ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ   作:夜鳥空

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ケーキが美味しかったので初投稿です。



セッションその6 いんたーみっしょん

 何でもするって言ってしまった者の末路を描く実況プレイ、はーじまーるよー。

 

 

 前回、冒険から帰還した吸血鬼侍ちゃん。          

 疲れからか、不幸にもギルドの職員に失言してしまう。

 本体をかばいすべての責任を負った分身ちゃんに対し、

 ≪看破≫の使い手、監督官が言い渡した示談の条件とは……。

 

 

 

 

 

 

 

「「みんな、がんばってゴブリンをたいじしてにゃー」」

 

 

 

 いえ、別に分身ちゃんが庇ったわけでもないですし、2人とも素直に監督官さんの言うことを聞いてるんですけどね猿渡さん(挨拶)

 

 厳冬期となり、集落に蓄えられた食料を狙うゴブリン退治くらいしか依頼の無いボードの前で声掛けを行っている2人の獣人(パットフット)? フリル過多の衣装とネコミミ、ネコ尻尾を装備し手には看板を掲げています。その内容はというと……。

 

 

 春までの限定サービス!

 ゴブリン退治を成功させた冒険者の皆さまに、

 当ギルドで大人気の吸血姫(ヴァンパイアプリンセス)が熱いベーゼ(ちゅー)をプレゼント!

 希望者にはなんと2人同時サービスも!!

 ※死んだら元も子もありません。献血はちゃんと期間を空け、安全マージンを考えましょう。

 

 

 衝立の向こう側で悠然と右手を上げて(完全勝利した)勝利のポーズを決めている監督官さん(監督官さんUC)に軽い殺意を覚えないわけではありませんが、もっとヤバいことを要求されるよりはマシだったと考えたほうが建設的でしょうね。……クソッ、なんて時代だ!!

 

 

 

 遺跡から大量の鋳塊(インゴット)を持ち帰って一週間が経過し、それから毎日この格好を続けている吸血鬼侍ちゃん。献血量が増えたので体調は良さそうですが、毎日大量のゴブリン退治をこなしてくる槍ニキとその後ろで微笑んでいる魔女パイセンから恐怖を感じる日々が続いています。槍ニキもなんというか、娼館とかで発散するほうが建設的じゃないですか? え、それは魔女パイセンに悪いって……あっ(察し)

 

 どうやら魔女パイセンは上手くヤったみたいですね! この献血もきっと夜のスパイス(意味深)みたいなものなんでしょう。逆にぱったりと来なくなったのは重戦士さん。少年斥候くんと新米剣士くんが入れ込む姿を、少女巫術師()()と見習聖女ちゃんが汚物を見る目で眺めているのを目撃してから足を運ばなくなったみたいです。これには女騎士さんもニッコリ。

 

 

 

 森人少女ちゃんの≪託宣(ハンドアウト)≫に付き合ってもらう形で冒険に赴いたために、前回なんと全員無報酬で働いてもらってしまっていたという事実。目録は作成途中なのですが、金銭に換算するとかなりヤベーイ金額になるのはもはや確定的に明らか。相談の結果、可能な限りみんなの要求に沿う形で報酬をお渡しすることになりました。

 

 

 

 

 

 ①ゴブスレさん:金の延べ棒

 

 しょっぱなから≪核撃(フュージョンブラスト)≫級の一撃ですが、ゴブスレさんの要求はまさかの金の延べ棒! 一党全員が先の戦闘で頭を強く打っていたのかと慌てましたが、怖ろしいことに正気でした。

 

 インゴットを背嚢に納め、ギルドを出て行くゴブスレさん。彼を見送った後には、吸血鬼侍ちゃんよりも恐ろしい化け物を見たという表情の一党が取り残され、事態の推移を待つばかり。

 

 その後三日ほど姿を見せなかったゴブスレさんですが、四日目の早朝納品に訪れた()()()()()牛飼娘さんと、その左手薬指に光る金色によって皆が察しました。

 

「朝食の席で突然延べ棒をテーブルに置いたときはとうとう気が触れたのかって伯父さんが慌ててたけど、これで指輪を作る、サイズが分からんから一緒に来てくれって言われたときは思わず笑っちゃった!!」

 

 2人のペアリングを作って、残りは牧場の運営資金にするんだと幸せいっぱいの牛飼娘さん。結婚式は春になってから執り行うそうですが、それまでお腹が膨らまないかが心配ですね……。

 

 

 

 

 

 

 

 受付嬢さん? 吸血鬼侍ちゃんのクリアランスには閲覧を許可されていない情報です。

 

 

 

 

 

 ②女神官ちゃん:なし

 

 正確には違うのですが、女神官ちゃん個人は清貧を旨とする教義のため報酬は受け取らないという形に。代わりに貧乏貴族の三男坊(国王陛下)から孤児院に寄付が届く段取りになっているそうです。また、牧場の事業拡大に伴う従業員募集に孤児院の子供たちを雇ってもらえるよう牛飼娘さんと話し合ったみたいですね。

 

 後日、女魔法使いちゃんが酒の席でゴブスレさんのことは諦めたのか聞いてみたところ、地母神様は一夜の恋を否定されておりませんという返答がきたそうです。……頑張れゴブスレさん!

 

 

 

 ③妖精弓手ちゃん:お引越し

 

 どうも先の温泉でお風呂が気に入ったようで、毎日のように吸血鬼侍ちゃん一党の家に上がり込むようになった妖精弓手ちゃん。入浴後、冷えると風邪をひくからと言いながら泊まっていく日々が続き、結局住み着くようになりました。

 

 かねてから汚部屋を清掃員から注意されていたらしく、いい機会だから引っ越すわーと言い出したので、それを報酬にさせました。依頼の無い日は昼までベッドの中、起きてもすぐに新しく用意した炬燵に入り込み、森人少女ちゃんから甲斐甲斐しくお世話されるという悠々自適を通り越し自堕落極まりない生活を送っています。

 

 吸血鬼侍ちゃんがお風呂に入っているところに乱入してきたり、あんた体温低くて寒いのよと言いながらベッドに潜り込んでくるようになったのですが、何なのだ、これは! どうすればいいのだ?!(DOD並感)

 

 

 

 ④鉱人道士さん:軽銀の鋳塊(インゴット)と樽酒

 

 こちらも正確には樽酒のみですね。軽銀の鋳塊(インゴット)は鉱人の里へ送り、失われた精錬技術を蘇らせる切っ掛けにしたいとのことでした。流石にそれだけでは申し訳なかったので、≪手袋≫に格納していた余剰物資から好みの銘柄の樽酒をプレゼントしたところ喜んでもらえました。

 

 また報酬とは別に森人少女ちゃんと合わせて精霊術用の上等な触媒が欲しいということでしたので、練習用も含めてたっぷり預けておきました。ちょっと今森人少女ちゃんが忙しくて修行ができていませんが、山を越えたらまたお願いしたいところですね。

 

 

 

 ⑤蜥蜴僧侶さん:魔神養殖&魔神の核(懐炉用)

 

 やはり寒さで身体が思うように動かないのがもどかしいようで、女魔法使いちゃんの爆発金槌に組み込まれているものと同様の魔神の核をご所望でした。手早く狩って渡そうと思っていたのですが、養殖から参加したいということなので2人でキャッキャッしながら魔神狩り。

 

 途中で炎の鞭と大剣を持ったでっかいヤツ(ヴァララカール)が出てきましたが、どうやら迷宮(まよキン)産だったらしく先手を取ってワンターンキル。魔神の核と一緒に落としていった、やたら美味しそうな固形物(パワー餌)を2人でポリポリからの「甘露!」×2 なんだかちょっと強くなったような気がします。

 

 魔神の核はギルドの武具店の店主(じいじ)にお願いして懐炉の熱源に加工してもらい、蜥蜴僧侶さんに完成品をプレゼント。24時間持続するので、これで寒い日も安心ですね!

 

 

 

 ⑥令嬢剣士さん:一党(パーティ)への参加と、王国及び実家へのプレゼン準備のヘルプ

 

 まさか一党(パーティ)への合流をお願いされるとは思いませんでした。

 

 小鬼聖騎士(パラディン)によってすべてを失うことも無く、一党は助けられませんでしたが初めての冒険を生き延びた令嬢剣士さん。覚知神の呪いは受けず、このまま冒険者を続けていくつもりのようですが、やはり仲間を失ったことで新人育成の必要性を痛感し、現状を変えたいと決意。今回入手した報酬を生かす方法を一緒に考えて欲しいというのが彼女の願いでした。

 

 この考えに真っ先に賛同した森人少女ちゃん。監督官さんを巻き込んで、かつてギルドが計画していた訓練場建設計画の草案を発掘。冒険者の教育と後進育成の必要性、運営に必要な資金や物資の持続的供給に関する計画書を作成中とのこと。

 

 基本的には今回発見した莫大な金属材を国に預け、それを担保に資金を強請り運転資金にするつもりのようです。国としても供給バランスが崩れることは避けたいでしょうし、タダみたいな元手で今後何十年ぶんにもなる金属材が手に入るのですから、交渉の落としどころは十分にあるでしょう。おまけに鋳塊(インゴット)はまだ吸血鬼侍ちゃんの≪手袋≫に全て収まったままですし、ね。

 

 

 

 

 ⑦森人狩人さん:軽銀製の戦棍(メイス)(鉱人の里に発注)

 

 令嬢剣士さんの持つ軽銀の剣を見て思うところがあったのか、鉱人道士さんが里に送った軽銀の鋳塊(インゴット)から戦棍を作って欲しいというのがお願いでした。雷光属性との相性は抜群なので、森人狩人さんの決め技である雷光を纏った戦棍(トニトルス)の威力はぐーんと上がるでしょう。

 

 いや、正直ちょっと口には出せないようなお願いをされると覚悟してたんですが、信じてましたよ森人狩人さん! え、そういうのは普通に頼めばやってくれるんだよねって?

 

 クソッ、これだから白粉(おしろい)塗っているような奴は!!(スケベ森人(エロフ)に対する最大級の罵倒)

 

 

 

 ⑧森人少女ちゃん:吸血鬼侍ちゃん(主さま)三日分(()()()()()()()

 

 はい。2発目の≪核撃(フュージョンブラスト)≫は森人少女ちゃんでした。

 

 報酬の話を持ち掛けた際、自宅に戻ってから一党の中で真っ先に出てきた願いがこれです。初の冒険に酔ってちょっと変なことを言い始めたのかと思いましたが、内容はいじらしい乙女心に溢れているものでした。ええ、溢れすぎて重さを感じるほどに。

 

 

 

「初めて血を吸っていただいた時のように、身も心も、魂すら融け堕ちるほど愛してくださいませ」

 

 

 

「重ねてお願いいたします。どうか指輪を付け、ゴブリンに穢された記憶を塗り潰すほどに求めてくださいませ」

 

 

 

「そして、もし叶うならば。どうかこの時だけは、()()()()()()(わたくし)だけを見てくださいませ……」

 

 

 

 

 ……こんな殺し文句を言われて滾らない(おとこ)がいるでしょうか?

 

 人外の速さで森人少女ちゃんを抱き上げ来客用寝室に走る吸血鬼侍ちゃん。分身ちゃんはあっけにとられた様子の女魔法使いちゃんと令嬢剣士さんに、これから三日間余計な侵入者が現れないよう頼み込み、続いて駆け込むように入室、からの施錠コンボ。

 

 予想通りちょっかいを掛けてきた森人狩人さんと、半月放置されて我慢の限界だった剣の乙女は只人2人と入浴しにやって来た妖精弓手ちゃんによって撃退され、誰にも邪魔されることなく吸血鬼侍ちゃんと分身ちゃん、2人がかりで徹底的にちゅーちゅーされた森人少女ちゃん。

 

 四日目の朝、リビングで様子を窺っていた一党の前に姿を現したときの表情からは今まで僅かに残っていた暗い雰囲気は消え去り、見た目相応のちょっと幼い、でも女性らしさを感じさせる笑顔が浮かんでいるのでした。

 

 

 

 ⑨:剣の乙女……?

 

 いや、なんで??? 関係ないじゃないですか貴女は。

 半月も放置されて寂しかった? それは悪いと思いますけど、人助けだったんだからしょうがないでしょ? そんなふくれっ面になってもダメですよ、可愛いけど。

 

 構ってくれたら令嬢剣士さんの計画に手を貸してくれる? うわ汚っ!? これだから権力者ってヤツは! ……いや冗談ですって。嬉しいですよ? だからそんな泣かないで……。

 

 罰として一晩ちゅーちゅーすることを要求するって、まぁいいですけど。その手に持っているカチューシャ(イヌミミ)と首輪付きリードは何ですか? 神殿の宝物庫にあった物ですって、え、まさか吸血鬼侍ちゃんに着けろって言うんじゃ。嘘、剣の乙女(そっち)が付けて吸血鬼侍ちゃんがリードを持つの? ちょっとマニアック過ぎやしませんかねぇ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご、ご主人様に可愛がって欲しいわん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この後分身ちゃんと2人がかりで一晩中ちゅーちゅーしました。

 分身ちゃん曰く「しんせんで、すっごいこうふんした」そうです……。

 

 

 

 

 ⑩女魔法使いちゃん:???

 

 はい、そんな感じで昼はギルドのマスコット(監督官さんの玩具)、夜はちゅーちゅーする生活を送っていた吸血鬼侍ちゃん。途中から寝泊まりを始めた妖精弓手ちゃんから、只人(ヒューム)ばりに発情してんじゃないわよみっともない! というお叱りを受けてスケベ森人(エロフ)2人と流れ弾で剣の乙女が轟沈。

 爛れた生活を目撃して思考停止状態の令嬢剣士さんの肩を叩き、どうせみんなああなるのと優しく告げる女魔法使いちゃんがいたりしました。

 

 なおネコミミ吸血姫によるドキドキ献血キャンペーンですが、血を抜きすぎて依頼中にぶっ倒れた辺境最強(槍ニキ)が発生したために支部長から禁止が言い渡されました。まあ、そうなるな。

 

 

 

 

「しっかし、こうも依頼が無いと暇でしょうがないわねぇ」

 

 人数が増えたので新たに追加した炬燵に入り、胡坐の上に吸血鬼侍ちゃんを抱えながら分身ちゃんの淹れた茶をすする妖精弓手ちゃん。運動不足は美容の大敵、早速……と言いながら分身ちゃんを持ち逃げしようとする森人狩人さんの足を炬燵の中で器用にロックし、慎みを持てって言ってるでしょと相変わらず効果の薄いお小言を。

 

「そんなに暇してるんだったら、ちょっと付き合ってくれないかしら?」

 

 おや、ギルドに顔を出しに行ってた女魔法使いちゃんが戻ってきました。令嬢剣士さんと森人少女ちゃんは例の計画書のために監督官さんと毎日顔を突き合わせていますが、それ以外の面子は順番に面白い、あるいは緊急の依頼がないか確認に行く程度です。今日は女魔法使いちゃんの日でしたが、何かありました?

 

 「半鬼人先生(せんせい)からの指名依頼。場所はこの近くの知識神の文庫(ふみくら)で、内容は資料調査。ついでに修道女の様子も見て来てくれって」

 

 報酬は安いけど、暇してんなら来る? という女魔法使いちゃんに、伸びをしながら同行を告げるのは妖精弓手ちゃん。寒いから分身ちゃんと一緒に留守番してるよとのたまうのが森人狩人さん。いや、時間短縮のために2人とも抱えて飛ぶから分身ちゃんも連れて行きますからね?

 

 あんまり家に閉じこもっていても獣に貪られるだけですし、ここはひとつ気分転換に図書館へ。もしかしたら吸血鬼、デイライトウォーカーに関する情報があるかもしれません。久しぶりな少人数での行動ですが、寒さに負けないよう張り切っていきましょう!

 

 

 

 

 今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 




ケーキがなくなったので失踪します。

いつも誤字脱字のご連絡ありがとうございます。
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お読みいただきありがとうございました。


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