夜の人里
「ねっむい…買い物は昼に済ませておくべきだったか。帰ろ帰ろ」
店の扉<刺さってます!
「…どうなってんだこれ」
お店
「…変な刀拾った…鍛冶屋のあの青い子に見てもらうべきか。ていうか鞘に収まったままで刺さるとかどんな勢いで投げつけたんだろう…」
さてこの刀は高値で売れそうだから大事に仕舞っておくか。
鍛冶屋の青い子は妖怪って聞くけど鍛冶屋やってんだから多分襲わんでしょ。襲って来たらこの刀で叩くしかねえ
明日土曜だし休めるか。休みの内に見てもらうべきだな…さあ風呂入って寝ましょ寝ましょ
翌日
「…鍛冶屋は…確かにここなんだがなぁ…なんもねえ。強いて言えば近くに命蓮寺があるくらい…ん?命蓮寺にもあの青い子居たっけ?まぁ聞いてみるか」
命蓮寺
「ごめんくださーい」
「…なんだ君か。ただならぬ妖気を感じ取ったからてっきり敵襲かと思った…あ、その刀は私が運ぼう。それ妖刀だから」
「へぇ妖刀。いくらで売れますかね」
「これ売れないよ。妖刀の種類でも結構有名な奴だから売ろうとしても返品されるだけさ」
「マジかぁ…ちなみに名前って分かるの?」
「名前?まあ妖刀ってのは外の世界だと一種類らしいが…これは妖刀神文。神を刀に宿したって言われてる刀なんだが…」
「どうした?」
「普通神を宿したのなら妖刀ではない気がするんだ。普通に神に刀と書いて神刀でもいいんじゃないかとは思う」
「まあ気持ちは分からんでもない。してここに青い髪の鍛冶屋の女の子が居た気がするけど」
「あ〜小傘のことか。彼女なら墓地に居るよ」
「ありがとさん。後刀は返してもらうぞ。これ俺のなんだから」
「…妖刀を俺の物っていう人間はいないだろ…」
命蓮寺墓地
「さて墓地なんだから青ってのは目立つと思うんだけどな」
「驚けーっ!」
「ふんっ!」バギィッ
「はっぴゃあ!?」ドテッ
「…あ、鍛冶屋の子か」
「殴ってからそれはないと思うな…」
「ま、神様が宿った刀でぶっ叩いたんだ。縁起がいいったらありゃしねえぜ」
「…神文かな?特徴的な刀だからねぇ」
「で、これは太刀なのか打刀なのか」
「これは…まあどっちでもいけるんじゃないかな?神文自体特殊な形してるから」
「で、売ったらいくらになる?」
「神を売るって…売っても値打ち物にすらならないよ。本当に。だから売るのはやめて捨てたら?」
「捨てんのはもったいねえだろ。妖刀って言うんだから護身用にはもってこいだろうし」
「いやまあ切れ味はすごいんだけどね…神様に捧げて戻ってきた伝説がある刀だから丁寧に扱わないと呪われちゃうよ?」
「神様が返品した刀…これもしかして切れ味が悪いんじゃ」
「日本語って難しい…まあそれとは別に『手入れが要らない』って言うメリットがあるんだよね。神文には」
「神様が誓いを立てた刀だから錆びることも折れることもなしか…なるほど良い。俺もらったこれ」
「いやこれ妖刀だって!?」
いやぁ…実にいい刀だ。使い方を知らない俺が言えないことだけどね。
まあいざとなったら能力もありますしお寿司。ていうか神様なのに妖気…?
とりあえず家に帰ったら飾るか。人間なんでもやってみるもんだしなぁ
お店
「…曰く付きの物が家に二つ…いや実質三つか…俺自身事故物件だし」
ガチャッ
「おうなんだてめえ店休暇にしやがって」
「土日祝日は休みだこのやろー」
「なんだそうだったのか。でお前この刀どうしたの?」
「拾った」
「…!?ど、どうしたんだ?」
「だから拾ったって」
「!?…!?な、何を言っているんだ…?これ多分付喪神が憑いてるよ」
「お、付喪神が?商売繁盛の付喪神が憑いてると嬉しいね」
「憑いてる時点で何も嬉しくないぞこの野郎…お前そろそろ体調崩して死ぬぞ」
「好きなことやってしねたらそれでいいんじゃねえか?」
「そんなもんか。しかしまぁ付喪神とは言え神って文字があるんだし何か願い事でもすれば?」
「そうかぁ…じゃ、住み込みであんま金の掛からない看板娘的存在が来てくれますように!」
「おいこら看板娘の目の前でいうことか?」
「…お前のどこが看板娘なんだ。魔理沙が住み込みで働きに来るとか言ってたから追い返す口実が欲しいんだようすらとんかち」
「うすらとんかちってなんだおい…え、マジで何?」
「俺も知らん。まあ付喪神って奴だから願いの一つや二つ叶えてくれるとありがたい」
「…意外と浅ましい奴だな」
ボンっ!
「…助けてください」
「こころちゃん今なんか言った?」
「いや何も言ってない。そういうお前が何か言っただろ」
「何をバカな。そんなわけないだろ…」
「ちょ、ようやく刀から抜け出せたのに酷くないですか!?」
なんか可愛らしい声が聞こえるがこれこころちゃんなんだろうなぁ。
練習して声に表情を付けれるようになったか。素晴らしい進歩だこころちゃん。
…ん?ちょっと待て?今なんて言ってた?こころちゃん今なんて言ってた?
「…刀から抜け出す?」
「なんだそれ知らねえな」
「ですから!私は付喪神ですよ!」
「…あー煙がなくなってきた…で、付喪神って…」チラッ
「ん?」チラッ
「…これでも結構すごい神様なんですけどね」ハハハ
「…あ、刀から妖気しか感じなくなったぞ」
「じゃあこいつが抜けて妖刀になったってわけか。迷惑な神様だな」
「迷惑!?私はそれの呪いの力抑えるために入ったのに!?酷くないですか!?」
「まあ呪いの力があろうとなかろうと俺は貰うけどね。ていうかこれ折れるの?」
「その刀は元から折れないんです。呪いの力って言うんですかね?」
「ふーん」
その日、慧音先生が一人『!?なんだこれ!?」と叫んでいたのは秘密だ。
ちなみに付喪神っぽい女の子(ここ重要)の能力は『呪いを抑える程度の能力』だよ!
それ以外のことはできないし強い呪いだと自分も一緒に抑えちゃうんだ!
まあ抑えるだけだから消えてはないけど