てな事でほな続き。
素直に勧誘です。
最近の柱にはどことなく勢いを感じませんでした、しかしながらこの闘気、100年ほど前に戦った柱に勝るとも劣らない強さ、至高の領域を感じ取らずにはいられません。
鬼になれ、杏寿郎、鬼になると言え!
俺は鬼にはならない!
てな事でどうも、ぽもです。
前回はお館様に不穏なことを言われて終了、ほぼ確実に上弦戦が開始します、とは言ってもぽもの考察は元上弦と相手する事になると思うのですが、正直相手の性能を加味すると単独では倒せないっすね……うん。
元上弦だからと言って扱いを玉壺と同等にすると足元掬われます、てかあいつより強えんだよ……ふざけてますね???
突破率は4割、これが臨花ちゃん単独での突破率です、六割で負けます、んでもってこの鬼滅の刃RPGにおいて六割で負けるはもうほぼ九割で負けるに近しいので、ァァァァァァァアタマガオカシクナリソウダ!
開けロイト市警もこれにはびっくり、最後にAMNDババアに乗っ取られて眉間に拳銃を当ててしまいますね?
とはいえ、多分単独で戦う事はないと見て良いでしょう、お館様のテキストを見るに鬼殺隊最強の岩柱さんと共闘する可能性が高いです。
これにより突破率四割が問答無用で七割強へと変わります、は?それでも突破率七割かよ?って思うかもしれません。
思って良いですよ?思いながら動画をご視聴いただいて下さい、ええ。
流石に元上弦に+して上弦が二体出てくる事は無いでしょう、無いよな?無いね?いいね?
とはいえ……はあ。
この動画の視聴者ニキ達に緊張感を味わって欲しい(ワニ)ので考察はこの辺にしましょうか(腹黒微笑)
さてゲーム画面……の前に、強敵戦が近いという事で、臨花ちゃんのステータスを覗きましょう。
ついに本格的に物語が動き出そうとしている中、臨花ちゃんはどこまで強くなったのか、オリャァァァァンヌ!
【戌亥 臨花 階級<柱>
能力値 トータル 柱(中)
力>>>柱(中)
技>>>柱(中)
体>>>柱(中)
速>>>柱(上)
運>>>丙
呼吸
火0/0 水50/50 風50/50 雷80/80 岩20/20
派生呼吸
煌195/200
技術
剣術200/200 抜刀100/100 仙術174/200 居合100/100 体術100/100 歩法186/200 気配感知171/200 忍術201/300 交渉術139/200 鉄砲術152/200 育成96/100 薬学100/100
技能
応急手当 医療+ 耐忍 対の先 常中(上) 心眼 奇襲反撃 明鏡止水 交渉巧者 分析 専心 研磨 掩護 転迷開悟 剣豪 覚醒 怪傑 酔蝶花
特殊能力
『速度+』『抜山蓋世』『卓越技術』『艱苦奮闘』】
いつも通り上から見ていきましょう。能力値は変わってないので割愛、派生呼吸はそろそろ200/200ですね……んー、上弦戦にはギリギリ間に合わないかな、ん〜〜〜間に合って欲しかった……。
技術は前も言いましたが剣術200/200、そして暗器術が忍術へと変わりました、その為上限値が300。
事実上のレベルキャップ、人間が到達できる極地、その到達点です。
おいそこ縁壱さんは暗に人であって人でないとか言わない(公式バグチートプレイヤー筆頭にして頂点)
ただこの方法で取った唯一のデメリット、壁越えの際に習得できる技能を取れていません、まあ暗器術の壁越えから取れる技能は別の機会でも取れるのでそれを狙っていきましょう。
その他では、薬学が100/100になりました、これにより新しい技能を入手、毒を強化する技能も選択肢にありましたが、正直臨花ちゃんが毒を強化しても劣化版しのぶさんにしかならないので。
なら素直にしのぶさん印の毒をしのぶさんに少し譲って貰った方が全然良いので却下、臨花ちゃんは応急手当を持っているので、回復系の効果を持つ方の技能にしました。
そんな技能は『医療+』、回復行動系の全てに+補正が入ります、まぁないよりマシ程度ですが、臨花ちゃんは応急手当をもっています。
もう一つの回復系技能を獲得すればそれ+臨花ちゃんの習得している上記の技能が統合され、上位技能に変換出来ます。
その技能を獲得すれば回数制限はありますが戦闘中に即効性の治療が出来る様になり、更に打たれ強くなるので、それを狙いましょう。
……それぐらいですかね?
てな事でゲーム画面に戻りましょう。
“冬、夜の時間が早く、長くなってきた昼に、私は任務帰りで自分の家に戻る……そろそろ帰路に着く時に、私の第六感がこれ以上先に進む事を拒んだーーーーーなんだ、何か……”
っていきなり何事ォオオ?!
え、鬼?いや、いやいや、昼だし有り得んだろ。いきなり戦闘は無いのは確定してる……続きを見ていきましょうか。
“家の確認出来る位置にまで向かって隠れた……家の前に複数の人達、会った事はない、知り合いじゃない、それに服装……あれは、警察?何故……?と疑問に思ったその時、
……は!?
待てこれ……おい!そういう事か!?
”そんな、火……ッ!燃えていく、私の……家が……ッ待て、落ち着け……クロえもん、この事をお館様に……いや、違う、先に真菰に伝えて……冷静になれ、判断力が落ちている……次はどうする?私はーーー”
拠点襲撃イベントだと!?
……これを起こせる候補は三人、一人は無惨様、でも無惨様がここまでアグレッシブに動くのは日の呼吸の後継者ぐらいのレベルの地雷踏んでないと無い、除外です。
もう一人は童磨、感情無し男くんが人使っての襲撃、ただこれだと警察の服装をしてきた人がいるのが謎過ぎます、これも違う。
……て事はやっぱりそういうことか。
ぽももどこかで慢心してました、まぁ〜臨花ちゃんこれだけ強えしなんとかなるっしょ〜〜〜^って感じで油断しきってましたね。
これ鬼の痕跡向かった時に襲撃のタイミング気付けてただろ……緊急任務扱いの任務が普通の任務な筈無いのに上弦に会敵しなかったからって安心し過ぎたンゴ……。
ごめん臨花ちゃんぽもが情けなくて……取り敢えず動きましょう。
“よし、決めた……警察の人の様子を伺う、私の家に火を付けたのは彼ら、それについては今はいい、ただ理由も無くこんな事が起きるはずが無い、何があってもいいよう、刀と火縄銃は隠して、向かった”
話が通用する状態なら良いんですけど。
“私の姿を見ると警察の人達は警戒した様子で私を見つめる……「刀を持っているな?寄越せ」……産屋敷家は警察との交渉も済ませてる、お館様の活動は表沙汰には出来ないがそれでも認められている、これは……やはり何かがおかしい”
まあそうだろうね、これ気付けるか?いや無理だよな……初見殺しみたいなもんだぞ。
臨花ちゃん……というより鬼殺隊士は人に対して攻撃行動を出来ない、ただ気絶させることはできる、強硬手段するか?
“黙っていると「怪しい人物め、取り押さえさせて貰う!」と言って向かってきた……ごめん、少し手荒くなる……一人を除いて手刀で気絶させる、残った一人を軽く拘束して誰に命令されたのか聞く”
あ、やべ。
ァァァァンダメだ臨花ちゃん!その行動はバッドです!お客様!ダメですお客様!
”聞かれたその人が口を開こうとして、突如苦しみだした、まさかーーーそんな、毒?気絶させた人達を見てみるが、その様子は無い。これは……っ、判断を間違えた……死なせてしまった……ッ!“
ん〜〜〜仕方ない!ストレス値は……上がってないならヨシ!切り替えましょう!
”……確定した、鬼だ。これは鬼の仕業だ、それ以外に考えられない……まさか、上弦の鬼……?“
”冬は鬼に味方をする時間が長く、早く訪れる……これは、私をここに止まらせる牽制か?……お館様は若い柱に近々、危機が訪れると言っていた。もしやこれが、今起きているこの瞬間が、その時なのか“
”考えを巡らせろ、思考を止めては駄目だ、間違えたら何かが手遅れになる……どうする……!“
はい選択肢、行動指針。
任せろ臨花ちゃん、君にはぽもが宿ってるんだぜ☆(頼りなさ過ぎる)
さてと今の状況を少し整理します。
時期は冬、那田蜘蛛山と被せてきたな?まるっきり同じ時間、日って訳では流石に無いだろうけど、無いよな?
ま〜ーじで厄介過ぎる、江戸時代で上弦になってる奴は修羅が多いわマジで、最初から強い鬼が一番怖えよまじで。
ぼやきは置いておいて、この後どうするかですね。
蝶屋敷は……行かない方がいいか、下手に行って臨花ちゃんの方にしのぶさんが参戦すると那田蜘蛛山の方で何が起きるかわかりません。
ここは確実性を求めた方が良い、蝶屋敷は却下。
鬼の痕跡調査の時にしのぶさんも見られてるだろうけど優先してるのは臨花ちゃんの筈だから、身バレが流石にされてないでしょ。
無いよね?まあされてもしのぶさんの人心術ならなんとかしてくれるでしょう。
ヒントは貰ってます、お館様の発言を最大限汲み取って、この中で一番可能性があるのは……?
”……クロえもんが帰ってきた、お館様は「南の方に行きなさい」と言っていたと告げられた、南……?そこは確かーーーいや、今はよそう、早く向かった方が良い“
”……日が傾き始めた“
さんきゅ!かがやっち!ほな猪突猛進!猪突猛進!
わかっていると思いますが、この状況を作ったのは元上弦の肆です。
元上弦、こう言ってみると今の上弦よりは弱い、そんな先入観が生まれますよね。
それこそが鬼滅の刃RPG技術者達のタチの悪いワニトラップ!こいつらはプレイヤーを殺す事に真剣です、シンプルに性格が悪い連中なので、トラウマに残る殺し方を日々研究しています。
人の皮を被ったワニです、ある意味こいつらがラスボスです。
えっとですね、総合的な厄介さをみるとですね。
単体で完成されている猗窩座さんより厄介です。
”日が落ちた……ッ!瞬間何処から湧いて来たのか、徒党を組んだ鬼が出てきた、違和感はあったんだ、今になって思えば鬼が、元下弦同士が組む事なんて有り得ない……!己階級の時のあの時の鬼の群れとは違う、あれは偶発的形勢、これはーーー計画的形勢!“
うぉぉおぉぉああああ多すぎだろ!!!何だこれ?!
はァ?!20体は越えてるぞオイ?!
コレガオマエラノヤリカタカァァァァァァァァァァ‼︎
”邪魔だーーー刀を振るう、頸を斬ーーーッ、右からくる強風を間一髪で避けて、上から降り落ちた鉄塊を刀で受け流した……この鬼共、全てが血鬼術を持っている、それに……これは”
クソ強モブ鬼?!??ここで?!
バカやめろ流石の臨花ちゃんもこの人数差でぽもがミスったら普通に死ぬ!バカオイ!
“鬼の一人が口を開いた「ようやくだ……江戸から大正、ここまで薄暗がりの中生きてきた俺達の
しかも江戸からの鬼かよ!下弦レベルで済むと良いな?!?アァァァァアアアア!
“思考をする暇も無く襲い掛かる血鬼術に対処する、数が多い、手が足りない、ここから先に向かえない……ッ!“
やべえな、どうしよう。
時間を掛ければ倒せるけど、時間を掛けて倒したら駄目な奴だろこれ。
仮にここで時間掛けて倒して、それで?多分死ぬよな……あの人、あの人死んだら詰むか?
いや詰む、ぜって〜〜詰みます。
最終決戦であの人居ないと炭治郎きゅんが保たない、無惨様にやられる。
はい。
“鬼の頸を二体斬った、が蔦の血鬼術が私の体を掠め、飛来してきた豪速球の鉄塊を避け、体勢が不安定になった私にーーーあれは、銃の血鬼術……ッまずいな、避けられない、この体勢で受け流せるか?”
た”れ“か”た“す”け“て”ぇ“ぇ”ぇ“ぇ”!!!!!!!
“刀を構えたーーー瞬間、放たれた弾丸は、強烈な風によって弾き落とされた”
イヨチシャアァァァァァァッァァァァァァァ‼︎
誰?!不死川さん!?
“ーーーー有一郎くん!それに無一郎くんも……ッありがとう「礼は良いから早く行け!伊黒が交戦中だ!」でも、この場は「僕達なら大丈夫!悲鳴嶼さんも後から来てくれる……!」わかった……ッ死なないで!“
時透兄弟だ!!!
ドンカツ!ドンカツ!ドンカツ!
ヒャッホォォォォォォォォォォィ!天才兄弟なら後任せても死にはしねえ!
伊黒さんはぽもが守る!(善逸ボイス)
”駆けるーーー解る、近付いている、長らく感じていなかった死地の気配が、直ぐそこに“
……ってもしかして単独で倒さないといけないのか?!
いやちょ、オイ!
やってんなマジで鬼滅の刃RPG!?ああ知っているとも!何たってぽも100周目プレイヤーですからね!プラスウルトラってか?!ふざけてんなマジで!
勝率四割なんだって!六割で負けんだよ!限り限りなんだよ!
ちくしょぉぉぉぉぉぉ!まあでも岩柱さん来るならそれまで耐えれば勝てる!悲鳴嶼さん!早く来てくれ!ぽものストレス値はとっくに上限値突破しちゃってるよ!
”見えたーーーッ!火縄銃を放射、伊黒さんと距離を置かせた「グッ、煌柱……?」酷い状態だ、右目が……っ「俺はまだ戦える……ッ!」……わかった、止血して、その間は私が引き受けるから“
うわ結構ぎりぎりだったな、これ時透兄弟助けてなかったら間に合ってねえよ……右目斬られてんじゃんかよ?
え?これ助けても詰んでませんか?
いや右目は元々弱視で殆ど見えてないんだっけ伊黒さん、ならまあそこまで今後に影響しないか?鏑丸も居るし。
伊黒さんの心配している場合じゃ無いっすね。
“対峙する、限り無く黒に近い蒼色の刀を構えた女、黒い髪に、青緑の目、片方に上、十字の切傷の奥に肆……そうか、こいつがーーー!”
童磨戦とは勝手が違う、とはいえ童磨よりはまだ全然勝機があります。
これ耐久戦って訳でも無いし、ここで取り逃すと絶対に後々に詰むからここで殺すぞ。
トイレは済ませたし、モンスターは3本並べてる。
”対峙して、理解した。他の鬼と逸している、上弦の弐と比べても血の濃さに遜色無いーーー「会いたかったよ、戌亥臨花」……濃厚な死の気配、死地の夜に、私は“
ここで臨花ちゃん死なせる訳にもいかねえ……動画的にもそれは一番美味しくない……ンニャァ。
よーし。
やるよぉ?!?
”心に
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
「良い夜ですね」
まるで昼から夜になるように、一日の流れの循環の様に自然に、その鬼は現れた。
声に振り返って反射的に日輪刀を振るった、第六感だけじゃ無い、俺の経験がそうさせた。
日の落ちた夜の竹林の生えているだけのこの空間に声をかける人間はいない、この手の不意打ちは初めてじゃない、俺は信用しない。
だが振るった刀は、まるで最初から知っていたかの様に避けられた。
ーーー瞬間、全身に今まで感じたことの無い、圧迫感を感じた。
……この感覚は、そうか。これが……死地!今まで、柱になる時でさえ感じた事のなかったこの張り詰めた空気……!
「十二鬼月……上弦だな」
「まあ、遠からず、元だけどね」
……茜色の羽織、刀を持っている……?いや、それより、十字の傷跡の瞳の奥に肆、片方の目は“上“。
元という事は、元上弦という事なのか?
この威圧感、圧迫感、重圧、全てが異次元だ、この鬼と比べれば今まで戦ってきた鬼は赤子だ、それ程までにーーーこれ程までに、違うのか。
「少し話がーーーっと」
怖気付いて刀を止めるか?まさか、俺は蛇柱だ、柱としての責務を全うする。
例え手足が、この命が尽きようとも、ここで元上弦の肆を倒す!
「蛇の呼吸 弐ノ型
蛇がうねるような動きで死角を突くように斬りかかる、これで終わるとは思わない、けれども確かな手応えがあるこの一撃は。
夜に紛れるように現れた“刃“によって弾かれた。
「なっ……日輪ーーーッ!」
即座に心臓を狙った一撃にほぼ反射的に刀を合わせて受け止めーーー切れずに後方まで飛ばされた、腕が痛む……ッ!鬼の身体能力だけじゃ無い。
ーーーこいつ、まさか、この鬼……ッ呼吸を使っている!?
「これも防ぐ、成る程?柱か、通りで話しただけで
どう言う事だ……まさか、鬼殺隊士だったと言うのか?隊士が鬼になるなど……!それよりだ、今の攻防、ふざけるなよ……ッ俺は認めない。
「ん?ああ、私は隊士から鬼になった訳じゃないよ」
「お前の言葉は信じない、鬼は嘘しか言わない、大体お前の使うその呼吸は……いや、良い。無駄な会話をしても意味がない」
「ふふっ……懐かしいなこの殺意、江戸の時代を彷彿とさせるね……少し予定は違うがまあ良い、
流暢に喋る、それとは裏腹にその構えに一切の驕りも、慢心も無い、腕の痺れは治った、この死地を脱却するには俺が勝つ他に無い!
刹那ーーーー駆け出した。
蛇の様にうねりながら流れる横振りを刀によって流される。
流れを利用して回転するように斬りかかった攻撃を体を逸らして避けられーーー刀を持つ手に衝撃が走った、視覚外から、刀の柄で俺の手首を強打したのかーーー!
反対の手に持ち替えて迫り来る剣戟を受け止めーーー切れない……ッ!右肩が斬られた、深くは無い、呼吸を止めるな!足を動かし続けろ!
「蛇の呼吸 参の型
高速で鬼の周りを動きながらの斬撃……!一振り一振りの全てに集中する、躱され、受け流され、隙間を練って斬りかかられた斬撃が頬を掠めた。
良い、この際軽傷で済む攻撃は無視しろ、攻に徹しなければこの鬼の頸は切れないッ!
「良い太刀筋だ、一、二年経てば江戸の時代にも通用するよーーー出し惜しみは剣士にとって屈辱か?ついて来いよ、鬼狩り……!」
無表情に徹していた鬼の表情が変わった。
薄い笑みから、何故か刀を納刀した動きから、俺は即座に呼吸を変える、思考が追いつくよりも先に体が反応した動きは、経験か、勘か。
その両方か。
「蛇の呼吸ーーーッ」
繰り出そうとした呼吸が
違う、追いつかなかった!俺が構えを変える前に、目の前の女は既に呼吸を終えていた!
「
居合から瞬きする間に放たれる、強力な一太刀。
腹が裂かれたと気付くのに一瞬の間が必要だった、それ程までの一閃。
気付いていた、最初の攻防で、認めたくないが剣術に於いて、この鬼より俺は遥かに劣っている。
それだけじゃない、呼吸の練度が違う、この呼吸は完成されている、到達点、その極地。
そして鬼の身体能力が合わされば、それは正にーーー神速。
「グッ……!」
痛みを無視して上から振るわれる刀を受け止め流して、頸を狙う、捉える前に視界が揺れ動いた、衝動ーーー腹の出血が更に深くなった。
今、俺は蹴り飛ばされたのか、反応すら儘ならない、速すぎる。
刀を構えたまま鬼は口を開いた。
「それが人間の限界だ、
「ハァ……ッ、当たり前だろう……ッ!お前らは、消えろ……人の理に鬼は必要ない、俺の、人の生活を奪うお前達は、黙って死ね……ッ!」
「鬼だから、全てが人に仇なすと?それはやや傲慢だな、まぁ間違ってない……私達は
……剣術の巧みさ、その実力は鬼の長い時間を使って手に入れた技術、ああそうだろう、それはまだいい、だがなんだ?こいつは、この女の考え方は、不気味極まりない。
知性、物事の判断、この鬼の全てに言いようのない込み上げる“コレ”は、不快感か。
「だが自らの運命が閉じると思った時に、差し出された手は、居場所は……
「……何が言いたい」
「同じだよ、君が鬼を憎み殺す様に、私もまた人を憎み殺す、相容れないからこそ、この夜は明けない」
「お前の全てが不快だ」
「そう、まあ……嫌われる事には慣れてる」
鬼が刀を構え、来る。
速い、だがまだ限り限り反応出来るーーー!
迫る刀に合わせる様に動かした刀が空を斬った、あの瞬間鬼の刀が引いた、ずらされた……!瞬時に脚を狙った一閃を避ける、いや、避けきれてない、斬られたーーーッ。
まずい、機動力が失われる、だが止血する時間はない、思考する前に刀を下から振り上げた。
直感的に動いた剣戟は微かだが鬼の羽織りを斬った、斬れた、斬れるーーー更に早く、もっと早く、血液の流れを早めろ、呼吸を繰り出せ、奴が動くより前に。
「蛇の呼吸ーーーーッ!肆ノ型
相手を挟み込むようにして斬り込む、決死の斬撃、俺が最大限の力で振るえるのはこの瞬間だ、これ以上傷を増やせない、これ以上こいつに時間を与えない。
心が燃えていく、燃やしていけーーーこの瞬間に、全てを投じろ!
踏み込んだ斬撃に目の前の鬼は、瞬時に呼吸を合わせ。
深い夜の様な不気味な闇が、俺を襲った。
「夜の呼吸、弐ノ暝
ほぼ同時に放たれる二連撃の斬撃、一撃ならまだ踏み込めた、ただ上下に叩き込み様な二連撃に手首の損傷が抜け切れていないからか押し負ける。
いやこれなら、直ぐに体勢を立て直せる!ここから呼吸をーーー!
「……ッ、ガッ……ッッッ!」
右目が
右目を失い、死角になった所から刃が振われるのを鏑丸が教えてくれた、右目の傷を無視して刀で受け止め、左からくる蹴りに対応出来ず肋の折れた音と共に地面に飛ばされた。
「今ので決まらない?……へえ、そうか、蛇?なるほどね」
「はぁっ……っ、はぁ……、ぐ」
……まだ、体は動く、立てる、戦える。
右目は元より弱視で殆ど見えていない、鏑丸がいれば問題ない。
……夜明けまでの耐久戦、現実的な話じゃない、ただそれが俺がこの鬼を唯一倒せる方法。
「言い残す事があるなら聞くが」
「鬼に残す言葉は……ッ無い……!」
「そうか、次で終わーーー?ん、いや……へえ、そう来るか」
刀を構えた時、目の前の鬼の様子が関わった、なんだ?こいつは、今までの攻防で見せたことの無い……いや。
こいつ、
「……運が良いね、君」
「は……?何を言ってーーー」
気が逸れた。
その隙間を狙ったのか、降り掛かられた刀が刻一刻とその瞬間まで来ていた、これはーーー避けるのは不可能、疲労が蓄積された体で受け切れるかーーー!
防ごうとしたその時、横からの飛来物ーーー弾丸が鬼の体に向かっていく、それを鬼は刀で弾いて、弾丸の勢いを流しながらその場を引いた。
これは、発砲。鬼殺隊の中で、柱の中でこの横槍が出来るのは一人しかいない。
ーーーつくづく思う、俺は助けられてばっかりだ、あの時も、この時も。
“伊黒さんーーー!!!”
「煌柱……」
」
「来たか……速かったな?戌亥臨花」
戌亥臨花。
……前の炎柱が俺の憧れなら、こいつは俺の……柱の、希望だ。
上弦の弐を後一歩まで追い詰めた柱が、戦場に参戦した。
遂に邂逅。
てな事で感想評価、誤字報告等々めっちゃ助かるゾ〜!ここすきも善きかな……^
ぽもは(明日)投稿(する)よ(夜に)、読者ニキネキのボルテージを下げたくないからね。