ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
あれ、ちょっとなにしてるんですか
そもそも
GMとしても、油が一滴でも残ると今後の
えー、はい! 前回吸血鬼侍ちゃんがサビ残に召喚されたところから再開です!!
吸血鬼侍ちゃんの召喚された場所は、予想通り勇者ちゃん一党の
荒れ果てた岩肌が広がる地底世界。闇に閉ざされた中に蠢く無数の赤い目は全て汚染されたモンスターです。時折視界内で輝く白い光は勇者ちゃんの一撃でしょうか。一瞬だけ赤い光の海に空白が生まれますが、すぐさま押し寄せるモンスターによってその隙間は塞がれてしまいます。
「召喚には成功したようですが……おや、その左腕は何処に落としてきたのです?」
>「ちょっとあぶらにしんしょくされそうになったから、じぶんでひきちぎったの」
「成程、
剣聖さんに守られながら吸血鬼侍ちゃんを召喚していた賢者ちゃん。左腕を失くしたままの姿を見て目を丸くしています。残念ながら今の吸血鬼侍ちゃんは戦闘力が半減しているようなものですからね。ちょっと期待外れだったのかもしれません。
「思ったとおり上にも汚染が広がっていたのです。見えますか? アレが
賢者ちゃんが杖で指し示す先、無数のモンスターに守られた一角にソレは悠然と構えていました。有角の女性的な上半身と、牙の生えた大きな口を備えた甲殻類を連想させる下半身。本来は全身を覆っていたであろう外骨格は無残にひび割れ、そこからあの忌々しい油を滲ませています。周囲に機械と肉が融合した配下を次々と生み出し、数の暴力で押し潰そうとする戦略。おそらくあの個体が例の
「配下のモンスター、単体では脅威ではないのだが幾ら倒しても復活してきてキリがない。今は
「あの蟹女が延々と蘇生し続けているのは分かっているのですが、既に土地を半ばまで汚染されていて、そこから無尽蔵の魔力を生成しているのです」
なるほどー、たしかに勇者ちゃんの一撃で軍団規模で吹き飛ばされてますが、バラバラになった身体が汚染された地面に接触した途端に再生が始まってますね。別の個体の四肢が強引に繋ぎ合わされ、新たな生命として活動を開始する死体だったもの。
「あーもう! ねえまだ対抗策は思いつかないのー!?」
流石の勇者ちゃんも押し寄せる敵の数に辟易しているのか、いつもの明るい顔はどこへやら。面倒くさそうに軍勢を薙ぎ払い続けています。身体に纏う
「あの子を休ませるための交代要員として
うーむ、珍しく賢者ちゃんが溜息を吐いてますねぇ。気まずそうに残ったほうの手で頬をポリポリと掻いている吸血鬼侍ちゃん。そろそろ状況を動かしてみましょうか。お願いします万知神さん!
>「あ……」
「どうしたのです? なにか良い案でも……≪
>「うん、あのあぶら、かみさまたちもこまってるみたい。ここでみんなまとめてけしちゃいたいんだって。……しょうもうしきってたおれるとおもうから、そのあとはまかせてもいい?」
虚空を見上げていた吸血鬼侍ちゃんを見て、≪
「どうやらそれ以外の方法は無さそうなのです。あとの始末は我々が行うので、ここは任せるのです。……魔力は必要なのですか?」
>「ひとくちだけ、すってもいい? ……ごめんね」
「こういうときは謝罪ではなく感謝が適しているのです……ひぅ……ん……ぁ……」
>「ん、ありがと。……それじゃちょっとはなれててね?」
はだけた服を戻しながら心配そうに見つめる賢者ちゃんに笑みを返し、前に進み出る吸血鬼侍ちゃん。新たな獲物に気付いて油を滴らせた異形が襲い掛かってきますが、剣聖さんの飛ぶ斬撃によってその悉くが肉片へと変えられていきます。
>「
村正を抜き、自分の喉元を切り裂く吸血鬼侍ちゃん。夥しい血が地面へと零れ、複雑な魔法陣を描いていきます。同時に唱え始められる奇跡を乞い願う詠唱。万知神への祈りの声が響き、それを
「
≪
>「くぅ……あぁ……! ≪偽りの力に染まりし大地よ、狂気の月に照らされ、己が真実の姿を思い出せ≫ ≪そして恐怖せよ この世界に汝らの住まう場所など在りはしないのだから≫」
吸血鬼侍ちゃんの詠唱が終わると同時に、地底世界の天井に走る無数の亀裂。空間を割って現れたのは地下からは見える筈の無い夜空です。星を覆い隠す灰色の雲、その
「Praeeeeeetoooooor!?!?!?」
お、
それは 唐突に紅い月から降り立って来た
ヒトに似た だが決してヒトのものでは無い体躯
骨と 肉と 触手によって編み上げられた異形の姿
顔らしき部分には何も無く 空虚な
だが その場にいた誰もが感じ取っていた
その無貌は 決して無表情などではなく
その場にいた全てを 自分自身ですら嘲笑っているのだと……
「「「「「Phyyyyyyreeeeee!?」」」」」
重力なぞ関係ないと言わんばかりに悠然と降りてくる
「まったく、なんてモノを召喚するのです!? ……まぁ、これで逃げ出すための門を閉じることが出来るのです」
そして、
「Prae……toooooor!!」
げ、死に体の法務官が何やらイヤーな
ぶちり ぶちり ぶちり
>「う……ぁ……」
「!? しま……っ!」
「この、いい加減に斃れろぉぉぉぉぉお!!」
虚空より出現した無数の腕が吸血鬼侍ちゃんに群がり、既に失っていた左腕を除く四肢を無理矢理もぎ取っていきました。痛みに強い吸血鬼侍ちゃんも、こう立て続けに欠損が続くと流石に堪えたのか、小さく呻き声をあげ地面に落下してしまいました。
慌てて吸血鬼侍ちゃんを拾い上げようとした
お疲れ様です、満足しました? ああ、それはなにより。
あ、狙っていた賢者ちゃんを殺せなかった法務官がさらに≪
「なんでそんな身体で無茶をするのですか!? これじゃ損傷が酷すぎるのです!!」
吸血鬼侍ちゃんを抱き起こし、四肢をすべて失った小さな姿を見て息をのむ賢者ちゃん。吸血鬼侍ちゃんも意識がはっきりしないのか、返事もせず浅い呼吸を繰り返しています。ただでさえ再生が遅くなっているところにダメージが蓄積して、結構危険な状態になってしまったみたいですね。傷を治そうにも≪
「たしか彼女には回復の奇跡はダメだったのだな。どうにか治す方法はないのか?」
「……私では生命力が不足しているのです。2人とも、少し血を分けて欲しいのです」
「それでこの子が元気になるの? ならいいよ!」
「わかった……噛みついてきたりしないよな?」
それぞれの得物で指先を傷付け、血の滲みだしたそれを吸血鬼侍ちゃんの口にそっと近づける2人。生命力溢れる匂いに惹かれたのか、差し出されたそれをあむっと咥えしゃぶり始めました。指先に感じる舌の感触がくすぐったいのか、2人ともどこか落ち着かなさそうな顔をしていますね。
「うひぃ! ちょっとくすぐったいかも!!」
「むう、意識のないままこれ程の技巧を魅せるとは……まさにテクニシャンというヤツだな」
いや、それはちょっと違うんじゃないでしょうか剣聖さん。あ、でも2人の血のおかげか、吸血鬼侍ちゃんの再生が始まったみたいです! 欠損部位から徐々に四肢が形成されていますが、流石に服までは追い付かないのでしょうか、青白い手足が剥き出しのままです。とりあえず身体を優先して再生しているみたいですね。
「これでガワはなんとかなったのです。あとは
大きめのぬいぐるみを抱えるように吸血鬼侍ちゃんを抱き上げ、≪転移≫の術式を起動する賢者ちゃん。よかった、森人の森まで送っていってもらえるみたいです。まあ古老たちに報告もあるでしょうし、そのついでなのかもしれません。相変わらず気絶したままですが、おそらく分身ちゃんの維持も途中で切れてしまっているでしょう。心配をかけちゃったぶん、みんなからのお説教が待っているのかなぁ……。
>「……んゆ?」
「……あ、や~っと起きたわね。この寝坊助め」
お、前髪を弄られる感触に反応して、漸く吸血鬼侍ちゃんが意識を取り戻しましたね。ふかふかの草が集まって出来たベッドに横たわったまま、目だけを動かして辺りを確認しています。
声のするほうに目を向ければ、そこには同じベッドに横たわる妖精弓手ちゃんの一糸纏わぬ姿。自然が生み出した造形に囲まれ、その美しさは普段よりも輝いているように思えます。寝ている間に脱がされたのか、同じく全裸だった吸血鬼侍ちゃんも思わず感想を漏らしてしまってますね。
>「きれい……」
「とーぜんよ! なにせ此処は森人の住まう場所。周囲の自然から生気を貰って、髪色も肌艶も良くなるんだから。……でもありがと」
再生した四肢に違和感が無いか確かめるように僅かに動かす吸血鬼侍ちゃんを抱き締め、頬擦りをする妖精弓手ちゃん。暫くそうして満足したのか顔を離し、代わりに両手で吸血鬼侍ちゃんの顔を固定しながらジト目で見据えています。
「ちっこいのが
>「おあ~……」
分けてもらった生命力をこのベッドに集める術式を組んだのは
「ねえ、なんであの時私を庇ったの? アレは油断してた私が悪かったの。ちっこいのが傷つく必要なんて無かったのに」
>「? まもるほうほうがあったから、まもりたいひとをまもっただけだよ???」
「―――――ッ!? だからって、それで死んだら元も子もないじゃない!? あんた、あれだけ好き勝手女の子を惚れさせておいて、先に死ぬなんて許さないって言ったでしょ!!」
>「でも、そこでためらってたいせつなひとをまもれないのは、もっといや。またおなじことがあっても、ぜったいまもるから」
吸血鬼侍ちゃんをベッドに押し倒し、覆い被さるような体勢で問い詰める妖精弓手ちゃん。顔に落ちてくる水滴とともに、その鬼気迫る視線を受け止める吸血鬼侍ちゃん。そっと妖精弓手ちゃんの頭に手を伸ばし、自らの平坦な胸に抱き寄せました。
>「だいじょうぶ、ぼくはぜったいにしなないよ。だって、きみとやくそくしたから。……だから、そんなになかないで?」
「……うっさい、泣いてなんかないわよぅ」
あやすように背をポンポンと叩かれる妖精弓手ちゃん。誤魔化すように顔を薄い胸に擦り付けていますが、吸血鬼侍ちゃんがそこに感じる熱い水はいったい何処から流れているんでしょうかね?
>「おちついた? もうだいじょうぶ?」
「……うん。恥ずかしいとこ見せちゃったわね」
ベッドに座り込んだ姿勢の吸血鬼侍ちゃんに膝枕され、頭を撫でられていた妖精弓手ちゃん。どうやら落ち着いたみたいです。ちょっと恥ずかし気に口を尖らせていますが、その特徴的な長耳がピコピコ動いているあたりまんざらでもなさそうですね。
「ねえちっこいの、この前話していた
>「どうして?」
「この居心地の良い世界をずっと続けたいってのが本音かしら。それに、ちっこいのは気にしなくても、あんまり外見年齢が離れるのは嫌みたいじゃない。特におっぱい大司教とか」
>「あ~、うん」
私を含めた森人3人で、あんたともう3人くらい
>「こんど、ちゃんとはなしてみるね。かみさまともそうだんしないといけないだろうし」
「神が人の恋路を邪魔するってんなら、ちっこいのが引っ叩きに行ってあげなさいよ。それが惚れさせたやつの甲斐性ってもんでしょ?」
ですって至高神さん! え? ちょっと考えさせてって、いやまさか本気で……?
ぐ~きゅるるるる
>「おなかすいた……」
「まあ3日も寝てたらそうでしょうね。待ってなさい、ずっと宴会を続けている連中から適当なのを連れて……どうしたのよちっこいの?」
吸血鬼侍ちゃんのお腹の音を聞いて人を呼びに行こうとする妖精弓手ちゃん。不意に手を掴まれて振り返れば、吸血鬼侍ちゃんがじっとその顔を見つめています。怪訝そうに問いかける妖精弓手ちゃんに、暫く視線を彷徨わせたのち、何かを決心した顔で言葉を紡ぎ出しました。
>「きみがいい」
>「きみのちがいい」
>「……きみが、ほしい」
「ふぁっ!?」
突然の告白にボフっと顔を真っ赤にする妖精弓手ちゃん。狼狽えながらも年上の威厳を保とうと必死に取り繕い、緩む頬を隠すようにぶっきらぼうに口を開きます。
「へ、へえ……。それって、餌として私が欲しいって事? それとも、女としてかしら?」
私、そんな安い女じゃないわよと言わんばかりの言葉ですが、残念ながら吸血鬼侍ちゃんの答えはシンプルでした。
>「すべて」
「ふぇ?」
>「みもこころもたましいも、すべてほしい」
「――――――――――――――――ッ!?!?」
>「きみのすべてを、ぼくにちょうだい?」
ぷしゅ~
ふらつく妖精弓手ちゃんの腕を取り、草のベッドに引っ張り込む吸血鬼侍ちゃん。されるがままの妖精弓手ちゃんの肢体に牙と舌を滑らせ、さわさわと刺激を与えています。お、牙が長耳に到達したところでやっと再起動し、両手で吸血鬼侍ちゃんの肩を押さえて引き剥がしました!
猫のように荒く息を吐き、上気した顔で睨みつける妖精弓手ちゃん。その目にはうっすらと涙が浮かんでいます。一点集中で精神を突き崩されて、果たして立ち直れるでしょうか!
「……いいわ、私の全てをあんたにあげる。その代わり、私もあんたからひとつ、あるものを貰うから」
>「な~に?」
「……あんたの『終わり』を頂戴。私が死ぬまで絶対に返さないわ」
>「ん、わかった。ぼくは、きみがいきるのをやめるまで、ぜったいにおわらないから」
うーん、このフェアなようでフェアじゃない取引。でも、お互いが納得しているなら公平ですよね! あーもう私の負けよと騒ぎながら吸血鬼侍ちゃんを抱きかかえ、ベッドの上を転がりまわる妖精弓手ちゃん。吸血鬼侍ちゃんを下にした状態で転がるのを止め、その顔を覗き込んでいます。
「50年や100年くらい私たち以外の女に浮気したっていいわ。待つのは辛いかしれないけど、私たちには永遠に近い時間があるんだもの。……でも、眷属にするのはあの3人だけにしといてちょうだい? あんまり増えても養いきれないんだから!」
>「うわきなんてしないよ?」
「どーだか。どうせまたおっぱいの大きい女を見付けたら粉をかけるに……ひゃん!?」
>「ぼくは、おっきのもちっちゃいのも、ぺったんこもすきなの。んちゅ……ちゅっ……ちゅう……くふぅ」
拗ね始めた妖精弓手ちゃんを黙らせるようにちゅ~ちゅ~する吸血鬼侍ちゃん。穢れを知らないピュアな2000歳児ではその刺激に耐えきれず、あっという間に出来上がってしまいました。
影の触手で部屋の隅に纏められていた荷物から≪手袋≫を引き寄せて指輪を取り出し、自分の指に嵌める吸血鬼侍ちゃん。温泉の時とは逆に、自らに妖精弓手ちゃんを乗せるような形に抱き寄せています。
>「できるだけやさしくするけど、いたかったらごめん」
「ふふっ、いいわよ痛くても。……好きよ、私の
>「
「今度
>「わかった。……んむぅ……ちゅ……ちゅっ……」
唇同士が触れ合う水っぽい音が響く中、少しづつ近付く2人の身体。やがてそれは一つに重なり……。
「あ、これやばいかも……」
>「……ごめん、やっぱりいたかった?」
「いや、痛いは痛いんだけど……。うわ、なんていうか、精神的な満足感? 幸福感がヤバいわね。繋がってるだけなのに、顔がにやけてくるのが自分でもわかるもの……ちゅ……」
>「んむぅ……ぼくも。ぎゅってしたときにむねからきこえるこどう、すごくほっとする」
「シルマリルこそ平気なの? 分身ちゃんが
>「あれは、いやなきおくをうわがきするためにふたりがのぞんでいるから。ぼくはこのままでもじゅうぶんしあわせ……んちゅ……」
「んむ……ぷぁ……そっか。……シルマリルが良ければ、このままお話ししましょ? あんたが今まで見てきたこと、感じたこと。それにこれから何がしたいのか。話題はいくらでもあるわよ?」
>「うん、ぼくもききたい。きみがみてきたたくさんのひとのこと、きみがかんじてきたたくさんのおもいでのこと」
「もう、一晩じゃ話し終わるわけないでしょ、二千年分もあるんだから」
>「だったら、つづきはまたこんど。それでもおわらなかったら、そのまたつぎに……ね?」
「そんなにあんたを独占してたら他の
>「うん。かならずやくそくはまもる。……ぜったいにみんなしあわせにするから」
「ええそうね、みんな幸せになるんだから。……もちろん、あんたも幸せにしてあげるわ。私たち全員でね!」
「……で、そのまま朝まで語り明かした挙句、エロガキが目覚めたことも知らせずに2人とも寝こけてたってわけね……」
「ご、ごめんなさい……」
「ご、ごめんなさい……」
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
鼻水と鼻詰まりが酷いので失踪します。
いつも誤字脱字のご連絡ありがとうございます。
お気に入り登録や感想、評価についても執筆速度が上がりますのでよろしくお願いいたします。
お読みいただきありがとうございました。