兄さえいればいい   作:ようぐそうとほうとふ

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10.不死

こんにちは

 

ソフィア・マルフォイ、君だね。久しぶり

 

久しぶり…日記の貴方にも時間の感覚はあるんですね

 

ああ。おぼろげだけれどあるよ。それにしてもどうして書き込む気になったんだい?

 

あなたがどういう存在か調べてみたんです。やっとちゃんとした名前がわかりました。

あなたは分霊箱

あなたはトム・リドルと言う人間の魂と彼の記憶、そして器で構成されたものでしょう。

 

魂と記憶を別で考えているのはなぜだい?

 

記憶は書き込んだり、上書きしたり、嘘をついたりできる。けれども魂はそうはいかない。

魂だけではあなたが"17歳の"トム・リドルであるという自我を持っていることに納得できない

故に記憶も構成要素の一つです。

 

ふうん。面白い考え方だね。なんだか出来のいい生徒を持った先生の気分だ。実は僕は教師になりたかったんだよね

 

残念ながらあなたの未来の職業は闇の帝王ですよ

 

それはそれでいいじゃないか。君は将来何になりたいんだ?

 

話をそらして私のことを知ろうって?そんな手には乗りませんよ

分霊箱の技術というものは現存する闇の魔術の中でも最も不完全で歪なものです。よく手を出しましたね

 

まるで本当の闇の魔術を知ってるかのような口ぶりじゃないか。なぜ不完全で歪なんだ?現に僕は死んだにも関わらずここにいる。

 

それっていいことですか?

このままだとあなたの魂は未来永劫日記という檻に閉じ込められます。

そんなの嫌じゃありませんか?あなた自身の選択とはいえ、今のあなたという存在は、無限に続く過去を強いられているのですよ

 

なるほど、たしかに"この僕"は僕が生と死の境界に落ちないための楔のようなものだ。自我があること、つまり意識があることは確かに苦しみでもあるのかもしれないね

 

よかったら壊してあげましょうか?

 

ソフィア・マルフォイ。君はずいぶん性急だね。僕は機が熟すまで待つよ。幸い待つのはそんなに嫌いじゃないんだ

 

機が熟す?笑わせますね。熟したところで何もできないくせに

 

それに君はまだ僕を壊さないよ

 

明日にでも冥府の水底に叩き落としてやりますよ

 

 

 私は言うだけ言って日記を閉じました。

 

 

 

 ついさっき、ダウニー氏の手伝いということで禁書の棚に入り、目ぼしいものをザッピングしたらあれの正式名称はすぐにみつかりました。元々どういうものか目星はついてましたしね。

 ダウニー氏は自分のことにしか興味がないようで、私が何を手に取ろうとしているのかチェックもしませんでした。自分の作業が終わると私を呼び出し、写本のために該当箇所を読ませて探させます。私が何歳なのか全く考慮していませんでしたが、まあむしろ都合がいいでしょう。

 

 特別監査チームの方はようやっと動きがありました。ようやくハグリッドの後釜が学校に到着したのです。私は後任、ローランサン・ザバツキと顔見知りということで彼の到着する日に呼び出しを食らっていました。

 ハグリッドの小屋のそばに来るようにとのことだったので向かうと、小屋の前にはアンブリッジ、ケインズ、そして怯えるハグリッドと傍らにハーマイオニーがいました。

 

「ソフィア…」

 ハーマイオニーのそばへ駆け寄ると、ハーマイオニーは安心したと言いたげに大きく息を付き小声で言いました。

「ハグリッドに呼ばれてきたんだけど、すごくアウェーなの」

「私もそんな感じです」

「マルフォイは?」

「兄はクィディッチの練習です。それにローランサンと面識があるのは私だけですから」

「ローランサン・ザバツキ……どんな奴だろうと、ふさわしくないやつならわしが…」

 ハグリッドはなんかブツブツ言っていますが、どこかしおらしげです。せっかくついた教職を降ろされるのもそうですが、そばに立ったアンブリッジの意地悪そうな笑みを見るに、相当きついことを言われたんでしょう。可哀想に。

 アンブリッジは甘いものにはとことん甘いです。最近はハリーに逃げられるせいか、スリザリン生全般に例の甘ったるい声で話しかけてるのを見ました。

 一方で、嫌いなものにはとことん厳しく当たるようです。

 

「あ、あれじゃないかしら?」

 

 アンブリッジが指さしたあたりに翼のついた影がが見えました。影はあっという間に大きくなり、ばさばさと羽音を鳴らして降り立ちました。影の正体は栗毛の天馬に乗ったローランサン・ザバツキでした。ビジュアルも相まって異国の王子様みたいになってます。ハーマイオニーがちょっと見惚れています。

 

「はじめまして、ローランサン・ザバツキというものです。すみません。こんなに出迎えの方が居るとも知らず、無礼な登場を…」

 

 ローランサンは馬から降り、襟を正して礼をしました。するとハグリッドが突然ぎくしゃくと前に出ました。(アンブリッジがそれを驚きと軽蔑のまじった目で見ています)

「よう、こそ!ザバツキ…せ、先生ッ…わしがルビウス・ハグリッドで…あんたの……前任に……あたるもんだ……」

 ハグリッドの声はどんどん尻すぼみになっていきます。それを見てローランサンは朗らかに笑います。

「いや何、私はしばらく代わりを務めさせてもらうだけですよ。農場のこともありますしね」

「ようこそザバツキ先生。私がドローレス・アンブリッジですわ。それにソフィアさんも」

「ああ!ソフィアさま、また会えるとは光栄です。首飾りまで付けていただけて」

「その節はありがとうございます。遠い所からようこそ。標高差は大丈夫ですか?」

「いやあ、ちょっとクラクラしていますがねえ。さて、あのダンブルドアにも挨拶しなくては!お城まで案内いただけますか?」

 

 アンブリッジは柔和に微笑み、ローランサンを案内しました。私達は二人を見送り、顔を見合わせました。ほんとにこの為だけに呼ばれたんですか?腹立ちますね。というアイコンタクトを送ったのですが、ハーマイオニーは微笑みました。

「よかった、明るそうな人だわ」

「うむ…」

 ハグリッドは託された天馬を撫でながら頷きます。

「いい馬だ。よく手入れされちょるし、人に懐いちょる。大切に育てられたんだな」

 なかなかにチョロいな。

 

 挨拶もそこそこに、アンブリッジはローランサンと校長の顔合わせのために彼を案内すると校舎へ向かいました。私とハーマイオニーはハグリッドの小屋へ行くか決め兼ねて顔を見合わせました。

 すると何故か残ったケインズが私に話しかけてきました。

 

「ソフィア・マルフォイさん。個人的にお話したいことがあるのですが、いいですか?」

 

 

 私はちらっとハーマイオニーを見ました。ハーマイオニーは不安げにうんと頷きます。教職に関する話と思ってるようです。

 

 私はケインズと森の縁を歩きます。ケインズは背が低い割にキビキビ歩くので、私はちょっと早足にしないと追いつきません。

 

「まずは私の身の上話をさせてください」

 

 唐突に言われ、私は頷くほかありませんでした。ケインズは振り返りもせず話し始めます。

 

「私は日本で生まれ、マホウトコロで魔法を学びました。イギリスに来たのは結婚してからです。旧姓はチュウゼンジといいます」

 まさかマホウトコロ出身者とは。彼らはあまりあの島国から出てこないので、滅多に見かけません。

「夫の名前はルーカス・ケインズ。夫とはある地で出会いました。黄泉平坂…と呼ばれる場所です。無言者だった夫はある調査でそこに訪れていたのです」

 ヨモツヒラサカ?聞きなれない言葉に私は首を傾げます。無言者の関わる場所ということはろくなもんじゃないんでしょうが。

「案内役として同行していた私は彼と恋に落ち…私達は結婚し、イギリスに渡りました。今魔法省に就職できているのは困っていたところを、夫の“盟友”と紹介されたアブラクサスさんに助けていただいたからです」

 

 盟友という言葉を聞いて私は思わず彼女に問いかけました。

 

「盟友とは?」

「私にもわかりません。どうやら仕事に関することで知り合ったようでした。無言者は仕事を決して人に語りません。妻であってもです」

「そう…ですか。では旦那さんは今も神秘部に?」

「夫はある日、突然神秘部から戻ってきませんでした」

 

 ケインズの声は内容とは裏腹に、驚くほど無機質でした。

 

「神秘部の上司と名乗った男は、任務のため死んだのだと言いました。けれども遺体は欠片も戻ってきませんでした。帰ってきたのは夫のデスクにあった僅かな私物だけ。そんなの、信じられるわけないでしょう?死んだなんて絶対に嘘なんです。以来私はずっと、夫を探しています」

 

 

「…………それで、何故そのことを私に伝えるのですか?」

 

 ケインズは振り返り。私のことを初めて真っ直ぐ見つめました。

 

「あなたは、私の夫のことを本当に、何も知らないの?」

「知るはずがないでしょう」

 

 私はそう言ってその場から立ち去りました。ケインズはずっとそこに佇んでいるようでした。

 私が彼女の夫のことを知ってるはずもないのに、なんですかあの態度は。まさか監査チームの中で彼女が群を抜いて異常とは思いもしませんでした。

 

 そしてまたしても祖父の盟友様の登場です。(まあお祖父様はもう死んでるので退場ですけど)薄々感じてはいましたがどうやら祖父は秘密組織みたいなものを作り上げてたようですね。はあ。俄には信じがたいですが。

 そして…尚更私が何者なのかわからなくなってきました。一度ゆっくり整理したい。そう思いながら、ハグリッドの小屋のドアを開けました。

 中ではハーマイオニーとハグリッドが復職に向けて授業計画の見直しをしているようでした。

 

「だめよ、ハグリッド。これじゃあただの触れ合い牧場になっちゃう」

「そうは言っても…ハーマイオニー、おれはこの科目のなんたるかをわかっちょる。実際に触れてみて知るっちゅうのが魔法生物で…」

「ハグリッド、お願いわかって。あのケインズを納得させないと、復職できないのよ」

 私の予想ではケインズが納得してもアンブリッジが学校から去らない限り、ハグリッドが再び教壇に返り咲く事はないと思います。とはいえローランサンも本職がありますし、ある種時間の問題でしょう。まあ授業内容がまともになれば私も嬉しいので止めたりしませんが。

 

「あ、ソフィア。ケインズの話ってなんだったの?」

「身の上話を少々…」

「へ?……ああ、マホウトコロにいたときの話?私もちょっと聞かせてもらったわ!小さい子はウミツバメの群れに乗って登校するそうよ」

「うーん、私は列車でいいですねえ…」

「あん人も悪い人じゃねえってわかっちょる!わかっちょるが…」

 ハグリッドは机に突っ伏してしまいました。おっきなマグカップか落ちそうになるのをハーマイオニーがとっさに押さえます。

 

「今日はだめね…ハグリッド、また来るわ」

 

 ハーマイオニーと私はハグリッドの小屋をあとにしました。二人して校舎に戻る途中、練習帰りのスリザリン生とかち合いました。

 ドラコは私をすぐに見つけてくれ、チームから離れて来てくれました。ですが並んで歩いてるハーマイオニーを見かけ、笑顔が凍りつきました。

 

「ソフィア、なんでこんなやつと歩いてるんだ?」

「兄さん!今日は魔法生物飼育学の代わりの先生のお出迎えをしていたんですよ。前話してた…」

「ああ。それであのデカブツのおもりにグレンジャーか。見物だったろうねえ、クビにされてメソメソなくケダモノの姿は」

「よくもそう下品な言葉がポンポン出てくるわね、マルフォイ」

「おや、下品な生まれの穢れた血がなにか言ってるよ」

「ソフィアと同じ家で育ったとは思えないわね。ソフィアはそんなこと絶対言わないわ」

 そりゃ流石にグリフィンドールでいじめられるからです。まあそもそも私は純血かどうかなんて気にしてないのですが。

「ハーマイオニー、やめてください。私は兄さんの妹で兄さんは私の兄さんなんです」

「そういうことじゃないのよ」

「それに兄さん、穢れた血なんていい方はやめましょう」

 

 そう。私はこの言葉がちょっとだけ嫌いなんです。

 

 

触るな、穢らわしい

 

 

「血なんて全部、元から穢らわしいものなんですから」

 

「…ふん。妹に免じて今日のところはやめてやる」

 ドラコはハーマイオニーを一度険しく睨んでから箒を肩に担ぎ直し、チームの方へ帰って行きました。

「なに許した風に言ってるんだか!ほんとにあなたのお兄さんって最悪よ」

「でもほら、やめてくれるって言ってるし私には最高に優しいんですよ」

「うわ……」

 ハーマイオニーは一言そう言ってもうそれ以上コメントしませんでした。

 

 

 クィディッチ決勝直前、観客席は戦闘民族の祭り?というくらい血沸き肉踊ってました。ハリーとファイアボルトの書かれた大きな横断幕をシェーマスが掲げ、巨大なライオンのハリボテが蛇を食べています。

 私はそんな中兄を応援する緑の旗を持っていたので、すれ違う人全員に舌打ちされました。無理もないです。私は泣く泣くレイブンクローの生徒が多めの席に移動しました。

 はぐれグリフィンドール生の私にすぐ声をかけてくれるのはルーナです。

「あ、ソフィアー」

「ルーナ、観に来てたんですか」

「うん。決勝戦だもン」

 唐突にシャイマがルーナの後ろからヒョイっと顔を出しました。

「あたしが誘ったんだよ」

「げ…シャイマ…」

「あは。そんな顔しないでよ。あたしらはスリザリンを応援してるの。そしたらグリフィンドールとは2位決定戦だからね」

「ああ、それでレイブンクロー生が多いのですね」

「そ。まあさすがにグリフィンドールの有利かな…吸魂鬼でも来ない限り」

「ダンブルドアが怒るから無理だよ」

 

 そうこうしているうちに試合が始まりました。

 もう興味がないので端的に言うと、試合はグリフィンドールの勝ちでした。スタンドのレイブンクロー生はつまらなそうです。

 

 私は校舎に戻ろうとするシャイマをよびとめました。ルーナは先に帰ってもらいました。

「シャイマ、少しいいですか?」

「え…ソフィアちゃんがあたしを引き留めてる?明日は雨かな」

「チッ…」

 シャイマは笑えない冗談を挟まないと死ぬ病気なんですかね?私が苛つくのを見るとニャハハと笑います。

「あーはいはい、なに?」

「クリスマスパーティーの夜覚えてますか?」

 シャイマは笑みを引っ込めました。何を聞かれるか知ってるかのようです。

「ん……ああ、うん」

「あの日、あなたに似た男の子と会ったんです。エクリジスと名乗ってました」

「へえー…」

 シャイマはエクリジスという名を聞くと露骨に眉間にシワを寄せます。どう見ても心当たりがあるようですが、この感じは普通に問い詰めても絶対何も話さないでしょう。

「彼も私のことを知っているようでした。いえ、全て知っているようなことを匂わせていました。……あなたは私のことをどこまで知ってるんですか?」

「え…それは…お葬式の日に言ったことが全部だよ?」

 

 私はシャイマの目を見ます。直感的に嘘は言ってないとわかりますが、この人を食ったような女の言うことをやすやすと信じていいものでしょうか?

 

「シャイマ、私はあなたが嫌いですけど憎みたいとまでは思ってません。いまのところ」

 

 私の一言にシャイマはより一層慎重な口ぶりになります。

「どうして…あたしに直接聞こうって思ったの?ソフィアちゃんはどっちかというと、おじいさんの事とか全部封印してドラコとずっと一緒にいたいんだと思ってた」

「あなたたちはそんな事させる気ないんでしょう?エクリジスがわざわざやってきたということはそういうことです。あのガキは私に使命があると言いました」

「使命…?」

 シャイマはキョトンとしました。どうやらこれは初耳だったようです。

「使命って…ソフィアちゃん勇者の息子とかなの?」

 いや、娘でしょうが。そういうことじゃないんですよ。私はため息を吐きます。

「たしかにすべてを知ってるわけではないんでしょう。シャイマ、お願いです。私はあなたの知ってることを知りたい。私がここにいるために」

 これは本心です。私はシャイマが嫌いで苦手ですが、悪人だとは思っていません。誠意を持って話せば必ず同じようにしてくれるはず。でなければハリーが信頼をおいたりしないでしょうから。

 

「あたしは本当に、ソフィアちゃんの正体を何も知らない。あなたがマルフォイ家の血筋じゃないこと。アブラクサスさんがあなたを目的を持って引き取ったこと。あたしの家が、アブラクサスさんの目的に協力している…らしい…ってことだけ。ほんとだよ、信じて」

「………ではあのエクリジスとやらは?少年の姿をしていましたが…」

 

 シャイマは沈黙しました。しばらく考え、そして声を落として言いました。

「……あたしのオリバンダーの家は……ね…。不老不死。その研究のせいで、本家から絶縁されたんだよ。闇の魔術だからね…」

 

 シャイマは私を見つめました。

 

「あいつは、ソレだよ」

 

「不老不死……あなた本気で言ってるんですか?」

「あたしもマジでそうなのかはわかんないよ!でも……お兄さんも…そのせいで……いなくなっちゃったから…」

 

 お兄さん。その言葉を聞いてまっさきに私の頭に浮かんだのはブラッジャーを喰らいかけたドラコの姿でした。こんな大事な話をしてるときに。

 

「………ふ…はははは!」

「え、なに?」

 

 私はまたも高笑いです。トム・リドルと秘密の部屋が結びついたとき並みに面白いですね。

 なるほど、不老の部分には疑問符ですが、不死とは説得力がありますね。

 そうなるとやはりあのエクリジス、本当に吸魂鬼を作った闇の魔法使いの可能性があります。不死はこの私が実証していますし、みてくれはいくらでもどうとでもできますもの。

 

「シャイマ、あなた不老不死に憧れたことありますか?」

「え?ううん全然。そんなのつまんないよ」

 シャイマは混乱しているようでした。秘密を打ち明けた途端相手が笑って勝手に納得してたら無理もないでしょう。

「初めてあなたと気が合いました。教えてくれてありがとうございました。礼に私からも私の秘密を一つ教えてあげます。秘密の部屋の怪物を殺したのは私です」

「は…え?一年生のソフィアちゃんが?」

「ええ。あなたの家にとって私が強力な魔法使いになることが都合のいいことかは知りませんが、想定以上に順調に育っているとあのエクリジスに伝えればいい」

 

 私はそう言い捨てて先に校舎への道を行きました。しかしシャイマは意を決したように私の名前を叫びました。

 

「ソフィアちゃん!」

 

 私は立ち止まりません。兄を慰める言葉を探さなくちゃいけないからです。

 

「あたしと協力しようよ!エクリジスのしようとしてることは間違ってる。不老不死なんて馬鹿げたことのために犠牲を作るなんて間違ってるもの!この世の理に反することだよ!」

 

 私は返事をしません。シャイマには申し訳ないけど私は兄さえいればそれでいいのです。理やら屍の山なんてどうだっていい。

 私は私を肯定してくれる兄妹という絆という鎖以外のすべてを踏みにじっても構わないのです。 

 

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