異世界に召喚されしはイレギュラーが率いる異界の艦隊 作:日本武尊
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魔改造って、どこまでが魔改造の限界なんだろうか……
とある日のトラック諸島。
トラック諸島の沖合い。
波が小さい穏やかな海をとある一隻の艦船が航行していた。
島と勘違いしそうなぐらい巨大な船体を持ち、500kg級の爆弾の直撃に耐えうる装甲が施されて、艦載機を加速させて発艦させるカタパルトが埋め込まれ、斜めに突き出た特徴的なアングルドデッキの飛行甲板を持ち、外側にエレベーターを持つその姿は、まるで現代の空母を彷彿とさせる。
このトラック諸島に暮らすKAN-SEN達の長である大和型航空母艦の一番艦……『大和』である。
全力で航行しているのか、艦首が掻き分ける波の高さがそれを物語っている。
「……」
35ノットを出す自身の半身である艦体の防空指揮所に立つ『大和』は、その身に風を受けながら空を見上げている。
(この心地良さ……やはり俺も軍艦だって事を実感させられるな)
諸事情で久しく海に出ていなかった彼は、その風を受けながら内心呟き、口角を僅かに上げる。
「どうかにゃ、総旗艦?」
と、彼の隣に立つ緑の髪に猫耳の幼女ことKAN-SEN『明石』が問い掛ける。
「さすがとしか言いようが無い。ここまで仕上がっているとは」
「まだ完全じゃないけどにゃ。この後ドック入りして最終調整するって妖精さんが言っていたにゃ」
「ふむ」
『明石』よりこの後の予定を聞き、彼は声を漏らして自身の半身を見つめる。
この世界に転移する前から『大和』の艦体は試験的な意味合いのある大規模な近代化改装が施されており、現在転移後初めての試験航行を行っている。
『大和』に施された改装内容は以下の通り―――
・電探や通信設備等の電子機器を新鋭の物に交換。指揮索敵能力を向上
・新型機へと機種変換する為、甲板外側にあるエレベーターを拡大化
・飛行甲板の艦首側とアングルドデッキ側に設置されている油圧式カタパルトを新型の蒸気式カタパルトに換装。重量ある大型の機に対応。
・一部武装を撤去。代わりに新型両用砲と機関砲を搭載。対空迎撃能力を向上
・新型機関へと換装。航続距離の延長と出力の向上。
・格納庫の改良。艦載機の機種変換で搭載する新型機の運用に適応化
・後に搭載予定の兵装に適応する為の改装。
等々がある。
パッと見は改装前と大きな変化は見られないが、艦載機を甲板に上げるエレベーターが拡大して、電探が以前よりも更に現代的な物に変更されており、電波を発しているレーダーアンテナが一定の速度で回転している。
煙突も以前と比べて小型化されており、薄っすらと煙を出している。以前と比べて武装の数は大幅に減っているが、その代わり搭載した新型の両用砲と機関砲は対空迎撃能力が高く、少数でも確実に航空機を撃ち落せる。
特にこの新型両用砲は『大和』曰く『ラングレーの置き土産』と呼ばれる代物を解析し、妖精達の手によって独自に開発した物である。
ちなみに『ラングレー』と言っても、軽空母の方では無いので、あしからず。
「『赤城』と『加賀』の艦体はどうだ?」
「二人の方は総旗艦より一年遅れて作業が完了する予定だにゃ」
「そうか」
『大和』は声を漏らすと、ドックににある『赤城』と『加賀』の艦体を思い出す。
トラック泊地に住む妖精達の技術力の高さはこのトラック泊地を発展させるのみならず、KAN-SEN達の性能を向上させるほどのものであった。
妖精達は独自の技術を用いてKAN-SENに大規模な改装を施す事で大幅な性能向上を目指した。
主に機関や武装、電子機器の換装といった小規模の改装が行われており、電子機器類の換装は多くのKAN-SENに施されている。
『赤城』と『加賀』の場合は妖精達の技術が詰め込まれた新しい艤装に交換するという、大胆なものである。二人の出撃が無いのは、この新しい艦体に適応させる為の調整を受けているからである。
これは人類側でも一部のKAN-SENに施されたものを、妖精達が解析してそれを基に開発したものである。
しかしこれらの改装は、下手するとKAN-SENとして再起不能になりかねない危険性を孕んでいる。何せKAN-SENの力の多くを占める艤装に大きく手を加えるのだから。この事もあって、人類はKAN-SENの改造には慎重になっていた。下手に弄って戦力を減らすことになったら、元も子も無い。
だが、ここの妖精によって改装を受けたKAN-SENは、現時点では一部を除いて異常を起こしたKAN-SENは報告されていない。
(今の所二人に異常は見られないが、何が起こるか分からん以上、気は緩められない)
『赤城』と『加賀』に施している改装は初めての試みとあって、この作業は慎重であった。
『大和』は何事もなく改装が終わる事を祈るばかりであった。
「『蒼龍』の艤装の建造はどのくらい進んでいる?」
「大体7割ぐらいだにゃ。完成は『赤城』と『加賀』の二人の新しい艦体の建造が終わると同じぐらいになるにゃ」
「そうか」
『大和』は『明石』から聞きたいことを聴き、頷く。
旧世界にて『蒼龍』はアズールレーンとの戦いで艤装を失っており、現在妖精達の手により彼の新しい艤装がドックにて建造中である。
『蒼龍』が航空隊の指揮を執っているのは、この為である。
「いやぁ、相変わらず凄いねぇこれは」
すると『大和』と『明石』の近くで一人の少女が背伸びをするようにして防空指揮所より景色を眺めている。
少し病的ともいえる色白の肌をした少女で、金色の瞳に背中まで伸びた銀髪を根元で束ねたポニーテールにしており、紺色の作業服に作業帽を被っている。一見すれば作業員の様に見えるが、人間はおろかKAN-SENとは違う雰囲気を持っている。
「何時見てもあの妖精は凄まじい技術力と吸収力だ。ちょっと教えただけでここまで出来るなんて」
少女は半ば興奮気味で『大和』の飛行甲板で各々の作業に没頭している妖精達を見て声を漏らす。
「君達が本当に羨ましいよ。あんな優秀な
「そうかい」
『大和』は素っ気無く答えるが、少女を警戒しているようにも見える。
「それにしても、最初は異世界に転移したとあってどうなるかと思ったけど、むしろ転移前より事は進んでいるね」
「……この世界にはアズールレーンもレッドアクシズもいないんだ。周りの目を気にしなくて済む」
『大和』は一瞬少女に疑わしい視線を向けるも、すぐに前を見る。
「まぁ確かに。そのお陰で私は楽しみが増えて嬉しいよ。君達の更なる進化をこれほど早く、間近で見られるのだから」
「……」
「そう警戒しなくても、君達に不利になる様な事はしないさ。むしろ君達に有益な事ばかりをしているじゃないか」
「有益な事、か」
大和は自身の艦体を見てボソッと呟くと、新たに換装された蒸気式カタパルトによって新鋭の艦載機が発艦し、その直後にアングルドデッキ側に別の艦載機が高速で進入して着艦フックをアレスティングワイヤーに引っ掛けて急停止する。
「私達は出会い方が悪かったけど、これからは良き友人として、付き合っていきたいんだよ」
「良き友人、ねぇ……」
とても友好的な少女であったが 『大和』はそれでも警戒を緩めることは無かった。
少女の
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所変わって『大和』達が居る海域から離れた沖合い
「……」
とある戦艦の防空指揮所で、『紀伊』は双眼鏡を覗いて沖の方で演習を行っているKAN-SEN達を見ていた。
「『紀伊』!」
「ん?」
後ろから声を掛けられた『紀伊』は双眼鏡を下ろして後ろを振り返ると、防空指揮所へ一人の女性が出てきた。
栗色の髪をツインテールに纏めており、頭には白い角が生えている女性で、巫女服風の黒い服を身に纏っている。
彼女の名前は『榛名』 金剛型戦艦の三番艦のKAN-SENである。ちなみに二人が居る戦艦は、この『榛名』の軍艦形態である。
「どう? みんなの様子は?」
「どうもこうも、相変わらずだ」
『紀伊』は再び双眼鏡を覗き込み、演習を見る。
『エンタープライズ』を筆頭にした空母より飛び立った艦載機が海上を走るKAN-SEN達に襲い掛かっていたが、KAN-SEN達は対空射撃を行って攻撃機と急降下爆撃機にペイント弾を命中させて撃墜判定を出させる。
特に撃墜数が多いのは『摩耶』であった。
艦載機の攻撃を避け、高角砲、機銃を用いて次々と攻撃機と急降下爆撃機を落としていく。
「うわぁ。相変わらず『摩耶』凄いねぇ。みるみる内に撃ち落していってるよ」
「あいつ自身の腕前もあるが、何よりそれを助長させているのは『摩耶』に施された改装だ」
防空指揮所に備え付けられている双眼鏡を覗いている『榛名』が思わず声を漏らし 『紀伊』は双眼鏡を下ろしてそう言う。
「『摩耶』は率先して技術を取り入れたからな。あいつがこれまで集めた運用データのお陰で、他のKAN-SEN達の改装に役立っているのだから」
「そのお陰で『摩耶』の対空戦闘能力は飛び抜けているんだよね?」
「そうだ。まさにあいつは艦隊の空を守る守護神だ」
『紀伊』は僅かに口角を上げる。
妖精達のKAN-SENへの改造は、彼女達の技術力の高さがあったとしても、ノウハウが何一つ無い状態ではどうしようもない。当然何もしないで分かったわけではない。
何事にも試験を行うものである。
その試験を『摩耶』が率先して受けたのだ。
しかし当然ながら、独自の改装をKAN-SENに適応させるのは容易ではなかった。例えるなら古いパソコンに最新のパソコンのソフトとデータを取り入れるようなものである。
当初は調整がうまく行かず『摩耶』は試験の度に激しい頭痛と流血を起こしていた。一時期はKAN-SENとして再起不能になりかけそうになるぐらいであった。
何度も調整しつつ改装技術を取り入れる事で、彼女は何とか技術を取り入れ、それらの運用データは後のKAN-SEN達の改装作業に役立てられた。
「でも、結構無理をしているよね 『摩耶』
「あぁ」
『榛名』は『摩耶』の様子を見てそう呟くと 『紀伊』もその様子に相槌を打つ。
艦載機の猛攻を避け続け、攻撃を捌き続けている『摩耶』だが、呼吸が乱れて顔中から汗が浮かんでおり、動きも最初と比べると鈍い。よく見ると左眼が充血して入るようにも見える。
『摩耶』に新たに技術を取り入れる事が出来たとは言えど、これまでの調整による身体の負担が大きく、その上更なる技術を取り入れている最中であった。
なので、現在も彼女に掛かる負担はかなり大きいのだ。
すると『摩耶』は回避の為に旋回しようとすると、突然バランスを崩し、海面に倒れ込む。その隙を逃さまいと直後に『エンタープライズ』所属の急降下爆撃機が急降下し、搭載している爆弾を投下して『摩耶』に直撃させ、赤いペイントが彼女にぶちまけられる。
辛うじて大破判定は出なかったので『摩耶』はすぐに立ち上がって戦列に復帰しようとするが、フラフラと足元がおぼつかない。
「演習中止! 演習中止!」
『紀伊』は『摩耶』の状態を見かねて、無線で演習を中止させる。『摩耶』達に攻撃していた攻撃機と急降下爆撃機が一斉に攻撃を中止して、主の元へと戻っていく。
「『摩耶』。少しは休め。始まってからぶっ続けじゃないか」
『ま、まだ僕は、やれる! 止めないでくれ!!』
赤いペイントに染まった『摩耶』は強がって見せるが、完全に息が上がっているし、分かりづらいが脚が震えている。誰が見ても大丈夫に見えないし、まともな状態じゃない。
「そんな姿でよく言えるな。万全な状態じゃ無い中で鍛錬を積んでも、技術は身に付かんぞ」
『っ……!』
「休む事も鍛錬だ。それにこれはお願いじゃない。命令だ」
『……分かった』
『摩耶』は渋々とだが、他のKAN-SEN達に混じって『榛名』の方へと戻ってくる。
「やれやれ。『摩耶』のヤツには困ったもんだ」
『紀伊』は腕を組んでため息を付く。
(……まぁ、彼女の事情を考えれば分からなくもないか)
内心呟きつつ『摩耶』が抱えるある事情を思い出す。
「でも『摩耶』の気持ち、分からないでもないかな」
と、『榛名』はどことなく悲しそうな表情を浮かべる。
「『摩耶』って、総旗艦の『カンレキ』にある『大戦』の『カンレキ』を持っているんだよね」
「言動からすれば、恐らくな」
「……」
「『榛名』……」
急に黙り込む『榛名』の気持ちを察してか、『紀伊』は彼女の頭に手を置いて優しく撫でる。
KAN-SENにはそれぞれ『カンレキ』と呼ばれる記憶と経験が存在する。KAN-SENは旧世界とは異なる世界で起きた『大戦』と呼ばれる戦いの『カンレキ』を持っており、それぞれがその時の事を覚えている。
だが、このトラック泊地にはその『大戦』と異なる世界線で起きた『大戦』での『カンレキ』を有するKAN-SENが多く所属している。
その世界線というのが……『大和』と『紀伊』がそれぞれ経験した『カンレキ』にある『大戦』である。
『摩耶』は『大和』の『カンレキ』にある『大戦』の『カンレキ』を持っている。当時艦長の判断ミスによって敵機の迎撃が間に合わず、魚雷によって沈んだ事で、『大和』や仲間達を守れなかった事を悔やみ、今度こそ空を守れるようにと、努力を続けている。
それ故に、彼女は無理をしている部分が多い。
ちなみにこの『摩耶』もそうだが、一部のKAN-SENの『カンレキ』は、とてもややこしい事情が絡んでいるのだが、それは後ほど語られるだろう。
そして『紀伊』の傍に居る『榛名』もまた、『紀伊』の『カンレキ』にある『大戦』の『カンレキ』を持っている。彼女はあの大戦末期で途中連合軍による攻撃で沈没寸前になるも、艦長の機転で近くの浜辺へ擱座させ、そのまま戦線復帰できずに終戦を迎えた。
「あの時、私はみんなの役に立てず『紀伊』に全てを押し付けてしまった。その上他のみんなにも苦労を掛けてしまった」
「……」
「もっと、もっと私に力があったら、あの時うまくやっていれば、私は……」
表情が沈んでいき、彼女は今にも泣きそうな表情を浮かべている。
「……」
すると『紀伊』はため息を付きながら、『榛名』の頭に乗せている手を乱暴に動かす。
「ちょっ、『紀伊』!? 何するの!?」
『榛名』は驚いて思わず『紀伊』の手を払い除けて彼を見る。
「『榛名』。過去の事を嘆いたって、変える事は出来ない。たられば話をしたって、同じことだ」
「でも……」
「あの時は、どうする事も出来なかった。むしろ、お前は良くやってくれた。お前や『長門』に『尾張』。それに『向こう』の『大和』が居なかったら、俺はあの時沈んでいたかもしれない」
「……」
「それに、だ」
「……?」
「同じ過ちを繰り返さない為にも、俺達は頑張っているんじゃないか」
「……『紀伊』」
しかし、それでも『榛名』の表情は暗い。
「そう気を落とすな。お前は十分に役立っているし、これからもお前の新しい力を頼りにしている」
『紀伊』はそう言うと、『榛名』の艦体を見る。
その姿は、本来の彼女の姿を知って居る者なら目を疑うようなものであろう。
榛名もとい金剛型戦艦は45口径35.6cm連装砲を四基八門搭載しているが、『榛名』はその主砲を全て撤去し、代わりに九八式十糎高角砲こと通称『長十センチ連装高角砲』を元に改良した『長十センチ四連装高角砲』を搭載するという衝撃的な改装を施しているのだ。
しかも主砲の配置レイアウトもかなり弄っており、長十センチ四連装高角砲を前部に二基、後部に二基に加えて水上機を射出するカタパルトと設置位置を撤去して、新たに砲台枠を一基設けて計五基を搭載するという、異様な姿へと変貌している。
主砲を小口径にし、尚且つ砲門を増やしている時点で驚きだが、彼女は副砲も全て撤去し、代わりに連装砲架型の長十センチ連装高角砲を二十四基を紀伊型戦艦みたいに中央部両舷に十二基ずつ所狭しに並べて配置した。これにより長十センチ高角砲は全部で四十四門という、アトランタ級軽巡洋艦もびっくりな高角砲ガン積みな姿へ変貌している。
この長十センチ高角砲の装填装置と揚弾装置も改良が加えられており、砲弾の装填速度が向上し、更に改良された揚弾装置によって絶えず砲弾が上げられるので、途切れる事無く射撃が可能となっている。
更に『零式機銃』と『九九式四〇ミリ連装機関砲』をこれでもかといわんばかりに配置されていると、明らかに対空戦闘に特化した姿となっている。
これだけの対空火器を搭載すれば、当然普通ならトップヘビーになりかねないが、主砲を撤去した分に加え内部も弄っているので、意外とバランスは保たれている。
ちなみに零式機銃とは『MG151/20』と呼ばれる航空機銃を国産化した物を改良して艦艇の防空機銃へ転用した代物である。それと九九式四〇ミリ連装機関砲はあの『ボフォース 40ミリ機関砲』を国産化した代物である。
その上電探は対空用の新鋭の物に加え、高射装置も新鋭にして数も多く搭載されている為、射撃精度も恐ろしく高くなっている。濃密な弾幕が張れる上に精確な射撃を可能にしていると、航空機からすれば悪夢の様な光景だ。
これだけ高角砲や機銃をガン積みしているにも関わらず、その重量は改装前と大差が無く、速力も落ちていないので高速且つ防空戦闘に優れた戦艦となっている。
ちなみにこの改装は『大和』の『カンレキ』の『大戦』にて、伊勢型戦艦二番艦『日向』が砲塔爆発事故を起こしたことで、改修ついでに実際に施された改装を基にしている。
しかし当然ながら戦艦として火力は最低クラスへと落ちており、射程も短いとあって、戦艦が相手では一方的に撃たれてしまう。しかし射程に入りさえすれば、榴弾の雨を敵艦に降り注がせる事になる。
戦艦としての火力は失われることになったが、それでも顧みずに彼女がこの改装を受け入れたのは、いや、彼女自身がこの改装を求めたのは、航空機から『紀伊』を守る為である。
自身の高速性能と防空性能で『紀伊』や仲間達を守る為に、『榛名』は戦艦としての矜持を捨てて、艦隊の空を守る防空戦艦として生まれ変わった。
「お前のお陰で、艦隊の空は守られている。もちろん俺の上空もな」
「……『紀伊』」
「だから、これからもよろしく頼む」
「……うん」
『榛名』は頷くと、『紀伊』に寄り添う。
(まぁ、過去を嘆いているのは、俺も同じなんだがな)
『紀伊』は内心呟きつつ、再び『榛名』の頭に手を置いて優しく撫でながら、空を見上げる。
これほどの力がありながらも、戦いに勝つことが出来ずに誰も守れなかった。むしろ自分を守る為に戦い、死んでいった者達がいて、彼は後悔している。
(今度こそ、守らないとな)
空を見上げるその目には、揺るぎない決意が篭っていた。
だが、戦乱の時は、刻々と近づいていた……
感想、質問、評価、要望等をお待ちしています。
竜の伝説編はやっておくべき?
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やっておいた方が良い
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別にやらなくても良いんじゃね?
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オリジナル要素を加えてやるべき