【実況】鬼滅の刃RPG【祝100周目】   作:ゆう31

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早めに出すって言っただろ(ぽもクオリティ)
戦闘描写めちゃ頑張ったから褒めてほしい(ほしい)


特殊戦 上弦の弐『童磨』前編

 

ぽもです、今回はおふざけ前置きは無し、視聴者兄貴姉貴は早く童磨戦見たいと思うから、多少はね?

 

 

 今回は無編集でお送りするということで、リプレイ映像の実況スタイルで送りします、映像だけだと何が何やらってなる人も居ますし、実況スタイルにすると、より繊細に何がどうこうとわかるのでね。

 

 

 第50回振りですかね、この機能だけでお送りする動画は。

 

 

 今回の童磨戦の様に、重要且つ激戦、じっくり見て欲しい時は今後このスタイルを使いたいと思います。

 

 

 

 ……うん、前置きはこんなもんで、早速お送り致しましょう!

 

 

 

 

リプレイ映像:実況スタイルで送りします。

 

 

 よろしいですか?

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 START!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 寒い雪の降る夜。

 

 

 目の前に対峙する上弦の弐、鬼の中でも頂点に立つ者。その佇まいはただ立っているだけであるのに、全ての危険信号が“死”を訴えかける。

 

 

 

「ねぇねぇ、そこの君ってもしかして柱?それにさっきのってもしかして火縄銃?凄い威力だったね!まぁこの通り折れちゃった腕は治ってるんだけど、おっと!自己紹介がまだだよね、俺の名前は童磨、よろしーーー」

 

 

 友好的に見えるように問いかける童磨の言葉が遮られた。

 

 

 初めに動いたのは、臨花だった。

 

 

 油断しきっている童磨に対し、投げ刀を投擲、並みの鬼では目で追う事も難しい速度、それに対して童磨は一つを残して弾き、残った一つをあえて避けず、体で受ける。

 

 

 それに対し臨花は更に警戒心を上げた、あの投げ刀には藤の花の毒を塗っている、鬼にとって有害、激痛を感じてもおかしくない、だというのに。

 

 

 

「酷いなあ、まだ自己紹介の途中なのに……それに、これ毒?うーん微量過ぎて効かないや、でも普通の鬼には効くのかなぁ?」

 

 

 

 まるで効いてない、これが上弦か。

 

 

 

「ゴホッ……臨花、ちゃん、気を付けて……ッあの鬼の生み出す、ッゲホッ、はぁ……っ!はぁ……っ……霧は……ッ!」

 

 

 

 “喋らなくていい”

 

 

 カナエに一言言って、時間にしてほんの数秒。その刹那の一瞬で、臨花は考察した。

 

 

 喋り辛そうな、呼吸が難しそうな様子は……肺機能に支障が出ている事の表れ。カナエさんの外傷は浅くはないが、それだけでは説明が付かないほどに深刻。

 

 何だ?何をされた?毒?血鬼術?

 

 霧……?下弦の肆の血鬼術のような……いや、もしや。

 

 違和感と既視感。霧、冷気、極小の血、肺に影響。そこから導き出される一つの過程。

 

 

 

「んー?ぼうっとしてて良いのかなー?まあいいや、それ!」

 

 

 血鬼術、蓮葉氷(はすごおり)

 

 

 

 「ーーー臨花ッ!」

 

 

 

 臨花の考察に結論が付いたと同時に、童磨が扇を振るい、蓮の花のような氷を発生させる。

 

 真菰は迅速にカナエを抱えて後方に退避、一歩遅れて、臨花も避ける。

 

 回避するのを遅れたからか、その冷気が隊服に擦り、凍結した。

 

 だが臨花の生まれ持った『速度』は、柱の中でも速さのみに限れば、二番手に速い。その冷気が腕に侵食する事を回避させた。

 

 

「あれ、今完全に腕ごと凍らせたと思ったんだけど……足が速いのかな」

 

 

 臨花は即座に凍った隊服を切り取って、その氷を蹴って遠くにやり、また一歩離れて、周囲を観察してから、一息して冷や汗をかいた。

 

 後ほんの少しでも遅れていたら、片腕が無くなっていた。

 

 

 

「ん?しかも……あらら、もしかして、気付いたの?あんな一瞬で?」

 

 

 

 “真菰、氷だけじゃなく冷気も気を付けて、それから周囲に漂う霧は吸わないで、吸ったら最後、細胞が破壊される”

 

 

 確定はしてないが、アレは、あの血鬼術は人体を簡単に破壊させる、それに呼吸を使う事を阻害された、十全に使い切れない、なんて凶悪で強力な血鬼術。

 

 知っていなかったら死は免れず、知っていても意識して動かなければならない、厄介だ、それは臨花が今まで戦ってきた鬼の血鬼術の中で一番と言って良い程に。

 

 

「ッ……わかった、臨花も気を付けて……私の目じゃ見えなかった(・・・・・・)

 

 

 

 童磨が振るう時の動作を真菰はほぼ勘で捉えた。逆を言えば目で追えなかったのだ、それ程までに、これ程までに、たった一つの動作だけで、”上弦の格“を真菰は理解した。

 

 

 

 “……私が主体で動く、補助は任せた、無理はしないで”

 

 

「わかった、私と臨花なら……出来るよ」

 

 

 

 臨花の独特の呼吸が、攻防一体の構えを更に強固なモノにする。

 

 

 煌の呼吸 伍の型 煌々の釆

 

 

 臨花は体術使いであり、剣士である。

 

 暗器使いでもあり、銃使いでもありーーー仙術使いとしての面も持つ。

 

 

 臨花は霧の冷気を吸わない様に、伍の型で体内を整えた上で、仙人から教わった呼吸法に切り替えた。完全な対策とは言えないが、長く息を止められる呼吸ならば、接近戦は可能な筈。

 

 

 極小の霧を吸わない様に、上弦の動きについていける様に、臨花は最初から全力で行く事を覚悟した。

 

 

 それは真菰も同じ事、油断も慢心もしない、全力で向かう、短期戦で終わらせるーーー!

 

 

「へぇ?初めて見る呼吸だ、それにやっぱり柱だよね君、だってこの中で一番強そう(・・・)だし、ねえねえ、その呼吸なんて言うの?ぴかーって光ってきれーーーーっとと」

 

 

 

 童磨は油断しながらも、慢心しながらもその目はしっかりと臨花を見つめていた、観察していた、どう動くのか、確かに見ていた。

 

 

 だと言うのに一瞬、姿がぶれたかと思えば、童磨の目の前にその少女は肉薄していた。

 

 

 即座に鉄扇を振るう、刀で防がれる、もう片方の腕を動かそうとする前に、臨花の腕が伸びる、童磨の腕を臨花の手が捉え、脱臼。

 

 外れた関節に童磨が思わず外れた腕を見た、隙。

 

 視線が外れた瞬間に好機と見て刀を頸にーーーー違う!

 

 

 即座に撤退、後方に避けると、今まさにそこにいた場所につららが振り落とされていた。

 

 安堵する間も無く、いつ間にか薄寒い笑みを浮かべた童磨が左から扇を振るう、間一髪で避け、不完全な体勢の臨花を、もう片方の扇が瞬時に振り落とされ。

 

 

 その体を斬った。

 

 

 童磨は確かに扇を振り落とした、なのに何故だが当たった感触がない。

 

 

「あれ?ーーーうおお?!」

 

 

 視界外からの連撃が童磨に襲いかかる、それに気付いた時にはもう一人の鬼殺隊士が別の方向から刀による攻撃を繰り出してきた、真菰だ。

 

 両方から襲いかかる息のあった攻撃に先程の動揺が抜け切れてないように見える(・・・・・・)童磨は防戦一方になった。

 

 

「ちょちょちょ!2人がかりはひどくない?!」

 

 

 とは口で言うものの童磨は冷静に、整った連携から繰り出される二つの剣戟を対処し、先程の妙な出来事を推察する、何故あの時当たった筈の鉄扇が当たっていないのか?

 

 観察して、当たっていない訳ではないようだと考えを改める、臨花の羽織が僅かに縦に切れていたからだ。

 

 

 ならばそこにいたと言う事、だが鉄扇の感触は無かった。

 

 

 

 目で追えない、瞬間的な速度から生み出される、残像?

 

 

 

 童磨の頭の中で結論が付いたその時、ほぼ同時に真菰と臨花は後方に移った、おや?と童磨が疑問に思った時ーーー波紋の中央を狙うように突き刺す、最速の突き技が童磨を襲った。

 

 

「漆ノ型 雫波紋突き……!」

 

 

 最速の突き技は童磨が防ぐ前に体に突き刺さる、だがそれが例え心臓を貫いたとしても、それで鬼は殺せない、日輪刀で頸を落とさない限り、太陽に焼かれない限り鬼は殺せないのだ。

 

 

 童磨はそんな事もわからないのかと哀れんで、楽にしてやろうと血鬼術を繰り出そうとし。

 

 いや、何かおかしい、もう一人は何処だと冷静になる、それにこの攻撃はそもそも頸を狙ってない。

 

 

 上を見て、なるほどなるほど。

 

 

 

 “煌の呼吸……陸の型 紅昏燕(べにくれつばめ)

 

 

 縦横無尽に稲妻の如く、立体機動の如く、刀を振るう。高速攻撃。

 

 

 空から流星の様に自身の頸を狙う臨花を発見して、そう言うことかと童磨は気付く。

 

 

 この水の呼吸使いの攻撃は俺をここに留まらせる為の攻撃、本命はあの光る呼吸の攻撃か!

 

 

 回避するには突き刺さっている刀が邪魔で回避出来ない、ならこの水の呼吸使いにこの鉄扇を振るったとして、あの光る呼吸使いがそれを防ぐだろう。

 

 

 

 「考えたねぇ、さすが柱、褒めてあげよう」

 

 

 

 臨花の刀が頸に辿り着いた。

 

 

 

「でもさぁ、俺も仮にも上弦の弐なんだぜ?」

 

 

 

 ああ、確かにそれは強力な一撃、確かな連携で生み出した刃。

 

 

 だが、数多の鬼の中でも、更に上の上弦、その第二席である童磨には。

 

 

 

「そんな……っ!」

 

 

 

 ”……ッ斬れない?!“

 

 

 

 その刃は届いても、それ以上の進攻を許さない、上弦の、鬼の始祖の血を大量に含んだ強靭な頸は、柱であっても斬り落とす事が出来ない。

 

 

 これが上弦の鬼……ッ!目の前の鬼と違って油断も慢心もしていない、常に全力、だからこその届いたこの一撃であっても、届かない!力が足りない!

 

 

 ニヤついた童磨の顔を見て、臨花の第六感と言うべきものが、危険信号を発した、まずい、何か、とてつもない何かが!

 

 

 

「頑張ったご褒美に俺も応えようか!」

 

 

 

 血鬼術 寒烈の白姫

 

 

 

 童磨が鉄扇を振るい、氷の巫女の上体像を2体、その像から広範囲を凍結させる吐息が発せられる!

 

 

 臨花は吐息が自分と真菰に発せられる前に気付き、真菰の腕を引きながら全速力で回避を試みる。

 

 

 

「ありがと……臨花、助かった」

 

 

 “……ッ、ごめん”

 

 

 

 臨花はなんとか無傷で、だが真菰は一歩気付くのを遅れたからか、浅くない傷が左足に出来てしまった。直ぐにでも応急処置を施さなければ、長時間の戦闘は……不可能。

 

 

 だがもし臨花が真菰の腕を引っ張っていなかったら、それこそ左足どころではない、広範囲の凍結攻撃をその程度に防げる程に、臨花は素早く俊敏に動けたのだ。

 

 

 臨花は、真菰はこの攻防で、理解する。

 

 

 

「今のは惜しかったねえ、俺も冷や冷やしちゃった、でもほら!そんなに落ち込まないで、次は通用するかもよ?」

 

 

 

 強い。比べるまでも無く、今までの鬼で一番。

 

 

 真菰は、理性と本能で、今の自分達だけではこの鬼(童磨)に勝てる術は無いと結論を付けた。

 

 

 自分よりも鬼に対する決定力のある臨花が、焦っている、あの強靱な頸を斬り落とす術が見つからないのだろう。

 

 あの鬼の身に纏う冷気が、霧が、細胞を壊死させる毒が、こちらの決定力を奪っている、あの霧がある限り近くで息を吸えない、つまり呼吸を繰り出せない。

 

 

 ……持久戦しかない。

 

 

 だが、日が登るまで、太陽が登るまで後何時間もこの鬼に、耐久戦?

 

 

 まだ臨花も私も息切れはしてない、体力はまだある、でもそれも時間の問題。

 

 

 

 

「あれ?来ないの?なら次は俺から」

 

 

 

 

 

 い こ う か な ?

 

 

 

 

 その声が聞こえた瞬間には、臨花も真菰も目で追えなかった。

 

 

 気付いたら、真菰の横に童磨が立っていた、直ぐに臨花が動こうとして、それよりも早く童磨が蓮を模した氷の蔓を四方八方から伸ばし、相手を絡めとる技を繰り出した。

 

 

 蔓蓮華と命名される血鬼術に、臨花は半ば強制的にその攻撃に対処するしかなく。

 

 

 

「大丈夫、優しく食べてあげるから」

 

 

 

 その鉄扇が真菰に振り落とされる。

 

 

 その時真菰は、走馬灯の様に今までの記憶が浮かび上がった。

 

 

 その中で多かった記憶は、やはり臨花との思い出。

 

 

 初めて会った時は、自分の危機を救った時、その後に鱗滝さんのお家に招待して、それから次は任務が同じになった日、臨花が一人立ちすると聞いて、自分もと鱗滝さんにお世話になりましたと言って、でもせっかくならと同棲する事になってーーーそれから、それから。

 

 

 

 ……私はここで死ぬの?

 

 

 

 ……違う、こんな所で、こんな鬼に、殺されるもんか。

 

 

 

 全てが終わった時、一緒に笑い合えるような、そう決意したのは誰だ?私だ、臨花の隣に立てるようにと決意したのは誰だ?私だ。

 

 

 灯を灯した(・・・・・)真菰の決意は、その想いに応えるように。

 

 

 

 覚醒する。

 

 

 

 

()の呼吸……壱の型!雪月花!」

 

 

 

 下から突き上げるように、月を描くかのように振われた斬撃は今にも命を狩り取ろうとした童磨の腕ごと(・・・)斬り落とし、真菰が次の呼吸に転じる前に童磨は動揺しながらも即座に退いた。

 

 ほぼ本能的に動いた、あの一瞬、確かに自分に届き得る(・・・・)かもしれなかった、危なかった。

 

 

 

「はは……いやあ凄いなあ、君も柱だったりするのかなあ、すごいや」

 

 

 

 だが二度目はない、あの強力な一撃はあの一瞬だけだ、腕が切り落とされる前に、真菰の右腕は鉄扇によって浅くない傷を負わせた。

 

 左足の出血も加味すれば、あの爆発的な一撃はもう繰り出せないと見て良い。

 

 

 雪の様な呼吸だった、100年ぐらい前に同じ名前の呼吸を見た事あるが、あれとは違いそうだ、あの光る、輝く呼吸はそれこそ本当に初めて見た。

 

 

 でももう大丈夫(・・・・・・・)大体わかった(・・・・・・)

 

 

 最初こそ珍しかったり、変則的だったりして完璧に対応できなかったが、この少なくない攻防で童磨はほぼほぼ理解した。

 

 

 癖や行動、どうやればどう動くか、どう動けば避けられるか、天性の頭脳を持った童磨は算出を終わらせたのだ。

 

 

 もう腕は再生した。後はまだ出し切ってない技や攻撃方法を全部出し切らせて、いただきます(食べるだけ)

 

 

 

 そう童磨が考えている間、真菰は自分が失敗した事に気付く。

 

 

 直接頸を狙いに行けば落とせていた……!あの一撃は、確実に届いていた。腕を狙いに行ったのは確実に頸を落とす為だったが、次の攻撃に転じる前に逃げられたーーーッ!

 

 

 

 “ーーー真菰!”

 

 

「大丈夫、霧は吸ってないよ」

 

 

 “でも出血が……っ”

 

 

 

 その言葉に真菰は苦笑した、その通りだ、左足と右腕の出血は無視出来ない、せめて応急処置を施さないと血鬼術の冷気に耐えられないだろう。

 

 

 だからこそ、さっきのあの一瞬の攻防が、油断と慢心に満ちていた童磨のあの瞬間が最大の好機だったのだ。

 

 もうあの手は通用しないだろう、未だに油断と慢心はあの鬼から消えていない様に思えるが、だがそれでもあの鬼に“警戒”を与えた事は間違いない。

 

 

 

 “……真菰は手当して、その時間は私が稼ぐ”

 

 

「それだと臨花が傷を負う、動ける臨花が無傷な内に、あの鬼を止めないと、だから」

 

 

 “だめ、だめだよ、それだと真菰が死ぬ、その傷で動いたら冷気に耐えられない、最悪壊死する、それはだめだ、だめなんだよ”

 

 

 

 真菰も正しく、臨花もまた正しかった。

 

 

 臨花一人でも時間稼ぎは可能だろう、真菰が応急手当を自分に行い、復帰する時間は稼げるだろう、だがその場合、無傷で抑える事はほぼ不可能であり、最悪の場合、腕や足の一つが落ちてもおかしくない。

 

 

 逆に、だからといって今応急手当を行わず、このまま真菰が戦闘続行を行えば、出血し続ける真菰の体は徐々に体温を失い、日が登るまでには死に至ってもおかしくない。

 

 

 

「相談は終わった?大丈夫!直ぐに悩まなくてもいいように、この世界から解放してあげるからね」

 

 

 

 二人の考えが纏まらないまま、童磨は笑いながら問いかけて、動き始める、一歩一歩と余裕を感じさせる動きで、散歩するかの様に歩き始め、扇を振るう。

 

 

 血鬼術 凍て曇

 

 

 その鈍重な動きから繰り出されたその血鬼術は、対照的に刻一刻と周囲を凍らせていき、冷気で煙幕を発生させ……その冷気が、臨花と真菰に襲いかかる。

 

 

 この状況は童磨にとって優位であり、王手でもあった、だからこそ、強者故の、天才故の彼の悪癖は止まらない。止めようともしない。

 

 

 慢心は油断へ、油断は隙へ。

 

 

 そしてその隙は、鋭利な風となって童磨に襲いかかった。

 

 

 

 一つの突風が冷気の煙幕を晴らし、もう一つの突風が油断し切った童磨の体に衝突し、ぶつかって童磨は吹っ飛んだ。

 

 

 

「ーーーハッ、何苦戦してやがんだ?お前ら」

 

 

「遅れてごめん、あの時の恩、ここで返すよ」

 

 

 

 白い羽織に滅の文字、そしてその隣に、もう一人。

 

 

 “不死川さんに、粂野さん!“

 

 

 「風柱」不死川実弥に、その兄弟子にして、柱と遜色の無い実力の持ち主、粂野匡近であった。

 

 

 二人は偶々同じ任務で合流し、任務を終わらせた後、鎹鴉の報告により向かう事を決意、そして臨花と真菰の時間稼ぎが功を成し、今こうして辿り着いた。

 

 

 そして、その時間稼ぎはこの二人のみならず、もう一人の参戦を可能にさせた。

 

 

 

「胡蝶カナエは安全な場所に置いた」

 

 

 

「その声……冨岡さん!?」

 

 

 

 「水柱」冨岡義勇であった。偶然にも任務の帰還中に、鎹鴉の報告を聞いた後、迷いながらもとりあえず戦場へ向かい、しのぶに出会い、情報を聞き、駆けつけ、童磨の隙を突いてカナエを戦線から離脱させる事に成功させたのだ。

 

 

 

「わぁ……凄いや、柱っぽいのが二人に、そこの男の子も強そうだねぇ、うーん集団戦なんていつぶりだろ?百年はやってないなあ」

 

 

 

 そんな軽口を叩きつつ、童磨は少しばかり“真剣”に考えた、本気を出すまでもないが、人数が増えたのは事実、風の呼吸使いが二人と、もう一人のあの男は不明。

 

 いつの間にか最初に戦っていたカナエちゃんは目を離した隙に離脱させられてしまったし、早く見つけて“解放”させてあげないと。

 

 

 

「あれが上弦の弐……気持ち悪りィ、なんだアイツ」

 

 

 ”気を付けて、あの鬼の冷気は簡単に体を切り裂くし、あの漂ってる霧を吸うと細胞が壊死する、それでカナエさんの肺が……“

 

 

「厄介だね……でもそれなら俺と実弥の風の呼吸が有効だ」

 

 

「真菰、足手纏いだ」

 

 

「応急手当しろって事だね、うん……暫く任せるよ」

 

 

 

 この一瞬、不死川も粂野も臨花も、“え?今のそういう意味?“と心が一つになった。

 

 

 それはさておき、三人が助太刀に来てくれても目の前の鬼は未だに余裕と慢心が透ける表情を見て、臨花は勝機を見た。

 

 

 

 ”真菰は暫く傷の手当に専念、その間の無防備になっているのを冨岡さんに守って貰って、私と不死川さんと粂野はあの鬼に!“

 

 

「何仕切ってんだテメェ……まァ悪くねえ、俺に合わせろ」

 

 

「了解だ」

 

 

 

 冨岡と不死川がそれぞれ言葉を発し、真菰は頷き、粂野は刀を構えた。

 

 

 臨花は一息付けて、目の前の鬼を睨む。

 

 

 

 第二開戦、時刻は 寅刻(深夜四時)が終わる頃を指していた。

 

 

 朝日まで残り一時間五分。

 

 




感想評価、誤字報告等々ありがとうございます!ここすき増えてておれすき。

童磨が強すぎて前編後編に分ける事になってしまったヨ
今日中には出すんで(待って?)

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