異世界に召喚されしはイレギュラーが率いる異界の艦隊   作:日本武尊

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リョウ23様から評価6
ナルゲン様から評価8を頂きました。

評価していただきありがとうございます!


第百三話 事態の発覚と予想された事態

 

 

 

 中央歴1640年 3月18日 パーパルディア皇国 皇都エストシラント

 

 

 

「何だと!? レミールの姿が無いだとっ!?!?」

 

 パラディス城の大会議室にて、驚愕したルディアスの声が響き渡る。大会議室に来ている他の者達も同様に驚愕している。

 

「どういうことだ!?」

「そ、それが、先ほどレミール様を迎えに向かった使いが屋敷に着きましたが、屋敷にはレミール様のお姿が無かったとのことです。使用人達と警備にあたっていた近衛兵は使いが来るまで誰一人起きていませんでした」

「何だと……」

 

 近衛兵より報告を受けたルディアスは頭を抱える。

 

 

 ルディアスはパールネウスがロデニウスを筆頭にした連合軍から攻撃を受けたという伝令からの報告を受けて、現在起きている通信障害等、様々な点についての会議を開こうとしていたのだが、会議に参加予定のレミールが一向に姿を現さなかったので、近衛兵の使いを出してレミールを呼びに行った。 

 

 しかし使いの近衛兵が屋敷に到着してノックしたが、誰も応対しなかったのでドアノブを回すと鍵が掛かっていなかった。近衛兵はすぐさま屋敷内を捜索したが、レミールの姿は無く、使用人達は誰一人起きていないという異常な状況になっており、すぐさま馬を走らせて伝令に走った。魔信の通信障害はエストシラントとパールネウスの間だけではなく、エストシラント中でも起きている。

 

 そして今に至る。

 

 

「それと、屋敷周囲を捜索した所、警備に当たっていた近衛兵の死体が確認されました。状況から推測すると……レミール様は何者かによって拉致されたかと」

「レミールが……レミールが……」

 

 ビクビクと恐怖に震えながら近衛兵報告するも、ルディアスはレミールの名前を何度も呟くばかり。しかし直後には怒りを孕んだ目で報告をしていた近衛兵を睨む。

 

「っ!! 近衛兵は一体何をやっていたのだ!! 何の為にレミールの警備に26人やったと思っているのだぁっ!!!」

「も、申し訳ありません!! 近衛兵の何名かが殺害され、残りの近衛兵と使用人達は今の今まで起きていなかったとのことで、何者かに薬を盛られた可能性があります」

「誰が!! 誰がレミールを攫ったのだ!!」

「げ、現時点では何とも。ですが、使用人の一人が行方不明となっていますので、もしかしたら内部に協力者がいた可能性が……」

「ならば使用人共を全員尋問に掛けろ!! いなくなった使用人を必ず捕らえてレミールの居場所を突き止めるのだ!!」

「は、はっ!!」

 

 ルディアスの怒号のような命令に近衛兵は身を縮こませながらも、すぐに踵を返して大会議室を出る。

 

「アルデっ!! 貴様は軍を動員してレミールの捜索に当たれ!! まだそう遠くには行っていないはずだ!! 探し出して下手人を捕らえ、レミールを救出しろ!!」

「し、しかし陛下。敵がいつエストシラントに再び攻撃を仕掛けてくるか分からない以上、戦力を分散するわけには―――」

「これは余の命令だぞ!! それともここで首を切り落とされたいかぁっ!?」

「は、はっ!! 直ちに捜索にあたります!!」

 

 冷静さを失い、血走った眼でルディアスに睨まれ、脅迫めいた命令に反論しようとしたアルデは黙らざるを得ず、すぐに伝令兵を呼んでレミールの捜索に当たらせる。

 

「レミール……あぁレミール……」 

 

 ルディアスは椅子に座り込むと、両手で顔を覆って嘆く。

 

 心の拠り所だったレミールがいなくなったことで、彼の心は初めて揺らぎを見せたのだった。

 

 

「……」

 

 周りが動揺の空気に包まれている中、比較的冷静なカイオスはこれまでのルディアスからは想像できない弱り切った姿に何とも言えない表情を浮かべている。

 

(そうか。ロデニウスが言っていた重要な作戦は、あの女を拉致することか。まぁ、言われてみれば重要なことだな)

 

 カイオスは内心納得して、コップを手にしてに注がれている水を飲む。

 

(あの女はロデニウスの国民の虐殺を指示した。虐殺に関わった駐屯軍がシオス王国でロデニウスに捕らえられたのを考えれば、あの女だけを逃がす道理は無い、か)

 

 彼は嘆いているルディアスを横目に、一考する。彼はその顔をの広さを使い、商人の伝手でシオス王国で起きたことを把握している。

 

(……これがロデニウスの言う合図になるのか)

 

 以前ロデニウスの使いが言っていたエストシラントへの攻撃……それがこのレミールの拉致であるならば……

 

(……そろそろ来るか)

 

 カイオスは来るべき時が迫っている、と確信を得る。

 

 会議はルディアスがこの状態では出来るはずも無く、予定はすべてキャンセルされて解散となった。

 

 

 カイオスはロデニウスの準備に備えるべく、同志たちへ使いと手紙を用いて連絡を伝える。

 

 

 


 

 

 

 所変わって連合軍陣地

 

 

「……そうか。目的を果たしたか」

 

 テントの中で戦況を今回初投入したドローンが撮影した映像で確認している時に、副官より連絡を受けた『三笠』は、そう呟くと頷く。

 

(となると、この戦いの重要度はだいぶ減ったか)

 

 『三笠』は副官を連れてテントの外に出る。

 

 パールネウス周辺は完全に連合軍によって包囲され、戦車隊や迫撃砲による砲撃で城壁の砲台は次々と破壊。城門も砲兵隊の砲撃で破壊され、他の城門も戦車隊の砲撃で破壊されている。

 後はパールネウス内部へ突入するだけである。

 

(まぁ、ここでやるべきことは他にもある。停戦命令が無い限り我々は戦い続けるだけだ)

 

 次々と起こる爆音を耳にして、軍刀を地面に突き立てて柄頭に両手を置き、『三笠』はパールネウスを見つめる。

 

 

 

「目標! 敵砲台! 対榴! 小隊集中行進射!」

 

 『シャルンホルスト』は揺れる砲塔内にて各車に指示を伝え、キューポラの覗き窓から砲が狙いを定めている方向を見る。

 

「撃てぇっ!!」

 

 彼女の号令と共に、地を駆ける戦車の主砲から轟音と共に砲弾が放たれ、目標の城壁砲台に小隊の砲撃が命中して魔導砲を破壊する。

 

「命中!! 目標右砲台!」

 

 続けざまに指示を出すと、戦車の砲塔が目標に向けて旋回し、狙いを定める。

 

(しっかし、うちの技術者達は凄いもんだな。この戦車、74式とは比べ物にならないな)

 

 『シャルンホルスト』は覗き窓から前方を確認しつつ、自身が乗っている戦車を思い出す。

 

 彼女と妹の『グナイゼナウ』がそれぞれ率いる小隊に与えられたのは、74式戦車改に代わる新型戦車。その試作車両である。

 

 これまでの戦車に無い次世代技術を投入したと技術者の妖精達は語っており、その性能は74式戦車改を大きく上回る。

 

 主砲は74式戦車改よりも大口径で尚且つこれまでにない構造のものを採用し、これまで装填手による人力装填だったのが、完全機械化された自動装填装置となって、正確に、尚且つ素早く装填が可能となった。砲身を安定させるスタビライザーが更に高性能化したことで、高速走行時でも砲身はぶれることなく狙いを定め続け、高い命中率にて目標に命中させられる。これらを実現できているのは進化した高性能コンピュータの賜物である。

 

 装甲はこれまでと違い、複数の異なる性質の装甲を組み合わせた特殊な装甲を採用しており、非常に高い防御力を有している。

 

 走行性能は74式戦車改よりも一回り大きいにも関わらず、速い走行が可能となっている。更に特徴的なのはブレーキを掛けた時の制動性能であり、最高速度から停止するまでの距離が短くなっている。あまりのブレーキ性能に、ブレーキ試験時に乗車した戦車兵は『殺人的なブレーキだ』と口にしたそうな。

 

 コードネーム『STC』と名付けられた試作車両群は様々な形態で製造され、ありとあらゆる試験が行われてきたが、今回は実戦運用試験として、デュロを経由してこの戦闘に駆り出されたのだ。

 

 今回の運用結果で74式戦車改に次ぐ主力戦車として連邦共和国陸軍に採用され、量産が始まる予定である。

 

 

 ちなみにこの戦車の開発は旧世界から始まっていたものだが、以前リーンノウの森にて発見された戦車を解析した際に得られた技術を投入したお陰で、予定より早い段階で、尚且つ設計時よりも性能を向上させて完成を迎えた。もしリーンノウの森でその戦車が発見されなかったら、開発期間は延びていて、性能は今より低かったと技術者の妖精達は語っていたそうな。

 

 

 『シャルンホルスト』達が暴れている中、最初の砲撃で破壊された城門でも動きがある。

 

 

「小隊、突撃!!」

 

 74式戦車改の砲塔内にて『キーロフ』が喉元の咽喉マイクに手を置きながら指示を出すと、彼女が乗るドーザー付きの74式戦車改ともう一両のドーザー付きの74式戦車改が砲塔を後ろに回して前進し、瓦礫で塞がれている城門へと突っ込み、ドーザーで瓦礫を退かしてパールネウス内部へと突入する。

 

 二両のドーザー付き74式戦車改によって瓦礫が退かされ、その後を他の74式戦車改や61式戦車改が続き、次に装甲車を筆頭にしたと車輛部隊が続き、最後に連合軍の兵士達が城壁の内側へと入る。

 

 車輛部隊が展開し、装甲車や車両より小銃や機関銃を手にした歩兵が降車して周囲に展開すると、後続の連合軍の兵士達も銃を構えて周囲を警戒する。

 

 ちなみに所々で何かが爆発して、赤黒く変色している建物の一部や場所があるが、これは城壁の内側へと侵入した連合軍を迎え撃つべく皇国軍が魔導砲を建物に入れて簡易トーチカとして待ち構えていた場所であった。

 

 しかし上空には今回初めて投入したドローンによる索敵で敵の配置が判明し、戦爆の三式戦闘機 飛燕による爆撃で排除している。

 

 

 ちなみに今回初投入されたドローンは、トラック泊地から持ち込まれた試作品の一つであり、索敵を目的とした偵察機器である。本来ならデュロで投入されるはずだったが、試作品故に不具合が発生して投入されなかった。

 その後修理を終えてパールネウス戦で投入されるはずだったのだが、リーム王国が攻撃を強行したことで、ドローンによる索敵を行えなかった。もしドローンによる索敵が行えていればリーム王国はあそこまでの被害を被ることは無かっただろう。

 

 で、今回の戦闘にてドローンを初投入し、索敵を行い、先ほど市街地各所にある簡易トーチカを発見し、まずは城門近くの簡易トーチカを戦爆の三式戦闘機 飛燕による爆撃にて破壊した。

 

 

(さて、内部への一番乗りは我々だが、敵はどう出るか……)

 

 74式戦車改の砲塔が旋回している中、『キーロフ』は咽喉マイクとヘッドフォンの位置を整えながら、キューポラの覗き窓を覗いて外を確認している。

 

 前日に航空機による降伏と武装解除を促すビラを撒いているが、皇国の性格を考えれば期待しない方がいいだろう。

 

 だとすれば、予想される事態も起こりえる……

 

 

 すると74式戦車改の近くでいくつもの爆発が起こる。その内一つは61式戦車改の車体正面に砲弾が着弾して、爆発を起こす。

 

「っ!」

 

 衝撃で車内が揺れるが、『キーロフ』は慌てず冷静に状況を確認すると、いくつもの建物の一階部分から白煙が上がっているのを見つける。魔導砲が砲撃した後に出る白煙である。

 

「11時方向! 敵魔導砲! 弾種榴弾!!」

 

 彼女は慌てず冷静に指示を出し、74式戦車改各車の砲塔が旋回して主砲が狙いを定める。被弾した61式戦車改も車体正面の爆発反応装甲を失えど被害は見当たらず、砲塔を旋回させている。

 

「撃てっ!!」

 

 彼女の号令と共に主砲が咆え、放たれた榴弾が一階部分に直撃して爆発し、直後に榴弾とは別の爆発が起きて瓦礫の他に肉片みたいなものが飛び散る。

 

 続けて他の74式戦車改と61式戦車改も砲撃を行って周辺の建物に対して砲撃を行い、簡易トーチカを破壊する。

 

「っ! 車長!! 前方から敵集団!」

「何っ?」

 

 装填手が装填手側ハッチを開けて外を見ていたら声を上げ、『キーロフ』はキューポラハッチを開けて上半身を出す。

 

 彼女の視界には、建物の陰からゾロゾロと敵兵が大きな声と共に武器を手にこちらに向かって走っている。

 

(よりにもよって……!)

 

 その敵兵集団を見て、『キーロフ』は忌々しく歯噛みする。

 

 その集団は兵士の姿もあれば、明らかに兵士とは思えない老人に女子供が混じっている。いや、むしろ割合的に兵士寄りに民間人が多い。

 

 度重なる空襲により、パールネウスでも兵士の数不足に悩まされていた。敵が攻めて来ているとあって、パールネウス防衛基地司令は民間人の動員を決めたのだ。

 

 しかし当然訓練期間なんてものは無いので、もはや数だけ揃えて、武器を持たせているだけである。そもそも中には剣や槍ではなく、ただ棒切れや使えなくなったマスケット銃、錆びてボロボロの剣や槍など、明らかに武器ではないものを持たされている者が居る。

 

「……各車対人榴弾! 目標、敵歩兵集団!」

 

 『キーロフ』は舌打ちをするも、気持ちを切り替えて各車に指示を出しながらキューポラのマウントリングに備え付けられたブローニングM2重機関銃を敵集団に向け、コッキングハンドルを二回引いて初弾を装填させる。

 隣で装填手もハッチ傍に設置している銃架に取り付けられた74式機関銃のコッキングハンドルを引いて初弾を装填する。

 

 皇国軍が民間人を動員してくるのは予想がついていたので、前日にビラを撒いたのだ。降伏と武装解除以外に、こう記載されている。

 

『民間人が武器を持っていた場合、民間人だとは認めず、武装兵力と認識し、排除する。武器を捨てて投降すれば、民間人として我が軍は保護する』

 

 ビラにはこう記載してあったのだが、あの様子ではビラを見た者は皆無だろう。もしくは見ても信じていないか。それともビラは見ても軍に無理やり従わされているか。

 

 どちらにせよ、警告はしているのだ。それで知りませんでしたは、通じない。

 

「各員に告ぐ! 敵が武装解除して降伏するまで、敵と認識せよ!! 敵に情けを掛けるな!! 気合を入れろ!!」

 

 『キーロフ』はブローニングM2重機関銃を構えつつ、兵士達に一喝を入れ、兵士達は息を呑む。

 

「対人榴弾!! 撃てっ!!」

 

 そして彼女の号令と共に、各戦車の主砲から轟音と共に砲弾が放たれる。

 

 放たれた砲弾は敵集団の前で炸裂し、中から無数のベアリング弾が放たれて、敵集団に襲い掛かる。

 

 ベアリング弾は人間の身体を無惨にも引き裂き、原型を留めないほどに人体を破壊する。それが集団の先頭で発生して、血飛沫が後続に掛かる。鮮血を浴びたことで、訓練されていない武装兵力たちは一瞬でパニック状態になって立ち止まってしまう。

 

 直後に『キーロフ』はブローニングM2重機関銃の逆U字型トリガーを押し込み、重厚な銃声と共に弾丸が連続して放たれる。

 同時に砲身の根元横の同軸機銃と装填手側ハッチの74式機関銃も一斉に火を噴く。

 

 各戦車でも各機銃が一斉に火を噴く。

 

 無数の弾丸が立ち止まった武装兵力たちの身体を破壊するか貫通するかで、次々と武装兵力が排除されていく。

 

 あまりにも圧倒的な力の差に武装兵力たちはとっさに物陰や建物の陰に隠れるが、ブローニングM2重機関銃の大口径の弾丸は建物の壁と物を容易く貫通して隠れた者の身体を貫く。

 

 戦車の機銃掃射に加わり、歩兵も小銃や機関銃による射撃を開始した。

 

「……」

 

 周りで機関銃の合唱が行われている中、『キーロフ』はブローニングM2重機関銃を薙ぎ払うように左から右へとゆっくり旋回させて射撃を続ける。

 

 ふと、立ち止まった武装兵力の後ろで、剣を振りかざして大きな声を上げている将校のような皇国軍兵士と、銃を構えている銃兵を見つける。彼女は武装兵力の後ろに督戦隊染みた存在が居るのを察する。

 

「……」

 

 『キーロフ』はその督戦隊らしき人間にM2を向け、狙いを付けてトリガーを押す。

 

 野太い銃声と共に連続して放たれた12.7mmの弾丸が一直線に将校らしき男性の身体に命中し、身体に大きな風穴が空いて両腕が衝撃で吹き飛ぶ。

 ついでに近くにいた兵士も纏めて銃撃して排除する。

 

「射撃止め!! 射撃止め!!」

 

 『キーロフ』は咽喉マイクに手を当てて大きな声で射撃中止を伝え、兵士達は射撃を止め、射撃を続ける連合軍兵士をロデニウスの兵士が止めさせる。

 

 銃声が止み、武装兵力たちは恐る恐る建物の陰や物陰から頭を出してこちらの様子を窺っている。やはり彼らは自ら進んで攻撃に加わっているわけではないようだ。逆に自らの意思で戦いに挑んだ連中は、恐らく対人榴弾のベアリング弾で引き裂かれた先頭に居た者達が該当すると思われる。

 

「あーあー……パールネウス市民諸君に告ぐ!」

 

 『キーロフ』は車内より拡声器を手にして、武装兵力に向けて警告を発する。

 

「武装を解除して両手を上げて投降せよ! そうすれば君たちの身の安全は保障する。武器を持ったまま抵抗を続けるのなら、こちらは容赦なく排除する!」

 

 彼女の警告を受けて、最初は警戒していたものの、やがて一人、一人と建物の陰や物陰から出て来て手にしている武器を捨てて両手を上げる。

 

 兵士達は銃を構えたまま戦車の合間から出て来て民間人の元へ向かい、両手を後頭部で組むように指示して、こちら側へと移動させる。その間も襲撃に備えて周囲を警戒している。

 

『……』

 

 その間もにも、連合軍の兵士は憎しみの籠った眼をパールネウスの民間人に向けている。自分達を苦しめてきたパーパルディア皇国の人間に対する憎しみは、そう簡単に消えるものではない。

 民間人たちはその連合軍兵士の視線に怯えた様子で彼らの傍を通る。

 

「連合軍の兵士諸君。君たちの気持ちは分からなくもないが、何の関係も無い民間人を責めるのは筋違いだ。そこは弁えてくれ」 

 

 『キーロフ』は振り返って連合軍兵士を冷めた視線を向けながら忠告する。忠告を受けて連合軍の兵士達は、渋々といった様子で民間人から視線を逸らす。

 

(しかし、これは容易には行きそうにないな)

 

 彼女は必ず激化するパールネウスの戦闘に、表情が険しくなる。

 

 今回は正面だけで済んだが、奥に進むにつれて多くの死角が発生し、多方向からの襲撃が予想される。先ほどよりも泥沼めいた戦闘が発生するかもしれない。

 

 まぁ、だからこそドローンの出番なのだ。そのドローンの真価は、これから大きく発揮されるだろう。

 

 『キーロフ』は『三笠』へと連絡を入れて、これから突入する部隊に注意喚起させることにし、ドローンによる索敵を徹底させるのを進言する。

 

 

 




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