ゴブリンスレイヤー モンスター種族PC実況プレイ 作:夜鳥空
――ああもう、いい加減泣き止みなってば。
ああうん、まぁ
え? このままだと勝手に
……仕方ない。あんまりこの手は使いたくなかったけど……ちょっと出かけてくる。
直接介入するのは好きじゃないけど、あの
最高の聖人も最低の悪人も等しく人間から生まれ来る実況プレイ、はーじまーるよー。
前回、お引越しの準備を始めたところから再開です。
うららかな春が過ぎ、段々と暑さが近付いて来た西方辺境。ダブル吸血鬼ちゃん
牧場を介しての土地購入はスムーズに進み、高値を吹っ掛けられることもなく予定していた敷地面積の確保が完了しました。これまでの取引に因る信用が大きかったのは当然ですが、伯父さんが地権者や同業者に対して、正式に自分の跡取りとしてゴブスレさんを紹介したのも良かったみたいですね。後継者が決まっていない状態で事業拡大をしても先行きが不安と思われてしまいますし、姪……改め
地母神の神殿から来ていた職場体験も評判が良く、他の牧場へ就職が決まった子たちもいるそうです。冒険者のように派手な活躍こそ無いものの、家畜の怪我や病気を癒す事の出来る彼女たちは大切に扱われますし、待遇も等級の低い冒険者とは比較にならないほど良いとのこと。
安定した日々を送ることが出来るのは大切ですし、囲い込みも兼ねて後継ぎのお嫁さんとして永久就職することも考えられます。訳アリの子たちが働ける環境が整いつつある辺境の街、これからますます発展していくことでしょう!
また、水の都にて裁きを受けていた
一部貴族からは罪の減免を求める声があったようですが、王国首脳陣は綺麗に黙殺。「ふむ……では犯罪者では無く反逆者として扱うが、それでも良いのだな?」と処す処すムーブをかまして彼らの反抗心を圧し折ったそうです。
刑期を全うすれば社会に復帰できる(復帰させるとは言ってない)可能性がありますが、反逆者として処刑されたらそれでおしまいですからね。身内から反逆者を出したという恥を晒さないためにどの家も『火打石団』に参加していた者は家系図から存在を綺麗さっぱり消されたそうです。面子を重んじる貴族ならそうせざるを得ないでしょう。門閥貴族の力を削ぐという義眼の宰相さんの目論見は見事に成功したわけですね!
それと、これら王国の浄化に多大な貢献をしたということで、一党の面々も昇格が決定しました。しばらく足踏みをしていた子もいますし、等級詐欺な子を適正な等級に上げるという事情もあるようですが、ここは素直に喜んで良いところでしょう!
まず、
「いや、そもそも登録の時点から例外塗れなんだから、諦めて昇格しよ?」
と監督官さんに微笑まれ、首を縦に振るしか吸血鬼君主ちゃんに許された選択はありませんでした。……その際ペン回しの要領で慈悲の刃をクルクルしていたのは、決して見間違いでは無いと思います。
昇格を拒んで青玉等級に居座り続けていた森人狩人さんは、同じく青玉だった女魔法使いちゃんといっしょに紅玉等級へ。
実績は申し分ない2人ですが、翠玉を飛び越して一段抜かしに紅玉へ昇格となったのはちょっと想定外でした。どうやら訓練場での教官を務めていたのが査定に大きくプラスに働いたようで、新人たちや先の
……女魔法使いちゃんを含め一党に所属している
鋼鉄等級だった森人少女ちゃんと令嬢剣士さんですが、なんと経験点が上限に引っ掛かってしまい二階級特進の翠玉等級に。
実力も十分以上に備わり、社会貢献度的には一気に銅等級まで昇格してもおかしくないくらいの評価なのですが、事情を知らない新人からのやっかみや門閥貴族紐付きの冒険者からの嫌がらせ等を考えての措置だそうです。次の査定の際には色を付けてくれるそうなので、紅玉の2人に追い付く日はそう遠くないかもしれませんね。
新人詐欺にも程がある剣の乙女ちゃんと白兎猟兵ちゃんは、森人少女ちゃんと令嬢剣士さんの時と同様に訓練場での講習が終わったので鋼鉄等級に。
真言、奇跡両方を使えるうえに近接でも専業戦士顔負けの技量を持つ剣の乙女ちゃんに、普段はぽわぽわしてるのに、いざ実戦となると石弓と
なお、一党のメンバーではないにも関わらず、辺境のギルド支部で一党に次ぐスピード昇格を続けている女神官ちゃんに対し、2人揃って「先輩! 先輩!!」とにこやかに迫り、女神官ちゃんが悶絶している姿がギルドで良く見られているとか。無自覚なパワハラは良くないと思います。
さて、そんな感じで日々を過ごしていた一党ですが……本日はちょっと雲行きが怪しいですね。
外ではしとしとと雨が降る初夏の夜。普段であればおゆはんをすませ、各々リラックスしている筈の時間ですが……リビングのソファーに座った女魔法使いちゃんのお山に顔を埋めるように吸血鬼君主ちゃんが抱きつき、それをみんなが心配そうに見ています。泣き腫らした真っ赤な眼の吸血鬼君主ちゃんの頭を優しく撫でながら、女魔法使いちゃんが声をかけてますね。
「もう、大丈夫? 落ち着いたかしら」
>「……ん」
「
口調こそ優しいものの、吸血鬼君主ちゃんを窘める声には厳しいものが混じっています。おなかの大きな
「……貴女はあまりショックを受けていないみたいですね」
>「ぼくはあのこほどやさしくないから。みんなこうなるかのうせいをかくごして、くんれんにいどんでいるはずだもの」
お茶の用意をしていた若草祖母さんの問いに平坦な声で返す吸血鬼侍ちゃん。僅かに強まる腕の力に気付いた白兎猟兵ちゃんが「そんなコトありませんよ」と言いながら、そっと吸血鬼侍ちゃんを抱き寄せています。
「あの子の言う通りよ。これは
>「わかってる。でも……」
>「ぼくたちがダンジョンをつくったから、あのこたちはくるしいおもいをしたんだ……!」
「全員の……救出に、成功……しました……っ」
震える声で森人狩人さんに報告をする至高神の聖印を身に着けた白磁の少年。彼の背後では助け出された冒険者を用いての治療訓練が始まりました。普段であればデブリーフィングを兼ねての訓練となるそれが、今日は沈鬱な空気で満ち溢れています。
「末端の傷は後回しだ! まずは動脈近くの傷から塞げ!!」
「
「違う、≪
四肢を粗末な刃物で切り刻まれた斥候を必死に治療を試みる新人たち。傷口が変色しているのを見つけた精霊使いが、奇跡の回数が残っている神官が≪
「痛ぇ……痛ぇよぅ……っ」
「……教官! 応急処置は済ませましたが、傷の大きさから我々では対処が難しく≪
「そうだね、良い判断だ。ここから先は彼女に任せたまえ」
膝の関節を砕かれ、奇妙な方向に足が向いていた戦士に添え木を巻き付けていた地母神の神官が悔しそうに声を上げ、それに応えるように寝かされている戦士へと近付くのは剣の乙女ちゃん。必死に痛みに耐える彼の額に手を当て、もう少しの辛抱ですと励ましながら聖句を唱え始めました。
「≪天秤の君なる我が神よ、正しきことのため、立ち上がる力をお与え下さい≫」
傷口に触れた手から放たれるあたたかな光によって、瞬く間に元の形を取り戻していく彼の脚を驚きの表情で見つめる新人たち。あえて細かな傷は残した剣の乙女ちゃんの声にハッと我に返り、治療の続きに臨んでいます。
決して死ぬことは無いとはいえ、あるいは『死』以上の責めを負う可能性がある訓練。以前森人狩人さんが言っていたように、ゴブリンたちは容赦なく新人たちを嬲っていました。それは、女性冒険者も同様です……。
「嫌ぁ……なんで、こんな……私、穢され……っ」
力無く崩れ落ち、汚濁に塗れた身体を拭き清められるまま呆然と呟き続ける女魔術師。純潔を奪われ、魔術師の象徴たる杖も折られた彼女を他の新人たちが痛まし気に眺めています。森人狩人さんの言葉が冗談や脅しでなかったこと、自分たちが五体満足にダンジョンから戻って来られたのは決して当たり前のことでは無かったという事実を漸く理解したのでしょう。
お、森人狩人さんに断りを入れて、吸血鬼君主ちゃんが女魔術師へと近寄って行きました。新人たちが場所を譲り、吸血鬼君主ちゃんを彼女の傍まで……!?
それは、不運が重なっただけだったのかもしれません。あるいは、周りから見れば不当であっても当事者にとっては当然の感情だったのかも。
泣き崩れる彼女の姿に女魔法使いちゃんを重ねてしまったのか、そっと彼女に近付いていった吸血鬼君主ちゃん。≪
「近寄るな! この化物!!」
恐怖と憎悪に満ちた瞳を向ける女魔術師に、差し伸べた手を払われてしまいました。
何が起きたのか理解できずに固まる吸血鬼君主ちゃんを見て、更に怨嗟の炎を燃え上がらせる女魔術師。眼前に無防備に晒されている細い首目掛けて両手を伸ばそうとした時、2人の間に割り込む1人の女性の姿。女魔術師の腕を極めて床へと引き倒し、暴れる彼女を拘束したのは……。
「恨む相手が違うわ。恨むのは力不足の自分自身よ、馬鹿女」
ゴブリンを帝王切開で摘出し、自らの手で縊り殺した、あの女冒険者です。
「あいつはもうダメね。自分のヘマを他人に押し付けるようじゃ、仲間の信頼なんて得られるわけないもの」
治療にあたっていた精霊使いの≪
「あんたは何も間違ったことはしていない。だからそんな顔を見せちゃダメだ。あんたが後悔を見せたら、新人たちは着いてこなくなっちゃうだろ?」
>「ん。……いまは、ないちゃダメなとき……!」
乱暴に豊かなお山を顔へと押し付けてくる只人寮母さんの言葉を聞いて、必死に涙を決壊させないように我慢する吸血鬼君主ちゃん。僅かに浮かんでいた涙を彼女の胸元に吸わせ、普段よりも赤みを増した瞳のまま顔を上げました。無理矢理笑みを浮かべる吸血鬼君主ちゃんを剣の乙女ちゃんへと放り、パンパンと手を叩いて治療の続きを促し始めました。
「ぼさっとしてないで動く! 次の一党は
「――改めてあの子にはお礼を言わないとね。アンタがあそこで泣いてたら、今までの苦労が水泡に帰すところだったんだから」
>「ふぁい……」
自罰的思考にどっぷり嵌まっている吸血鬼君主ちゃんを引きずり出すように、やわらかなほっぺを引っ張りながら呟く女魔法使いちゃん。うーん、やっぱり不幸な事故だと思うんですが、吸血鬼君主ちゃんは納得出来てないみたいですねぇ。訓練に参加する新人は全員、訓練での負傷に関しては一切の責をギルド及び協力者は負わない旨の誓約書を受付嬢さんに提出していますし、何より実戦と違って必ず救援が来ますから安全性は段違いですし。それを話してもまだ俯いたままの吸血鬼君主ちゃんを見る女魔法使いちゃんの目にこわいものが宿ってますね……。吸血鬼君主ちゃんの顎を掴んで自分のほうを向かせ、怒りにも似た感情を漲らせた顔で問いかけました。
「じゃあ
>「!? ぜったいダメ! それならぼくが……っ」
「アンタこそ駄目に決まってるじゃない。アンタしか一党で≪
>「でも……!」
イヤイヤと首を振る吸血鬼君主ちゃんを諭すように言葉を続ける女魔法使いちゃん。「いいかしら?」と前置きをした上で投げかけられるのは、どこまでも吸血鬼君主ちゃんの事を思っての言葉です……。
「アンタがどんな強大な力を持つ
>「えぅ……」
「自分を犠牲にして他人の幸福を追求するのは止めなさい。アンタには自分自身と、もう1人の自分と、
そう言いながら吸血鬼君主ちゃんを抱き上げ、二階への階段へと向かう女魔法使いちゃん。吸血鬼君主ちゃんを抱くのとは反対側の手で剣の乙女ちゃんと令嬢剣士さんを手招きし、そっと耳打ちをしています。あ、頷きを返した令嬢剣士さんが吸血鬼君主ちゃんの耳に舌を差し入れて、敏感な穴をかき回し始めました! 不意の刺激に吸血鬼君主ちゃんが混乱している間に、剣の乙女ちゃんがエロエロ大司教モードに変身、同様に反対側の耳の穴を攻略しています。
左右の敏感な穴を異なる力加減で蹂躙され、為す術無く上り詰めていく吸血鬼君主ちゃん。淫靡な水音とともに舌が抜かれたと同時、空気を求めるように喘ぐ吸血鬼君主ちゃんの口を今度は女魔法使いちゃんが己の口で塞ぎました!
桃色の蛇が口内をのたうち回る感触に上気した顔で必死に耐える吸血鬼君主ちゃんですが、女魔法使いちゃんが小さな牙に舌を宛がい、素早く擦りつけたことで勝負は決まりました。舌先から滲む血と甘い唾液のカクテルを直接流し込まれ、宙ぶらりんの脚がピーンと伸びきった後、力の入らない身体を女魔法使いちゃんに預ける形で吸血鬼君主ちゃんがゴールイン。完全に出来上がった顔で女魔法使いちゃんの胸元に顔を埋める想い人の耳に、3人の美姫がゆっくりと顔を近付け……。
「他人の事を考えてる余裕なんて無くなるくらい、今夜は付き合って貰うわよ。アンタは、私たちの事だけ見ていれば良いんだから……」
「釣った魚にはちゃんと餌を与えないと、水槽から逃げ出してしまいますわ。……まさかとは思いますが、
「あの、ええと、その……。い、いっぱい愛してください……っ」
3人に迫られ、回らぬ頭で必死に脱出の方法を考えている吸血鬼君主ちゃん。周囲を見回し、
「シルマリルの負けね。大好きなおっぱいに囲まれて限界まで絞られてきなさい」
「諦め給えご主人様。私もこの子がいなかったら参戦したんだけどねぇ?」
「主さま。主さまに救われた
残念ながら救いの手は差し伸べられないようです。最後の希望を込めてもう1人の自分に助けを求めましたが、帰ってきたのは卑猥なハンドサインが3つ。白兎猟兵ちゃんはまだ良いとして、若草祖母さんまで同じジェスチャーを返すとは正直驚きです。
自分は逃げ切ったと安堵の笑みを浮かべる吸血鬼侍ちゃんを見て、女魔法使いちゃんが白兎猟兵ちゃんに対して「うさぴょいして良いわよ」と告げると、目にも止まらぬ速さで大好きな旦那さまにうさだっちを敢行する白兎猟兵ちゃん。
以前眷属になりたいかを吸血鬼侍ちゃんが聞いたところ、「ぼかぁ自分が吸血鬼になって永遠に旦那さまのおそばにいるよりも、たくさん子どもを産んで、その子孫の中の何人かが旦那さまや妹さま、その眷属のみなさんと仲良くし続けてくれるほうが良いですねぇ」と笑っていました。
「旦那さま、当面の目標は
>「おあ~……」
「それじゃみんな、おやすみ」
妊婦3人とおばあちゃんの前で始まった熱烈なうさぴょい、情熱的なアプローチを受ける吸血鬼侍ちゃんが呻き声を上げるのを見ながら吸血鬼君主ちゃんを愛でる3人は二階へと消えて行きました。彼女たちにサムズアップを送っていた妖精弓手ちゃんが、果敢に攻める白兎猟兵ちゃんにエールを送る
「まぁ、こんな感じでいつも騒がしくて退屈しないわね。……ただ、ヘルルインは兎も角シルマリルはあんまり目が離せないのよ。なんていうか、不意の衝撃で壊れちゃうんじゃないかって」
だから、貴女は2人をめいっぱい甘えさせてあげて欲しいの、という妖精弓手ちゃんの声にクスクスと笑う若草祖母さん。閉じたままの瞳で森人少女ちゃんに顔を向けながら、そうですねぇと言葉を続けています。
「たくさんのお嫁さんに、しっかり者の教育ママがいらっしゃるようですし、おばあちゃんの役目はとことん甘えさせてあげることですね。あの子たち2人だけじゃなくて、
老後の趣味にはもってこいですねと冗談めかす若草祖母さんに対し、貴女
「――やっぱり純粋過ぎるのよ、シルマリルは。お願いだから、人間に、世界に、絶望したりなんかしないでちょうだい……」
なお夜明けまで続いた一対三の夜戦ですが、吸血鬼化して
様々な思惑が入り混じり、徐々に変化していく辺境の街。ある日の早朝、冒険者ギルドの応接室に集まったのは、西方辺境でも指折りの冒険者たちです。早朝に街へ到着した馬車から降りた人物がギルドに持ち込んだ依頼、それに対応できる実力の持ち主がギルドへと招集された感じですね。
依頼を受け取った監督官さん直々に呼び出された面々は以下の通り。在野最高位にして新人パパであるゴブスレさん、重戦士さん、槍ニキの辺境三羽烏。『
長机を挟んで互いに向き合う冒険者たちと依頼主一行。机の対面に座っているのはみんな女性ですね。非戦闘員と思われる半数は疲労の色が濃く、護衛らしき残りの3人は涼しい顔をしています。護衛はみな色合いの異なる銀髪で、1人は既に顔見知りの人物。初めて見る2人はそれぞれ犬耳を生やした長髪の幼女に
護衛対象らしき3人……侍女服を纏う
砂まみれでボロボロな3人を尻目に、飄々とした態度で懐から取り出したスキットルの
「やぁみんな、久しぶり。朝早くから呼び出してすまないね。今日は、君たちの実力を見込んで依頼をしたいんだ」
「現在、隣国で人為的にゴブリンが生み出されている。
……この場に居る冒険者全員の怒りに火を点けるには、十分過ぎる内容でした。
今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
続きを早めに仕上げたいので失踪します。
評価や感想、いつもありがとうございます。
このセッションはどう足掻いても暗い話にしかならないため、応援していただけるとモチベーションが保てるかもしれません(他力本願寺)。
一言感想やお気に入り登録、是非お願いいたします。
お読みいただきありがとうございました。