ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
気付けば今回で50万字超え、随分長く続いたものです。
まだまだお話しは続きますので、よろしければお付き合いください。
おーい、生きてる人は返事してくださーい!
あーあー、みんな満足そうな死に顔で眠ってる。後片付けをする身にもなってくださいよまったく。
あ、覚知神さん。もしかして勝ち残りました?
おおー、まさか地母神さんと至高神さんをまとめて相手取って最後まで立っていたとは……。
え? 嘘……なんで……?
いや、確かに
でも、その子のためには絶対に負けられないって気持ち、わかります!
みんなが寝ているうちに、こっそり送り出してあげてください。……GM神さん以外には内緒ですよ?
こんにちわ赤ちゃんな実況プレイ、はーじまーるよー。
前回、吸血鬼侍ちゃんと分身ちゃんが大きく成長&変化したところから再開です。
万知神さんが準備していた2枚目のキャラシーと、2人のデータの見直し&擦り合わせを基にGM神さんと協議した結果、2人のリビルドが発生しました! そこで、ほんへ開始前に2人の変化……データ面および今後の呼び方についてお話しさせて頂きたいと思います。
まず、前回まで『本体』あるいは『吸血鬼侍ちゃん』と呼ばれていた子……『吸血鬼侍』の器となった肉体、そこに残っていた圃人の少女ちゃんの魂が核となっている子のほうから解説させていただきます。
前回の最後に本人も言っておりましたが、リビルドの結果、前衛職としての侍のクラスが無くなりました。また、万知神さんの
代わりに追加されたのは太陽神さんの
日光を活動の代替エネルギーとして利用することが可能となり、再生能力の強化および吸血頻度の低下、自然環境での活動にプラスの修正とよりデイライトウォーカーらしい立ち居振る舞いが可能に。健康のために日光浴をするのが毎日の習慣になるとのことです。
また、上位クラスである侍の代替として陛下と同じ
今までのデータですと≪
それと普段から便利に、そしてちょっと口には出せない使われ方をしていた触手君は残念ながら『分身ちゃん』限定の技能になってしまいましたが、それと引き換えにヤベーイものが使用可能に。
ヒヒイロカネ由来の新ボディの中には
次に『分身ちゃん』……万知神さんに見初められた『死の迷宮で誕生したヴァンパイアロード』の子のほうですが……こちらは順当なパワーアップですね。売国奴さんの
吸血鬼特有の膂力と村正・血刀の二刀を組み合わせた、呼吸不要な無酸素運動から繰り出される連撃で蹂躙するのがデフォの脳筋スタイルと、万知神さん仕込みの真言・奇跡のテクニカルな使用方法。万能触手君の幅広い使い道も相まって攻勢に出た時の爆発力は『吸血鬼侍ちゃん』とは比較になりません。説得して仲間になると弱体化するキャラクターが何故か敵データのまま隣にいるような嘘くさいスペックは暴力が全てを解決すると言わんばかりです。
……ただ、ちょっと弱体化した部分もありまして。『吸血鬼侍ちゃん』と身体を共有していたことで受けていたデイライトウォーカーの恩恵が独立したことで弱体化してしまい。陽光の下にいることによるペナルティが復活してしまいました。
お互いの魂の繋がりは残っているようなので、再生能力の低下と判定へのマイナス修正、やる気の減少程度で済んでいるようです。通常の吸血鬼のように12点/ラウンドなんてダメージを受けたら……あれ、意外と大丈夫っぽいですね。
それと、吸血鬼侍ちゃんが分身ちゃんに二刀を手渡ししていた場面で既に察しの付いていた方もいらっしゃると思いますが、≪
というのも、吸血鬼侍ちゃんのボディを新造するタイミングで所持していた呪物の類が
そう、
賢者ちゃんが≪手袋≫を装備していないのに村正と血刀を取り出した吸血鬼侍ちゃんを不思議に思い、調査したことで発覚したこの事実。慌てて2人が衝立の向こう側で確認したところ、3本目の愛刀が発見されました。
抜刀、納刀は任意に可能ですが、指輪無しで抜刀状態になれる事実が衝撃のファーストブリット。≪手袋≫を事実上借りパクしてしまい、賢者ちゃんに「これはもう
頬を赤らめながらいそいそと賢者ちゃんから指輪を受け取り、宝物のように胸に掻き抱く女性陣。それを見る重戦士さんと槍ニキの顔は青褪め、無意識のうちに尻を手で隠していました……。パートナーに指輪の情報が流れないことを心からお祈りしております。
……こっそり混ざって指輪をゲットしている女神官ちゃん。怒らないから何に使うのか言ってみなさい、地母神さんが泣いてますよ?
>「これでみんなからまりょくをもらうのもはかどるし、みんなをしあわせにできるね!」
>「ソウダネー……」
目の前の現実をポジティブに受け止め、分身ちゃんに良かったねと笑いかけた吸血鬼侍ちゃん。それに返事をした分身ちゃんの顔が引き攣っているように見えたのはきっと目の錯覚でしょう。
その他吸血鬼としての固有能力の使用の可否については、実際にセッションを行っていく中で検討していくそうです。近々四方世界にアップデートが入るとの話もありますので、そのあたりは高度な柔軟性を維持しつつ云々ってやつでいきましょう!
さて、長々とお話ししてしまいましたが大まかな変更点はこのくらいで……あ、失礼しました。いちばん大切なお話がまだでしたね!
侍ではなくなってしまった『吸血鬼侍ちゃん』、分身ではなく独立したキャラクターとなった『分身ちゃん』。2人の今後の呼び方についてです。
2人の保護者である太陽神さんと万知神さん、それに視聴神のみなさんがそれぞれ意見を出し合い、時には怒鳴り合い時には殴り合いとなった話し合い。推しの想い人の名付け親になろうと参戦してきた至高神さんや、キラキラとDQNの二択しか選択肢を出そうとしない
壮絶な戦いを制し、命名権をゲットしたのは覚知神さん。決め手は「あの子たちは最初からお互い名前で呼び合っているんだから、私たちが2人を区別しやすい名前で呼べばいいんじゃね?」という身も蓋も無い率直な一言でした。まぁ、たしかにそうなんですけど……。
というわけで、元『吸血鬼侍ちゃん』は新たなクラスと愛する女の子を眷属化して一緒に居たいという願い、今後眷属を率いる立場から『
>「んゅ……あさ……」
そんなこんなで新しい身体になってから数日後、天井の明り取りから差し込む優しい日差しによって、吸血鬼侍ちゃん……じゃないですね、吸血鬼君主ちゃんが目を覚ましました。抱きしめていたやわらかい抱き枕に二度三度顔を擦りつけた後、くぁ~と伸びをして目に入るのは見慣れぬ部屋。手術の最終準備のために泊まり込んでいた地母神の神殿で用意してもらった仮眠室です。
周りを見渡せば、同じように簡易寝台に横たわる数人の女性の寝姿。誰もが死んだように眠っています。手術の精度を高めるためにみんなギリギリまで頑張っていましたから、起きられないのも無理はありません。毛布を下に敷いているとはいえ、硬い木板の
「みなさん、そろそろ朝食の準備が……あ、もうお目覚めでしたか。おはようございます!」
>「ん、おはよ~!」
古びた味のある木製の扉を開けて入ってきたのは女神官ちゃん。どうやら泊り組を起こしに来てくれたみたいです。既に起き上がっていた吸血鬼君主ちゃんに笑顔で朝の挨拶をして、そのまま眠りの世界に囚われている女性陣を現世に呼び戻し始めました。掛け布団を容赦なく引っぺがす鮮やかな技、手慣れて見えるのは孤児院で鍛えられているからでしょうね。
その姿を見た吸血鬼君主ちゃん、どうやら真似をするつもりのようです。自分が寝ていた
>「おはよ~。きょうもきっといいひになるね!」
「ん……。はい、おはようございます」
焦点の合わぬ目で吸血鬼君主ちゃんを見つめ、柔らかな笑みを返す抱き枕こと剣の乙女。小さな想い人を抱き締めたまま
「もう朝なのですか。ぜんぜん寝た気がしないのです」
お、眠たげに目を擦りながら賢者ちゃんも起きてきましたね。たわわに後頭部を埋めている吸血鬼君主ちゃんを見て、朝からお盛んなのですねと言いながらそのほっぺを引っ張ってます。全員が起きたのを確認した女神官ちゃんが、手を叩き、今日の始まりを宣言しました。
「さぁみなさん、井戸で顔を洗って朝食にしましょう! 早くしないと、向こうの人たちが到着しちゃいますよ?」
「やはりこの服装、少々
>「そんなこといわれても……。あ、おでこはだしちゃだめ……!」
質素ですが心のこもった朝食をいただき、身支度を整えている一行。たわわに頭を突っ込んで寝ていたために前衛芸術と化した髪型の吸血鬼君主ちゃんを膝上に乗せて、賢者ちゃんが髪を梳いてくれています。肩越しに見える白い肌、ほんの僅かでもズレてしまったら大草原の小さな家が拝めてしまいそうなインナーに目を奪われているようですが、それでも淀みなく丁寧に行われる寝癖直しに吸血鬼君主ちゃんも大人しく従っていますね。さて、もう一組のほうですが……。
「ふふ、そんなに緊張していては手術までに疲れてしまいますよ?」
「そ、そんなコト言われましても……。あっ、すっごいやわらかい……」
こちらは姿見の前に座っている見習い聖女ちゃんの髪を、剣の乙女が手際良く編み上げていますね。手術ですのでお化粧は厳禁、髪も纏めておかないといけません。既に自分の髪は済ませており、腰まで届く美しい金髪をギブソンタックにしています。普段簡素なポニーテールにしている髪の間を剣の乙女の指が通るたびに身じろぎし、首筋から肩にかけて感じる圧倒的質量のためにガチガチになった見習い聖女ちゃんの姿を見て、同じく持たざる者の女神官ちゃんも苦笑しています。
もっとも、自分が信仰している至高神の大司教、西方辺境の頂点である文字通り雲の上の人に手ずからヘアメイクを施されているのですから仕方ないですよね。
そんな見習い聖女ちゃんですが、何故この場に居るのかという疑問を抱く方もいらっしゃるかと思います。どっちの吸血鬼ちゃんからも好感度が高い重戦士さん率いる
吸血鬼君主ちゃんと添い遂げるために後継者を求めていた彼女。才能はあれど経験が不足している見習い聖女ちゃんに目を付け、密かに手をまわし始めたのが一月ほど前。当時の吸血鬼侍ちゃんから重戦士さんを経由して面会し、水の街の神殿で後継者としての教育を開始していたそうです。
突然の訪問に最初は面食らっていた見習い聖女ちゃんですが、剣の乙女の真摯な
相方である新米戦士君も神殿預かりとなり、
で、見習い聖女ちゃんがいる理由ですが、……ぶっちゃけ箔付けです。今回の主題である帝王切開手術の確立は、女神官ちゃんと見習い聖女ちゃんの名前で公表されることになっています。この功績を以て見習い聖女ちゃんを次代を担う後継者『至高神の聖女』として大々的に発表し、反対勢力を黙らせる算段を立てているんだとか。もちろん、1人の女性として、出産という人生の大きな一幕に立ち会い経験を深めて欲しいという思惑もあるようですね。
同様に、西方辺境における地母神信仰の顔役として将来活躍する事を期待されている女神官ちゃんも、なるべく早い段階で功績を積んでもらおうという彼女の上役である神官長さんの考えとも合致しているわけで。至高神と地母神のトップが友好関係とあれば辺境一帯の連帯感も増しますし、上手くいけば秩序勢力が躍進するための原動力となるかもしれません。そのため今回の案件、冒険者ギルドだけではなく政財界や他の宗教勢力など各方面から非常に注目を集めております。
「ええと、≪
身支度を済ませた一行。手術を行う聖堂に赴き、現在見習い聖女ちゃんがパピルス紙片手に最終確認を行っています。長机に積まれた清潔な布の束、いくつかに分けて沸かされている大量の湯、術式を執り行う際に使用する小物なんかも並べられています。すべて数え終わった見習い聖女ちゃんがペンでパピルス紙にチェックを入れました。どうやら漏れは無さそうですね。
「これで此方の準備は完了なのです。向こうの到着にはどのくらい掛かりそうなのですか?」
>「えっとね……しんでんのぶどうばたけのあたりまできてるって!」
「ではもうすぐですね! 玄関までお迎えに行ってきます!!」
賢者ちゃんの問いにむむむと頭に指をやり、誰かと会話している様子の吸血鬼君主ちゃん。おー、どうやら吸血鬼侍ちゃんとの
さて、吸血鬼君主ちゃんのボディを新造する際、素材となったヒヒイロカネに余剰分が出ていたのはみなさんご存知ですね? 太陽神さんに頼まれて2人のデータ面を担当していた万知神さんが設定を考え、三種の神器を模した装備や装飾品などを作成するのに使われていましたが……なんと万知神さんが一部を覚知神さんに譲渡していました! いやー、なんだかんだ言ってもやっぱり仲良しじゃないですかおふたりさん。
で、ヒヒイロカネで面白いことをする権利を得た覚知神さん。その特性に目を付けてとんでもないものを作成、吸血鬼侍ちゃんに渡してしまいました。
ヒヒイロカネと言えばやはりその強度に目を奪われがちですが、他にも様々な特性を秘めています。魔力の通りが良いことや生体との拒絶反応が少ないこと。別名オリハルコンとも呼ばれ、神代の産物として四方世界では半ば伝説となっている金属です。極稀に遺跡から発見される遺物の中にはヒヒイロカネを使用していると思われる
その中で覚知神さんが注目したのは、ヒヒイロカネが
全身がある意味ヒヒイロカネな吸血鬼君主ちゃんは問題無いとして、そんなヤベーイ代物をプレゼントされた吸血鬼侍ちゃん。失くしてはいけないし精度を上げるためには体内に取り込む必要があるという問題点。それを解決するために2人がとった行動は……。
>「じゅんびはいい? しぬほどいたいかもよ?」
>「だいじょうぶだ、もんだいない。さぁばっちこ~い!!」
頭をぱっかーん(比喩的表現)して、直接脳に挿入というあまりにもワイルドな方法でした。
吸血鬼君主ちゃんの「ただいま!!」から間を空けずに行われたこの暴挙。感動の空気は一瞬にして吹き飛び、失神する者が続出する大惨事に。もちろん2人はその後こっぴどく叱られていました。
まぁそのおかげで何処にいても互いの位置が分かりますし、
>「とうちゃく~! どうちゅうもんだいなし、ぼしともにいじょうなし! とにかくヨシ!」
>「ん、とまりでのせつめいと、どうちゅうのかいぞえおつかれさま。みんなもありがとう!」
お、到着した馬車から吸血鬼侍ちゃんが飛び出してきました! 華麗にヒーロー着地を決めた後に吸血鬼君主ちゃんとハグしあってますね。馬車の左右に護衛として追従していた英霊さん2人にも抱き着いて兜にちゅ~し始めました。あれ、たしか鎧の下から漏れる霊体の光は
「……待たせた。今日は宜しく頼む」
「あはは、そんな緊張しなくてもいいじゃない。君が手術するわけじゃないんだから!」
続けて降りてきたのはゴブスレさん。鎧下扱いの
「はい、そのままゆっくり足を降ろして……そう、風のクッションが受け止めてくれますので」
それをフォローするように一緒に降りてきたのは森人少女ちゃん。母体に可能な限り衝撃を与えないよう風の精霊さんにお願いして、牛飼娘さんに≪
「ワン!」
そして最後に降りてきたのは太陽神さん……ではなく、その
以上、合流した人を合わせて今回の手術に立ち会う人が全員揃いました! 本当は他のみんなも来たがっていたのですが、収穫時期になってゴブリンの活動が活発化する傾向にあるために新人たちを引率して駆除に出向いてもらっています。ゴブスレさんも最初はそちらへ行くつもりだったようですが、「この間の緊急時と違って、ゴブリン退治に出掛けて出産に立ち会えないのは流石に笑えない」と全員からダメ出しを喰らって凹んでいたそうです。
勇者ちゃんと剣聖さんは王都へ戻って陛下に報告と次の世界の危機に備えての休息、聖騎士さんもそろそろ自分の所属する
「それではみなさん中へどうぞ! 少し休憩したら手術を開始します!!」
女神官ちゃんの声で神殿へと進む一行。中程を歩くゴブスレさんの手が牛飼娘さんの手に重なり、そっと指が絡められています。驚いた様子でゴブスレさん顔を見た牛飼娘さん、ちょっと顔を赤くしながら彼の腕を引き寄せ、寄り添うように2人並んで歩く姿は秋風に晒されてなお暖かそうに見えますね。この日のためにたくさんの人が知恵を絞り、必要な物資を集め、
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
区切りの良いところまで進めたいので失踪します。
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お時間がありましたら、一言でも構いませんので感想を頂ければ嬉しいです。今後の作品の方向性にも影響してくると思いますので。
誤字脱字のご連絡も助かっております。減らしたいと思ってもなかなか無くならないのが辛いですね……。
お読みいただきありがとうございました。