命蓮寺
「聖、連れてきたぞ」
「やめてこころちゃん。やめて?ここ命蓮寺だよね。妖怪寺なんだよね。俺死ぬよね?」
「あらあら…それは偏見ですよ。私たちがそんな無闇矢鱈に人を襲うだなんて…ちゃんと品定めしてから襲うよう言ってます」
「食うの!?襲うの!?こころちゃん離して!三百万払うから離して!店の売り上げ全部あげるから離してぇ!」
「なんと今の言葉忘れぬぞ」
「あ、やべ」
「ほら、さっさと渡せ」
「…はい…」
「これで大金持ちだ」ババーン
…何これ。なんなのこれ。俺悪いことした?俺大仏にされんの?
東大寺に押しつけられんの?生きたいです(切実)
こうなったらあれだ。外の世界で一時期爆発的人気を誇った立体機動装置とやらを真似て見ようではないか。
行くぞ…イメージは手のひらから糸が二本ずつ出てそれが回転するように威力を生み出しながら進む…良し!行ける!
「逃げ」
「あらあら…仏教を学びにきたのでは?」
「今日はお店があるので」
「私が潰しておきましょうか」
「やめて!洒落にならないからやめて!」
…なんやかんやあって店に戻れた。葉巻は返してくれなかった
まあ良いや。さっさと入ってさっさ
「…あ」
「失礼しました」カランカラン
うむ。あれだな。入る家を間違えたんだな。そうだそうに違いない。
俺は何も見てないぞ。着替え途中の白狼天狗なんて見てないぞ。
そう。中にいたのはただの客!
「着替え途中の女なんか見てな」
「乙女の醜態見やがったなてめえ!」アッパー
「あびょー!?」チーン
…どうももみっちゃんとは違うらしい。ちなみに乙女とはか弱い女の子である。
どう転んでも絶対にアッパーを放つ女を乙女とは言わない。妥協してシャンプーのアレを投げるだけである。
おいそこ!ソランゴボールの読みすぎとか言わない!別にあれだから!官能本見すぎただけだから!
「うるさいですよ」
「あ、すいません」
「…今日妖怪の山出禁にされまして」
「…ほう」
…ん?
「それで宿先を見つけたくてですね」
「ふむふむ」
…んぅ?
「それで前文々。新聞の事を思い出しまして」
「うんうん」
…つまり
「つまりこの洋菓子屋に泊めてください」
「蹴っ飛ばすぞ」
「キャイン!」
…いや知らねえよ。醜態晒したのはお前からだよ。
痴女かお前は。痴女だろ。痴女だな!つうか何?妖怪の山出禁とかあったの!?
ブラックリストなんてあったの!?知らねえよんなもん!なんだってここに集まるのかなぁ!
俺あれだよ。今キレそうだよ。糸使ってここからも出禁にしてやろうかって思ってるんだよ
「まあそっちも私の着替え見たんだし」
「見たくて見たわけではない」
「なんか言ったか?」
「…もみっちゃんよりも貧相な身体だと」
「殺されてえのかテメエ」
「とりあえず帰れ。白狼天狗だかなんだか知らないけど帰れ」
「…ほんと噂通りね。今までのこと全部嘘なんだけど」
「出禁だお前は2度と来んな」シュッ
「え?」ピョンッ
「2度と来ないでくださいね〜」カランカラン
「え、え、ぇえぇええぇえ!?」
…うるさい奴が消えた。つうかなんだよ嘘って。信じた俺が馬鹿らしかった。
…ん?もみっちゃんより貧相な体ってことは…ちっぱ
カランカラン!
「チーズケーキ!」
「あいよ」
「さんきゅ!」
…いや待て。そんなことではないはずだ。
もみっちゃんより貧相だからってどこか別のところに…
ってそんな真面目に考えてる場合か!ったくもうこれだから。
週刊少年チャンプ読むか。チャンピオンですよこちとらぁ!
「ふぅ…一息つけ」
「お久しぶりで」
「もみっちゃんどうしてここに」
なんだよ。なんなんだよそんなモジモジして。きもいわ!
なんだね!?ロールケーキか!?ホイールケーキか!?タイヤか!?
たい焼きが欲しいのか!?売ってねえよ帰れ!
「…今変なストーカー男に付き纏われてて」
「ストーカー?いよいよこの世も世紀末だねぇ。干酢都品蹴流(ほすとぴんける)かな?」
「なんですかそれ。とりあえずそのストーカー男が」
「いたか椛さん!この男が洗脳しているんですね!助けますよ今!」
「…これなんですよ。実力私より下なのに」
「そう。まあ家で刀引くのはご法度なんだけどね。ちょっくら刀頂きました」パシッ
「な!?貴様!」
「…いい刀だね。まるで切って欲しそうだ。もみっちゃん、要る?」
「いりませんよストーカーの刀なんて誰が欲しがりますか」
「やっぱ洗脳されてるんですね!」
「…とりあえず。そろそろ静かにしねえとロボトミー手術すんぞ。感情無くしてこころちゃんみたいにするぞ」
「なんと!?彼女も洗脳されてたのか!」
「あいつ二股かよ。」
さてと。うるさい奴には消えてもらわねばな。迷惑的な意味のうるさい奴。
というわけで…手のひらサイズの糸びょーん!
「なんだこれは!?」ビョーン
「…なんていうんだっけ。押し出し?」
「相撲ですか。私興味あるんで今度やりません?」
「…色々と問題があるから辞めておくよ」
…女の子が相撲なんてよくわからん。
よくわからんがけしからん!そんな張り手でラッキースケベ狙う魂胆だろうが私はすでに見抜いているぞ読者ぁ!
え?違う?普通立場が逆?なんだそういうことか…
「…そもそも下着姿見せてる相手に今更裸もおっぱいもないでしょう」
「羽目外すとそうなるのかお前」
「まあ多少は。あれ1ヶ月の休暇だと思ってましたし」
「そう。とりあえずこの刀どうしよう。人斬り包丁なんておれ要らないよ」
「そりゃそうです。あ、ショコラケーキ」
「分かりましたよ」
…ん?なんで俺殺されかけた相手に飯作ってんだ?
言っちゃえばこいつと関わらなければ面倒なことにはならなかったろ?
んん?じゃあなんでだ?
カランカラン
「薬を売りに」
「おかえりください」
「えぇ!?」
糸の使い勝手はまあワンピースのイトイトの実でも想像しておいてください