ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
うーん、3組に分かれてダンジョン攻略に挑戦するのは見栄えが良いけれど、どの組に焦点を当てるか悩ましいなぁ……。みんな魅力的だからそれぞれ応援神が憑いてるし、全員映したいけどそうすると広く浅くになっちゃうし、かと言って細かく切り替えてたら、何時ぞやみたいにまた大事な
ウーム、ウーム……。あ、五月蠅くてすみません≪幻想≫さん、ちょっと今後の実況を如何しようか考えてまして。実は……というわけなんですけど、何か良い方法は無いものですかねぇ。
……えっ!? いや、確かにそうすれば間違いなく美味しい
……というわけで、無茶なお願いだとは思いますが……。OK? ホントに? やった、ありがとうございます! それじゃ早速
準備ヨシ! じゃあ2人とも、こちらで待機しててくださいね。出番になりましたらお呼びしますので。
前回、拠点防衛の引継ぎを終え、『死の迷宮』に突入するところから再開です。
ボッタクルボルタック商店、ルイーダギルガメッシュの酒場、ルドン高原訓練場といった、かつてこの城塞都市が賑わっていた名残の跡地を通り抜け、いよいよ迷宮の入り口前に到着した一行。
長らく封じられていた鉄の扉はこじ開けられ、此処を守護していたであろう兵士たちの血と臓物によって『赤い手』の
「突入前に、各組の斥候担当にお渡ししておく物があります。私と彼女たち2人が記憶している限りを書き出した、『死の迷宮』の
妖精弓手ちゃん、森人狩人さん、ちょっと悩んで女魔法使いちゃんに手渡して、万が一各組の代表が斃れた場合、それを見ながら迷宮を脱出するよう伝えてますね。先人たちが血と時間で作り上げた地図の重さを確かめるように持つ3人。流出したら不味いので、絶対に無くさないでくださいね?
「それで、何でもない顔して一緒にいますけど、貴方
賢者ちゃんが訪ねているのはキャラの濃い1人と1匹。何気に狼もカウントしているあたり只物ではないと感じているのでしょうか? あ、ちなみに下水ワニこと至高神さんの
「おお! 勿論だとも。この世界の輝きを曇らせんとする異界の神、太陽神の信徒として許してはおけぬからな!!」
「ワン!」
スッパリと言い切る聖騎士さんに同意するように、剣聖さんのお山に夢中になっていた狼も吠えています。欠食児童たちの食事を用意している時にもたわわな女子の間を行き来していたあたり、おっきいの好きなのは確定的に明らかですね。あれ、でもそうするとパーティ人数がオーバーしません? それとも7人じゃなくて6人と1匹だからセーフ?
「わふっ」
>「ふぇ? どうした……おあ~」
お、トコトコと狼が吸血鬼侍ちゃんに近寄って、襟元を咥えて器用に自分の背中に乗せました! これは……あわせて1人分換算ということですね?
>「のせてくれるの? ありがとう!」
「ガウ!」
首元に抱き着かれてまんざらでも無い様子の狼。おひさまのにおいを胸いっぱいに吸い込んで、吸血鬼侍ちゃんの顔も緩み切っています。普通の人サイズですと重さが大丈夫でも歩くだけでガックンガックンしそうですが、お子様サイズの吸血鬼侍ちゃんなら問題なさそうですね。
呆れた様子でその光景を見ていた賢者ちゃんも、狼の頭を撫でながら「感謝するのです。なるべくその子の身体に負担をかけないようお願いするのです」と吸血鬼侍ちゃんの具合をそれとなく伝えてくれてます。……もしかして、こちらが思っている以上に吸血鬼侍ちゃんの疲弊は重大なんでしょうか。戦闘ではあまり負荷がかからないよう支援に徹したほうが良さそうですね。
「それじゃみんな、はりきって世界を救おうね! 頑張るぞ~……お~!!」
「「「「「お、お~……」」」」」
勇者ちゃんのいまいち締まらない号令で『死の迷宮』へと足を踏み入れる一行。さて、ここからはちょっと変わった形式で各組の動向をお伝えしていきたいと思います!
今までは吸血鬼侍ちゃんや分身ちゃんの撮れ高が高い活躍する
そのため、今回は特別に各組ごとに実況兼解説者を用意して、それぞれ応援している子が参加している組を担当していただくことになりました!
陽動として迷宮上層を荒らしまわる剣の乙女率いる正統冒険者組は、様々な
実はお前が本体なんじゃという疑惑が常に付き纏う、吸血鬼侍ちゃんの攻め担当こと分身ちゃん率いる制御室奪還組は、彼女が卓に参加する切っ掛けを生み出し、48とも108とも噂される数多の
儀式阻止を目的とする吸血鬼侍ちゃん本体組は、引き続き自分が担当させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
お、ちょうど盤面では各組ごとに行動を開始したみたいですね! 先ずは陽動組から見ていきましょうか。担当のN子さん、よろしくお願いします!
はいどーも! モンスター種族実況プレイ陽動組の部、はーじまーるよー!
え、いつもと変わらない? そりゃアレですよ、急に
まあ本筋に影響しない些事はポーイして、早速状況を確認してみましょう!
さて、剣の乙女を中心にベテラン冒険者で固めた陽動組。バランスの良さは全組でも随一でしょう。理想的ガチタンな重戦士さんに、槍も魔法もイケるユーティリティプレイヤーな槍ニキ、装備を一新してようやく銀等級らしくなり、家族という守るべきものを手に入れ、ますます
そして何より
うん、やはり
おっと、目を離している間に早速接敵していたみたいですね。相手はゴブリンの集団、既に殲滅されちゃってます。まぁ所詮緊急補充した数合わせの雑魚、鎧袖一触ってヤツですね……って、槍ニキが負傷してる? 油断するような性格じゃありませんし、何があったんでしょう。
「クソッ、何だってんだあのゴブリン。キッチリ心臓を抉ってやったのに、最後っ屁かましてきやがった……ッ」
「動かないでください! ……毒は塗られてませんけど、結構深く斬られてますから」
二の腕を抑えて荒く息を吐く槍ニキの傷を改めて、女神官ちゃんが応急処置を施しています。
≪
「ああ、妙に動きも良かった。逃げ場の無い迷宮内だから良かったが、もし屋外なら大振りな一撃は避けられるかもしれねぇ」
周囲に両断されたゴブリンの死体を生み出した重戦士さんも首を傾げています。2人ともタイマンで
「……戦闘中は暗くてよく見えなかったが、ただのゴブリンにしては装備の貧弱さに比べて異様に鍛えられている。俺の膂力では、
そう言いながら赤い光を放つ相棒を見つめるゴブスレさん。たしかに、
「精鋭に鍛え上げるつもりなら装備も良いものを与えるだろう。どうにも相手の頭目の考えが読めん。……!?」
考え込んでいたゴブスレさんが突然剣を構えました! 兜の奥から鋭い目で見る先はゴブリンの死体。……徐々に迷宮の床面へと溶け込むように消えていきます。死体のあった場所には僅かばかりの金貨。その光景を見た剣の乙女の顔色が変わりました。これってもしかして……。
「まさか、迷宮が稼働しているというのですか……」
「ちょっと、一体何が起きてるワケ?」
慎重に死体が消えた場所に近付き、落ちていた金貨を拾い上げた妖精弓手ちゃんが訝し気に訪ねています。他の面々も同様の面持ちで剣の乙女に視線を向けていますね。それを受け止め、剣の乙女が『死の迷宮』のシステムについて話し始めました。
「この迷宮内において、『死』は解放ではありません。死した者は魔力に還元され、迷宮に使役される存在と変貌します。何度倒しても現れる怪物。迷宮に精神を侵され
「じゃ、じゃあこの金貨って……」
疑似餌と聞いて察してしまったのでしょう。妖精弓手ちゃんが手に持っていた金貨を取り落としてしまいました。憂鬱な表情で金貨に視線を落とす剣の乙女に、皆かける言葉が見つからないようです。
「従僕に貶められたモノが斃れた時、その存在を削って報酬が遺されます。残りの魔力は再び迷宮へと還り、新たなカタチを得る。減少した魔力は報酬に釣られて迷宮に挑む冒険者で賄えば良い話です」
うんうん、いつ何度聞いても効率的なシステムです。コレを組み上げた魔術師はよっぽど底意地が悪かったんでしょうねぇ。
「……待て。では
「そうよ! 吸血鬼ってことは、シルマリルだって元々は人間だったんでしょ?」
ゴブスレさんが言うアイツ、吸血鬼侍ちゃんの話題になると、剣の乙女は迷宮の壁面に寄りかかるように身体を預け大きく息を吐きました。本人のいないところで話すのは、と言いかけたところで、吸血鬼侍ちゃんなら何にも気にしないことが脳裏によぎったのでしょう。絶対気にしないと思うんで、話しちゃって構わんのやで?
「吸血鬼となる前のあの子については、本人も分からないそうです。冒険者だったのか、それとも何者かによって拐かれた一般人だったのか。確かなのは、あの子が此処、『死の迷宮』で死んだことだけです」
昔、まだ
「吸血鬼となったあの子は、始めはとても弱かったそうです。同じ
その光景を想像してしまったのでしょう。口元をおさえて蹲る女神官ちゃんの背中を妖精弓手ちゃんがさすってあげています。その彼女の顔色も、薄暗い迷宮内でハッキリわかるほど青褪めていますね。2人の姿を痛まし気に眺めながらも、剣の乙女の口は閉じることなく動き続けています。
「でも、決してあの子は諦めなかった。どんな手を使ってでも強くなろうと決意し、そして実行した。およそ私たちが思いつくあらゆる手練手管を、善悪の区別なく使ったそうです。ただ、生き延びるために……」
そう! だからあの
どんなに見苦しく無様でも、生きようともがき続ける滑稽な姿!
どんな極悪人でさえ眉を顰めるような手を使いながらも、己が良心を歪めることなく保ち続けた、呆れるほど矛盾に満ちた
……だからこそ、
「不自然に敵と遭遇しなかった迷宮の最下層、むせかえるほどの血臭に満ちた玄室で、私たちはあの子と出会いました。無数の上位魔神や
「『ねぇ、おひさまってどんないろをしているの? ランタンのひかりよりもあかるいの? たいまつのほのおよりもあったかいの? ……ぼくをころすまえに、おしえてほしいな!』……って」
殺すことなんて、出来ませんでしたという言葉を残し、口を閉ざした剣の乙女。
うーん、なかなかみんなのメンタルにクるものがあるみたいですねぇ。辺境三羽烏も俯いてしまってますし、女神官ちゃんと妖精弓手ちゃんの目には光るものが浮かんでいます。剣の乙女の眼帯が湿っているように見えるのは……目の錯覚ということにしておきましょう。
「それで、そのあとは? シルマリルはどうなったの?」
「詳細は陛下との誓約のためにお話し出来ませんが、『死の迷宮』を解放し、囚われていた魂が輪廻に還る中で、あの子は外の世界に出ることを選びました。吸血鬼という特徴を生かし、陛下付きの密偵として混沌の勢力に潜入し、後方の攪乱や首狩りに従事していたそうです。その後
そして、それが
「まあ、その、何だ。思った以上に深い話だったけどよ? とりあえず今は依頼のほうに注力しようや、な?」
頭をガリガリと掻きむしりながらの槍ニキの言葉に、ハッと顔を上げる一行。そうなんですよね、しんみりしちゃってますけど、それはそれとしてまだ仕事が残っているんですよねぇ。
「そ、そう
袖で涙を拭いながら言い放つ女神官ちゃん、舌を噛んじゃってます。かわいい。
「アイツが何であれ、今のアイツは
「……やっぱりオマエ変わったな。だが今のほうが背中を預けられる。頼りにしてるぜ、辺境最優?」
ゴブスレさんと重戦士さんも、武器を構え直して臨時の
「もう、大丈夫ですか?」
「……ええ、スッキリしたわ。この依頼が終わったら、シルマリルをめいっぱい可愛がってやる。ふわふわフリフリの服を着せて、甘いお菓子を食べさせて、抱きしめながらめいっぱい甘やかしてやるわ!
待ってなさいよシルマリル! と吠える妖精弓手ちゃんを、皆が苦笑しながら見ています。うん、これなら大丈夫そうですね。
不自然に強大化したゴブリンの謎を追い、迷宮を進む一行。その先には、一体どんな真実が待っているのでしょうか? 続きは次の機会に。待て、しかして希望せよ!
どうでしょう、こんな感じで大丈夫です? 良かった! じゃあ次回もよろしくお願いしますね!!
にしても万知神さんてば無駄に凝り性なんだから。もっとわかりやすく軽い背景設定でも良いと思うんですけど。
え? 背景設定と愛は重ければ重いほど萌える? うわ、正直ドン引きですよソレ……。
まぁ、次回は途中からそちらに引き継ぐことになるでしょうけど、あんまりGM神さんを困らせないであげてくださいね?
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
週2くらいのペースで更新できたらなぁと思うので失踪します。
いつも誤字脱字のご連絡ありがとうございます。
お気に入り登録や感想、評価についても執筆速度が上がるかもしれませんのでよろしくお願いいたします。
遅れることもありますが、なるべく感想にはお返事をさせて頂いてます。やはり感想こそ更新のための燃料、はっきりわかんだね(感想クレクレ厨)。
お読みいただきありがとうございました。