも呼び出しておかなきゃダメですね、今日も頑張るよー。
炬燵を片付けて空いたスペースに穀物や燻製、酒や毛布を並べていざ村の中へ。閑散としていますが、荒れた形跡は無いのでゴブリンの襲撃はまだ発生していないようです。良かった、これなら間に合っ……ん? 村の中心にある広場のほうが騒がしいですね。何かあったんでしょうか。
「……それで、食料を、少しわけてくださらないかしら」
えっ。
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
白米が進み過ぎておなかが苦しいので失踪します。
いつも誤字脱字のご連絡ありがとうございます。
お気に入り登録や感想、評価についても併せて入れていただければ幸いです。
お読みいただきありがとうございました。