幻想郷の店   作:覚め

86 / 130
君の後ろ姿を
僕は見つめていたんだ
ずっと見つめている存在でいたいですはい。



人として

 

魔法の森入り口付近

 

「…本当にあるとは思わなかった。魔法の森にあったのかぁ…しかしこれ…なんだこれ。何で出来てんだこれ…?」

 

はて日差しに当たってほんのり暖かいこの黒いのか鼠色なのかよくわからない建築物は…?レンガではなさそうだ。

でも待てよ…この色どっかでみたことがあるんだよな…割と最近だった気がするんだが…あ!香霖堂で見たんだ!

地面に敷いて道にするとかなんとか言ってた気がするけど…それと似たような色だけど…じゃあこれはあれか?こんくりーとって奴?

外の世界の物で作られてるのかこの建物…どうして?いつ?隙間妖怪でも関わっているのか?それとも巫女が自力で?どちらにせよわからん。

 

「…こんくりーと…なのか?妖怪のせいかちょっと欠けてるしなぁ…博麗印の札が有る。まあでも効力はないだろうしな。近くの人間だと魔理沙が近いか…聞いてみるかなぁ面倒くさい」

 

「うわっお前どうしたこんなところで…」

 

「おお良いところに来た魔理沙ちゃん!お前この建物について何か知らない?」

 

「私が生まれてくる前らへんにお菓子作りの教室をやってたってくらいだな。あとはそれを博麗の巫女が開いてたってことくらいだ。改築とかはやってないから当時のままのはずだ」

 

「…じゃあ所々欠けてるのは時間による劣化ってやつか?」

 

「まあそうだろうな。これでも有る程度の知識はあるぜ…なんてたって私の家は私が」

 

「そうか。でもそれだと謎が深まったぞ?なんでこの建物は外の世界の素材でできてるんだ?」

 

「…ああ、コンクリートか。香霖堂に行けば売ってるけど家を作れる程ではなかったな。私も支柱に使うくらいだったし」

 

「高級っちゃ高級なんだがねぇ…そうだ魔理ちゃん。このお菓子作りの先生、先代博麗の巫女の話をしてあげよう」

 

「…じゃあまずは人柄だな」

 

「驚くぜ?今の博麗の巫女とは大違い!小さい子は全員率先して助けて人里では珍しいお菓子作りも教えてたんだ。すげえだろ」

 

「やべえなその博麗の巫女。先代ほんとすげえな」

 

「でも先代は結構酷めないじめに遭ってたんだぜ。捨てられた子供はゴミとして扱うのが人里の掟。死ぬまでゴミ扱い、死んだらゴミ扱いと二段構えだ」

 

「…それといじめになんの関係があるんだ?」

 

ないように思えるだろう。実はかなり関係がある。

ゴミ扱いということは石を投げても踏んでも汚物扱いしても誰も文句を言わないということである。

まるで本当にゴミになったような気分で捨てられた子供は死んでいく。それが人里の掟…だった。

なのに先代の博麗の巫女は石を投げつけられようとも踏まれようともそれに反撃することなく捨てられた子供達を庇った。

その結果寺子屋や稗田家などで受け入れる施設ができたのだ。あの人の動きが人里を変えたのかもしれない。

 

「とまぁそんな感じだわな。まだ人里に捨てられた子供をゴミ扱いする習慣は残ってる。お前は良かったな…捨てられなくて」

 

「聞いた限りだと本当にその通りだな。で、お前はその人に助けられたのか?」

 

「いや、多分庇い始めたのは俺の前の子供がきっかけだと思う。俺なんか博麗神社でポイってよ。みんな気味悪がって近づきやしねえってんだからもう」

 

「…つくづく私が人里にいなくて良かったと思ってるよ。私だったら見てるだけでも耐えれない」

 

「人間って生き物はこえーぞ。自分たちが怖いことに気づかずに過ごすんだ。魔法使える奴が調子こくのと同じだ」

 

「そんで魔法の怖さを思い知らせされるってか。そりゃそいつが馬鹿なだけだ」

 

「…ま、話を戻すとだ。要はそれが原因であの人は石とか投げられて買い物もまともにできなかったってわけだ。慧音先生から一応もらってたらしいがな」

 

「大変なんだな巫女って言うのも」

 

「大変じゃなきゃその職業は存在しねえと思うぜ?…さて。今日からこのお菓子教室が俺の家だ。池も近くにあるからなんとかなるだろ」

 

「…妖怪は」

 

「一応退治できるしな。中級来たら死ぬけど。あはははは!…神魂だけでも返してください」

 

「良いけどお前養えるの?」

 

「はっきり言って無理。じゃあ別に良いのか…俺が餓死するって知らせが届くまで待っててくれや」

 

「いや、待てそれはおかしい」

 

「どこもおかしくなかろうて…俺は別に生きたくて生きてるわけじゃねえし、死にたくて死ぬわけでもねえんだ。死ぬんだったら死ぬでさっさと死にたいし」

 

「…お前ウチくる?」

 

「お前の家ほど行きたくない家は絶対にない」

 

「乙女のプライド見せてやらぁ!」バギィッ

 

「うわっ!?少なくとも拳を突き出す奴は乙女じゃない!」

 

「…マスター」

 

「させるかぁ!」キック!

 

「八卦路!?」

 

「…マジで疲れるからやめてくれる?」

 

「マジトーンかよ…ごめんなさい」

 

最近身体を動かすのがキツくなってきた。なんでだろう…年かな。

年なんてとるもんじゃないよ。木になりたいがね…はっきり言って木になってもなぁ。

お菓子作りの教室…鉄が使われてるや…まるで家全体が丸ごとこの幻想郷に来たような…

そんなバカな。教室がなぜ丸々幻想郷に来るんだ。人とかの事例ならある。香霖堂とかにも流れ着く。

教室とかはまだ事例がなかった気がするんだが…

 

「…やっぱ人生謎だらけなんだなぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 




終わり!閉店!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。