【実況】鬼滅の刃RPG【祝100周目】   作:ゆう31

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お ま た せ


倍速〜◇◇戦開始まで

 

 

あの日僕は何かを求めていた

 

あの日僕は鬼滅の刃RPGと出逢った

 ……そして

 

あの日僕は手に入れた

 

かけがえのない何かを…

 

 

 

 な実況プレイ、はーじーまーるよー。

 

 

 前回はカナヲちゃんを肉体言語してユウジョウ!を獲得しました。

 

 結論から言いますと、ここからゲーム時間で半年間は特別何か大きなイベントは起こりません。

 

 見所さんも息していませんので、倍速倍速ゥ!この辺りの無修正動画は後日上げるとして、ここらで今の時系列をまとめます。

 

 

 今回のプレイ内での時系列を明確にする事は難しいですが、漠然となら予測する事が出来ます。

 

 まず今の柱の数は、悲鳴嶼さん、派手柱さん、カナエさん、嫌われてない人、不死川の兄貴の五人です。

 

 そしてこの人数で起きるイベントと言えば、童磨戦になります。

 

 童磨戦を終えた一年後にしのぶさんが柱に就任、その年か次の年の冬に炭治郎一家が無惨様に襲われます。

 

 それから一年半年の間に煉獄さんが柱に、その年の内に無一郎きゅん、甘露寺ちゃん、伊黒小芭内(ムッツリ)さんが柱になり、大体半年の間には那田蜘蛛山編が開始するはずです。

 

 

 ただいまのゲーム時間の時期は春、鬼滅の刃RPGでは童磨が積極的に活動するのは秋〜冬の間です、その為短くても九月までは原作イベントは起きないと見て良いでしょう。

 

 

 視聴者兄貴姉貴はいい加減「てめえ童磨戦どうすんだよ」と思っているでしょう、参加するのか、しないのか。

 

 当初の予定ではリスクとリターンが合わな過ぎるとの事で無視していましたが、ここでぽもは一度童磨戦についてしっかり考えてみました。

 

 

 まず、襲撃が起きる事を知っているのはあくまでぽもであり、臨花ちゃんは知りません、当たり前ですが、時折ここを勘違いしてしまっている未プレイ兄貴姉貴がいるので、はっきりと言います。

 

 

 これはあくまでゲームです、フィクションの、あの時あり得たかもしれない無数に存在するIFです。

 

 

 

 少し脱線したのでここで脱糞ああああああああああああ!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュ!ブツチチブブブチチブリリイリブブゥゥッッッ!!!

 

 

 

 ふぅ……さて。

 

 

 

 結論を話す前に、遭遇〜上弦の弐 『童磨戦』 を軽く解説します。

 

 

 まずカナエさんが襲われます、この段階でカナエさんとしのぶさんの友好度が少なければ、原作通りに死にます。

 

 友好度が高い場合、カナエさんが鬼に襲われた知らせが届き、助太刀に迎えます、ここで注意して欲しいのは、実力が階級甲、能力値オール甲(運を除く)以上のキャラでないと、絶対に間に合いません。

 

 そして参加する場合、特殊戦となります。

 

 

 一定時間を超えるか規定値以上童磨にダメージを与えると勝利となる戦いへ移行します。

 

 ここで絶対に後者の「規定値以上童磨にダメージ」を与えてはいけません、本気になった童磨が全てを破壊し、ぽもは失踪します。

 

 

 なので一定時間を超えるまで童磨を相手取らないといけないのですが、本気を出さないとはいえ、童磨は鬼殺隊士メタの血鬼術、対鬼殺隊士において、兄上(笑)さんをも上回る最高峰です。

 

 

 原作にて、彼が本気で戦った描写は一切ありませんでした、それを逆手に取った技術スタッフ達は、本気無惨様に次ぐ実力者にしてやがりました。

 

 

 ふざけんな!

 

 

 全生存RTAを失踪したあの走者「ズンドコ舞」さんは彼についてこうコメントしています。

 

 

 >>猗窩座も倒した、黒死牟もなんとかなった、童磨はどうにもならない<<

 

 

 うっっっそだろおまえ(笑)鬼滅の刃RPGやめるわ(笑)

 

 

 そして何より、この一定時間の時間指定は『朝日が見えるまで』です。

 

 

 

 は???(全ギレ)

 

 

 参戦のタイミングは深夜二時辺り、そこから朝日なので……三時間程度でしょうか。

 

 

 ばかじゃね?無理だろ……おしまいだ……なんだこの無理ゲー、開発者は人の心が無いのか!バカ者が!

 

 

 

 

 ……てな事でほぼ無理ゲーです、そんな童磨にも弱点はあります、それは”空の心“つまり、熱を持たない事です。

 

 原作にて黒死牟は力への渇望から、頸を斬られても再生し、日輪刀を克服しました、そして無惨様も生への執着により日光以外死にません。

 

 猗窩座殿もその片鱗を見せました、この様に強力な鬼は必ず復活判定があります。

 

 

 ですが童磨にはそれがありません、復活するだけの、世に留まるための想いが存在しないからです。

 

 

 

 ……え?弱点になってない?

 

 

 アヒヒヒヒャヒヘ!(乾いた笑み)

 

 

 さて視聴者兄貴姉貴、ここまで聞いても、カナエさんを助けるんだ!と心を強く持つ事が出来ますか?

 

 

 ぽもは無理です。

 

 

 では諦めるのか???

 

 

 ぽもは葛藤しました、救いたい気持ちが無いわけではないです、少なくとも臨花ちゃんの性格上、多大なストレス値が上がるのは間違いありません、今後の育成に支障が出る可能性もゼロじゃ無いです。

 

 ですが童磨戦は下手したら兄上(笑)より厄介、ある時は眠る事が出来ず、深夜に唐揚げを食べてしまった事もあります。

 

 

 そしてぽもは、結論をつけました。

 

 

 その結論はこのままブラウザバックをせず、動画を見ていただくとして、ゲーム画面に戻ります。

 

 

 

 “任務を終えた。私が間に合い、救えた命は、今も生きている、そして今回の任務も、取り返しがつかなくなる前に、未然に鬼を狩る事ができた”

 

 

 

 ほぼ半年ほど時間を進めましたが、重傷になる様な厄介な鬼にも出会わなければ、下弦にも上弦にも、ショタ女装おじさん事無惨さま(笑)にも遭遇しなかったです。

 

 まあ序盤を乗り越え、一先ず能力値が整ったこの時期はこんなもんです、鬼が本格的に活性化するのは、原作開始の炭治郎一家惨殺事件の後です、無惨様が鬼殺隊にキレ始めて鬼全体にパワハラ命令、ついでに憂さ晴らしに有象無象の鬼を蹴り殺します。

 

 ちなみに鬼プレイで運が悉く低いと有象無象の鬼枠にプレイヤーが選ばれバッドエンドになります、ひたすら笑った後の虚無感はたまんねぇ〜〜〜よなぁ〜〜〜ー!(半ギレ)

 

 

 “火縄銃にも慣れた、刀での斬り合いで使えない事も無い、日輪刀と同じ素材だから、盾にも使える、本当に便利な武器をくれたものだ”

 

 

 “あの時、父に鬼殺隊士になるべく育てられ、そして数年経った今、私はあの頃よりずっと強くなった、鬼を狩る術を手に入れた、鬼を憎むこの気持ちに嘘はない、今でも鬼は殺すべきであり、世界の癌だ”

 

 

 ん?テキスト長いな、何か覚えるか?

 

 

 “けども……私の知らなかった、鬼達は、彼らは……最後に人として、確かにそこに、居たと、そう思いたい。人と鬼は交われない、だけど、彼らが元は人だったのを、否定する事は出来ない“

 

 

 ”……結論は、付いている。全ての元凶、諸悪の根源である鬼舞辻無惨は必ず殺す、人を辞めた、命を穢す醜い化け物を、私は許さない……静かに私は、心の火を付けた(・・・・・)

 

 

 

   ☆★☆★☆★☆技能【開悟】を獲得しました!☆★☆★☆★☆

 

 

 

 

 いやこれ上位技能やんけ!やったぜ。

 

 

 上位技能の獲得は下位技能からの進化を除けば全て運なのでこれはかなりのうま味、着々と臨花ちゃんが強くなっていってますねェ!これは本格的に那田蜘蛛山編までには柱と遜色ないステータスになってもおかしくないです、いいぞォ〜〜コレ!

 

 これ程育成が成功しているのは100周したぽもでも3回程しかないので、今回は非常に運が良いです……いや危うい所は都度ありましたが、当社比で頻度は少ない方ですしね?

 

 十二鬼月と遭遇しないだけでもかなり運が良いよ臨花ちゃんは。

 

 

 さて、技能:開悟の説明ついでに、現時点での臨花ちゃんのステータスを覗いてみましょうか!

 

 鬼殺隊士二年半年の天才美少女臨花の今のステータスは、これだッ!

 

 

 

【戌亥 臨花  階級<甲>

  能力値 トータル 甲

  力>>>甲

  技>>>甲

  体>>>甲

  速>>>柱(下)

  運>>>丁

  呼吸

  火0/0 水50/50 風50/50 雷80/80 岩20/20

  派生呼吸

  煌99/200

  技術

  剣術141/200 抜刀96/100 仙術87/100 居合100/100 体術100/100 歩法108/200 気配感知100/100 暗器術119/200 交渉術100/100 鉄砲術71/100 育成11/100

  技能

  応急手当 踏ん張り 対の先 技師 奮闘 常中(上) 心眼 奇襲無効 止水 交渉上手 分析 専心 研磨 掩護 開悟

  特殊能力

  『速度+』『抜山蓋世』】

 

 

 能力値、呼吸は前回と変わりませんが、歩法の壁を越える事に成功、歩法が高ければ高い程全体的な能力に響くので、してやったり。

 

 鉄砲術は火縄銃を使っている関係から。育成はカナヲとの稽古の後に獲得しました。

 

 技術:育成は自分よりステータスの低い隊士に教えを説いたり、稽古すると、そのキャラの能力値の上振れを狙いやすくできます。

 

 臨花ちゃんは弟子を取るタイプではないので100/100にする事は難しいですが、100/100にした際に手に入れられる技能はどれも優秀なので、狙えたら狙いたい所。

 

 

 そして新しく覚えた技能でちが【開悟】それから【掩護】の二つでち。

 

 肝心の効果の内容はこちらになります。

 

 

 【開悟:迷い晴らし、真理を悟よ。

  精神力が強化され、一部を除く精神低下を無効にする】

 

 【掩護:手が届く所にあなたは居る。

  隊士の救援成功率、共闘時の仲間の能力値が多少上がる】

 

 

 開悟は精神力向上、そして何より精神系のダメージが殆ど通らなくなります、Fuooooo!……といっても魘夢の血鬼術は貫通してきますし、童磨の無差別バステ付与も完全に防げないですけどね、は?

 

 そのため効果を実感する場面は少ないですが、あると無いとでは精神攻撃を多用するモブ鬼との勝率が著しく変わります。

 

 つまり取り得です、ラッキー☆ピィーッス☆

 

 

 掩護につきましては、隊士を助けてたら自然と会得しました、これも取り得ですが、多少程度の増量値なので、んにゃぴ……。

 

 

 強敵相手には雀の涙程度の効果ですね、かなしいかな。

 

 

 ですが【掩護】には隊士を助けると、ストレス値が今までより下がる値が増えます、Foo!

 

 ま、助けられなかったら今まで以上にストレス値が上がるんですけどね、は???

 

 

 という具合なので、掩護は早々と別技能に変化させる必要が微レ存。

 

 

 ではどうするか?答えは後ほど、質問返しのコーナー、はーじまーるよー。

 

 

 

 Q.鬼滅の刃が新しいアニメを始めるらしい。

 

 

 

 やったぜ(天上天下唯我独尊)

 

 

 

 どうやら内容は無限列車編前のウマイ!さんのお話らしいですね???完全アニオリってことになるので、どう作っていくのか楽しみですねぇ!

 

 

 俺たちの煉獄さんは、まだ終わってないんやなって……。

 

 

 煉獄さんをプレイキャラにするとそのシーンを見る事が出来るらしいのですが、生憎私は煉獄さんをプレイした事がありません、は?そんなんじゃ心の火を燃やせないよ。

 

 いえね、煉獄さんはなんというか、自分で操作するのは違うかなって、やっぱこう、時に共闘したり、高め合い、猗窩座になってお前も鬼にならないか?って言ったり、そういう方が良いかなって(厄介後方猗窩座面オタク)

 

 

 

 

 Q.今までモブキャラで一番強かった隊士は?

 

 

 

 まあ〜〜〜そこそこいるんですけど、一番印象的だったのは原作開始前の段階で、山奥にいる場合に極低確率で起きる無惨様エンカウントで敗北した時の第81回ですかね。

 

 

 無惨様に運悪く当たり、はい死亡確定、対戦ありがとうございましたとまあまあお通夜だったんですけど、同期で義兄弟で好感度が一番高いその時に任務が同じだったモブ隊士がなんと覚醒しまして。

 

 弱体前の、完全生命体一歩手前の無惨様の心臓を三つ破壊した後に赫刀で左腕をぶった斬りました、これにはカーズ様もぽもも無惨(笑)様もびっくり。

 

 

 まあ数分もしないで死んだんですけどね、初見さん。

 

 

 

 

 ”そろそろ食べ時になってきたクロえもんが任務を持ってきた、隊士が返り討ちに遭い、危険性が高く、また付近に人里もある事から可及的速やかに討伐せよとの事だ“

 

 

 てことでゲーム画面に戻るんですけども、ん?

 

 

 ……危険性の高い?

 

 

 おいこれもしかして下弦か?

 

 

 ”早急に向かう、霧の深い、闇が広がる夜はいつも以上に不気味で、私の第六感が騒めいている……この先に何かが居る、一度だけ体験した、あの時のような“

 

 

 体験済み?これ確定か?霧のテキストもあるし、怪しいぞ。

 

 

 この段階の下弦は二人欠けて、一人は除外されるから名前の明らかになってない鬼が殆どなんだけど、これは……

 

 

 

 ”……争いの音がする、今もまだ戦っている!呼吸を整え、歩みを速めた”

 

 

 あー。

 

 

 

 了解。

 

 

 

 ”息も絶え絶えな隊士に迫る一撃を、全力で弾く。弾いて、その鬼の姿が明らかになった“

 

 

 

 ”赤い着物を着用した二角を持つ、女の鬼、その左目には「下肆」の数字……鬼の中でも、特別に強く、圧倒的な鬼、十二鬼月の、一人”

 

 

 

 勝率は五分五分、いややや臨花ちゃんが優勢か、ステータス差はそこまで無い、1on1でも十分、長期戦にならなければいけるはず。

 

 

〜〜〜ENCOUNT! 下弦の肆【零余子】戦を開始します!〜〜〜

 

 

 

 

 しゃオラ!見せてやるよぽもの全力って奴をヨォ〜〜!

 

 

 やってやろうじゃねえかぁ?!

 

 

 

 

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 いつからか、私は鬼になる前の記憶を失った。

 

 

 いや、正しく言えば「失った」のではなく、「忘れてやった」と言える。

 

 

 強力な鬼として、下弦ではあるが十二鬼月となった時に、人間の時の記憶など必要のない、無価値なものだと気付いたのだ。

 

 鬼である事、鬼になった事に私は誇っている、脆弱な人間だった頃の自分など、要らない。

 

 

 

 ……それから暫くして、燃え盛る炎の様な鬼殺隊士に、私は殺されかけた。

 

 

 

 一つの誤ちに気付く、私は結局、強力な鬼となっても、どうにでもならない奴らはいるという事に。

 

 

 柱と言われるソレらは、やもすれば上弦の方々に勝るとも劣らない実力を持っていて、言ってしまえばあの方に多少血を多くもらっている下弦程度の私には、荷が重すぎた。

 

 

 それからだ、私は極力柱に殺されない様に立ち回った、バカな鬼共を籠絡して柱の動向を探らせる事もすれば、取るに足らない鬼殺隊士を敢えて条件をつけて見逃し、虜にさせる事もした。

 

 

 可能な限り、私の生存の為に、生きる為に使ってやった、特に男どもは扱いやすかった、鬼ならば少し甘い声を出せば、隊士ならば、人らしく振る舞えば、簡単に騙される。

 

 

 本当にバカな連中だ、吐き気がする……過去が、人であった時など忘れたとしても、心の底にある、嫌悪感が、奴らの存在を許さない。

 

 

 そうして暫くして、運が悪く私の息のかかっていない鬼殺隊士に遭遇した。

 

 

 最も運が悪いのは鬼殺隊士であり、私は久々の“狩り”を楽しみつつ、さてどうして食ってやろうと、痛ぶり、嘲りながら考え、早々に飽きる。

 

 

 

「醜い……鬼め……ッ!」

 

 

 囀るうるさい口を思いっきり掴んで、引き剥がす、絶叫を上げる目の前の”ゴミ“を嗤ってやりながら、売り言葉を買ってやる。

 

 

「あは!鏡を見て?貴方の方が醜いじゃない!」

 

 

 

 もう声も出せないみたい、なんて無様。

 

 

 気分が良い、普段は男なんて食わないが、殺して、食べてやろう、私の糧になれ。

 

 

 

 そう思って、心臓を狙った私の手刀は。

 

 ッバン!!!

 

 

 高速に飛来して来た鉄の玉によって破壊された。

 

 

 

 「……ッ!」

 

 

 距離を置いてその姿を見た、洗柿色の小紋羽織を羽織った、私と変わらないぐらいの、銀色の髪の赤い目をした女。

 

 

 対峙した瞬間に、私の理性が告げる、こいつは強い、逃げるべきだと。

 

 

 だが、不思議な事に本能は「殺せ」と今にも、檻から出た猛獣の様に、暴れて食い殺してやりたい。

 

 

 何故?

 

 

 

 ……その疑問は、その女の目を見て、理解した。

 

 

 

「……憐んでいるというの、鬼を、この私を?」

 

 

 

 無表情に徹している横入りしてきた女は、刀を此方に向けながら、私の心を透かしたように、真っ直ぐに見据えて……その目の奥に、確かな憐れみを感じた。

 

 

 こいつは、この女は、私を、十二鬼月を、下弦の肆であるこの私を。

 

 

 

 憐んでいるという事実が、どうしようもなく苛立たしい。

 

 

 

 強いという事は肌でわかる、だけどもこいつは柱じゃない、柱じゃないなら、私が負ける道理は無い。

 

 

 

 何より、煌びやかに光るソレ(・・)を、どうしようもなく汚して、破壊して、屠ってやりたい……ッ!

 

 

殺してやる……

 

 

 

 

 “楽にしてやるよ、鬼”

 

 

 

 逡巡。

 

 

 そして一瞬の内に、拳と刀がぶつかる、やや驚いたような女の表情に嘲笑ってやりたくなった、どうせお前も私のか弱い容姿に騙されたんだろ?バカが!鬼にとって重要なのはあの方に与えられた血、そして今まで食ってきた血肉そのもの!

 

 容姿ではなく、中身の性能が私の武器であり、速さに於いて自分が負けるはずが無い!後は力の限り引き裂いて、ズタズタにしてやる!

 

 

 ……だというのに、こいつ!

 

 

 

 ”煌の呼吸五の型、煌々の釆……!“

 

 

 

 「なんでついてこれるんだ……?!」

 

 

 

 下弦の私について来るこの速さ!あの忌々しい呼吸とやらのせいか、私の一挙手一投足が全て対応される、それのみならず、拳と刀が対峙する毎に、その速さは、刀の鋭さは、勢いを増してーーーッ

 

 

 “逃すか……!”

 

 

 瞬時に刀を手放し、掴み掛かる女の腕を強引に離したと思えば、腕の関節が外され、だが私の、鬼の超人的能力は一瞬の内に逆再生を始めて、両眼を潰そうとした攻撃を咄嗟に腕で塞ぐ。

 

 ほぼ同時に蹴り飛ばし、背後に下がらせ、一息付く間もなく何処からか隠してた投擲物を全て弾き、私はほくそ笑んだ。

 

 

 逃げる?

 

 

 柱でもない隊士如きに?

 

 

 

「消えろ……!」

 

 

 

 黒い、漆黒の黒煙が私の体から、否、体ごとこの場を、世界を、あの女を包む。

 

 

 吸い込めば最後、その肺に侵入し、霧に紛れた私の血の猛毒が臓器を破壊する、それだけじゃない、この黒煙は言わば私自身、いつ何処でも実体化して、不可逆な一撃を確実にお見舞い出来る。

 

 

 下弦になった事により、更に私はこの霧を強力なものとする為に、あの上弦の方のような残虐で無慈悲な血鬼術を参考にした、血鬼術!

 

 

 血鬼術霧雨

 

 

 

 黒い、暗黒にその女は、目を閉じ、そして開く。

 

 

 赤い瞳が私を見据えていた、その目が、あの炎のような柱と被ったように見えて、そして何より、未だに、憐んだ目で見つめて。

 

 

 

「その目で見るな……!」

 

 

 

 黒煙を噴き出しながら、自分の体を実体化し、徐に左腕を”変形“させる。

 

 

 これはもし、仮にまたあの柱に出会って、殺されてしまわない様に生み出した、私の奥の手、血鬼術と呼べるのかも、怪しいこれは、人である事をやめた鬼である私の……ああ、たしかに醜い、鬼の、異形の腕。

 

 

 殺す為だけに編み出した、赤黒く、破壊に特化した、植物のような動きをして目の前の女を掴み殺そうと、その脅威を奴に味わわせてやる……!

 

 

血鬼術 醜縮腕

 

 

 ……勝った。

 

 

 

 

 

 奴は霧で呼吸が出来ない、黒い霧は視界も閉ざす、この腕からは逃れられない、掴んで破壊して、食い殺して、取り逃したあの男の方の鬼殺隊士も殺して、私は、完全に人を辞める、人である事を捨てる。

 

 

 

 そうした私の決意は、破壊衝動は確かに奴の命をとらえた。

 

 

 

 そのはずだと言うのに。

 

 

 “風の呼吸、壱の型…… 塵旋風!

 

 

 暴風によって霧が晴らされる……ッ、こいつ、風の呼吸の使い手でもあったのか!相性が悪いッ、だがもう私の腕はこの女の体を捉えている!このまま絞め殺して、破壊してやる!

 

 

 

 

” 星流れ・破天御剣……!“

 

 

 

 確かに捉えたその瞬間、私の異形の腕は、煌びやかな流星に霧散していった。

 

 

 

 

 

「なんで……っ」

 

 

 

 何故後一歩が届かないッ、息を切らしているあいつと比べて私はもう既に受けた傷を全て回復している、無尽蔵の体力だというのに、未だに四肢の一つも欠けないんだ!

 

 

 

 

 

 “……雷から、私の呼吸は派生した”

 

 

 

 女が語る。

 

 

 

 “電の呼吸、指南書ではそう書かれていた、だけど、私は雷の呼吸の適性も無かった、(いなずま)の様に、最速じゃない……私には、間に合えないものが多い”

 

 

 

「何の話だ……」

 

 

 

 “だから煌と名付けた、何故だと思う?”

 

 

 

「そんなの、知るか!」

 

 

 

 “煌々と、明るく、火を付ける(・・・・・)、決意を固める為に、この先に未来を、煌びやかに輝かせる為に、後ろに、守るべきものに、者達に、光を与える為に”

 

 

 

 なんだ、こいつは、なんなんだ。

 

 

 柱の様に強い?いや、そうじゃない、あの炎の様な鬼殺隊士のような圧倒的な暴力じゃない、強くとも、苦戦はするかもしれないが勝てると思えた、だというのに未だに、擦り傷程度しか与えられていない。

 

 

 ああ、強い、強いとも、だが殺せるはずだ、勝てないとは思わない、今だってそうだ、霧が通用しなくとも、異形の腕を駆使すれば、食うのは出来なくなるが押し潰してやればいい、だというのに。

 

 

 

 “……やっと、お前()を見据えて、見定めて、気付いたよ”

 

 

 

 私の闇が、輝く煌めきに全て祓われる。

 

 

 

 ”どうしようもなくなったお前達鬼に、最後に見せる太陽の如き光を、裁きの雷を、風と共に、水の様に、土へと還す、鬼滅の刃だと!!“

 

 

 

 「なんなんだよーーーーーーなんで!!!」

 

 

 

 ”全集中! 煌の呼吸……!“

 

 

 

「あぁぁぁっぁああ!死ね!死ねよ!死んでよ!」

 

 

 

 異形に伸ばした腕は鬼殺隊士を押し潰そうと動く。

 

 

 両の手で刀を握った女は、たった一閃で腕を一刀両断し、私が再生する間もなく、私の首に、刃が掛かる、瞬時に霧状化し、即死を回避し。

 

 

 目が合う。

 

 

 ……目の中に映る、私と、目が合う。

 

 

 

 何故泣いているのだろうか、悔しい?苦しい?これから来る死に?

 

 

 

 

 ……違う。

 

 

 

 こんな事になったことが、病で、鬼になって健康体になって、喜んで、それで、父さんが、母さんが、喜んでくれて、それで。

 

 

 それで。

 

 

 

 

 

 “ 漆ノ型! 陰翳 (いんえい)煌陽(こうよう)

 

 

 光の当たらない陰にすら、その煌めきは強く光かがやく。

 

 

 太陽の如き光が、私の眼を焦す、焼き尽くす様なそれは、私の体に、心が炎に包まれたかの様に、けれどもそれは太陽の様に、暖かく。

 

 

 ……もう私は、頸を斬られる事に抵抗出来なくなってしまった、眩し過ぎる光に、もうどうしようもないのに手を伸ばしたくなってしまったから。

 

 

 

 振われた刀は、確かに私の頸を斬り落とした。

 

 

 

 

 

 

 

「私、死んじゃうんだ」

 

 

 

 “人を襲った、殺めたお前を許す気は無い”

 

 

「別に、許されたいなんて思わないし、ばーか……あーあ、終わりかあ、全部」

 

 

 

 “……遺言は?”

 

 

 

「あるわけないでしょ、そんなの……」

 

 

 

 ああ、でも。

 

 

 

 癪だけど、一言だけ言うなら、言えるなら。

 

 

 

「ねえ、あなたの名前、なんて言うの」

 

 

 

 “……戌亥、戌亥臨花”

 

 

 

「変な名前!……人の事、言えないか」

 

 

 

 ねえ、臨花。

 

 

 

 終わらせて、ありがとう。

 

 

 

 

 もし、来世があるなら。

 

 

 

 

 ともだちに……

 

 

 

 

 

 

 

 “鬼の居ない世界で……またね“

 




ついに下弦戦、26話目にしてやっとかよ()
なおこの零余子は完全創作設定です、原作だとどんな血鬼術だったんだろうね、名前的に植物使いかな。

次は水曜日ぐらいに出せたら出す、無理なら金曜日ぐらいになります。
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