ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
ケーキの移動販売が来たので初投稿です。
1/23 UA40000を超えていました。
拙作をお読みいただきありがとうございます。
前回、
鍛えようのない眼部を傷つけられ激おこの
「JAGOBBBBB!?」
そりゃアンデッドですから喰えたもんじゃないですよねぇ。残った部分を地面に投げ捨て、怒りのあまり地団駄を踏んでいます。
さて、肝心の残った部分は……セーフ! 上半身です! 戦闘能力こそ喪失したものの、分身ちゃんの維持は出来るので一党へのバフは切らさずにすみました。
って、そんなに下半身(Bパーツ)が不味かったんでしょうか。
さっさと離脱したいところですが、忌々しいことに下半身だけでなく胸から下をごっそり持っていかれたために、ダメージを部位破壊で置き換えるゾンビ戦術(セッションその2ー3参照)に失敗しちゃったみたいです。
両肘を地面に付いて少しづつ遠ざかろうとする吸血鬼侍ちゃんですが、歩幅の差からあっという間に距離を詰められてしまいました。両の拳を組み、
「主さま、今お救いいたします……!」
「これ以上、仲間が死ぬのを黙って見過ごすわけには参りませんわ!」
森人少女ちゃんと令嬢剣士さんが上半身だけの吸血鬼侍ちゃんを助け出そうと駆け寄ってきてくれていますが、無茶ですって2人とも!? 吸血鬼侍ちゃんなら直ぐに復活するから来ちゃダメだって! あ、巨岩のような拳が助け起こそうとする2人を巻き込む範囲で振り下ろされて……!
「≪叡智求めし我が神よ、探求の道妨げし、斯かる脅威を打ち払い給え!!≫」
……不可視の壁が3人の前に展開され、
「どうかお早く、あまり長くは持ちそうにございません……!」
森人少女ちゃん!? いつの間に奇跡を使えるようになったの? いざという時には祈りを捧げるようにと万知神さまが≪
え、こういうシチュだからこそ萌えるって? わかりみ。
令嬢剣士さんが吸血鬼侍ちゃんを抱えて離脱したのを確認し、その祝詞の如く拳を打ち払って後退する森人少女ちゃん。
「主さまをお助けいたしますのが
もう護られるだけの
「あの、仲良きことは
「おうおう、ちみっこが何時にも増してちみっこになっとるが平気なんかの?」
「腹筋が無いのにどうやって大声を出しているのか興味が湧くねご主人様。それであの木偶の坊を倒す算段はついたのかな?」
通常の三倍の速度で駆け寄ってきた鉱人道士さんと、
>「あいつのぶちゃいくなつらにむらまさをぶちこんであるから、それをねらってみんにゃでびりびりさせてみてほしいにゃ」
ちょうど城壁から抜け出してきた
「なるほど、外からの呪文では鎧で弾かれてしまうとしても、刀を通じて内部からでしたら!」
「うん、試してみる価値はありそうだね」
互いの顔を見て頷き、それぞれ構えを取る
「JAGOJAGOJAGO!!」
残った片目で
「「 ≪
「「≪雷鳥よ、青い空飛ぶ雷鳥よ、
放たれた4本の雷光は吸い込まれるように村正へと命中し、
「チェェストォォォォォッ!!」
その体躯からは想像できない程の飛翔でうなじを一閃したのは蜥蜴僧侶さん。よっぽど気に入ったのか【星流れ】で決めてくれましたね。皮一枚残す見事な太刀筋、最期は自重で千切れ、頭部が石畳に打ち付けられました。これはまごうことなき
「
蜥蜴僧侶さんの≪竜吠≫の如き咆哮が城内に響き渡り、生き残っていた僅かなゴブリンたちの戦意を崩壊させました。武器を放り捨てて逃亡を図るも、手ぐすね引いて待ち構えていた
「余所見をする余裕があるとは思えないが?」
「GARAGOB……ッ!」
「
担い手の瞳と同じ赤い閃光を纏った【
「甘い甘い! ゴブリン相手にオルクボルグが本気でタイマン張るとでも思ってんの?」
攻撃の起こりを潰すように妖精弓手ちゃんの矢が頭部に集中し、切り払うために無駄に体力を消耗するばかり。卑怯なとでも言いたそうに唸っていますが、ゴブリン相手に卑怯などという馬鹿馬鹿しいことを言う者はこの場に存在しないでしょう。
「GO、RARARARARAッ!!」
あ、鍔競り合いの体勢から両者の剣が手を離れました! おそらく魔剣の類だと認識したのでしょう、【
「……いい剣だ。俺が使うには勿体無いほどに、な」
真銀の剣は
虚ろな目で見上げる
「俺が、俺たちが、【
……相棒認定されたよ!! やったね【
ゴブスレさんが何かに目覚めかけているようですが、とりあえず見える範囲のゴブリンは始末しました!
隠れているやつがいないとも限らないので城内の掃除も行いたいのですが、人質だった女性たちを早く村まで送り届けないといけませんね。ここは二手に分かれて行動しましょうか。
女魔法使いちゃん、女神官ちゃん、森人狩人さんは呪文の消耗もありますし、女性たちのケアもしてもらいたいので一足先に村へ戻ってもらいます。護衛兼籠担ぎ要因はゴブスレさんと蜥蜴僧侶さん。それから……何故かまだ居残りしている首あり
あの、お疲れならもう
帰還組を送り出し、残ったのは探索に長けた妖精弓手ちゃんと鉱人道士さん、それから漢探知が可能な吸血鬼侍ちゃんです。といってもまだ
「まだ呪文に余裕がありますので、私も連れて行ってくださいませ」
「やつらが何を目的にここを占拠していたのか、それを確かめねば
2人には先に戻ってもらうつもりだったんですけど、付き合ってくれるのならお願いしちゃいましょう。あ、分身ちゃんが呪文を使い切っているので再召喚して奇跡だけでもフル充填しておきたいですね。2人とも、戦闘後で疲れているところ申し訳ないのだけれど、ちょっとだけ吸わせてもらってもいいですか? 吸血鬼侍ちゃんの再生速度が上がりますので。
「はい主さま、必要なだけ吸ってくださって構いません」
「ちょっと!? 服をはだけるのはせめて屋内に入ってからにしてくださいませ!」
吸血鬼侍ちゃんを抱えたまま
「ほぉぉぉ……。こりゃまたど偉い量の
ちゅーちゅーして下半身を生やし、ついで分身ちゃんを再召喚、その後城内の探索へ移った居残り組。想定していた隠れゴブリンの姿は無く、
おそらくこの城そのものが巨大な製錬場だったのでしょう。上層の倉庫や居住区はゴブリンの収奪に遭い武具を持ち出されていましたが、その元となる原料を保管していた地下には気付いていなかったみたいです。鉄や銅といった武具や建材に使われるものから、金や銀、真銀といった延べ棒と呼んでいい代物。そして一番目を引くのは……。
「あれはまさか、この剣と同じ軽銀……!」
令嬢剣士さんが鞘から抜いた家宝の剣と同じ輝きを放つ鋳塊が、他の鉱物に挟まれる形で保管されていました。製錬方法が失伝しているために金よりも高価と言われている軽銀、机上に積まれている数だけでもどれほどの金額になることやら。
「どうするんじゃちみっこ。こいつぁ冒険者の身には余る代物じゃぞ?」
鉱人道士さんの問いかけにも???な様子の吸血鬼侍ちゃん。今いる面子の中で一番目の前の財貨が持つ価値が分かってないですから。もっともこれまでが
「主さま、いま主さまの目の前には国をも動かす「
「あのさ、とりあえず全部持って帰って、落ち着いてから考えればいいじゃない」
あとは帰りがけにゴブリンからも剥ぎ取っておけば問題はないでしょう。飛んでいけばそう遅れずに帰還組と村で合流できるでしょう、分身ちゃんが鉱人道士さんと森人少女ちゃんを、吸血鬼侍ちゃんが残りの2人を抱えて帰ります! わしゃ高いところは嫌じゃとごねる鉱人道士さんを宥めつつ低空を進む2つの影。帰還組の足跡を目印に、村への帰路に着きました。
その後村で一泊し、翌日馬車に保護した女性を乗せ辺境の街へ。被害に遭った女性たちは地母神の神殿で預かってもらい、ようやく一党はギルドへと帰ってきました。
ギルド前に到着したところで首あり
……ギルドでは受付嬢さんと監督官さんが素敵な笑みを浮かべた仁王立ちで迎えてくれました。すっかり忘れていましたが、今回依頼を受けて令嬢剣士さんの救出に向かったわけじゃないんですよね。銀等級を筆頭に優秀な冒険者が半月近く音信不通になったら、そりゃ怒りますわ……。
森人少女ちゃんによる≪
追い打ちをかけるようで申し訳ないですが、例のブツについても報告しないとですね。あのう監督官さん、実はもう一つお話ししたいことが。ええ、遺跡で発見した宝物なんですけど、貴重な貴金属を含む
はい、勝手に市場に流したり鍛冶場に持ち込んだりしないで早急に目録を作成します。その後、陛下にお伺いを立てて買い取ってもらうか適切な代価をいただくよう努めます。ですからその
「ん? 今何でもするって言ったわよね?」
……あっ(察し)
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
早速ケーキを食べるので失踪します。
いつも誤字脱字のご連絡ありがとうございます。
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お読みいただきありがとうございました。