異世界に召喚されしはイレギュラーが率いる異界の艦隊   作:日本武尊

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第十話 平和を望むのならば戦いに備えよ

 

 

 

 

 トラック諸島 トラック泊地

 

 

 トラック諸島はいくつもの島々が集まった諸島であり、その中心部に大きな湾内を持ち、その規模たるや空母が全速航行しながら艦上機を発艦させられるほどの広さがある。

 

 島の各地は妖精達によって整備されており、様々な物を製造する工場や整備場といった設備に、物資や人員を各島へと運ぶ為の鉄道、飛行場に軍港、演習場といった軍事施設、様々な研究や開発を行う施設、KAN-SEN達の精神面を癒す娯楽施設など、何でもござれな状態だ。

 

 それに加え、島の規模を拡大する為にいくつかの島には埋め立て工事が行われており、拡張された土地に必要な施設を妖精達が作っている。主に艦船を建造、修理を行うドックである。

 その土木材を妖精達は何処で調達してきたのかは分からないが。

 

 国が威信を掛けて整備したわけではなく、それどころかセイレーンの攻撃を受けて、長らく放置され廃墟と化した無人島を、どこの国や組織からの援助無しにここまで発展できたのだから、妖精達の技術力の高さが伺える。

 でなければKAN-SEN達を管理運用を行い、尚且つ陸戦隊を編成して維持することなど出来るはずも無いだが。

 

 

 閑話休題(それはともかく)……

 

 

 このトラック諸島には多くのKAN-SEN達の他に妖精達に加え、極少数ではあるが人間や最近棲み始めた『とある飛行生物』が暮らしている。

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「次のクワ・トイネ公国軍とクイラ王国軍へ納入分の小銃と機関銃、榴弾砲の生産は終了。随時輸送船へ積み込まれているか」

 

「到着は二日後を予定しています」

 

 トラック諸島のいくつもある島の内、春島と呼ばれる島にある建物の執務室で『大和』は『天城』と共に執務を行っている。

 

「次の発注分の小銃、機関銃は既に生産を終えて発送待ち。榴弾砲は次の輸送船が到着する頃に生産が完了するとの事です」

 

「そうか。しかし……」

 

 『大和』は書類に記載されているクワ・トイネ公国軍とクイラ王国軍からの発注分を見て、苦虫を噛んだように顔を顰める。

 

「分かってはいたが、こんなに発注が来るとはな」

 

「仕方ありません。軍全体に行き渡らせるので、こうなるのは当然かと」

 

「そりゃそうか」

 

 そう呟きながら彼は頭の後ろを掻く。

 

「でも、製造部門の妖精達は意気揚々としていましたよ。暇じゃなくなったと仰って」

 

「……工場フル稼働にして間に合っていないのに?」

 

 『天城』の口から明かされた事実に『大和』は苦笑いを浮かべるしかなかった。

 

 トラック泊地がクワ・トイネ公国とクイラ王国の両国に対して輸出しているのは、過去に陸戦隊で用いられていた『九九式短小銃』と『四式自動小銃』『九九式軽機関銃』に加え『ブローニングM2重機関銃』といった銃火器と、榴弾砲のみ現在陸戦隊の砲兵隊が運用している物が輸出されている。

 車輌も多くの物が輸出されており、その中には戦車も含まれている。

 

 現在トラック諸島にある工場をフル稼働してこれらの旧式武器兵器を再生産して輸出している。

 

 しかし一度生産を終えた物を再生産するのは決して楽なものではなく、その上工場の数だって多くないとあって、量産数は多くない。

 

 それはともかくとして、これらの武器兵器の輸出の対価として、クワ・トイネ公国は食料を輸出してと土地を提供し、クイラ王国は石油を含む地下資源を採掘する為に多くの土地を提供している。

 

 

「まぁともかく、注文が続く限りは生産は続けるように製造部門に言っておいてくれ。もちろん、陸戦隊の装備も合わせてな」

 

「分かりました」

 

 『大和』は書類を纏めながら『天城』に指示を出す。

 

「ですが、今後のことを考えますと、工場の増設を行う必要があるかと」

 

「増設か……」

 

 『大和』は腕を組み、静かに唸る。

 

「さすがにこの島で増設するのは……無理だよな」

 

「これ以上の増設となりますと、更なる埋め立て工事が必要になると、妖精さん達は言っていました」

 

「そうなると相当先の話になるか」

 

 彼は椅子を回して窓の方を向き、空を見つめる。

 

「……一応クイラ王国から土地を借りて工場を建てる計画はあるが、今はまだ無理だな」

 

「製造した銃火器の流出を恐れてですか?」

 

「あぁ」

 

 『大和』は『天城』の疑問を肯定する。

 

「銃の管理は出来ても、人間の管理は難しいからな」

 

「……」

 

「だからまだ工場の進出は出来ない。少なくとも、今はな」

 

「そうですか」

 

 『天城』は納得したように頷く。

 

 

 彼が海外へ工場の進出を躊躇うのは、製造した武器兵器が他国へ横流しにされる事を恐れてである。

 

 クワ・トイネ公国やクイラ王国の中には当然隣国のロウリア王国からの密偵が潜んでいるだろうし、その密偵による裏工作で銃火器がロウリア王国へと横流しにされる可能性が高い。

 

 その事を考慮し、『大和』は輸出した銃火器類の厳重な管理を両国に要請して、万が一を考えてトラック泊地よりその管理を担当する者が出向している。

 

 そんな厳重な管理が功を奏していて、今の所銃の紛失は確認されていない。といっても、最近管理者に賄賂を渡して銃を持ち出そうとした輩が出て拘束されたばかりだが。ちなみに拘束されたのはロウリア王国の密偵より賄賂を渡された兵士であった。

 もちろんそのロウリア王国の密偵も憲兵隊によって拘束されており、その後密偵を尋問して他の密偵の居場所を特定して拘束している。

 

 

 えっ? どうやって尋問したかって? 北連方式で手っ取り早く……

 

 

 しかし現在トラック泊地にある工場では生産が間に合っていないのが現状であり、生産量を安定させる為にも工場を増設する必要があるが、今のトラック諸島にはその土地的余裕が無い。

 だから土地がだだ余りしているクイラ王国に生産工場を増設しようと考えていたが、先述した通り密偵による裏工作で武器兵器の横流しによる流出が起こる可能性が高い。

 

 しかしロデニウス大陸の技術レベル的に銃火器を解析してコピー生産するのは不可能であるのは確かであり、流出した所で然したる問題は無い。仮に戦闘に駆り出されたとしても、補給の出来ない銃火器は時間が経てばただの鉄の塊と化すだけである。

 

 だが、そのまま第三国へと流出してしまうのは別問題になるので、そうならないように厳しく管理している。

 

 まぁ、その事もあってしばらく工場の増設は見送るしかない。

 

 

「今日の書類はこれで終わりだったな」

 

「はい」

 

「この後の予定は?」

 

「いいえ。ありませんわ」

 

「そうか」

 

 『天城』がタブレット端末を手にして予定表を開き、予定を確認して無い事を伝え、『大和』は書類を棚に仕舞うと、席を立って背伸びをする。

 

「それじゃ、『赤城』の所に行くか」

 

「はい。『赤城』もお喜びになります」

 

 『大和』は制帽を被りながらそう提案して『天城』はタブレット端末を充電器の台座に戻しながら微笑みを浮かべ、二人は執務室を出る。

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 建物を出た二人は歩いて『赤城』が居る研究所へと向かう。

 

「今日は良い天気だな」

 

「はい」

 

 『大和』は快晴な空を見上げながら呟くと、和傘を挿している『天城』が相槌を打つ。

 

「そういえば『赤城』のやつ。そろそろストレスが爆発しそうな気がするな」

 

「そうかもしれませんわね」

 

 と、二人は歩きながらいきなり物騒な事を話していた。

 

「まぁ『赤城』はたまたま重なったから良いが、『加賀』は改装中ずっと待機しているから、大分溜まっているだろうな」

 

「そうですね。この間『加賀』さんは私や『土佐』さんに愚痴っていましたわ」

 

「だろうな」

 

 容易にその姿を想像出来てか、『大和』は苦笑いを浮かべる。

 

「『赤城』も今は何ともありませんけど、枷が外れればいつもの日常ですわ」

 

「……」

 

 『天城』の言葉でいつもの日常が思い出されてか、『大和』はため息を付く。

 

「大丈夫ですわ、総旗艦様。いざという時は、私が『赤城』を止めますので」

 

 と、右手を握り拳にしながら彼女が笑顔で頼もしい事を言ってくれるも、『大和』は安心出来なかった。

 

 

 『赤城』と『加賀』でさえ恐れるその拳がこちらに向けられると言うのを、彼は知っているからだ。

 

 

 すると風が吹き、二人の長髪を靡かせる。

 

「……やっぱり髪が長いと邪魔だな」

 

 『大和』は風に靡く自身の髪を鬱陶しそうに押さえる。

 

「そんな事を言わずに。総旗艦様は髪が長い方がお似合いですわ」

 

「そうは言っても。髪が長いと大変なんだよなぁ」

 

「ですから、私や『赤城』、『加賀』さんに、メイドの皆様が総旗艦様の髪の手入れをしていますので」

 

「……」

 

 ニコニコと笑みを浮かべる『天城』に、『大和』は顔を顰める。

 

 空母である彼は戦闘時激しく動く事はあまり無く、他の事に集中しているからさほど髪の長さを気にする事は無いのだが、日常生活だと常に髪の長さが気になり、それに困る事が多々ある。

 

 それなら髪を纏めるか切るのだろうが、彼の髪質が特殊な為纏められず、切るのも『天城』を筆頭に多くのKAN-SENが反対している。その上髪の手入れはその反対派が責任を持って行っているので、彼は強行する事も出来ず、渋々髪を長いままにしている。

 

 ちなみに一度だけ反対派の意見を無視して髪を無断で切った事があったが、その時『天城』は今まで見たことの無い表情を浮かべて、『大和』は命の危険を感じてすぐに元に戻したそうな。

 

 

 

 温暖な気候の中、二人が歩いていると、遠くから轟音がして二人の耳に届き、顔を見上げる。

 

 小さい雲がちらほらとある青い空には、訓練の為に飛行場より飛び立った戦闘機6機編隊が轟音と共に飛行していた。

 

「俺の航空隊も、ようやく機種変換が終わりそうだな」

 

「そのようですわね」

 

 二人は6機編隊の戦闘機を見つめる。その戦闘機には『大和』の艦載機である事を示す部隊章が尾翼に描かれ、胴には『第一航空戦隊』の所属を表す赤帯が描かれている。

 

「そういえば、倉庫に眠っているあの機体はどうなされますか?」

 

「まだ航空機の扱いに慣れていない両国に渡しても、手に余るだけだ。それに試験機を渡すわけにもいかん。今はまだいい」

 

「そうですか」

 

 二人はトラック泊地の倉庫に眠る試験運用を行った機体の事を思い出しながら、歩く。

 

 

 

 しばらく歩くと、二人の居る場所から遠く離れた海上にて、KAN-SEN達が人型形態で演習を行っており、二人は立ち止まる。

 

「相変わらず『摩耶』は飛ばしているな」

 

 『大和』は目を細めて演習の様子を観る。

 

 『エンタープライズ』率いる空母機動部隊より飛び立った艦載機の猛攻を避けつつ、『摩耶』は正確な対空射撃を行い、向かってくる艦載機を撃ち落していく。

 その近くでは『鞍馬』と『冬月』を含めたKAN-SEN達も対空戦闘を行って艦載機の攻撃を掻い潜って迎撃する。

 

 見た所、『摩耶』達の被害は軽微のようだ。

 

「『摩耶』さんの対空戦闘はKAN-SENの中でも上位に入りますが、やはり何時見ても凄まじいですね」

 

「あぁ。だからこそ、空母にはとても頼もしい存在だよ」

 

 『大和』は艦載機の攻撃を掻い潜る『摩耶』を観ながら呟く。

 

「……」

 

 ふと、彼の脳裏にあの時の戦いが過ぎる。

 

 

 戦争を終わらせる為の一手として、多くの若者と仲間、更に弟達を生贄に捧げた、あの戦いが……

 

 

「……」

 

 『大和』は無意識の内に右手を握り締める。

 

 二人はしばらく演習を眺めた後、再び歩き出す。

 

 

 

「総旗艦様」

 

「何だ?」

 

「お一つ、お聞かせ願いませんでしょうか?」

 

 『赤城』が居る研究所までまだ中間までの道中で、『天城』が『大和』に問い掛ける。

 

「今回のクワ・トイネ公国とクイラ王国への武器兵器の輸出についてですが」

 

「……」

 

「総旗艦様の判断を蔑ろにするつもりはありませんが、疑問を抱かないと言えば嘘になります。なぜ旧式とはいえど、武器兵器の輸出の判断を下されたのでしょうか?」

 

「……」

 

「確かにこのトラック諸島、もといトラック泊地には国と国交するに必要な対価が余りありません。武器兵器の輸出の判断を下したのも致し方がないかと」

 

「……あぁ」

 

 『大和』は一間置いて短く返事をする。

 

 トラック泊地には農業や漁業で国と取引できる物や量が無く、特徴ある資源も無い。彼らが国との貿易で出せるのは独自に生産できる武器兵器だけである。

 

「ですが―――」

 

 と、『天城』はスゥ、と目を細めて、まるで試すかのように見つめる。

 

「これらの武器兵器が争いの火種になると、想像出来たのでは?」

 

「……」

 

 『天城』の意見に、『大和』は何も言わなかった。

 

「ロデニウス大陸にある国々の技術力は我々からすればとても古い。そこに旧式とは言えど、銃火器や大砲、戦車、航空機を輸出すれば、それを使って両国が他国へと侵攻するとも考えられます」

 

「……」

 

「それを考えますと、安易に輸出の判断を下すべきでは無かったのでは?」

 

「……」

 

 『天城』の意見に、『大和』は前を見る。

 

「まぁ、そう簡単に下すような判断じゃなかっただろうな」

 

「……」

 

「無闇に武器兵器をばら撒けば、それが争いに繋がる。強大な力を得た人間は、その力を振るいたくなる」

 

「……」

 

「そのくらい、分かっているさ」

 

 『大和』の脳裏には、人間だった頃にミリオタとして知った紛争の事が過ぎる。

 

 無闇に武器をばら撒き、安易に手に入れれば、それを使って争いを起こす者達が居るのだから。

 

 そして力というのは人の心を酔わせて、野望を抱かせる。その欲望を満たす為に、戦争を起こす者も居る。

 

 『大和』はその事を知っているから、何の考えも無しに武器兵器の輸出を認めたわけではない。

 

「ロウリア王国の国策が無ければ、両国へ武器兵器の輸出の判断を下したりなんかしないさ」

 

「……」

 

「というか、最初から分かっていて聞いているんだろ」

 

「はて、何のことでしょう」

 

 と、『天城』はさっきまでの雰囲気は何処へやら、わざとらしく惚けた様子を見せる。

 

 彼女は時折『大和』を試すようにこういった質問をしてくる。と言っても、『天城』自身『大和』の事は誰よりも知っていると自負しているので、彼の答えは聞く前から分かっている。

 

「まぁ、両国に武器兵器の輸出の判断は、対ロウリア王国に備えてだ」

 

「カナタ首相も仰っていましたわね。ロウリア王国は長きに渡って亜人を迫害し続けていると。ここ最近は国境沿いで挑発行動が日に日に増えているとか」

 

「亜人に対して排斥的な思想を持っているロウリア王国は、恐らく両国に戦争を仕掛ける可能性がある。実際ロウリアに潜入している『五人』の報告では、ロウリア王国は大規模な軍拡を行っている。それに加えて国境線付近に部隊が集結している情報も入っている」

 

 『大和』はロウリア王国に潜入して諜報活動を行っているKAN-SEN達からの報告を思い出す。

 

「ロウリア王国は国土が広く、軍事力もクワ・トイネ公国軍、クイラ王国軍を合わせても上回っている。同じ技術力同士では、負けは見えている」

 

「その為に、クワ・トイネ公国とクイラ王国には力を付けてもらう一環で輸出の判断を下した、と」

 

「そういう事だ。それと、両国には援軍要請があれば戦力を送るとな」

 

 『大和』が相槌を打つと、再び空を見上げる。

 

「平和を本当に求めるのなら、いつか来る戦いに備えなければならない。武力の無い完全平和は幻想に過ぎない」

 

「……」

 

「もし俺達が見て見ぬフリをして、ロウリア王国が両国を滅ぼして大陸を統一すれば、俺達は生命線を失うことになる」

 

「……」

 

「ロウリア王国の事だから、俺達が国交を結びたいと交渉しても、門前払いか、こちらに耐え難い要求をするだろう。そうなれば、俺達は生きる為にも侵略的行動を取らざるを得ない」

 

「……」

 

「俺達の力はあくまでも身を守る為、平和を求める為にある。決して侵略の為ではない」

 

 『大和』の言葉を、『天城』は黙って聞く。

 

「って、兵器である俺達が言っても、矛盾しているし、説得力が無いよな」

 

「ハハハ……」と『大和』は苦笑いを浮かべて声を漏らす。

 

「戦う為に生まれた俺達が平和を謳う、か。滑稽だな」

 

 自虐気味に彼は呟き、表情に影が差す。

 

「いいえ。そのお考えはとても素晴らしいものかと」

 

 と、『天城』は立ち止まると、『大和』も立ち止まって彼女の方を見る。

 

「確かに戦う力を持つ私達KAN-SENが平和を謳うなど、矛盾した発言です。言ってしまえば、私達の存在が平和から遠ざけ、争いを招いているという見方もあります」

 

「……」

 

「ですが―――」

 

 と、『天城』は薬指に指輪が嵌められた左手を『大和』の頬に添える。

 

「口先だけで平和を謳い、足を引っ張るような輩と比べれば、平和を齎す為に行動する総旗艦様は、とても素晴らしいかと」

 

「……『天城』」

 

「あの時も、総旗艦様は私達の為に、行動を起こしてくださいました」

 

「だが、その結果アズールレーンを敵に回してしまった。そのせいで……俺は……」

 

 『大和』は右手を握り締める。

 

「総旗艦様が行動を起こさなければ、今頃トラック泊地はアズールレーンの手中に収められ、私達はバラバラに散っていたでしょう。それに、総旗艦様と指揮艦様達はアズールレーンに属する各国に連れ去られ、実験台にされていたでしょう」

 

「……」

 

 『天城』の言葉に『大和』は何も言わない。

 

 

 旧世界において、男性型KAN-SENの存在は彼らが唯一無二の存在である。その上『大和』と『紀伊』、そしてその姉妹(きょうだい)艦のKAN-SENの力は他のKAN-SENを凌駕している。

 

 片や装甲空母でありながら艦載機の搭載数が正規空母並みにあり、尚且つ空母とは思えない耐久性を持つ空母。

 

 片や艦載砲としては最大の51cm砲を持ち、どの戦艦よりも強く、航空機の攻撃に対して比類なき強さを持つ戦艦。

 

 そんな貴重で強大な彼らを世界がただ見ているはずがない。

 

 レッドアクシズ側は穏便に接触したが、アズールレーン側は強気で接触し、ある時に彼らの逆鱗に触れてしまい、戦争状態に突入した。

 

 それにより、アズールレーンは彼らの捕獲を目的にした戦争を仕掛けてきたのだ。

 

 もし彼らが世界各国に連れて行かれたとしたら、そこに待ち受けるのは地獄だっただろう。

 

 しかし同時に、世界は男性型KAN-SENに新たなる可能性を期待していたと思われる。

 

 

 

 閑話休題(それはともかく)

 

 

 

「今となってはたらればの話ですが、私は総旗艦様の判断は間違っていないと思っています。『赤城』も、同じ事を言うでしょう」

 

「あいつの場合は他に考えず俺の意見に同意しそうな事を言いそうなんだがな……」

 

 彼は思わず苦笑いを浮かべる。『天城』も思うところがあってか、釣られて苦笑いを浮かべる。

 

「ですから、総旗艦様は自信を持ってください。長たる者がそんな弱気では、総旗艦様に続く者達が不安になります」

 

「……」

 

 『大和』は頬に添えられている『天城』の手に自身の手を添える。

 

「ホント、お前には敵わないな」

 

「フフ……」

 

 『天城』は微笑みを浮かべる。

 

「では、改めまして『赤城』の元へ参りましょう。さっきから視線が気になりますし」

 

「だな」

 

 『大和』と『天城』は思わず苦笑いを浮かべる。

 

 さっきから研究所から強い視線を感じ取っていた。まぁ誰のものかなんて、言わなくても分かる。

 

 二人は気を取り直して、『赤城』が居る建物へと向かう。

 

 




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竜の伝説編はやっておくべき?

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