ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ   作:夜鳥空

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 週一を維持していきたいので初投稿です。



セッションその10-3

 前回、太陽万歳!したところから再開です。

 

 雲の合間から差し込む光に照らされ、燦然と輝く大小ふたつの。当然アホみたいに目立つ訳でして……。

 

「シルマリルのその恰好久しぶりに見たわねぇ。じゃなくて、あの銀髪娘が集合かけてるからこっち来なさい」

 

「おお、密偵殿が来ているのか! では俺も同行しよう!!」

 

「ワン!」

 

 吸血鬼侍ちゃんをひょいと抱え上げ、みんなが集まっている一角へ歩く妖精弓手ちゃんと、その後ろに続く聖騎士さん&わんこ(狼)。傍から見たらめっちゃ味わい深い光景ですね。ん? 妖精弓手ちゃんが抱えた吸血鬼侍ちゃんの首筋に顔を近付けて鼻をスンスンさせてます。

 

「むぅ……あの2人の匂いがする」

 

 あ、これはいけません。やむを得ない事情があったとはいえ2人にちゅーちゅーされていたのは事実。半目で睨んでくる妖精弓手ちゃんのヤキモチは可愛いですが、戦闘前にやる気がダウンするのは好ましくありません。オロオロしている吸血鬼侍ちゃんを見て、溜息を吐いた妖精弓手ちゃんがそっと吸血鬼侍ちゃんの前髪を掻き上げ、露出したオデコに自分のそれをくっつけて囁いています。

 

「まぁ、あの森人義姉妹(エロフ2人)と違って理由もなく致す事は無いでしょうし、言いたくないなら言わなくていいわ。でも……んっ」

 

 言い淀んでしまった妖精弓手ちゃんの頬を両手で包み、口を塞ぐように唇を重ねた吸血鬼侍ちゃん。後ろの1人と1匹がガン見しているのも構わず、何度も啄むような口付けを敢行しています。頬を染めて口を結んでしまった妖精弓手ちゃんを真っすぐ見つめながら、躊躇いがちに言葉を重ねます。

 

「『しのめいきゅう』からもどったら、かならずぜんぶはなすから。だから、ちょっとだけじかんをちょうだい?」

 

「……しょうがないわねぇ。洗いざらい全部話してもらうわよ? シルマリルが隠していることも、あの2人がそんなことをしてた理由も」

 

 ふぅ、なんとか納得してくれたみたいですね。まぁ後回しにしただけという話もありますが。そんな事を話しているうちにみんなが見えてきました、ブンブン手を振っている勇者ちゃんに、吸血鬼侍ちゃんも両手を振って返しています。周囲には知識神(ライブラ)のヤベェ2人と聖人尼僧さんに率いられた僧兵、それに幌の無い馬車が3台。軽量な高速仕様なアレで『死の迷宮』入り口まで突っ切る算段なんでしょうか? とりあえず銀髪侍女さんに話を聞いてみましょう!

 

 

 

 

「道は用意した! あとは己が意志に従い駆け抜けるのだ!!」

 

「やれやれ、随分張り切っちゃってまぁ。……かく言う僕も結構高揚してるんだけど……ね!」

 

「あの2人も大概デタラメだけど、まわりの僧兵さん達も頭おかしいとは思わないかい、ご主人様?」

 

「うん、かっこいいよね!」

 

 半鬼人先生と傷あり司祭さん、2人の大技によって切り拓かれた道を疾走する3台の馬車。赤いスタチューと氷の結晶が舞い踊る花道を爆走するその周囲を守護するように、屈強な僧兵たちが上半身を微動だにせず脚部を霞む勢い(十傑集走り)で随伴しています。振動を吸収しきれずガタガタと大きく揺れる馬車にチームごとに分乗し、体力・魔力を温存したまま『死の迷宮』入り口へと向かっている最中。突風に吹き飛ばされる塵芥の如くゴブリンが空を舞う光景に、突入組は口を半開きにしたまま空を見上げています。

 

 ヨシ、斥候が集めてきた情報通りですね! 敵の殆どが赤い手の思想に染まったゴブリン、上背があるので目立つオーガやトロルも見えますがその数は少なく、歩兵にとって相性最悪な飛行ユニットも僅かに魔神やガーゴイルと思しき姿が見える程度のようです。

 

 高空から落下して赤いシミとなった同胞の亡骸を踏みしめ、勇敢に、或いは無謀に鉄の剣で斬りかかってきた小鬼の乗り手(ライダー)を乗騎の狼ごと拳で粉砕する僧兵を見て、いつも余裕顔を崩さない森人狩人さんの顔にも一筋の汗が流れています。素手で大立ち回りをしている僧兵を見て瞳をキラキラと輝かせている分身ちゃん。そういえば2人とも男性だと細身イケメンよりも武骨でたくましいタイプが好みでしたもんね。

 

 

 

 制御室奪還組はそんな分身ちゃんを見て緊張をほぐしている様子。他の馬車の様子はどうでしょうか?

 

 

 

「ねえ! どう考えたって只人(ヒューム)が出していい膂力じゃないと思うんだけど、いったいどうなってるワケ!?」

 

 風の音に負けないように大声を出しているのは妖精弓手ちゃん。問いかける先は、涼しい顔で馬車と並走(ダカダカ)している聖人尼僧さんです。匂い立つような色気に惹かれて集まるゴブリンをミンチに変えつつ、血染めの手を頬に添えてあらあらうふふと笑っていらっしゃいます。コワイ!

 

「母なる大地に肌で触れ、その加護を受けているんです。とはいえ彼らはまだまだ修行中の身、どうしても力任せになりがちなんです」

 

 な、なるほど。たしかに彼らと違って聖人尼僧さんはミンチメーカーしている際に力を込めている様子はありませんね。単純な筋力なんかじゃない、もっと凄まじい何かを感じます。

 

「私も力よりも技に重きを置いておりますが、流石にあの境地には達しておりませんの。……ミンチにするだけなら力は必要ありませんし」

 

「お、おう……」

 

「クソ、これだから逸脱者ってのは。……お前はこの状況についてどう思うよ?」

 

「別に、それぞれ得意不得意があるだけだろう。競うより自分の持ち味を生かすことを考えるほうが建設的だ」

 

 ほう、と悩まし気に息を吐く剣の乙女をドン引きした様子で眺める重戦士さんと槍ニキ。三羽烏の残る一羽であるゴブスレさんは……揺れる馬車の上にも拘わらず、装備の点検を行っています。分身ちゃんに連れられて飛行した時は具合悪そうでしたけど、地上走行なら乗り物酔いはしないみたいですね。槍ニキの愚痴にも律儀に返事しているあたり、だいぶ丸くなってきたんだなぁ……。

 

「あんな無茶苦茶している連中がまだ修行中って、その上はどんな化け物がいるってのよぅ……」

 

「あら、気になりますか? うふふ、もうすぐ見られると思いますよ」

 

 馬車の周囲で繰り広げられる非現実的な光景に、若干現実逃避し始めちゃった妖精弓手ちゃん。それに追い打ちをかけるように嫋やかに笑う聖人尼僧さんの口から衝撃の発言が。え? これ以上のトンデモ変態が来るんですか!?

 

 

 

「「「DEMOOOOOOOON!!」」」

 

「「「「「GOBGOBGOBGOBGOB!!」」」」」

 

「ひっ!?」

 

 うわ、上空を旋回していた魔神たちがおかわりのゴブリンを召喚し始めた!? よっぽど酷い環境に留め置かれていたんでしょうか、みな血走った目で涎を垂らし、車上の女子たちに熱い視線を向けています。無遠慮極まりない視線に怯えた声をあげ、思わず剣の乙女に抱き着いちゃった女神官ちゃん可愛いですね。増援として現れた小鬼弓兵(アーチャー)の射かけてくる矢が徐々に馬車を包囲するように近付いて来ています。制御室奪還組と儀式阻止組の馬車は吸血鬼侍ちゃんと分身ちゃんが翼で降り注ぐ矢の悉くを打ち払っていますが、剣の乙女率いる陽動組の馬車は無防備な状態です。

 

「ど、どうしましょう。≪聖壁(プロテクション)≫を……」

 

 焦ったように杖を握りしめ、奇跡を乞おうとする女神官ちゃん。それを制止したのは、危機的な状況にそぐわない、のほほんとした聖人尼僧さんの声でした。

 

「大丈夫です。彼らが来てくれましたから」

 

 聖人尼僧さんが指し示す先、空の彼方から何かが来ています。ひぃふぅみぃ……両手の指には足りない程の集団が、布に包まれた大きな何かを抱えて飛行しているみたいです。困惑した様子の魔神たちを尻目に、馬車の頭上を優雅に旋回する数は9。一斉に抱えていた大きなものを投下しました!

 

 重力に引かれ加速したまま地表に近付き、ゴブリンたちを巻き込んでそのまま着弾! 9つの土煙が立ち込める中で、それぞれ1人づつ歩み出る者たちがいます……。

 

 身体を覆っていた粗末なローブを脱ぎ捨て、現れたのは……ん? なんというか、周囲の僧兵たちに比べるとこう、ふとましいというか、蓄えてるというか……全体的にぽっちゃりしてる男たちです。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。その顔には穏やかな笑みが浮かべられており、見る者の気持ちをほっとさせる不思議ななにかを感じます。彼らはいったい……?

 

「あ、あの方々はもしや……ッ!?」

 

 知っているのか女神官ちゃん!?

 

「小さいころ、神官長さまに聞いたことがあります。厳しい修練を積み、心身ともに鍛え上げられた僧の中でも限られた者だけが就くことの出来る役職。過酷な辺境を巡るために筋肉の上に脂肪を纏い、行く先々で神事を執り行う巡回説教者(サーキットライダー)。その姿は豊潤の象徴、その笑みは母なる大地の優しさの表れ。そしてその振るう力は……ッ!」

 

「「「「「GOBGOBGOB!!」」」」」

 

 折角の雌達を目前にして現れた突然の乱入者に対し、激昂して襲い掛かるゴブリン。雲霞の如く押し寄せるソレを()()()()()()()()()で捌き、突き込まれる毒液滴る刃は太く丸い指の先で止め、或いはその分厚い皮下脂肪でいなしながら馬車の周囲に広い円陣を組むように移動する男たち。その芸術的な動きに修行僧たちは感動の涙を流しています。脚幅を大きく開き大地の力を蓄えるように膝を曲げ腰を落とすと、両膝に手を添え、片方の足を天に伸ばすように高々と持ち上げました!

 

 

 

 

 

「……あらゆる邪気を祓う、大地が持つ≪浄化(ピュアリファイ)≫の力、そのものです!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「≪神々よ、照覧あれ(ごっづ あんど でうす)≫!!」」」」」」

 

 

 

「「「「「GO……!?」」」」」

 

 天高く掲げられた足が振り下ろされ、踏み込まれた地点から広がる清浄なる波動。あらゆる穢れを取り除くそれは、周囲一帯の穢れを浄化していきます。無数に散らばるゴブリンの死体も、刃に塗りたくられていた毒も、そして、()()()()()()()()()。原作でもあった通り、穢れと認識されたものは須らく≪浄化(ピュアリファイ)≫の対象となってしまいます。だから、予め≪託宣(ハンドアウト)≫で告知する必要があったんですね(例の構文)。

 

「……って、こんな地面じゃ馬車で走れないじゃない!? まだ魔神も残ってるしどうすんのよ!?」

 

 穢れを吹き散らかした風が通った後に残されたのは、夥しい量の水。すべてゴブリンが原材料です。秋風で乾燥していた地面が水浸しとなり、うかつに走行すればぬかるみに車輪や足をとられてしまいそうです。非現実的な光景に声を失っていた一行の中で最初に我に返った妖精弓手ちゃんの声が響き、それによって他のみんなも現世に帰ってきました。上空を見れば、危険を察知して逃れた魔神が降下してきており、手駒を失った怒りをぶつけんと迫って来ています! 相棒である太陽の剣を握りしめ、馬車から飛び出んとする勇者ちゃんを止めたのは、聖騎士さんの大きな笑い声でした。

 

「ハッハッハ、心配無用! 頼れる同志がいるからな!! そら、そろそろ降りてくるぞ!」

 

 あ! そういえばふとましい彼ら……巡業力士巡回説教者を運んできた人たちがいましたね! 逆光で良く見えませんが確かに少しずつ降下してきているようです。……いや待って欲しい。翼も無しにどうやって人が空を飛ぶというのだろうか(哲学)。さらっと流してましたけど、見たところ羽根や飛行可能な呪物なんかは持って無さそう。というより、彼ら……もしかして……。

 

 

 

「ねえ、ちょっと私の頬にキスしてくれないかしら」

 

「? いいよ。ちゅ~……」

 

「ああうん、いつもの感触。ということは、私が目にしているのは紛れもなく現実なのね……」

 

 女魔法使いちゃんが遠い目をしていますが、大丈夫、吸血鬼侍ちゃんも含め、誰も事態を理解出来ていませんから。純白のトーガをはためかせ、ゆっくりと降りてくる9つの人影。筋肉の上に程よく脂肪が付いた肉体は、ギリシャ彫刻を思わせる色気を感じさせるものです。

 

 謎の光(教育的配慮)によってカバーされてますが、おそらくトーガの下は履いていないのでしょう。勇者ちゃんの目を剣聖さんと賢者ちゃんが手で覆ってます。そしてその顔は、聖騎士さんが身に着けているものと同じグレートヘルム(バケツ兜)によって隠され、個人が特定できないようになっています。

 

「同志たちが地母神のと共に巡業していたのは丁度良いタイミングだった! おかげでこうやって世界の危機に間に合ったのだからな!!」

 

「ワン!」

 

 1人と1匹がドヤっている向こうで、彼らが魔神たちと相対しています。身の丈ほどもある大剣や大斧を取り出す魔神と対照的に、無手のまま悠然と構える男たち。その姿を見た瞬間、吸血鬼侍ちゃんが馬車から落ちそうな勢いで身を乗り出し、危うい所で女魔法使いちゃんに引っ掴まれていました。

 

「ちょっと、いきなり危ないでしょ!? ……どうしたの、そんなにガン見して」

 

「あのひとたちから、おひさまをかんじる……」

 

「おお、貴公も感じるか! 同志たちが身に秘めた太陽の熱と光を!!」

 

 吸血鬼侍ちゃんが反応したのは太陽を感じたから? おっと、魔神たちが得物を振りかざして突進してきました。腰を低く落とし、迎撃の構えを取る聖騎士さんの同志たち。その両手が光を放ち、周囲が揺らめくほどの熱を持ち始めています!

 

「彼らは≪太陽の手≫を持つ者。寒さに震える者に手を差し伸べ、安らかなる陽だまりをもたらす者。同時に邪悪なるものを焼き滅ぼす、灼熱の怒りを秘めし者。この世の摂理を理解し、されど狂気に沈まず天上に輝き続ける者。即ち……」

 

 身体を両断せんと迫る刃に片手を向ければ、飴細工のように蕩ける魔神たちの武器。もう片方の拳に力を籠めれば、溢れ出す太陽(≪核撃≫)の力。呪文無効化能力を持つはずの魔神の外殻を易々と貫き、元の世界に召還することすら許さず原子にまで分解する滅却の拳。

 

「太陽神の代行者、核武僧である」

 

 突き出した拳をそっと戻し、合掌する核武僧たち。魔神はその痕跡すら残さず、この世界で滅んでいったようです。うーんこのトンデモ集団。もう冒険者はいらないんじゃ……。

 

「とはいえ、周囲へ与える被害も大きいので地母神のが張る浄化の結界が無ければ大変なことになるのだがな!!」

 

「わふっ!」

 

 あ、そこでバランス調整してるんですね。流石に無差別にどっかんどっかんやって四方世界が世紀末になるのはちょっと遠慮したいところです。え? ≪浄化(ピュアリファイ)≫は良いのかって? 世界に蔓延る病気を綺麗さっぱり洗い流しているだけですから(白目)。

 

「たいようのちから……からだにためる……」

 

 おや、吸血鬼侍ちゃんが何か考え込んでいます。核武僧さんたちの流儀を見て何か閃きそうなんでしょうかね? ちょっとガタが来ているとはいえ、クッソ頑丈な吸血鬼の肉体です。余程の無茶で無ければ好きにさせてあげましょう。

 

 

 

 さて、混沌の軍勢を突破して到着しました城塞都市跡。てっきり市街戦が待ってると思って身構えていたのですが……。

 

「「「≪神々よ、照覧あれ(ごっづ あんど でうす)≫!!」」」

 

「「「≪神々よ、照覧あれ(ごっづ あんど でうす)≫!!」」」

 

「「「≪神々よ、照覧あれ(ごっづ あんど でうす)≫!!」」」

 

 はい、ここは重要な戦域(シーン)では無いので巻きですねわかります。敵味方識別式のMAP兵器でクリアリングされた『死の迷宮』入り口前に着くと、すぐに始まった拠点の設営。馬車から降り立った吸血鬼侍ちゃんと分身ちゃんが≪手袋≫から取り出した資材を使って、僧兵たちが瞬く間に防護壁を組み上げていきます。設営の指示を出しているゴブスレさんの指揮も同に入ったものです。牧場防衛ミッションや数々の巣穴攻略で培われた経験が生きているようです。

 

 さて、本来は防護壁が完成次第一行は『死の迷宮』へと踏み込む予定でしたが、ちょっと予定が変更となり女性陣が炊き出しを始めています。妖精弓手ちゃん、森人狩人さんの斥候コンビが瓦礫や石を利用して竈を組み上げ、そこへ乗せた大鍋に吸血鬼侍ちゃんと分身ちゃん、令嬢剣士さんがひたすら刻んだ食材を放り込んでいきます。穀物や根菜、干した魚に……あ! こっそり吸血鬼侍ちゃんが赤竜のジャーキーも入れてます。

 

 火力を調整している鉱人道士さんと蜥蜴僧侶さんが苦笑いしている間に沸々と煮え立つ具材たち。ただのごった煮になりかけたそれを立派な食事に変えるのは、一行の料理番たる女神官ちゃんと森人少女ちゃん。適当に詰め込まれていた≪手袋≫の中の調味料を駆使して、疲れた身体に滋味が染みる雑炊に仕上げてくれました!

 

「お待たせしました! おなかいっぱい食べてくださいね!!」

 

 大鍋2つぶん作られたソレを一抱えもある器に注ぎ、女神官ちゃんが運ぶのは地面に座り込んだマッチョの集団のところ。笑顔を浮かべて匙と一緒に差しだしています。でも僧兵たちはみな陣地構築に出払っていますよね? じゃあこの男たちはというと……。

 

「「「≪神々よ、今日の糧に感謝いたします(ごっづ あんど でうす)≫!」」」

 

「「「≪神々よ、今日の糧に感謝いたします(ごっづ あんど でうす)≫!」」」

 

「「「≪神々よ、今日の糧に感謝いたします(ごっづ あんど でうす)≫!」」」

 

 笑みを浮かべて器と匙を受け取り、流し込むような勢いで食べている独特な髪型の集団。察しの良い方はお分かりだったことでしょう。巡回説教者(サーキットライダー)さんたちですね! 道中でのゴブリンの群れを纏めて消し去ったのと拠点構築前のMAP兵器使用の影響もあって、蓄えていた脂肪(カロリー)を使い果たし、素体の筋肉ボディが露わになってしまったんだとか。再びMAP兵器を使用する(四股を踏む)には消費したカロリーを補給しないといけないということなので、急遽炊き出しが行われたわけです。

 

 鍋が2つ用意されているということは、他にもお腹を空かせた人がいるということ。そちらには剣の乙女と聖騎士さんが対応中。器用に背中に盆を乗せた狼がその後ろについていってます。

 

「さあ同志たち、腹いっぱい食べて再び輝きを取り戻してくれ給え!!」

 

 差し出された碗と匙を震える手で受け取る核武僧たち。その腕は枯れ木のように瘦せ細り、頭のグレートヘルム(バケツ兜)が一層のアンバランスさを醸し出しています。……あの、大丈夫なんですか彼ら? あっちの巡回説教者(RIKISHI)も大概ですけど、こっちは生命の危険を感じるんですが。

 

「ワン!」

 

 なるほど、人の身で太陽の力を完全に再現するのは難しく、エネルギー効率が悪いので極端に消耗してしまったと。ご飯を食べて日向ぼっこしてれば回復する? 太陽信仰すごいですね。

 

「ゆっくり召し上がって下さい。まだまだ沢山用意してありますので」

 

 剣の乙女の声掛けに頷きを返しつつ、グレートヘルム(バケツ兜)を被ったままゴブスレさんばりに器用に食事している核武僧たち。あっという間に食べ切り、おかわりを要求し始めてますね。あ、もしかして彼らが兜を脱がない理由って……。

 

「ガウ」

 

 やっぱり。個人としての顔を消すことと、ガリガリになった恥ずかしい姿を知り合いに見られたくないからなんですね。どちらの男たちも、大鍋が空になる頃には元の姿を取り戻しているあたり慣れっこなんだろうなぁ……。

 

 

 

「やあ、無事に防護陣地の設営は完了したみたいだね。それに彼らの補給も終わっているようだ」

 

 拠点構築が終了し、説教者と核武僧が腹ごなしの運動を始めた頃、後続を率いて銀髪侍女さんが到着しました。陣地の防衛はウォーミングアップをしているマッチョ集団と、彼女と一緒にやって来た戦女神信徒のおねーさま方にお任せする方向で話が決まっていました。消費する物資に関しても、≪手袋≫にしまっておいた余剰品のありったけを出したのと、おっつけ交易神の神殿から輜重部隊を連れて神官が派遣されてくる手筈となっています。戦闘には参加出来ずともせめて後方支援はしないと、今後肩身の狭い思いをするからなんだとか。うーん世知辛い……。

 

 何はともあれ、防衛の引継ぎが終わればいよいよ『死の迷宮』への突入です! ある意味吸血鬼侍ちゃんが産まれた場所でもある因縁の地ですが、一体どんな今週のビックリドッキリ変態強敵が待ち構えているのでしょうか。次回、ダンジョンアタック開始!!

 

 

 

 今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。

 

 

 




 GWにはなるべく話を進めたいのでので失踪します。

 いつも誤字脱字のご連絡ありがとうございます。
 お気に入り登録や感想、評価についても執筆速度が上がるかもしれませんのでよろしくお願いいたします。

 お読みいただきありがとうございました。
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