ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
ウーム、
あ、万知神さん。そろそろこっちの卓で動きがあるっぽいです! そちらの切りが良さそうなら儀式阻止組のほうを始めたいんですけど……。OK? よし、じゃあ気合い入れていきましょう!!
えー、前回、陽動組と制御室奪還組にケリがついたところから再開です。
制御室奪還組と一緒に
>「おさきにどうぞ~」
>「ありがと~」
順番を譲ってもらったので、早速
「それにしても、随分大人しい狼だね! 頭も良さそうだし!!」
「わっふぅ」
勇者ちゃんに撫でまわされても嫌がるような素振りを見せず、されるがまま泰然自若としている狼。その視線は待ち構えているであろう黒幕への対処を話し合っている剣聖さんと賢者ちゃんのお山に釘付けになっています。身振り手振りをする度にたゆんたゆんと揺れるのに合わせ、吸血鬼侍ちゃんを乗せたまま身体ごと視線が行ったり来たり。目の前にもあるんですからそっちを見たらどうです? 胸甲と同じくらい硬そうですけど。
「うむ、此処に来る前に
ウーム、ウームと考え込み始めてしまった聖騎士さん。肉球付きの手で剣を握れる訳は無いですし、
「……大丈夫なのですか? あまり元気がないようですが」
思い思いに決戦までの時間を過ごす一行の中でずっと静かだった吸血鬼侍ちゃんを心配して、賢者ちゃんが話しかけてきてくれましたね。ひょっとして搾り過ぎましたかと聞いてくる賢者ちゃんに対し、フルフルと首を横に振る吸血鬼侍ちゃん。お腹が空いた以外でこんな顔をしているということは珍しいですね。また何か悩み事でもあるのでしょうか?
>「ここのところ、みんなにめいわくかけっぱなし。やっぱりぼくじゃなくて、あのこがほんたいになるべきだったんだ……」
「!? アンタまたそんなコト考えて……ッ」
「待つのです。……まさか、≪
コクリと頷く吸血鬼侍ちゃんを驚愕の目で見つめる賢者ちゃん。そりゃひとつの身体の中に複数の精神が入っているなんて普通思いつきませんもの。……ん? でもそうしたら今この場にいる『吸血鬼侍ちゃん』の基盤となっている魂は一体誰のモノなんでしょう?
>「とってもくらいところで、あのこがたたかってているのをずっとみてた。がんばれ、がんばれっておうえんしてたら、あるひおひさまのひかりがみえたの。いっしょうけんめいてをのばして、そのひかりをつかんだら、いつのまにかあのこのとなりにいた……」
「『
「……ねえちょっと、なんか身体から生えて来てない?」
>「ぼ、ぼくのことはいいから!? それよりもこんどのしゅじゅつなんだけど……」
それからはずっと2人一緒だったと話す吸血鬼侍ちゃんの言葉を聞いて、思考の海に沈み始めた賢者ちゃん。若干ですが発狂ゲージが上昇し始めていますね。ピシリピシリと身体から生える血の棘を見た吸血鬼侍ちゃんが、慌てて気を逸らそうとしています。そういえば次の安息日に手術って言ってましたっけ。それがひと段落したら諸々解決しなきゃいけない問題に手をつけましょうか。差し当たっては吸血鬼侍ちゃんの身体がいちばん……おっと、どうやら到着したようですね。固く閉ざされていた
「さーて、ここからは歩いていくんだっけ? ……あれ? キミ何してるの?」
>「おっとっと。えーとね、さきにおそうじするね!」
勇者ちゃんの視線の先には狼の背中から飛び降りた吸血鬼侍ちゃん、若干よろけながらの着地は見ていてちょっと心配です。勝手知ったる我が家と言わんばかりに歩を進め、左右一つずつある扉の左を躊躇いなくキック! 突然扉が開いて立ちすくみ状態の
「「「「LEMOOOOOOON!?」」」」
燃やし祭りにお友達を呼ぶことも出来ず、あっという間に黒焦げとなった魔神たちを押し退けて玄室に入る吸血鬼侍ちゃん。後を追って入ってきた一行に自分より前に出ないようジェスチャーをしながら壁沿いに歩いています。
>「い~ち、に~ぃ、さ~ん……よん!」
「「「「「あ!」」」」」
あ! 掛け声とともにジャンプした吸血鬼侍ちゃんの足元がポッカリと口を開きました!! 慌てて駆け寄ろうとする勇者ちゃんの前で闇へと消える吸血鬼侍ちゃん。伸ばした手は虚空を掴み、残るは奈落へと通じる大穴……ん?
>「えへへ……びっくりした?」
ああ、飛べるんだから落ちる心配は無いですもんね。悪戯が成功してニッコニコです。みんなの緊張を解すつもりだったのかもしれませんけど、残念ながら目論見は失敗なんだよなぁ……。背後から伸びてきた繊手に首根っこを引っ掴まれ、宙吊りとなった吸血鬼侍ちゃん。恐る恐る振り返れば、そこには青筋を浮かべた女魔法使いちゃんと、にこやかな笑みを浮かべた賢者ちゃんが……。
>「あ、あれ? リラックスできなかった?」
「「正座」」
>「……はい」
「貴公、場を和ませようとするのは良いが、時と場合は考えるべきだと思うぞ!」
「わふっ」
>「ごめんなさい」
こんなこともあろうかと用意されていた『私は悪いことをしたいけない子です』プレートを首から下げ、ロープグルグル状態で狼の背中に据え付けられた吸血鬼侍ちゃん。流石に悪ふざけが過ぎたと反省しているみたいですね。先ほどまでぷんすこ怒っていた賢者ちゃんもそんな吸血鬼侍ちゃんを見て怒りを鎮め、次やったら枯れるまで搾り取るのですと言って許してくれました。……許されたんですよね?
「うう……さっきから
「なんだだらしのない、帰ったらみっちり修行だな」
連続で5つも
>「つぎのポータルをぬけたら、
身体を捩ってロープから抜け出そうとしている吸血鬼侍ちゃんの言葉に気を引き締める一行。そろそろ反省したのですねと確認しながら賢者ちゃんがロープを解いてくれました。ゆっくりと進む一行の前に現れたのは豪奢な扉。壁には『赤い手』の
「……どうやら既に異界化しているようなのです。空間中に嫌な魔力が充満しているのです」
顔を顰めた賢者ちゃんが呟くのも無理はありません。扉を抜けた先は、今まで通過してきた玄室とは似ても似つかぬ有様に変わり果てていました。
怪しく脈動する有機的な床に、地下でありながら浮かぶ緑と赤の2つの満月。空間の中心には小さな祠のようなものがあり、この空間全体を震わせるほどの鼓動が定期的に発せられています。
「ガルルルル……!」
「ム、あそこに居るのが今回の黒幕だろうか?」
聖騎士さんが指し示す先、祠の傍にローブ姿の人影が見えますね。フードに隠れて顔は見えませんけど、どうやら人型のようです。あれが
「お前がグランなんとかだな! 神妙にお縄に着くか、ここでボクたちにぶっとばされるか、好きなほうを選ぶといいよ!!」
「……ようやく来たか。忌々しい神の
勇者ちゃんの啖呵に舌打ちを返し、不穏な事を口走るローブ服。響く声は若い男性のそれで、煩わしそうにフードを取り去った下の素顔は端正と言って良いものです。銀髪に真紅の瞳、人形のように整った
「何故僕だけが邪魔されなければならない。好き勝手に世界を弄んでいるのは貴様らとて同じだろう」
……いえ、彼は一行のことなんて見ていません。部屋の隅の塵芥を眺めるような超越的な視線で睨みつけているのは吸血鬼侍ちゃん。そしてその後ろにいる……。
「己の欲望のままに世界を歪め、贔屓の
「いったい何を言っているのです? この世界に殴り込んできたのはそちらなのです」
困惑した表情で問いかける賢者ちゃんを一瞥し、再び舌打ちをする
「ハッ。お前たちなら既に察しているのだろう? この世界が神を名乗る痴愚共の
そう言い放つ彼の目には勇者ちゃんたち3人と同じ、いや、さらに強い
「よってたかってそんなバケモノを作り上げ、好き勝手動かしているというのに! 何故僕を認めない!! 僕を受け入れようとしない!!!」
>「うあ……!?」
捻くれて歪み切ったものとはいえ、紛れもない神威をぶつけられ苦悶の声を上げる吸血鬼侍ちゃん。衝撃で隠していたひび割れが表面化し、一行に衝撃が走ります。
「んなっ!? このっ、その子は良い子なんだ! 乱暴しないでよ!!」
振り下ろされた太陽の剣をバックステップで躱し、視線を勇者ちゃんに向ける
「良い子だと? 当たり前だ、ソレはそうなる様に
>「やだ……いわないで……」
「ッ!? みんな聞いてはダメなのです!!」
懇願するような吸血鬼侍ちゃんの声を聞き、笑みを深める
「
あ……
>「あ……」
「ガウ!?」
その言葉がトドメとなったのか、崩れるように狼の背中から落ちる吸血鬼侍ちゃん。慌てて駆け寄った女魔法使いちゃんが抱え起こしますが、その瞳には光が無く、ただ眦から涙を零すばかり。
そっか……。『吸血鬼侍ちゃん』の中にいたのは、何の力も持っていない、何処にでもいる、ただの
「フン、本来の持ち主ならいざ知らず、偽物の魂では幾ら優秀な肉体とて扱いきれまい。邪魔な
「うわっと!? あーもう、結界は卑怯だよ!」
「ちっ、全ては儀式の時間を稼ぐためのものだったのか!」
果敢に斬りかかってきた勇者ちゃんを祠の近くから弾き飛ばし、手に持つ『赤い手』が表紙に刻まれた本を掲げる
「おいおい、僕は三流芝居の悪役では無いんだ。妨害される可能性が少しでもあるなら、長話なんてするわけがないだろう?」
「儀式はお前たちが迷宮入りする前に完了している」
瞬間、空間を振動させていた鼓動が一際強くなり、そしてソレが姿を現しました。
生物的様相を持った床が裂け、
「やったぞ! これで僕を認めなかったあいつ等の干渉は遮断された! この世界は僕のモノだ!!」
「ふざけるな! この世界はここで暮らす人たちのものだ! お前のモノなんかじゃないぞ!!」
念願の玩具が手に入った子供のように無邪気に喜んでいますが、好き勝手されるのはこの世界。そんな事を認めるわけにはいかないと立ち上がる勇者ちゃんですが、背後で女魔法使いちゃんと一緒に吸血鬼侍ちゃんを介抱している賢者ちゃんの顔色が良くありません。いったい何がががががががががががが
「不味いのです。この世界と情報次元を繋ぐ
……あー、あー、繋がったかな? いきなり回線が切れるもんだからみんなびっくりですよ。どうやらあの竜みたいなのの影響で
「そら、どうした! それがこの世界を背負って立つ勇者とやらの力か!!」
「くっ この程度でやられるもんか!」
炎、電気、酸、毒、冷気。それに加えてMPを削るアストラルのブレスや肉体を腐らせる瘴気、大口径の火砲を向けられ捌くのに必死な勇者ちゃん。身体から吹き出す
「≪
「ガアァァァウ!!」
幾重にも形成された結界を切り裂き、勇者ちゃんの危機を救った双光。酸が噴き出る筈の切断面を秘めた熱で焼き潰した一撃は、幅広の長剣を口で操り全身に朱の紋様を浮かび上がらせた狼によるものです。ではもう一条、白い首を根こそぎ消滅させた一撃を放ったのは……!
「フム、あ奴どうやら太陽の力に弱いようだな!」
無手の右手に光を纏う、陽光を槍として投擲した聖騎士さんです! 空中で器用に勇者ちゃんを受け止めた狼がその横に着地し、背中から勇者ちゃんを降ろし再び唸り声を上げています。その自信に満ちた顔が気に入らないのか、端正なマスクを作画崩壊させた
「何故だ、此処は既に神と切り離された世界。何故貴様は奇跡を使えるのだ!? 答えろぉ!」
「決まっている。太陽はいつも此処にある! そして遍く全てを照らしているのだからな!!」
自身の胸元を指差しながら高らかに言い放つ聖騎士さんと、それに気圧されたように黙り込む
女魔法使いちゃんに抱き締められたまま、表情を失いただ涙を流している吸血鬼侍ちゃん。かける言葉が見つからないのでしょう。女魔法使いちゃんも賢者ちゃんも口を閉ざしたままその涙を指で拭い続けるばかりです。聖騎士さんが来たのに気付き顔を僅かに上げる吸血鬼侍ちゃんを見て、視線を合わせるようにしゃがみ込んだ聖騎士さん。
「立て、小さき友よ」
「たとえ貴公が仮初の存在であろうとも、太陽は貴公を照らしている」
「それに貴公には、愛し、愛される人々がいるのだろう?」
「その者たちと育んだ絆、それを貴公は偽物だと言うのか?」
「顔を上げ周りを見るのだ。貴公の為に涙を流し、悲しんでいる彼女らを救えるのは貴公を置いて他にはおらぬ」
「そして笑え! 笑って明日へ進むのだ! 沈んでも必ず昇る、美しき太陽のように!!」
>「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
それは、赤ちゃんが生まれて初めて出す声によく似ていました。
ぼくはここにいる、そうみんなに伝えるような、とても大きな泣き声。
そのあまりの大きさに女魔法使いちゃんと賢者ちゃんの涙も止まり、唖然とする2人の眦に残ったそれを舐め取りながら、泣き笑いの表情で吸血鬼侍ちゃんが口を開きます。
「ずっと、うそついててごめんね。ほんとはあのことちがって、なんにももってないただのこどもなの。あのこのこういにすがって、つよいふりをしていた、ちっちゃくてよわむしなひきょうものなの……」
でもね、と言いながら2人を抱き寄せ、頬擦りをする吸血鬼侍ちゃん。ひび割れた皮膚が崩れるのも構わずに、2人の体温を確かめるように続けています。
「みんながだいすきで、ずっといっしょにいたいってきもちと、おひさまをさがしていたのはうそじゃないよ? ……いままでありがとう」
「!? なによソレ、まるで別れの挨拶みたいじゃない……ッ」
キッと睨みつけるような視線を送る女魔法使いちゃんに、
「寝言は寝てから言うのです。魂の入れ物が必要なら、作ればいいだけの事なのです。散々好き勝手やってハイさよならとか、ヤリ逃げ男よりも
>「おあ~……」
ムニムニとほっぺを引っ張られ、奇妙な声を上げる吸血鬼侍ちゃんを女魔法使いちゃんと一緒に抱き締めながらぷんすこしている賢者ちゃん。たしかに、身体が足りないのならもうひとつ作ってしまえば良い。普通に考えれば荒唐無稽な話ですが、賢者ちゃんが言うと信憑性がありますねぇ。
「まずはあの友達がいなさそうなボッチをわからせて、そのあとみんなでお説教なのです。……それが終わったら、たっぷり愛してあげるのです」
「……ふふっ。そうね、先ずはあのスカシ面を凹ませましょう? 後のことはそれからでいいわ」
>「……うん!」
左右の頬に2人からちゅ~されて、やる気が上がった吸血鬼侍ちゃん。それを見た一行の顔にも余裕が戻ってきたみたいです。一方で蚊帳の外だった
「……半死半生の雑魚が1人増えたところでどうなる!? お前たちは全員ここで終わりなんだよ!!」
「ウーム、太陽を信じぬ湿度の高い男はこれだから困る。嫉妬の炎は太陽とは違うのだぞ」
今までの慇懃無礼な態度をかなぐり捨て、感情をむき出しに絶叫する
「かつての
立ったな(フラグが)。迫り来る暴威を前にそれぞれの得物を構える一行。村正を抜こうとした吸血鬼侍ちゃんを見て、賢者ちゃんがアドバイスてくれていますね。
「先のダメージを見る限り、太陽の属性が弱点のようなのです。たしか太陽の直剣を持っていた筈なのです。それを使うのです」
「おお、貴公も所持しているのか! 俺もかつての冒険で手に入れ、愛用しているのだ!!」
「よーし、じゃあ今日は合わせて三兄弟だ!」
嬉し気に剣を抜き放つ聖騎士さんと並び立ち、鮫のような笑みを浮かべる勇者ちゃん。ここからが反撃の
「どうしたのですか? もしかして損傷が進んで動けないのですか?」
背後からの問いかけにゆっくりと振り返り、フルフルと首を横に振る吸血鬼侍ちゃん。じゃあ何が、という表情の賢者ちゃんに、半笑いの表情で言葉を返します。あ、あの顔はやっちまった時の顔ですね……。
>「トラウマこくふくのときにわたしちゃって、かえしてもらうのわすれてた……」
……あ。
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
GW中にこのセッションを終わらせたいので失踪します。
いつも誤字脱字のご連絡ありがとうございます。
お気に入り登録や感想、評価についても執筆速度が上がるかもしれませんのでよろしくお願いいたします。更新の燃料になります故……。
お読みいただきありがとうございました。