異世界に召喚されしはイレギュラーが率いる異界の艦隊   作:日本武尊

33 / 132
harogen様より評価1を頂きました。

評価していただきありがとうございます!

今回独自の設定が出てきます。苦手な方はご注意ください


第二章 戦後処理 ロウリア王国編
第三十三話 次世代の可能性


 

 

 

『ロウリア王国の敗北』

 

 

 

 このニュースはすぐさまクワ・トイネ公国、クイラ王国への伝えられ、国民は歓喜に包まれた。

 

 ロデニウス大陸の半分を牛耳り、これまで勝てるかどうか分からない大国であったロウリア王国に勝てた。これにより長きに渡ってロウリア王国からの圧力より住人達は開放されたのだ。

 

 両国の政府も無事に戦争がこちらの勝利に終わり、安堵した。

 

 しかし喜びと同時に、悲しみも国内に広がっている。

 

 確かにクワ・トイネ公国とクイラ王国は、ロウリア王国に対して圧倒的な勝利を収めた。しかし少なからずクワ・トイネ公国及びクイラ王国側に戦死者が出ている。

 

 これに伴い、今回の戦争で散っていった者達の為に、一分間の黙祷が捧げられた。

 

 

 

 

 中央歴1639年 6月15日 ロウリア王国 東部港

 

 

 ロウリア王国で数少ない被害を受けていない場所である東部の港。

 

 その沖合いにて、ロウリア王国の降伏調印式が行われていた。

 

 本来ならハーク城か、マイハークの首相官邸、クイラ王国の王城にて行う予定だったが、意外にもクワ・トイネ公国のカナタ首相が少しばかり変わった場所で調印式を行おうと提案した。

 

 その場所と言うのは、なんと戦艦の上。しかも今回戦闘に参加しなかった『尾張』であった。

 

 何でもロウリア王国側に止めを刺す意味で、最大の戦艦を敢えて調印式の場として選んだそうな。最後まで徹底している……

 

 これは兄の『紀伊』と『大和』もこれを了承し、『尾張』は降伏調印式の場に選ばれたのだった。

 

 

 調印式の場として選ばれた『尾張』の周りには、姉妹(きょうだい)艦の『紀伊』に『ノースカロライナ』『ワシントン』『ビスマルク』『ティルピッツ』、更に戦闘に参加していなかった『ソビエツカヤ・ロシア』に『ネルソン』『ロドニー』、更に『デューク・オブ・ヨーク』『リットリオ』の姿もあった。さながら世界の戦艦の展覧会染みている。

 

 空母からは『大和』に『武蔵』、更に『翔鶴』『瑞鶴』の姿があり、その周辺には『摩耶』に『伊吹』、『鞍馬』、『冬月』、『名月』、『新月』、『宵月』、『北風』が防空警戒に当たっている。

 

 その圧倒的な光景を東部の港からロウリア王国の住人や兵士達は、多くの軍艦の姿を見て驚きと恐怖に満ちた表情を浮かべて、その姿を見ていた。

 

 そして彼らはとんでもない国を相手にしてしまったと、恐怖に怯えるのであった。

 

 同じくして捕らえられたハーク・ロウリア34世とパタジンは港から戦艦郡の姿を目の当たりにして、最初から勝ち目が無かったという事実を突きつけられ、色々と悟ったのだった。

 

 特に『紀伊』がジンハーク周辺に出来た巨大なクレーターを作った攻撃を行った戦艦であり、『尾張』がその同型艦であると伝えられた時、ロウリア34世とパタジンは完全に目が死んだそうな。

 まぁあんな巨大なクレーターを作るような化け物戦艦が二隻も居るなんて聞かされたら、誰だって呆然とする。

 

 

 

 ロウリア34世とパタジンは内火艇に乗せられて軍艦形態の『尾張』に乗艦。その後甲板、第一副砲の横にある噴進砲の前で、調印式が行われた。

 

 『大和』が進行役を勤め、ハーク・ロウリア34世とパタジンにより降伏調印の書類にサインがされていき、それぞれの書類に拇印が押される。

 

 短いやり取りであったが、これにより正式にロウリア王国がクワ・トイネ公国とクイラ王国に対して無条件降伏を受け入れたと受理された。

 

 

 

 こうしてロデニウス大陸に、平穏な日常が戻るのであった。

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 中央歴1639年 6月17日 トラック諸島

 

 

 

「こう言っては何だが、予想通りな結果だったな」

 

「そうですわね」

 

「我々とロデニウス大陸の技術の差を考えれば、当然の結果かと」

 

 とある建物の一室にて、『大和』と『赤城』、『天城』の三人が会話を交わしていた。

 

「これは、色々と考えないといけないな」

 

「兵器関連とか、兵站関連とか、特に今後について、ですわね?」

 

「あぁ。今回の戦闘で色々と判明したことが多いからな」

 

 『天城』がそう問い掛けると、『大和』は頷く。

 

 二人が話している通り、今回の戦争は『大和』達にとって色々と判明した戦闘となったので、貴重なデータが取れた。

 

 そして何より今回の戦争の裏にあった事実も判明したが、その件については、後々語られることになる。

 

 

「まぁでも、みんなが無事で何よりだ」

 

 『大和』は安堵して息を吐く。

 

 今回の戦闘で被害を受けたKAN-SENは無かった。強いてあげるなら『大和』に搭載された橘花改がエンジントラブルで墜落したぐらいである。

 

「『赤城』も、総旗艦様が無事で何よりですわぁ」

 

 と、『大和』第一な思考の『赤城』に、『大和』と『天城』は苦笑いを浮かべるも、相変わらずな様子に安堵する。

 

「私も総旗艦様が無事で何よりです」

 

「そうか……」

 

 微笑みを浮かべる『天城』に、『大和』も笑みを浮かべる。

 

「それに……」

 

 と、『赤城』は大切に抱えている物を見る。

 

「この子も、総旗艦様が無事で安心していますのよ」

 

「……」

 

 と、赤城は愛おしそうに腕に抱えているカプセルを優しく撫でる。

 

 

 その中には、白く輝くメンタルキューブが厳重に固定されて入れられていた。

 

 

 

 

 

 

 さて、ここで一つ、疑問があるだろう。まぁもう既に答えは出ているのだが、あえて言おう。

 

 KAN-SENと男性型KAN-SENの関係だが、片方はイレギュラー的存在であるものも、両者は同一種族であり、雌雄である。そしてKAN-SENは兵器であるが、生物である。

 

 

 つまり、KAN-SENの雌雄が揃った時、子を作る事が可能なのか……と言う疑問である。

 

 

 

 

 結論から言ってしまえば、ケッコンしていると言う最低条件を満たせば似たようなことは可能である。

 

 

 

 

 ケッコンしたKAN-SENと男性型KAN-SENの間に出来るのが、通常のメンタルキューブとは異なる白いメンタルキューブである。

 

 この白いメンタルキューブを通常と異なる方法を用いて建造を行えば、従来と異なるKAN-SENが誕生する。

 

 白いメンタルキューブから生まれる個体は『第二世代』と呼ばれ、従来のKAN-SENと比べて次世代級の力を持つ個体が誕生する、と考えられている。

 

 とは言っても、現時点で第二世代のKAN-SENが誕生する可能性があるのは、ここトラック諸島のみであり、その上まだ生まれた数が極めて少なく、解明されていない部分が非常に多い。

 それに誕生する第二世代が必ずしも次世代級の力を持っているとは限らない。場合によっては第一世代と変わらない技術レベルで誕生する可能性がある。実際確認されている第二世代は従来のKAN-SENに近い技術レベルにある。

 

 その上、第二世代は実戦投入が可能になるまで、最短でも1年半は掛かる。

 

 理由としては第二世代のKAN-SENの建造に必要な白いメンタルキューブの生成に一年を要する。その為白いメンタルキューブを体内で生成するKAN-SENは、その間戦列を離れなければならなくなるので、戦力低下が起きる。

 

 そして建造された第二世代のKAN-SENは訓練を行うのに最短で半年。戦闘に投入するまでに計1年半の期間を必要とする。

 

 メンタルキューブで建造してすぐに戦闘に出せる通常のKAN-SENと比べると、一定の期間が必要とする第二世代は即応性に大きく欠けるが、その分KAN-SENとしての力は非常に高い。

 

 ちなみに第二世代のKAN-SENだが、既にトラック泊地では五人程誕生しているものも、実戦投入が可能なのはたった二人のみ。それ以外はまだ訓練途中か建造前である。

 

 現在妖精による第二世代のKAN-SENの調査は進んでおり、一部の技術は通常のKAN-SENに適応させる事が可能であることが判明し、既に何名かのKAN-SENがテストヘッドとして第二世代の一部技術を搭載している。

 その一例が『摩耶』と『大和』である。

 

 更なる調査次第で、第二世代に引けを劣らない第一世代の大幅な強化が可能になる、らしい。

 

 

 

 閑話休題(話を戻そう)

 

 

 

 『赤城』が大事そうに抱えているカプセルに入れられている白いメンタルキューブは、彼女と『大和』との間に出来た白いメンタルキューブである。

 

「一体どんな感じの子が生まれるんだろうな」

 

 『大和』は白いメンタルキューブが入れられたカプセルを優しく撫でる。

 

「それは当然、総旗艦様と『赤城』の子供ですもの。他の追随を許さない、強い子に育ちますわぁ」

 

 『赤城』は自信満々に『大和』の言葉に答える。

 

「あぁ、楽しみですわぁ。本当に、楽しみですわぁ、総旗艦様。この子が空母として、どのような力を得ているのか、楽しみですわぁ」

 

 頬を赤く染めて尻尾を揺らし、にやけながら次々に言葉を漏らしていく。

 

「空母が生まれるとは限らないけどな」

 

 その様子に『大和』は苦笑いを浮かべ、『天城』は少し呆れ気味にため息を付く。

 

(まぁ、その点は俺も同じだな)

 

 『赤城』の言葉を聴いて苦笑いを浮かべた『大和』であったが、彼自身もどんなKAN-SENとして生まれるのか、楽しみであった。

 

 

「……」

 

 『大和』は『赤城』よりカプセルを受け取って抱えている『天城』と、カプセルを優しく撫でている『赤城』の姿を見て、笑みを浮かべる。

 

(こんな平和な一時が、続くと良いんだがな)

 

 彼はそう内心呟いて願ったが、戦争と言うのはいつどこで、どんな原因で起こるか、予想が付かないのだ。それもこの世界では旧世界の常識が通じない以上、尚更である。

 

 現に今回戦争が起きてしまった。

 

 ましても自分達は、戦いから逃れられない運命にあるKAN-SENだ。

 

 そう遠くないうちに、再び戦争に巻き込まれるかもしれない。

 

 もしかすれば、今後世界を揺るがす大きな戦争が起こり、その渦中に巻き込まれる可能性もある。

 

(……守らないとな。必ず)

 

 『大和』は改めて決意を固めて、家族との一時を過ごした。

 

 

 




感想、質問、評価、要望等をお待ちしています。

竜の伝説編はやっておくべき?

  • やっておいた方が良い
  • 別にやらなくても良いんじゃね?
  • オリジナル要素を加えてやるべき
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。