兄さえいればいい   作:ようぐそうとほうとふ

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12.鬼よ

 アブラクサスが私を見つめる。なにか言いたげな目、いつもそう。もう私よりも成長したくせに、その瞳だけは10歳の頃から変わらない。

 私はいつもどおりそれを無視する。

 

「婚約者ができた」

「おめでとう」

 

 傷ついた顔をしないで。なんだか泣きたくなる。

 彼にとっては十数年の初恋が終わる瞬間だけど、私にとってはここ二〜三年くらいに時々会う男の子が結婚するらしいってだけなんだもの。

 私はいつも時間が止まってしまうほど死に近い場所にいる。地中深く、冥界の入口と呼ばれ続けた場所に。そんなふうに生命の領域からはずれようとする私が、彼みたいに普通に幸せになるよう望まれた人の気持ちに応えられるわけがないのだから。

 

「君は本当に、ずっと変わらない」

「そうだよ」

「ずっと…君に憧れていた。いつまでも美しいままの君にね」

「………」

「君はきっと人の時間から切り離されてるからそうやって清廉で美しいんだ」

 

 机に出されたアブの手を握った。あつい。少年だった彼の体温を思い出した。私の手は清水のように冷たいのに。

 

「私は……やっぱりそっち側にはいけない」

「それでいいんだよ」

 

 アブラクサスは泣いたと思う。私からはよく見えなかった。ああもううんざりするほど人間ね。

 私はこうやって何人も何人も、正常な時の流れに身をまかせる人を見送った。

 

「……君の夢は、手伝うよ。だってあの日から僕たちは…」

「盟友、だもんね。アブ、ありがとう…」

 

 

 ごめんね。

 

 

 

 

 

 

 ブリジット・キンブリー

 

 また、その名前。彼女は一体何をしでかしてくれたんでしょうね。そう返そうとして、血を吐いた。杭に貫かれ灼かれ続けているのにまだ動く心臓がどろりと血を流す。そしてそれも火に溶けて消える。

 

 

「彼女は、()を克服する方法を知っていた。人の心を持っているのなら実行するのもためらわれるその方法を、実行した」

 

 生き物は必ず死ぬ。死が訪れない命など、そもそも命ではない。でも私はここにいて、()()()()()

 

「私の………体…は…死……克服……」

 私の絶え絶えの言葉にドミニクは眉をひくつかせた。本当に穢らわしいものを見るときの、目。アブラクサスと同じ目。

 

 

「ブリジット・キンブリーは、死を乗り越える儀式を完遂することはできなかった。ソフィア・マルフォイ。お前の体は、ブリジット・キンブリーの骸と彼女の魂を含む27の分霊箱で構成されている」

 

 

「………」

 

「故に、これまでお前に訪れた死はそれらが肩代わりしたにすぎない。お前は人間じゃない。血と死で塗り固められた土塊だ」

 

 アブラクサスの顔を思い出す。

 私の手を振り払ったアブラクサス。

 私を膝に乗せて微笑むアブラクサス。

 

 溺死したあとに見たあの夢と重なった。

 

「……」

 

 少年。

 ルシウスにもドラコにも似た笑顔。そしてブリジット・キンブリー。

 やっとわかった。

 アブラクサスが私を嫌悪していた本当の理由が。

 

「お前に人らしい心なんてあっていいわけがない。魂のないものが家族?兄妹?ふざけるな。怪物が、笑うな」

 

 アブラクサス。

 あなたは恋をしていた人の皮をかぶった私に愛されていたんですね。

 そんな地獄を、無垢を翳した私に与えられていたんですね。

 

 

「………はは……」

 

 私の口から出た乾いた笑いにドミニクは眉間をさらにしわを寄せた。私は自分がどんな顔をしているのかわからない。

 

「ショックを受けるのも仕方がない。だが安心しろ、27回……いや、お前が骸に戻るまでしっかり殺し尽くす。お前は()()()()()()()()()()()()()だ。私がもとの場所に返してやる」

 

 元の場所、ステュクス。冥府を流れる川。

 いつか我々が行く場所。

 

「……れ………じゃあ…」

 

 切れ切れの私の言葉にドミニクは耳を傾けます。

 私の声に集中してか杖先がほんの少し下がりました。

 

 

「それじゃあ、あと20回は死んでも問題ないってことですよね?」

 

 

 は?

 とドミニクが言った気がしました。

 

「ボンバーダ」

 

 

 空気が爆ぜました。

 

 体に無数の燃える杭が刺さってるいるけど防御力の高いコートを着ている私、無防備に急所をさらけ出して立っていたドミニク。どちらのほうがダメージを受けたかはおバカさんでもわかりますよね。

 彼がくだらないおしゃべりしてくれている間にぎりぎり動けるようになれました。

 

 上体を起こし、左ももの杭を掴みます。ドミニクは10メートルくらい離れた場所に仰向けで倒れています。そのせいか炎が弱まっています。力に任せて掴んで抜きます。手のひらにもスニッチくらいの直径の杭が刺さっているので抜きにくいです。

 

「ああッ……トムのときより全然痛い…!」

 

 焼けた肉ごと、引き千切る。想像しただけで鳥肌が立つでしょう?やってる私はもっともっと、一周回って快感にも似たおぞましい感触にぶるりと震えました。

 もう一本、腿の杭を抜かなきゃ…。

 

 私の絶叫でドミニクが目を覚ましたようです。さすがにノーダメージとはいかなかったようで、なにか吐く音が聞こえました。

 

「…無駄だ、ソフィア・マルフォイ」

 

 私はもう一度痛みに絶叫しながら地面にしっかりかかった右太ももの杭を抜きます。

 手には悪霊の火がまだまとわり付いていました。私は必死に立ち上がり、来たはずの出口へ走ろうとします。

 

「襲え」

 

 私の落とした杭が山猫に変身して駆け出してきます。私もすかさず呪文を発します。複雑な呪文なんてやってられません。

 

「ボンバーダ・マキシマ」

 

 私の呪文で天井が崩落します。

 悪霊の火が消えました。おそらく防御呪文のため制御を手放したのでしょう。一気に私を燃やし尽くさないのはそうなると自分も死ぬからですか?馬鹿です、刺し違える覚悟もなしに攻撃とは。

 

 ドミニクがこの程度で死ぬとは思いません。単なる時間稼ぎです。

 

 私の体は本当によくできていますね。さきほど槍で貫かれた膝はもうなおっています。太ももも出血が減っているし、悪霊の火がくすぶってた手はゆっくり回復していきます。

 とはいえかなり体の中身まで破壊されて、痛いとかを通り越してきました。走りにくいことこの上ないです。壁に手をついて足を引きずって早歩きより少しはマシというくらいです。

「う……げ……」

 口からレバーのような血の塊がでろりとたれます。こんな姿絶対ドラコに見られたくない。

 すべての杭を抜いてしまいたいですが、かなり覚悟がいりそうです。とにかく距離を取りたい今は後回しにせざるを得ません。

 

 

 通路を戻ると、火蟹のいた迷宮ではなくなってました。通路の所々に向かい合わせに鏡が設置されています。 

 鏡の前を通ると、自分の姿は写っていません。おや、と思ってよく見ると、杖を振りかぶるドミニクの姿が見えました。なるほど、敵鏡だったんですね。

 思わず頭を押さえて屈みました。人の頭と同じくらいの岩が飛び、また火のついた杭が飛んできました。

 

「ああ…もう、しつこいッ」

 私は鏡を叩き割り、それを杭が飛んできた方へ飛ばしました。ドミニクの姿が鏡の反射で見えます。

 防御の呪文を唱えようとした瞬間、私は直前で鏡を爆発させました。

「くッ……!」

 ドミニクのうめき声が聞こえます。うまいこと破片が目に刺さってればいいんですが。

 

 私は走ります。その途中、抜けるところの杭を抜いて捨てていきます。もう足はほとんど回復しています。これじゃ怪物といわれるのも無理ありませんね。

 そして行き止まり。私は迷わずレダクトです。

「レダク…」

 しかしもっと大きな鏡の破片が私の左肩に突き刺さりました。衝撃にそのまま倒れてしまいます腕がそのまま引きちぎれそうなほど大きい。

 次は確実に私が逃げれないように四肢をもぐつもりかもしれません。

 

 ひゅ、と風を切る音がしました。もう終わりかと思ったその時、目の前に水色のマントがふわりと広がりました。鏡が突き刺さり破けそうになった瞬間、それは石壁へ変化します。

 

 そして倒れた私の、今にも千切れそうな腕を掴んだのは

 

「こっちですわ!」

「いいいいいいいいッ!!千切ッれるッ!!」

 

 セリルダ・グリンデルバルドでした。

 

 

 

 「ドミニク」

 ルイス・モンタギューはいつも真っ直ぐ私を見つめる。表情に乏しいくせに瞳は感情豊かだ。不安、緊張、期待、恋慕。それらが入り混じって赤く燃えている。

「その……返事は…」

 ルイスは私のことを好いていた。物語る瞳で見つめられ続けていれば嫌でもわかる。ダンスパーティーに誘われるのも想定していたはずだ。けれども私は動揺した。

 私は人に好かれる資格なんてない。マグル生まれの、それも不義の子供がダームストラングにいていいはずがない。私は誰にも本当の姿を知られてはいけない。だから、私は彼女の気持ちには応えられない。

「すまないが無理だ。これは他校との交流の催しだ、ルイス」

 私がそう言うとルイスの耳がぱっと赤く染まった。

「そんな……の、関係ない。……ううん、そうじゃない。そういう事じゃないわ、ドミニク」 

「君が私に何を望んでいるかはわかっている。その上での返事だ」

 

 ルイスがまた私を見つめる。まっすぐ。私は思わず視線を逸らした。

「………わかった。……もういい」

 

 ルイスはそう言って立ち去った。私は彼女の後ろ姿を見ることができなかった。湖に沈めたままになっていた金の卵を拾い上げ、早くこの場から消え去りたいと思った。

 しかしそれもできなかった。なぜならそこに怪物が立っていたからだ。

 

 

「君か、ソフィア・マルフォイ」

 怪物は拗ねた少女のような顔をして、私を無関心そうに眺めている。

 

「ええどうも。あー…どうも」

 

 

 

 ソフィア・マルフォイを溺れさせたとき、自分はもしかしたら誇大妄想に囚われてとんでもない事をしてしまったのかもしれないと思った。

 救い出された彼女の顔は青白く、どうみても死んでいた。

 けれども彼女は蘇った。

 

 不死の怪物。

 岩のように、あるいは海のように、空のように、永劫をただ一人過ごしても孤独を感じぬ怪物は、兄と呼ぶ少年に抱きしめられて微笑んでいる。

 

 許せないと思った。

 

 

 ロックハートは私の話を聞いてニヤニヤと笑った。

 

「記述通りの製法なら彼女は闇の魔術の結晶と言ってもいい。本当に死なない体とは…素晴らしい」

「素晴らしい…か」

「私の復帰作にふさわしいと思わないかい」

 キャッチーだ。だが、あれを殺すのは私の役目だ。

「……それよりダンブルドアはこのことを?」

「知らない。彼に渡しているのは主にキンブリー家の…いや、盟友たちについてだ」

「……それだっていずれバレる」

 彼と手を組むのに乗り気でない私に、ロックハートはむしろ嬉々として関わってくる。弱み、と捉えているのだろうか。まあかまわない。私の生い立ちについて踏み込まなければ。

 

 その一線を踏み越えたのがリータ・スキーターだった。

 彼女は私を森に呼び出し、出生の秘密を囁いた。これをネタにすれば私が彼女の実に都合のいいパートナーになると確信しながら。

 その時、私は自分の中の殺意をやっと自覚した。怪物を殺すときのようなものではない。人間に対する殺意。それは兄に向かって微笑むソフィア・マルフォイに対する《許せない》という感情と同じだった。

 

 

 

 

 

「ギャーーーッ!!なんなんですのそれッ!?あなたなんで生きてるんですのッ?!穴だらけですわ〜ッ!」

「あー!うるさいッ!」

 

 私は肩口に突き刺さったガラスを引っこ抜きます。もともと体が自然と押し出してたのかするりと落ちて砕けました。

 セリルダは自分の制服をやぶいて巻いてくれました。そしてSOSの目印である爆竹をソノーラス!と響かせました。

 

 迷宮いっぱいに響く音、これではそばにいるであろう敵、ドミニクもあまりの爆音でどこから響いてきたか探知できないでしょう。私に肩を貸し歩きながら質問します。

 

「あなたを襲っていたのはドミニク・ブラッドレイですのね?なんでここまで酷いことを…」

「なんていうか…彼は私に個人的な恨みを持ってるみたいで…」

 私はセリルダにほとんど体を預け、腹に深々と刺さった杭を引き抜きました。本当に気持ちが悪いです。ぬらりと粘性をおびた血が通路に垂れました。

 ああ、本当に最悪、痛みだけはちゃんと感じる。

 

 

「何したらこんな殺されかけるんですの?……っていうかあなたの体…」

「話せば長いので後で」

 セリルダもさすがに私が怪我の割にピンピンしていることに気づきましたよね。ですが私も…ええ、実は割とショックを受けていまるのでうまく説明できる気がしません。

 

 

「それより、ルイス・モンタギューが殺されました。先生方と連絡を取らないと…これが課題の一環ならともかく殺人ですから」

「なんですって?」

「殺人です、セリルダ」

 私は先程見て聞いたことを掻い摘んで話します。(というか私がボコボコにされるところ以外)セリルダはそれを聞き戸惑ったような顔をしました。

「ドミニク・ブラッドレイ…そんな事をするなんて俄には信じがたいですわ」

 しかし私の傷を見てから迷いが消えたように真剣な顔つきになります。

「ですが、事実として受け止める他ないようですわね。…彼を止めなきゃ」

「貴方、優勝はいいんですか?」

「馬鹿ですの?目の前で人が殺されかけて…あまつさえすでに犠牲者が出てるのならば止める以外の選択肢がありまして?」

 セリルダは即答しました。私を嫌っているようだし、特に優勝にこだわっていると思ってたので意外でした。

 ですが思えば彼女の目的はグリンデルバルドという家名の名誉回復。芯にはまっすぐな正義感があるのでしょう。

 

「感謝します。……まあ私に追いつかれるくらいしか進んでないんじゃもう誰かにゴールされてるでしょうけど」

「ハァーーッ?!やっぱりクソガキですわーッ!」

 

 私はセリルダの肩を借りるのをやめて走れるまでに回復しました。セリルダは時々魔法で方角を確認しています。

「方角なんて確認してどうするんです?」

 私の質問にセリルダは呆れた顔をします。

 

「はあー。何も考えずに進んていたんですの?この迷宮は東西南北にむかって道が敷かれていますわ。しょっちゅう迷路は変化しますが、方角だけは狂いませんの。まず私は南端を目指しましたわ。ですがあるのは東を指すオブジェだけ。東に行くと今度は北、それで北に向かってたらあなたに会ったというわけ」

 なんと。この迷宮そういう仕組みだったんですね。けれどもそれじゃあゴールは一体どこなんでしょうか。

「それってみんなぐるぐる東西南北を駆け回ってるということですか?」

「このままだとドミニクと他の選手があう可能性が高いですわ。まだ先生方が来ないということは北側の監視はドミニク・ブラッドレイが潰したのかしら?」

「なんのための教職員なんだか」

 

 そうして走っていると黒い虫の洞窟にぶち当たりました。

 

「むッ……無理!無理です!!迂回しましょう」

「はあ?あなた死にたいんですの?」

「死んだほうがマシです!!」

 

 あまりの気持ち悪さに喚く私にセリルダは心底呆れたように言います。

「あいつはあなたを待ち伏せていたのでしょう?。ということはこの迷路の構造がわかってる。必ず追いつかれますわ」

 いやごもっとも。反論できない私はしょんぼりと、そして恨めしくセリルダに返事しました。

「……いきます…」

 

 セリルダにしがみつくようにして黒い虫の洞窟を抜けます。カサカサ言うのが本当に気持ちが悪い!!!半泣きになる私とは対象的にセリルダは毅然としていました。

 ようやく洞窟を渡りきったと思ったら、背後から大声が聞こえます。

 

「ソフィア・マルフォイ!!」

 

 

「……ドミニク…」

 

 ドミニクは目から血を流していました。ガラス爆弾はきちんと食らっていたみたいですね。制服のおかげか爆発のダメージは大したことなさそうですが、顔にひどい火傷を負っています。

 私は杭が刺さっていた部分も肩にあった大きな裂傷も元通りです。最強ですね。まあ彼によるとストック制らしいですが。

「怪物が……」

 殺気立つドミニクと私の間にセリルダが立ちはだかります。

 

「ドミニク・ブラッドレイ。どんな事情があったとしても人を傷つけるのはこの私が許しませんわよ」

「それは人ではない!」

「はあ?!めっちゃ人ですわ!ロリですわよ!」

「ロリではないです」

 

 ドミニクの顔は怒りで歪んでいました。目から流れる血も相まって、とても人のものとは思えません。

 

「命ではないものを庇うな。それはすべてのものに災いをもたらす」

「お電波がすぎるんじゃなくて?!まさかあなたがそんなくるくるパーだとは思いませんでしたわ!」

 

 セリルダは杖を構え、横にいる私にだけ聞こえるように囁きます。

「あなたは中央ホールに戻って先生方を呼びなさい。ポイント・ミーで方角はわかりますわ」

 

「え…でも…」

 ドミニクは禁じられた呪文だって躊躇いなく誓うに違いない。私が言わんとしていることはお見通しとでも言うようにセリルダは微笑みました。

「私はセリルダ・グリンデルバルドですのよ。あんな木っ端悪党に負ける訳ありませんの」

 

 私はセリルダをじっと見てから頷き、走ります。とりあえず南に向かって。

 

 ドミニクは杖をセリルダに向けた。

 

「残念だ、グリンデルバルド。お前は間違いを犯した」

「はあ?私はセリルダ・グリンデルバルドですのよ。私が善ですの!」

 

 洞窟の中に炎が満ちる。

 

 


 

 さて、私はまたも焦げていました。先程まで授業で世話させられていた異形の怪物と戦っていたのです。

「尻尾爆発スクリュートでしたっけ…やっぱり父上に頼んでハグリッドはクビにしてもらいましょう…」

 けれどもなんとか中央ホールまで戻ってこれました。八本の道が伸びた通路、その中央に誰かが立っていました。

 

「あの…ッ!緊急事態なんです!」

 

 私は走ってその人影に近づきます。立っていた人物はくるりと振り返りました。私はぎょっとして立ち止まります。

 

「バーティ・クラウチ……」

「誤算まみれだ」

 クラウチは憂鬱そうに呟きます。迷路での異変に気づいての事でしょうか?

「殺人事件です…!応援の先生を……」

 

 

「いい撹乱になるかと思ったが…思い違いだった」

 

 

 

 クラウチは見事な手さばきで袖から杖を取り出し、振りました。

 

「アバダケタブラ」

 

 

 

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