異世界に召喚されしはイレギュラーが率いる異界の艦隊 作:日本武尊
作者はアズレンをプレイしたことがないので、どちらかといえば日本国召喚×アズールレーンのキャラクターとのクロスオーバーした架空戦記な作品になるかもしれません。
そんな作品ですが、よろしくお願いします。
第一話 その名は『超弩級空母』と『不沈戦艦』
異なる歴史を歩んだ地球。70%以上が水で覆われている水の惑星に住む人類は、互いに争い、その数を減らしては増え、滅びては誕生し、その度に文明を発展させて、繁栄を築いていった。
しかしとある存在が現れたことで、全ての状況は一変した。
――――『セイレーン』――――
突如現れた異形の存在は、人類に戦いを仕掛けてきた。
人類は築き上げてきた技術力を惜しまずに投入し、セイレーンに対抗した。しかし圧倒的な力を持つセイレーンの前に、人類はあまりにも無力だった。
圧倒的な力を持つセイレーンを前に、人類は過去のいざこざを水に流し、一丸となってセイレーンと戦う軍事連合―――『アズールレーン』を創設し、セイレーンと戦った。
そんな中、彼らが偶然発見した『メンタルキューブ』と言う存在から、セイレーンに対抗する力を手に入れる。
その名を『KAN-SEN』と呼ぶ。
正式名称『Kinetic Artifactual Navy - Self-regulative En-lore Node』 略して『KAN-SEN』である。
日本語で『動力学的人工海上作戦機構・自律行動型伝承接続端子』と言う。
KAN-SENとは様々な年齢や外観を持つ女性の姿をした艦船であり、セイレーンに対抗できる唯一の戦力であり、人類最後の希望であった。
セイレーンとの戦いは多大な犠牲が発生し、一時期人類は滅びの危機に瀕していた。
しかし人類のあらゆる英知を結集させたアズールレーンの活躍により、人類の滅亡は避けられ、セイレーンの攻勢を食い止めることが出来た。
だが、ここまでやっても、あくまでも
セイレーンとの膠着状態が続いた事により、各陣営間でセイレーンと戦う理念の違いが浮き彫りになってきた。
『あくまでも人類の力を以ってして、セイレーンを撃退する』か『毒をもって毒を制し、セイレーンの力を得てセイレーンを撃退する』と、二つの理念に分かれた。
この理念の食い違いがアズールレーン内で分裂を起こし、一部の陣営が脱退して『レッドアクシズ』を名乗り、アズールレーンと対立する事になり、やがて両陣営による戦争が繰り広げられた。
共通の敵が居ながら、理念の違いで内輪揉めという、何とも言えない結果になった。
そんな中、とある場所にて世界に前例の無い出来事が発生した。
ある日突然現れたKAN-SENは未確認の生物達と共にその島を拠点として活動を始めた。
普通ならこの程度で騒がれることは無いが、そのKAN-SENがイレギュラーであったからだ
先にも紹介したが、KAN-SENは様々な年齢に様々な外観を持つ女性の姿をした艦船だ。KAN-SENが誕生して以来、例外は確認されていなかった。
しかしそのKAN-SENは……世界に前例の無い男性の姿をしたKAN-SENであるからだ。
その上、既存のKAN-SENを凌駕する力を有しており、更に彼らの
更にKAN-SENを率いる指揮官と言う存在がいないにも関わらず、統率された動きを見せ、セイレーンやアズールレーンの攻撃を何度も退けてきた。
世界から注目されないはずがない。
そして世界で初めて確認された二隻の男性型KAN-SENを、圧倒的な力を有した彼らをアズールレーン陣営はこう呼んだ。
『魔王』と『モンスター』……
そしてまたの名を―――
『超弩級空母』と『不沈戦艦』と……
―――――――――――――――――――――――――――――――
地球の南方に、とある諸島がある。その諸島は『トラック諸島』と呼ぶ。
トラック諸島はかつてアズールレーンの一大拠点であったが、セイレーンとの戦いで基地が破壊され、その後放棄された。その放棄されたトラック諸島に、彼らが拠点を構えたのだ。
トラック諸島は別の世界のかの大戦で『トラック泊地』と呼ばれていた時の姿を彷彿とさせる軍事施設が各島々に存在しており、実質的に諸島そのものが軍事基地化されている。
国が威信を掛けて整備したわけでもなく、尚且つ支援をしたわけでもないのに、彼らだけでここまで発展させている。
諸島の周辺の空域には、不規則の航路で、尚且つ不定期に航空機が哨戒に当たっている。これにより哨戒の隙を突かれて奇襲されるのを防いでいる。
その泊地の湾内に、多くの艦船が錨を下ろして停泊している。その多くがKAN-SENのもので、それ以外は輸送船や工作船等の補助艦船である。
その中には、嫌でも目立つ巨大な艦船が停泊している。
「……」
多くの艦船が停泊している湾内を、港の埠頭で腕を組んだ一人の男性が眺めている。
血の様な赤い瞳を持ち、中性的な顔つきに腰まで伸びた黒い髪をストレートにしており、一見すれば女性のようにも見えなくも無い。漆黒の第二種軍装を身に纏っており、頭に被っている同色の制帽には金色に輝く菊花紋章が付けられている。
「よぉ、大和」
と、後ろから声を掛けられて『大和』と呼ばれた男性は声がした方に振り向くと、一人の男性が立っていた。
短く切り揃えた黒髪に顔中に傷跡が残る整った顔つきをして、軍艦色の第二種軍装を身に纏っているが、頭に龍の角を彷彿とさせる刺々しい角が二本後ろに向かって真っ直ぐに生えており、その頭には大和と同じ菊花紋章が付けられた制帽が乗せられている。
その上、尻付近に龍の尻尾を彷彿とさせる鱗に覆われた尻尾が地面に付きそうなほどの長さで生えている。
「紀伊か。どうした?」
「戦友が黄昏ていたから、声を掛けただけさ」
「そうかい」
『大和』が苦笑いを浮かべていると 『紀伊』は彼の隣に立って湾内を見つめる。
『紀伊』はともかく、一見すれば『大和』はただの人間の男性の様に見えるが、彼らこそが世界に類を見ない男性型KAN-SENであり、このトラック諸島を拠点とする艦隊を率いているのは、この二人である。
そして彼らは他のKAN-SENと異なり、常軌を逸した力を秘めている。
「そういや、天城がお前を探していたぞ。またサボりか?」
「一通り仕事が終わったから休憩だ。天城は分かっていて聞いているんだよ。そういうお前もサボりか? 榛名達と訓練をしていただろ」
「俺はあいつらの補給を待っているだけだ。向こうは榛名とビスマルクが見てくれているから、心配無い」
「そうか」
二人は軽く会話を交わすと、前を見る。
湾内に投錨して停泊している艦船らは静かに佇んでおり、カモメが艦船の甲板や艦橋、電探に止まって翼を休めている。その艦船のあちこちに二頭身の小さな小人が各々の配備場所で掃除をしている。
常日頃戦いに明け暮れている彼らに訪れた、平穏な一時である。
「なぁ、大和」
「なんだ?」
『紀伊』が前を向いたまま『大和』に声を掛けると、彼もまた前を向いたまま答える。
「俺達がこの世界に生を得て、どのくらい経ったか?」
「そうだな……大体5年ぐらいだったかな?」
「もうそんなに経つのか……ホント時間が経つのは早いな」
「あぁ」
『大和』から聞いた時間を聞いて『紀伊』は意外そうに呟くと、『大和』は相槌を打ち、両者は空を見つめる。
「色々と、あったな」
「そうだな。ホント、色々とあったな」
互いに今まで起きた事を思い出しながら、呟く。
世界に類を見ない男性型KAN-SENである彼らだが、この二人にはある秘密があった。
二人は元となった軍艦の記憶を有しているが、その基本となる魂はこの世界と異なる別世界に暮らす人間のものである。
二人は気付いた時には今の姿となっており、当時はまだ人間だった頃の記憶があったが、今となっては人間だった頃に記憶は殆ど残っていない。実質『大和』と『紀伊』としてのKAN-SENそのものとなっている。
なぜか趣味であった軍事関係やアニメ、漫画といったオタク知識は忘れていないが。
「ここにいらっしゃいましたか、総旗艦様」
「紀伊 ここに居たか」
と、後ろから年齢の違う二人分女性の声がして二人が振り向くと、一人の女性が和傘を挿して立ち、一人の幼女と傍に控える少女が立っていた。
女性は腰の位置まで伸びた少し薄い茶色の髪をして、綺麗に着込んだ和服の上に羽織を纏った和風美人だが、頭には狐の耳が生えており、羽織に隠れて見えずらいが、ふさふさした九本ある尻尾があるなど、人間らしからぬ特徴がある。
もう一人の幼女は腰まで伸びた艶のある黒髪に狐を思わせる獣耳を持ち、巫女服の意匠があるワンピースドレスを身に纏っている。幼い見た目ではあるが、そこから発せられる雰囲気は威厳の満ちている。
その幼女に控える少女は銀髪に碧眼をして、セーラー服と巫女服を足して割ったような服装を身に纏っている。先が黒い獣耳を持ち、尻付近には銀色の毛に覆われた尻尾が生えている。腰にはいくつもの剣が鞘に収められて提げられている。
女性の名前は『天城』 かの天城型巡洋戦艦の一番艦、そのKAN-SENである。
そして幼女の名前は『長門』 あの長門型戦艦の一番艦、そのKAN-SENである。
その長門に控える少女の名は『江風』 白露型駆逐艦の九番艦、そのKAN-SENである。
「天城……」
『大和』は女性こと『天城』を見て声を漏らす。
「随分と探しましたわ。もう休憩の時間が終わられますのに」
「迎えに来なくても、電話すれば良かったのに」
「直接総旗艦様を迎えに行きたい気分でしたので。それに、たまには外に出て日の光を浴びないと身体に悪いので」
「そうか」
『大和』は頭の後ろを掻いて苦笑いを浮かべる。
「そういう長門も珍しいな。基本部屋に居るっていうのに」
「余を常に引き篭もっているような風に言うでない。紀伊が見ていないだけで、余は一日散歩に出ているのだぞ」
『紀伊』がそう言うと、『長門』はムッと不満げに腕を組み、愚痴を漏らす。
「そうかい。っで、何か用があるのか?」
「うむ。散歩途中で榛名と会ってな。お主を探していたぞ」
「あぁ、もう補給が終わっていたのか。電話で伝えればいいのに」
『長門』がそう伝えると、『紀伊』は『大和』を見る。
「じゃぁな」と言い残して彼はその場を離れる。
「ところで、天城、お主身体は大丈夫なのか?」
『長門』は『天城』を見る。普通に聞いているようにも見えるが、その声には僅かに心配の色がある。
「ご心配には及びませんわ、長門様。今日は身体の調子が宜しいので」
「そうか」
『長門』は安堵の表情を浮かべると、視線が『大和』に向けられる。
「総旗艦。分かっておるな?」
「あぁ。分かっているさ、長門。言われなくてもな」
「ふっ。聞くまでも無かったか」
口角を上げると「ではな」と一言声を掛けて『長門』は踵を返して二人と別れる。傍に控える『江風』も頭を下げて『長門』の後に続く。
「では、私達も行きましょう、総旗艦様」
「あぁ」
『大和』は頷いて『天城』と共に仕事場にしている建物へと向かう。
しかし、彼らは知る由も無かった。
これから起こる天変地異を……
これから繰り広げられる物語を……
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オリジナル要素を加えてやるべき