ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
セッションが延期になったので初投稿です。
前回、ダブル吸血鬼ちゃんがごちそうさましたところから再開です。
自称
拭き取り損ねた口元の血を妖精弓手ちゃんに舐め取られ、ニッコリと微笑まれた時の2人はまさに蛇に睨まれた蛙状態。見習い聖女ちゃんの執り成しがなかったら弁明の暇も貰えずにその場で喰われていたかもしれませんね。
さて、そんなこんなで至高神さんからの
「んなななな何で俺たちが外でUMAに騎乗してなきゃなんねぇんだよ!?」
「仕方ないでしょ、定員オーバーなんだもん。2人ともまだガキなんだから外でも平気でしょ?」
「あぁ? テメェこそ脂肪が足りてねぇから寒いんだろ……痛ってぇ!?」
「意地張ってないで相棒に暖めて貰えば良いだろうが……」
ガタガタと震えながらおUMAさんに乗っていた不良闇人さんのケツに、荷台から飛んで来た矢がブスリ。隣で同じく寒さを我慢しながら騎乗してしている少年魔術師君からは呆れかえった視線。毛布を頭から被ったままの姿で矢を放った妖精弓手ちゃんを剣の乙女が宥めつつ、後方に見える巨体を眺めていますね。
「みんな本当に元気ですのね。冬の元凶を倒したとはいえ、寒さは変わっておりませんのに……」
「足元に近付きすぎてはいけませんよ! ……あの子たちを踏まないよう注意してくださいまし」
「プギィ!」
巨体がゆっくりと歩を進める周囲を駆けまわる小さな人影。令嬢剣士さんが優しく頭を撫でながら、
「最後の最後まで無茶振りをして申し訳ないんだけど、頼みたいことがあるんだ……」
氷の魔女とその配下が倒され、平和が戻ったはずの
「アイツらがいなくなったおかげで食べられる仲間は減るだろうけど、このまま人口が増えると食料不足になりそうなんだ……」
どうやら昔から
近隣で食べ物が手に入らなくなってしまっては、活動中食べ続けなくてはいけない兎人は生きていけません。氷の魔女が滅んだことで行動可能な範囲は広がりますが、それですぐに食料が増えるはずもなく。このままだと群れの分割という名の口減らしが必要になってしまうんだとか。
「出稼ぎで食料を送ってくれとは言わないけど、どこか住み込みで働けて食べ物に困らない働き口を紹介して欲しいんだ」
悔しそうに項垂れる白兎猟兵ちゃんのお父さんの肩を抱きながら続く垂れ耳兎人さんの台詞に考え込む一行。白兎猟兵ちゃんは兎も角、小さな弟妹たちを冒険者にするのは流石に難しいですし、そもそも兎人という種族があまり冒険者に向いていないという特性もあります。多くの食料を持ち歩かなければいけないというのは大きな弱点ですからねぇ。
一時的にダブル吸血鬼ちゃんたちで預かるという案も出ましたが、それでは根本的な解決になりませんし、冒険で不在の時に彼らを不埒な連中から保護することも出来ません。何処か安全で信頼のおける、真っ当な働き口は無いものでしょうか。そんな誰もが羨むホワイト職場の存在に一番最初に辿り着いたのは、やはりこういう時だけ妙に冴えている妖精弓手ちゃんでした。
「あるじゃない。人手を募集していて、信頼出来て、私たちも良く知っている職場!」
「フム、確かにあそこならば安全が保障されておりますし、彼らが飢える心配はありませんなぁ」
妖精弓手ちゃんの口から出た場所を聞いた一行の顔には納得の色が。あそこなら大丈夫だろうということで、白兎猟兵ちゃんの弟妹たちを預かってそこまで連れていくことになりました。吸血鬼侍ちゃんが事情説明と受け入れ準備のために一足先に飛んで向かい、標高が下がるにつれてぬかるみが増えてきた山道をゆっくりと一行は目的地に向かっているわけですね。
あ、不良闇人さんと少年魔術師君の2人ですが、最初は兎人さんの集落で別れるつもりだったみたいです。ですが少年魔術師君が「意地張ってないでお姉ちゃんとあの
「わわ、可愛い子がいっぱいだね! みんなきょうだいなのかな?」
「「「「「「「はい、そうです! おくさま!!」」」」」」」
あくる日の昼過ぎ、目的地に到着した一行を笑顔で迎えてくれたのは牛飼若奥さんです! お行儀よく整列して返事をするおちびさんたちを1人ずつ順番にハグして、その暴力的なたわわの虜にしていますね。しれっと列に並んでいた吸血鬼君主ちゃんは素敵な微笑みを浮かべた剣の乙女に捕獲され、これまた圧倒的なたわわの海で溺れているようです。
「こっちの戦友から聞いたとおりに使っていない倉庫を空けておいたが……本当に調度品の類は要らないのか?」
>「……ぷぁっ。ん、だいじょうぶ。いまからよういするから」
吸血鬼侍ちゃんと一緒に姿を現したゴブスレさんの声に胸元から顔を引き剥がし、返事をする吸血鬼君主ちゃん。その言葉から察するに、何やら予め頼んでいたみたいです。ゴブスレさんに案内されて着いた先は古ぼけた倉庫。……牧場防衛ミッションの後、森人少女ちゃんと出会った場所ですね。
綺麗に清掃され、あの時の情景を想起させるようなものは何一つとしてない倉庫内を見渡す吸血鬼君主ちゃん。暫し瞑目の後、インベントリーから取り出したものは……。
「……うわ、シルマリルってばまだ隠し持ってたの?」
「いざという時の資金源として、持っているよう
ズシリと重い、光り輝く黄金のインゴットです。吸血鬼侍ちゃんと2人並んで足を進め、立った場所は倉庫の中心。床一面に精緻に描かれた魔法陣の基点にインゴットを置くと、魔法陣から溢れる光が倉庫いっぱいに広がりました! 目を瞑ったままの2人の口から紡がれるのは、己が信じる神に捧げる祝詞。そして、世界そのものに干渉し望むままに変貌させる
>「
ボワンという気の抜けた音が鳴り、光の収まった倉庫。インゴットが置かれていた場所には地下へと続く石造りの階段が出来ていました。2人に案内されるがままゆっくりと階段を下る一行。頑丈な両開きの扉を抜けた先は夜目を持たない
ぽっかりと口を開けた闇の中へと歩き出す一行。剣の乙女は吸血鬼君主ちゃんに、令嬢剣士さんは吸血鬼侍ちゃんに、牛飼若奥さんはゴブスレさんにそれぞれ手を引かれ、ゆっくりと進んでいきます。夜目の効く妖精弓手ちゃんや兎人さんたちの口から漏れる感嘆をお供に再び扉を開けた先。そこにも光通さぬ海が広がっていました。ですが吸血鬼君主ちゃんがインベントリーから星籠を取り出し、淡く輝きを放つ星の欠片に自らの星の力を注ぎ込み、宙に放り投げた瞬間……。
「これは……!?」
照明の如く天井に輝く星に照らされた部屋を見て、言葉を失った様子の令嬢剣士さん。目の前にはふかふかのベッドや衣装入れが人数分配置されており、兎人ちゃんたちが一斉に自分のベッドを確保しに駆け出してますね。通って来た扉のほうを確認していた妖精弓手ちゃん曰く、あっちはリビングでそこからさらにキッチンや浴室、トイレなどに続いていたそうです。
「すっごーい! ねぇねぇ、どんな魔法をつかったの?」
言葉を失った様子の冒険者たちとは対照的にキラキラした目でダブル吸血鬼ちゃんに質問している牛飼若奥さん。ヘヘンと自慢げに鼻の下を擦りながら交互に口を開いています。
>「ここはいま、ダンジョンになってるの! あ、モンスターはでないからあんしんして?」
>「いざというときのひなんばしょにもなるから、なにかあったらここにはいってね?」
>「ぼくたちが
>「いまはこのひろさだけど、しょくばいをついかすればかくちょうもできるよ!」
「うんうん、みんなのお部屋をつくって2人ともえらいぞ~!」
褒めて褒めてと言わんばかりの2人をハグして頬擦りしている牛飼若奥さん。その後ろにいる剣の乙女の顔は引き攣っていますね。2人が甘えているのに対してのヤキモチというわけでは無いようですが、そうするとやはり理由は……。
「あの、お2人とも? まさか今唱えた呪文は……」
>「「≪ダンジョンマスター≫だよ???」」
「……ねぇ、おっぱい乙女。その≪
何処か遠い目をしている剣の乙女を見て何かを察したのか、妖精弓手ちゃんの問いが石造りの部屋に虚しく響いています。まさかこんな使い方をするとは思っても見なかったでしょうねぇ……。
「……あの『死の迷宮』も強力な死霊術師の≪
おっと! 精神的ショックで倒れそうになった剣の乙女を妖精弓手ちゃんがギリギリのところでキャッチすることに成功しました。背後から抱き留める形となり、腕に感じる圧倒的な柔らかさに
おや、なにやら思案していたゴブスレさんが、牛飼若奥さんのママっぱいに敗北しているダブル吸血鬼ちゃんに質問があるみたいです。いいか?と前置きをした後に、問い掛けを始めました。
「最初に呪文を唱える際、金塊を使っていたな。つまり、代価さえ用意出来れば
>「うん。なかでしんだひとをいきかえらせることはできないし、たべものをうみだすことはできないけど」
ああ、そのあたりは『死の迷宮』とおんなじなんですね。復活するのは
「それと、先程
>「ぼくよりもよわいモンスターならえらべるよ。オーガでも、ドラゴンでも……
>「ダンジョンからでられないようにすることもね。……いま、なにをかんがえているか、わかるよ?」
その予行練習も兼ねてたの、と鮫の様な笑みを浮かべるダブル吸血鬼ちゃん。頭上に?を浮かべている牛飼若奥さんを挟んで、3人の赤く光る視線が交差する空間。内面で揺れる感情を押し殺しながらゴブスレさんがしゃがみ込み、2人と同じ高さに目線を合わせ、呟きます。
「……頼む」
>「いいよ、ぼくもおなじことをかんがえてたから」
>「ちょっとだけじかんをちょうだい? へいかにもきょかをもらったほうがよさそうだから」
牛飼若奥さんの抱擁から抜け、片膝を立ててしゃがんでいるゴブスレさんに近付く2人。そっと両の頬に顔を寄せ、牛飼若奥さんに聞こえないように囁くのは優しさの発露か、それとも呪いの言葉でしょうか。
>「「
「……ああ、そうか。そうだな」
「あれあれぇ~、なんか良い雰囲気になってる。ひょっとして……浮気? どうしよう、2人がかりで私の旦那さまがとられちゃうかも!」
「違う」
>「せんゆうとはそんなんじゃないよ!?」
>「あ、でもママのほうのおっぱいはちょっとほしいかも。おあ~……」
あちゃー、ぷんすこしているふりの牛飼若奥さんの冗談に過敏に反応して、吸血鬼侍ちゃんが真っ赤になっちゃいました。人妻のお山を物欲しそうな目で見ていた吸血鬼君主ちゃんは、ベッドに剣の乙女を放り出して駆け付けた妖精弓手ちゃんにお仕置きされてます。その後ろからやって来た白兎猟兵ちゃんが、7人のおちびさんたちと一緒にゴブスレさん夫妻に一斉に頭を下げました。
「どうか、弟妹たちをよろしくお願いいたします。旦那さま、それに奥様」
「「「「「「「よろしくおねがいいたしします!!」」」」」」」
「うん、こちらこそよろしくね!」
「……宜しく頼む」
ふわふわな兎人のおちびさんに囲まれて、困惑気味のゴブスレさん。滅多に見れない姿に一行の顔にも笑みが溢れています。暫くは食料の支援が必要かもしれませんが、地母神の神殿の人員と合わせて牧場の拡大が進めばじきに解決するでしょう! 長かった冬は終わり、もうすぐ春が訪れる西方辺境。新しい出会いとともに物語は続いていきます……。
場面は変わって
「それじゃあ、新たな聖女の誕生を祝して……乾杯!」
いつも通り、妖精弓手ちゃんの音頭で始まった見習い聖女ちゃんの
「で、大司教の位を譲る目途は立ったわけだけど」
宴も進み、テーブル上の食べ物やお酒が無くなりかけてきた頃合い。ワイングラスを弄んでいた女魔法使いちゃんが、膝上の吸血鬼君主ちゃんに視線を向けながら戦端を開きました。部屋の空気が変わったのを察した見習い聖女ちゃんが酔い潰れた新米戦士くんを背負い、令嬢剣士さんに案内されて二階へと消えて行きました。女性陣からのサムズアップに良い笑顔でサムズアップを返す姿はまさに歴戦の戦士。もはや誰も彼女を見習いなどと呼ばないでしょう!
同様に戦略的撤退を目論んだ不良闇人さんと少年魔術師君ですが、賢者ちゃんに呼び止められて渋々と席に戻っています。態々惚気話を聞かせる為では無さそうですが、何か彼らにとっても重要な話なのでしょうか?
「大司教の話の前に、皆に見せたいものがあるのです」
そう言って賢者ちゃんが四次元ポシェットから取り出したのは、紅玉色に輝く液体の入った小さな瓶。テーブルに置かれたそれからは強い魔力が感じられます。冒険に出ていた面々からの問いかけるような視線を受け止め、賢者ちゃんが話し始めました。
「さて、『豊穣』の
「子を授かりにくい夫婦が服用するものですわよね? 貴族の間でも服用する者がおりますので」
令嬢剣士さんが思い出すように呟くのを聞いて、頷きを返す賢者ちゃん。ふむふむ、一種の不妊治療薬みたいなものでしょうか。卓上の瓶がそれだとすると随分高価そうですが。
「あれはあくまでも媚薬の類。夜戦が盛り上がることはあっても実際に妊娠確率が高くなるものでは無いのです。ですが、この霊薬は違うのです」
そこで言葉を区切り、賢者ちゃんが見る先には森人少女ちゃん。そっと瓶を持ち上げ、大切なものであるかのように胸に抱きしめながら説明を引き継いでいます。
「この霊薬は魔術的な作用で服用者の複製を胎内に作り、同時に注がれた魔力の持ち主の特徴を引き継いだ子を生成します。その際、産まれてくる子の種族は母体のそれに準じ、魔力提供者の特徴のみを受け継ぎます。……その種族を問わずに」
難解な言い回しに脳が着いていかず、ダブル吸血鬼ちゃんと妖精弓手ちゃん、それに不良闇人さんの頭上には?マークが。ですがそれ以外の面々には通じたようで、みんな驚愕の表情を浮かべています。……童貞男子2人の背後に浮かぶ相棒さんたちも。
「それは、
令嬢剣士さんの問いに頷きを返す森人少女ちゃん。では、という声と共に、剣の乙女がもっとも重要であろう問いを投げかけます。
「それが、本来子を為せぬ組み合わせ。森人と
そこで口を噤む剣の乙女を見て、言いたいことは分かるという思いの籠った微笑みを浮かべる賢者ちゃん。その口から発せられたのは、彼女たちが心より待ち焦がれていた言葉です。
「はい、交わる相手がその子……
瞳や髪の色、
「ちなみに、母体が実体を持っていなくても魔力を取り込めば子を為せる計算なのです。……これで童貞からオサラバなのです」
その言葉で漸く理解が及んだのでしょう。脱兎のごとく逃げ出そうとした不良闇人さんでしたが、即座に目がハートの
女性陣の喜びっぷりにビックリして動きを止めていたダブル吸血鬼ちゃんもなんとか理解できたのか、2人で抱き合ってますね。おや、吸血鬼侍ちゃんのほうが挙手をしてます。何か聞きたいことがあるのでしょうか?
>「えっと、ぼくがそのくすりをのんだら、トカゲさんのあかちゃんをうんであげられる?」
「可能ですが、その場合種族は吸血鬼となるのです」
「ムウ、それは残念ですな。参考までに男子が服用するモノは無いのですかな?」
ありゃ、それは残念ですね。蜥蜴僧侶さんの尻尾も力を失って床に伸びてしまいました。未練というよりは疑念を払拭するために投げかけた問いでしたが、それを受け取った賢者ちゃんの顔は厳しいものです。予想外の反応に驚く蜥蜴僧侶さんを見て、コホンと咳払いの後に賢者ちゃんが答えを返しています。
「申し訳ないのですが、効果を男性側に依存する霊薬は無いのです。そして、この先も絶対に作らないのです。理由は……察して貰えると思うのです」
賢者ちゃんの問いにダブル吸血鬼ちゃんと一緒になって首を傾げる蜥蜴僧侶さん。やがて答えに辿り着いたのでしょう。苦虫を嚙み潰した表情で、牙の隙間からそれを漏らしました。
「小鬼、ですな……」
あっ、という表情のダブル吸血鬼ちゃん。周りで話を聞いていた面々の顔も青褪めています。確かに、男性側に効果を依存する霊薬の製法が万が一混沌の勢力の手に渡ったとしたら……。
「
それは……想像しただけで地獄ですね。鎖に繋がれた女
>「「うぷっ……」」
青い顔になって口元を押さえているダブル吸血鬼ちゃん。『死の迷宮』で凌辱された記憶は有っても、永劫に等しい時間ゴブリンに嬲られるという想像などしたことなど無かったでしょう。2人の背中をさすりながら、賢者ちゃんが話しを続けています。
「女冒険者に予め摂取してもらうという案もありましたが、我ながらあまりに人でなしな考えだったので却下したのです。幸い帝王切開の術式がほぼ確立したので、この霊薬が世に出回ることは無いのです」
それに、と続ける賢者ちゃん。森人少女ちゃんが持つ瓶を見ながら、ため息交じりに語るのは……。
「その霊薬は、まだ臨床試験が出来ていないのです。大っぴらにできないモノなので信用のおける対象に使ってもらう予定でいたのですが……」
あ! 呆れ交じりの賢者ちゃんの視線の先、微笑みを浮かべた森人少女ちゃんが霊薬の瓶を開封してる!? 学院に赴いていたメンバーは既に承知だったのでしょう、瓶の中身を呷る森人少女ちゃんを畏敬の籠った視線で見つめています。液体を嚥下する度に動く白い喉元を呆然と見つめる一同。
やがて中身を全て飲み干し、ほうっという熱の籠った吐息と共に、ゆっくりと森人少女ちゃんが吸血鬼侍ちゃんへと近付いて行きます。恐る恐るといった風に吸血鬼侍ちゃんを抱き締め、その耳元で自らの想いを打ち明けています。
「主さま。
突然口を塞がれて目を丸くする森人少女ちゃん。塞いだのは……吸血鬼侍ちゃんの唇です。体内の熱を貪り、奪い取るような口付け。僅かな時間で出来上がってしまった森人少女ちゃん、その濡れた瞳を見つめながら、吸血鬼侍ちゃんから誓いの言葉が送られました。
>「おねがいします、ぼくのあかちゃんをうんでください」
「……はい!!」
泣き笑いのような顔のまま、抱擁を交わす2人。やがて吸血鬼侍ちゃんが森人少女ちゃんをお姫様抱っこし、お熱いシーンに見入っていた一同に対し見惚れるような笑顔で宣言しました。
>「ちょっとこづくりしてくるから、のぞいたりしないでね?」
「実地観察は勘弁しておくので、後で詳細なレポートを提出するのです」
「承知しました、微力を尽くします……ッ!」
賢者ちゃんの無粋なツッコミに笑顔で返し、二階へと消えていく2人の影。残された面子は一様に顔を赤くし、2人の熱気に当てられてしまったみたいです。先ほどまでの青い顔はどこへやら、自分と同じ顔をした子の妖艶な顔を見て、沸き立つ感情を持て余しているように思える吸血鬼君主ちゃん。戦端を開いたはずの女魔法使いちゃんも事態の推移に着いていけず、半ばずり落ちるような姿勢で椅子に背を預けています。赤い顔でもじもじしている剣の乙女と目が合いましたが、もはや続きを話すための気力は残っていないみたいですね。
>「ほわぁ~……すごかったね……」
「ええ、あんな風に迫られたら私もどうなっていたことか。他のみんなは……駄目みたいね」
二階へ駆け上がろうとしている森人狩人さんと、それを必死に止めている令嬢剣士さん。赤ちゃんが出来たらおっきくなるかしらと自分の胸に手を当てている妖精弓手ちゃん。白兎猟兵ちゃんはぼかぁ
「熱病の如く浮かされるのが恋、その後に産まれるのが愛と
「燃え上がるというか、じっとりと沁み込んで来るというか……。まぁあの子たち2人なら、私を含めたこの面子を受け止める甲斐性はあるでしょうよ」
呵々と笑う蜥蜴僧侶さんを横目に、呑まなきゃやってられないわと呟きながらキッチンへと向かう女魔法使いちゃん。戻ってきたその手には新しい葡萄酒の瓶と、チーズの乗せられた皿。目を輝かせている蜥蜴僧侶さんの前に置き、2つのグラスに葡萄酒を注いでいます。
「渋みが強くて普段は
「それには同意ですな。そんな時はやはり塩気の強いチーズが合うかと」
収拾のつかない眼前の惨事を肴に朝まで痛飲することを決めた2人。グラスを掲げたところで何に乾杯するか思案していましたが……。
「このろくでもなく、とても素晴らしい世界に」
「斯様な世界で、同じ時間を過ごすという幸運に」
「「乾杯」」
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
PLのコンディションを整えるので失踪します。
なかなか週一投稿が難しくなっている状態で、評価やお気に入り登録をしていただきありがとうございます。
やはり感想や評価をいただきますと、更新速度の向上に良く効きますので、よろしくお願いいたします。
お読みいただきありがとうございました。