「鉄血の皆様、スケアクロウです。」   作:大薙刀(セブルス)

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自爆しておけばよかった

ここは、戦場。

 

人間同士が直接争う事は少なく、専ら人形同士が撃ち合うのは最近の常識だ。

 

銃弾や、レーザーが飛び交い、正に鉄クズとなって崩れ落ちる。

 

片や、人類のため。

 

片や、主のため。

 

人間に代わって、手足となって。

 

今日もお互いに撃ち合うのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『スケアクロウ様、こちらは押されています!』

『スケアクロウ様、我々も撤退をーーー』

『ああっ、スケアクロウさーーー』

 

部下からの通信は、次々と途絶えていく。

 

『このっ、人間の犬どもがーーー』

 

また一つ消えた。

 

ふと、スケアクロウのセンサーに敵性反応があった。

 

グリフィン(鉄クズ共)だ。

 

 

 

「初めまして、そして」

 

 

 

 

 

 

 

 

「死んでください。」

 

スケアクロウの背後から、3機の小型ビットが浮かび上がり、グリフィンの人形達へと撃ち始める。

指揮棒のようなユニットで操る姿は、まるでオーケストラで曲を奏でる指揮者のようで、美しくみえる。

 

それが、死をもたらすものでなければ。

 

 

「なに、大したものでは無い!」

「はっ!当たらないにゃ!」

 

グリフィンの人形も、黙ってみている訳ではない。

リボルバーや、サブマシンガンを持つ人形はレーザーを避け、時たま撃ち返す事でヘイトを稼いでいる。

 

「撃て撃てー!」

「好機を逃すな!」

 

アサルトライフルを持つ人形は、火力を上げ、榴弾を撃ちだして確実なダメージを与え続ける。

 

そしてーーー

 

「みなさんの為に!」

 

ライフルを持った人形が、3機のビットと、スケアクロウが持つ指揮棒型の操作ユニットを吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

ーーー最早、これまで。

 

「そんな、私の、ミッション…」

 

最後の手段は、自爆のみ。

 

すぐに起爆コードを入力

 

 

 

 

『まあ待ちたまえよ、君』

 

しようとした時に、男の声が響く(・・・・・・)

 

周りをよく見れば、トドメを差せる絶好のチャンスだというのに、それぞれの銃口を此方へ向けたまま止まっている。

 

「指揮官、これでいいのかのぅ?」

『ああ、構わない。むしろ上出来だな。』

 

リボルバーを持ったグリフィンの人形に指揮官と呼ばれたそれは、私にはよく理解出来なかった。

 

私達鉄血の、スカウト(・・・・)が白くペイントされたものだったから。

 

「なっ、何故…?」

『やあスケアクロウ。私はグリフィンの指揮官の一人、アウディだ。早速だけども、君を鹵獲させてもらうよ。』

 

疑問に思い、口に出すもやはり分からない。

 

が、今なら多くの人形を自爆に巻き込める。

途中だった起爆コードの入力を続けようとするが、

 

『おお、危ない。少し痛いかもしれないが、今後は改良するので我慢してくれ』

「あっ…?」

 

プスッ、とスカウトから伸びたコードが手に刺さり、情報が抜かれていく。

咄嗟にバリアを張るも、それごと持ち去られる。

戦闘データも、地形データも、起爆コードも。

人格形成のためのデータを残して。

 

『うん…よし。これで問題ない。』

「………」

 

大量のデータが抜かれ、戸惑いと大きな喪失感を持ったスケアクロウは、唯一残った安全装置を起動させる。

 

つまりは、気絶だ。

 

彼女が目を閉じる瞬間に見えたのは、自分の部下だった筈の機械、人形問わず、白くペイントされた姿だった。




皆様、どうも。
初めましての方は初めまして。
ご存知の方はお久しぶりです。

大薙刀と書いてダナジンと読みます。
以前はセブルスという名で書いていました。

前作、前々作とエタってしまい、待っていた方々には本当に申し訳ありません。
また書くかわかりませんが、今回の話はできるだけ続けたいと思っております。
どうか、応援お願いいたします。
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