ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
前回、ヒーローが惨状(誤字に非ず)したところから再開です。
大見得を切った義眼の宰相さん
「フン、少し奇抜な姿をすれば貴様らのような愚か者がとびついてくる……」
やれやれと肩を竦めながら向かってくる一団に向かって悠然と歩きだし、彼らが振るう剣へと無防備に進んでいきますが……当たりません! その見た目からは想像も出来ないほど軽やかなステップによって相手を幻惑、紙一重のところで躱し続けています!! それどころかすれ違う敵の鎧が砕け、次々と倒れ伏していくではありませんか!
「クソ、何だコイツ! 変な動きしやがっ……グギャア!?」
「まったく、何所を見ている?」
シャウッ!という掛け声とともに繰り出される拳撃。胸の前で交差させた両腕を目にも止まらぬ速さで振るい、蹄の先に生みだした真空の刃で相手の二の腕や腿を切り裂いています! 左右にぶりぶり揺れるケツの動きも相まって、その動きはさながら蒼天を舞う白鳥のような……すいません、やっぱクリーチャーにしか見えませんね。
「フム、なかなかのカラテ。あの御仁相当な遣い手のようですな」
「なぁ、やっぱ俺ァ帰ってもいいか? ダメか? ダメだよなぁ……」
お、連中が縦横無尽に練兵場を駆け回る
さて、貴族の決闘において今回のように勝敗に納得がいかず、片方が勝負をぶち壊しにかかった場合ですが、相手側も同数を動員することが慣例として認められているそうです。
「まぁここは男子に任せて私たちは観戦してましょ。あ、ヘルルインも行っちゃダメよ? 一応重傷ってコトになってるんだから」
観客席の最前列に被り付きになっている妖精弓手ちゃんの言葉通り、女性陣は全員
「来たか、待っていたぞ2人とも。女を待たせるとは感心せんな?」
「これはしたり。さすれば遅参の責は
からかうような口調の女将軍さんに合わせ、畏まった返事を返す蜥蜴僧侶さん。2人の間に流れる空気に重戦士さんが居心地悪そうにだんびらを抱え直しています。目敏く新たな参戦者に気付いた火打石団の連中が、背を向けている女将軍さん目掛けて剣を振りかざしてきました!
「そんな虚仮脅しの鎧、バラバラにして鋳潰してやる!」
「では試してみるかい? 虚仮脅しかどうかを……な!」
振り向きざまに腰に佩いた太刀の柄を握り、抜き放つ女将軍さん。鯉口が切られ、顔を覗かせたのは膨大な熱を秘めた実体無き
「決して殺すな。だが痛みは与えろ。逃亡阻止と従軍神官の練習相手を兼ねて、腕や足の1本は奪え。……返事はどうした?」
「「イエスマム!!」」
跳ねるような勢いで
さて、金髪の陛下
「卿もそろそろ働いたら如何かね? 余は枢機卿に剣を抜くなと止められているのでな」
>「は~い。これはおしおき、ころしちゃダメなんだよね?」
「うむ、この国は法治国家である以上、法に則り裁きを下さねばならん。たとえ相手がどんな屑であろうとな」
「狂人がほざくな! 貴族こそが国の中枢、民など貴族の所有物に過ぎん! 我らに
死灰神の精神汚染を受けてもなお保つのは
怒りによって煌々と輝く瞳を前髪の奥から覗かせたまま、胸元で合わせていた両手を勢いよく左右に広げる吸血鬼君主ちゃん。その軌跡から現れるのは、宙に浮かぶヒヒイロカネ製の
>「
――2人を包囲している男たちへと襲い掛かりました!
「ガッ……!?」
「ま、曲がる!?」
「クソ、何で追いかけて来るんだ……グェ!?」
辛うじて視認できる程度の速度で宙を舞う光弾。
「まだだ、もうすぐこの場に王都中の同志が集まってくる! キャプテン率いる別動隊さえ来れば貴様らなぞ……ッ!!」
なるほど、最初からこちらを逃がすつもりは無かったみたいですね。貴族の権威を民衆に恐怖とともに知らしめんとする行為、上手くいっていたら王都の勢力図が一気に塗り替えられたかもしれませんね。辛うじて平静を保ちながら火打石団を取り仕切る首魁の称号を口に出す
>「こないよ」
「……何?」
>「ここにはもうだれもたすけにこないよ。みんなつかまってるから」
「ハッ! 言うことに事欠いてそのような戯言を! 我ら貴族に剣を向ける愚か者がこの王都にいるわけが……」
吸血鬼君主ちゃんの嘘と断じ嘲笑を浴びせる
>「――ちぼしんさまとたいようしんさま」
「……?」
>「おまえたちがけんかをうったのは、このおうこくでいちばんこわいひとたちのところだよ。わかっててやったんでしょ?」
「何を馬鹿なことを。所詮弱者と農民が縋る力無き神殿ではないか! 坊主共は表社会に口を出さずただ祈っておれば良いのだ!! 我が正義を邪魔するというのならば、奴らも悪を焼き払うための薪として聖なる炎にくべてやろう!!」
首元の
>「ねぇねぇ、それはなぁに?」
「これは離れた場所の様子を映し出す呪物だよ。そら、クッキリと見えてきただろう?」
「うわ、あの連中ってもしかして……」
映像を見た妖精弓手ちゃんの顔が面白いように引き攣っていくのが見て取れます。まぁ見た目のインパクトが強い方々ですからねぇ。上空に浮かぶ映像を見た観客たちの間からも、戸惑いと感嘆の声が上がり始めました。
「なぁ、あの方々って……」
「ああ、あの
「それに周りにいる
「馬鹿な、何故あの連中が王都にいる? 辺境へ出向いていたのでは無かったのか!?」
ありえないと叫ぶ
巡回説教者さんと核武僧さんの一団によって期待していた応援が絶たれ、まだ立っていた残り少ない取り巻きたちも戦意を喪失したみたいです。得物を地面に放り捨てながら必死の形相で何かを訴え始めているようですが……。
「ま、待て! 俺は子爵家の次男だ! 俺に何かあったら家が黙っちゃいないぞ!?」
「そうだ! 我らは王国の藩屏、我らを害するということは王国に害を為すことと同義だぞ!!」
おおう……。この期に及んで家の名に縋るとかどんだけ必死なんですかねぇ。腕や足を押さえながら引き攣った笑みを浮かべ声高に特権を主張する連中に注がれている観客の視線は冷え切っています。今まで散々好き勝手しておいてその罪から逃げようというのは、ちょっと虫が良すぎる話なわけで。
「そうだ、卿らに伝えねばならん事があったな。既に卿らは各家の当主より縁を切られている。『我が家にそのような人物は存在しない』という花押入りの証文がここにあるわけでな?」
金剛石の騎士さんの言葉を受けて、吸血鬼君主ちゃんがインベントリーから取り出したのは上質な紙の束。ばら撒かれたそれを手にした取り巻きからは信じられないという声が上がっています。嘘だ、こんなもの偽物だと呻く姿に嘆息を零し、金剛石の騎士がその兜を外しました。
「まぁ、そのような証文が無くとも余が貴様らを貴族として認める筈が無かろう。……王国の血肉たる民を貪り、国家の命を掠めとる寄生虫共が!」
獅子の如き一喝によって、今度こそ絶望に崩れ落ちる火打石団の構成員たち。どうやら抵抗は無駄であると悟ったようですね。あとは連中を拘束して水の街へ送る手筈を……おや? 火打石団本体が壊滅した映像を見てから沈黙していた
「成程、どうやら貴女とは今世では結ばれぬということか」
「ならば、今更生にしがみついたところで何になるというもの」
……あ、なんか嫌な予感が。
「我らの愛は不滅! 一時の死が2人を別つとも、来世で再び結ばれるは必然!!」
「ご安心召されよ。貴女の柔らかき肢体は欠片も残さず喰らい、我らは一つとなるのですからな!」
令嬢剣士さんを見つめる
「お前もっ! お前もっ!! お前もっ!!!」
「我が愛の為に死ねっ!」
彼の叫び声と同時に身体の内から吹き出した炎によって燃える取り巻きたち。その火を消さんと地面を転がりまわりますが、勢いは衰えることなく彼らの生命を燃やし尽くしていきます。やがて僅かな灰を残し、奪われた血肉と魂は
「AWOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOON!!」
見上げるような巨躯、血の色に染まった瞳、とめどなく涎を溢れさせる裂けるように広がった口、剛毛で覆われた逞しい腕。
「なんて悍ましい姿。あれが愛に狂った者の成れの果てとでも……ちょ、ちょっと
おや、令嬢剣士さんに抱えられていた吸血鬼侍ちゃんが腕の間から抜け出してますね。背中から貫通していた鎧貫きを引っこ抜き、地面に投げ捨てながら睨む先は灰に塗れた獣。その瞳に浮かんでいるのは憐れみでしょうか。
>「あれは、このよのことわりからはずれた
視線の先では蜥蜴僧侶さんが剣を抜き放とうとする陛下を抱え、女将軍さんと重戦士さんが牽制しつつ観客席へと後退してきています。
>「だから、あれをたおすのは
そう言い残し駆け出す吸血鬼侍ちゃん。呼び止めようとする令嬢剣士さんを制したのは、宝玉をしまい込んだ銀髪侍女さんです。今にも飛び出していきそうな彼女の肩に手をやり、淡々と言葉を紡いでいきます。
「あの子の言う通り、ここから先は逸脱者の戦場だよ。
なおも戦場へ向かおうとして赤毛の枢機卿に絞め落とされた陛下を眺めている銀髪侍女さん。悔し気に唇を噛み締める令嬢剣士さんの頭を撫でながら、だが君たちに出来ること、君たちがやらねばならないことがあるじゃないかと
「そうね、私たちにはやらなきゃならないことがあるわ」
女魔法使いちゃんの声に同意するように頷く面々。口に出さずとも考えていることはみんな同じなのでしょう。2つの小さな刃が獣を圧倒する光景を見ながら、僅かな怒りと、それ以上の母性に満ちた声で女魔法使いちゃんが全員の気持ちを代弁するように呟きます……。
「2人がまた無茶したのを叱ることと、ちゃんと帰ってきたのを褒めてあげること。――それが、あの子たちを怪物にしないために私たちが望んだ、寄る辺としての役目だものね」
>「かたいね~」
>「ごうもうだね~」
振り回される剛腕を掻い潜りながら言葉を交わすダブル吸血鬼ちゃん。どうやら灰に塗れた獣の分厚い防護点に阻まれ、なかなかダメージを与えられていないみたいです。
本来であれば獣が忌み嫌う炎属性である血刀で焼くのが正当解なんでしょうが、
「AWOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOON!!」
>「おっとっと」
>「あぶないなぁ」
オマケに凶悪な形をした鉤爪は
さて、如何したものでしょうか……っと、2人が戦いながら遠くを見ています。視線の先にいるのは……蟲人英雄さんですね。2人を見つめる真っ赤な眼に導きの光を見たのでしょうか、横薙ぎの剛腕を大きく跳躍して回避し距離を取った2人が頷き合い何事か決心したみたいです。
>「はじめてのきょうどうさぎょうで……」
>「ぶっつけほんばんだけど……」
>「「ふたりなら、だいじょうぶ!!」」
村正を鞘に納め、反対側から
>「ぼくがとっぱこうをひらいて……!」
突き込まれた腕を紙一重で躱し、相手の勢いを利用しカウンター気味に叩き込まれた一撃。分厚い毛皮と筋肉を切り裂き、傷口からは激しく鼓動する心臓が顔を覗かせました!
傷口を押さえようとする反対側の腕には無数の触手が絡みつき、傷と腕の拘束による痛みによって、獣は悲鳴にも似た咆哮を上げています!! それでも再生能力に翳りは無いのか、徐々に傷口は狭まっていきますが……。
>「ぼくがぜんりょくをたたきこむ!!」
脈動する心臓目掛け、身体ごと突っ込む勢いで
>「ばいばい、ありえたかもしれないぼくたちのみらい……」
>「さよなら、あいをしらなかったぼくたちのかのうせい……」
>「「――ヲヤスミ、ケダモノ……」」
愛を知らぬ獣が崩れ去り、灰の山となったのを見て沸き立つ練兵場。果たして灰に塗れた獣に2人の言葉は届いたのでしょうか? ……おっと、
「そこの金ぴか騎士と昨晩ナニしてたのよシルマリル!!」
>「へぷっ!?」
見事にタックルを決められ、2000歳児ごと再び灰塗れになっちゃってますね……。
「……えっと、じゃあ一晩かけて全身の傷や欠損を癒してたの? 2人で仲良くえっちなことしてたんじゃなくて???」
>「うん。ほら、まえとちがって≪
前後に激しく揺さぶられて半ばグロッキーになりながらも事の次第を説明する吸血鬼君主ちゃん。向こうでは兜を脱いだ女将軍さんが涼やかな
女騎士さんから姪っ子となる赤ちゃんを受け取り、優しい手つきで頭を撫でる女将軍さん。まさか「可愛い姪っ子を、自分の手で抱いてやりたい」というのが≪
ん、でもあの時確か豊穣の霊薬も持ってましたよね吸血鬼君主ちゃん。一晩しっぽりコースで無かったということは、アレには別の使い道が? 同じ疑問に到達した妖精弓手ちゃんが訪ねると、悪戯が成功したような顔で吸血鬼君主ちゃんが笑っています。
>「えへへ、あれはね~……」
ちっちゃな指で指し示す先には暴れたりないのか
「なぁ竜司祭殿、おちびちゃんから聞いたんだが……なんでも『鱗があったら拙僧の子を産んで貰いたい』な~んて言ってたらしいじゃないか……?」
突如背後から囁かれた猫撫で声に尻尾をビクンと跳ねさせながら振り向く蜥蜴僧侶さん。その顔には戦場で劣勢に追い込まれた時にも見たことが無いほどの焦りの色が見て取れます。
「い、いやそれは酒の勢いで出た
「それで上手いこと言ったつもりかい? どうやらおちびちゃんとは遊びだったらしいねぇ?」
>「そんな、ぼくのこころをもてあそんだの……?」
しどろもどろに返事をする蜥蜴僧侶さんを追い込むように、即興で連携攻撃を繰り出す女性2人。涙を浮かべて見つめてくる吸血鬼君主ちゃんから目を逸らせば、
「ちょっと聞きました奥様。あの方戦場で轡を並べた女性だけに飽き足らず、あんなちっちゃな子の
「乙女の純情を弄ぶとは、なんて冷血漢なんだろうね。
「俺の卵を産め! なんてもはや告白と変わらないのでは? 母はそう思います」
……なんか本物の奥様も混じってません??? 耳に届く女性たちの囁きに顔を引き攣らせる蜥蜴僧侶さん。それを見た女将軍さんが一気に勝負に出ました!! 手に持つ豊穣の霊薬を蜥蜴僧侶さんに見せつけるように掲げ、誰もが見惚れる笑顔で声を張り上げます!
「この霊薬があれば種族の差を超えて子を成せるのだろう? 鱗の有無など愛の前では些細な事だ。私は、お前の子が欲しい」
衆人環視のなかで繰り出された大胆な告白。その漢らしい言いっぷりに女性陣はほぅと熱い溜息を吐き、男性陣は蜥蜴僧侶さんに絡みつく薔薇色の鎖を幻視し、優しい視線を向けています。
「
咆哮の如き返事に黄色い声を上げる女性陣。何時の間にか復活していた陛下の目にもうっすらと涙が浮かんでいます。王国に欠かせない人材とはいえ、傷を負いながらも戦い続ける彼女の幸せについて思うところがあったのかもしれませんね。
さて、あとは2人がキッチリお説教とお褒めの言葉を貰えば今回の騒動はおしまいに……あれ? なんか吸血鬼君主ちゃんの足元に見覚えのある召喚陣が。同時に聞こえる声は賢者ちゃんのものですね。これはもしや……。
「もしもし、聞こえてるのですか? ちょっと地下でゾンビが盆踊りしていて大変なのです! 早く滅却しないと地上に溢れそうなので今すぐ手を貸すのです!!」
>「おあ~……」
>「……ざんぎょう、がんばってね!」
……うん、頑張れ吸血鬼君主ちゃん。きっとお説教は軽くなるよ!
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
塩沢ボイスを聞いていたら耳が孕みそうになったので失踪します。
評価、感想いつもありがとうございます。
ちょっと今後の話の持って行き方に悩んでおりますので、アンケートなるものを用意してみました。お時間がありましたら、ポチって頂けると幸いです。
お読みいただきありがとうございました。
ダブル吸血鬼ちゃんが次にちゅーちゅーするお相手は?
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女魔法使いちゃん
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妖精弓手ちゃん
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剣の乙女ちゃん
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森人狩人さん
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森人少女ちゃん
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令嬢剣士さん
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賢者ちゃん
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監督官さん
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その他
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全員だ、やれ