異世界に召喚されしはイレギュラーが率いる異界の艦隊   作:日本武尊

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評価していただきありがとうございます!


第四十八話 同じ趣味を持った人との出会い

 

 

 

 中央歴1639年 8月12日 ロデニウス連邦共和国 クイラ州 陸軍演習場

 

 

 だだっ広いクイラ州の土地に作られた陸軍の演習場。そこへと向かう道にて、二台のトラックが走っている。

 

 

 

「そういえば、マイラス殿」

「はい。なんでしょうか?」

 

 そのトラックの荷台に乗るマイラス達に、今日の補佐に入っている『クリーブランド』と共に座っている『大和』が問い掛ける。

 

「ムーには戦車があるんでしょうか?」

「戦車ですか? えぇ、ありますよ」

 

 マイラスは質問に答えつつ、肩掛け鞄よりファイルを取り出す。

 

 今日ムー使節団が見学するのは陸軍の演習であり、そこで戦車の演習風景を見る予定だ。『大和』はムーにも戦車はあるのか気になっていたのでマイラスに質問をした。

 ムーの空と海で技術力がなぜかアンバランスであるから戦車があるかどうか分からなかったが、どうやらムーにも戦車はあるみたいである。

 

「我が国では、戦車は首都防衛を担う部隊に配備されています」

「戦車は他の部隊にも?」

「いえ、それがある問題で、首都防衛隊にしか配備できていないのが現状でして」

「なんでそんな限定的なんだ? 戦車ぐらい、他に回せるぐらいは揃えられるんじゃないのか?」

 

 『クリーブランド』が首を傾げて問い掛ける。

 

「いえ。実はその戦車に問題がありまして、コストと合わさって容易に作れないんです」

 

 マイラスはそう言いながら、ファイルより白黒の写真を取り出す。

 

「そしてこれが我が国の戦車『ラ・グランド』です」

「どれどれ……」

 

 『大和』はマイラスより写真を受け取り、写真に写っている戦車を見る。

 

「……」

 

 しかし写真を見た瞬間、『大和』の表情が強張る。漫画的に例えるなら、劇画タッチな描写で衝撃を受けている感じである。

 

「総旗艦。今すんげぇ顔してるぞ……」

 

 そんな驚愕に染まった彼の顔を見て『クリーブランド』が苦笑いを浮かべる。

 

 

 写真にはムーの戦車ラ・グランドと搭乗員の男性達が五人以上写っており、『大和』の予想していたマークⅠやA7V、サン・シャモン突撃戦車ではなく、意外にもルノーFT-1のような旋回式の砲塔を有する近代的な戦車であった。

 

 戦車と搭乗員が一緒に写っている写真。言葉だけなら普通に思えるだろう。

 

 

 しかし、その戦車がムーの成人男性よりもかなり大きな姿(・・・・・・・)でなければ。

 

 

 そう。写真に写っているラ・グランド……とんでもなくでかいのだ。ムーの成人男性が見上げるぐらいの大きさを持つ、重戦車であった。

 白黒写真で不鮮明だが、車体後部には、ワイバーン対策の為かいくつかの機関銃が備えられた銃座と思われる物が設置されている。

 

「……物凄く大きいですね」

「えぇ。軍の要望で出された性能を全て叶えた結果、こんな大きさになったので」

「大方、火力と防御を高くするように、というのが軍の要望ではないでしょうか?」

「その通りです、『ヤマト』殿。しかしその結果重量が嵩張り、その重量がある車体を動かす為のエンジンは必然的にパワーが必要になり、それほどの重量を動かすパワーを持つ小型のエンジンを作れる技術は我が国にはありません。その為船舶用のエンジンをほぼそのまま乗せる事になり、結果このような巨大な姿に」

「なるほど」

 

 『大和』は写真に写る戦車と、マイラスより聞いた話からこんなに大きな姿になった原因を予想する。

 

(ぱっと見シャール2Cっぽいな。となると主砲は75mm。装甲は最大で45mmか。だが、大きさの割にスペックが合ってないな)

 

 ラ・グランドの姿から彼の人間だった頃の記憶にあるミリオタ知識から、似通った戦車を思い出す。

 

「ラ・グランドは軍の要望どおりの性能は発揮していますが、この大きさな上に、鈍重な動きしか出来ないと、もはや防衛にしか向かないとあって、首都防衛隊に集中して配備されているんです」

「なるほどなぁ。まぁこんなにでかい図体で鈍重なら、防衛にしか向かないし、数も揃わんわな」

 

 アイリスの言葉に納得して『クリーブランド』は頷いて納得する。

 

「一応軍部の要望でラ・グランドを小型化した戦車の開発を進めているんですが、そもそも我が国は他国の厄介絡みの案件になるべく関わらない姿勢ですから。その為政府は今のラ・グランドで満足していて、開発資金はあまり多く降りてこないので、研究が進んでいないのが現状です」

「世知辛い事情ですね」

「全くですね」

 

 アイリスの不満げな様子に、『大和』は同情する。

 

(やはりどの世界でも、平和な世の中と日和見主義というのは、軍の懐事情が厳しいんだな)

 

 彼はそう思うと同時に、そういう世の中と考えの愚かしさを思う。

 

 最終的に自国の平和を担うのは軍なのだ。その軍を疎かにすれば、いざ戦争になった時に困るのだ。

 

 

 軍事費をケチって軍備を縮小し、小銃や機関銃しか無い軍で、装甲車輌を有する軍に勝てるのか? それは否。勝てるわけが無い。精神論でどうにかなるほど、国防は甘くない。

 

 

 つまりはそういうことだ。

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 それからしばらくして、一行は演習場へと到着する。そこでは既にロデニウス連邦共和国陸軍の演習が行われていた。

 

 

『……』

 

 視界いっぱいに広がる光景に、マイラス達は目を見開く立ち尽くしている。

 

 彼らの視線の先には、多くの74式戦車や61式戦車などの主力戦車が射撃目標の的に向けて砲撃を行っている。

 

「いかがでしょうか? 我が陸軍の戦車は」

 

 『大和』は主力戦車を一瞥してマイラス達を見る。

 

「そ、その、はっきり言って予想以上です」

 

 戸惑った様子でマイラスが答える。

 

(そりゃそうよね。海や空であれほどの技術力があるのだから、陸も技術力があってもおかしくないわね)

 

 アイリスは74式戦車が砲撃を行うのを見ながら、内心呟く。

 

 

 すると『大和』達の元へ74式戦車と61式戦車が一両ずつの計二両がやって来て、彼らの前で止まる。

 

「訓練中すまないな! 『グナイゼナウ』!」

「構いません。こういう説明は詳しい方がする方が理解しやすいですから」

 

 と、74式戦車から『グナイゼナウ』が砲塔の車長側ハッチを開けて出てきて、降りてくる。

 

「ムー使節団の皆様。初めまして。今回戦車の説明を任されましたシャルンホルスト級戦艦二番艦『グナイゼナウ』と申します」

 

 『グナイゼナウ』は姿勢を正して敬礼をする。

 

「……もしかして、彼女も?」

「えぇ。私はKAN-SENです」

 

 マイラスが『大和』に質問をすると、『グナイゼナウ』が代わりに答える。

 

(こうして見ると、KAN-SENって美形揃いなんだな)

 

 ラッサンは『グナイゼナウ』を見ながら内心呟く。

 

 

「それでは、説明をさせていただきます」

 

 『グナイゼナウ』は眼鏡の位置を整えると、後ろに控えている61式戦車を見る。

 

「この戦車は61式戦車と言いまして、我がロデニウス連邦共和国陸軍が採用している主力戦車の一つです。主砲は52口径の90mmを持ちます」

 

「きゅ、90だって!?」

「小柄なのに、ラ・グランドの主砲より大きいのか」

 

 マイラスは驚いて思わず声を上げ、ラッサンは61式戦車を見る。

 

 見た感じラ・グランドよりも小さいのに、主砲の大きさはラ・グランドの主砲よりも大きいのだ。

 

「速度は42km/hを発揮し、機動力に優れています」

 

「42km/h……」

 

 ラ・グランドよりも速い速度に、マイラスは思わず声を漏らす。

 

 主砲は大きい上に砲身が長く、更に速度が速いと来たのだ。どう考えても鈍重なラ・グランドに勝ち目が無い。

 

「現在では新たに採用されたこの74式戦車に置き換えられつつありますが、今も主力の一角として活躍しています」

 

 『グナイゼナウ』は74式戦車と61式戦車を見比べながらそう言う。

 

 

 61式戦車は徐々に74式戦車に置き換えられつつあったものも、その全てを置き換えられるわけではないので、一部の車輌は近代化改修を兼ねた改良が施されている。

 砲身の根元の防楯に、赤外線探照灯を搭載し、車体側面にはシュルツェンと呼ばれる装甲版が追加で取り付けられている。砲塔側面には74式戦車に取り付けられている物と同じ発煙弾の発射筒が取り付けられている。更に大きな変化として、車体前面とシュルツェンの前半分、砲塔前面に長方形でブロック状の形状をした爆発反応装甲と呼ばれる特殊装甲が取り付けられており、防御力が向上している。

 その代わり、重量が増加したことで速度が若干低下してしまっているのが玉に瑕である。

 

 

「この74式戦車は陸軍の最新鋭の主力戦車であり、主砲は61式戦車よりも大きな51口径105mm砲を採用し、被弾面積を減らすために全体的に低く抑えられているのが特徴です」

「105mmだって……?」

「61式戦車より更に大きいわね。下手すれば巡洋艦の主砲クラスの砲を戦車に載せるなんて」

 

 74式戦車の主砲の大きさにマイラスとアイリスは驚く。しかし二人からすれば主砲の大きさよりも、そんな大口径の砲を車輌に乗せられる戦車の足回りの技術に驚く。

 

 

 ロデニウス連邦共和国陸軍の主力戦車として配備が進んでいる74式戦車だが、この74式戦車にも更なる改良が施されている。

 暗視装置の追加や、車体側面にシュルツェンを追加しており、61式戦車同様に車体前面とシュルツェン前部、砲塔前面に爆発反応装甲が付けられている。

 

 ちなみに余談だが、74式戦車の改装計画の中には、主砲を大口径で新型の120mm砲に換装する計画があったものの、換装したら弾薬の搭載数が少なくなり、どんな不具合が出るか目に見えていたので、結局計画は白紙となったという。実際主砲を大口径のものに換装して、不具合が頻発した例もあるわけだし……

 

 

「更にこの74式戦車には、油圧式サスペンションと呼ばれる他にあまり見ない特殊な機構を有しています」

 

 『グナイゼナウ』がそう説明して操縦席のハッチを開けて頭を出している操縦手の妖精に指示を出すと、74式戦車のエンジン音が高鳴り、油圧式サスペンションが車体が持ち上がる。

 

『おぉ!』

 

 その様子に三人が思わず声を漏らし、次に74式戦車は車体を前後左右にそれぞれ傾けたり、持ち上げた車体を元の高さにしてそこから更に車体を沈める。

 

「このように車体の高さや角度を変えることで、様々な地形に合わせられます」

「確かに凄いですが、この機能はどのような場面で使うのですか?」

 

 元の高さに戻っていく74式戦車を一瞥してラッサンが『グナイゼナウ』に問い掛ける。

 

「そうですね。例えば砲塔の高さまで掘った穴や斜面に入った場合、油圧式サスペンションで車体を持ち上げて砲塔だけを穴から出したり、斜面の陰から砲塔を出したり出来ます。これをハルダウンと言います。そうすれば被弾面積を大きく減らすとが出来ます」

「なるほど。確かに全部を曝け出すより一部分だけ出すのはかなり違うか」

 

 ラッサンは顎に手を当てて一考する。

 

(ムーにはこういった地形が多いから、これは結構使えそうだな)

(ラッサンのやつ、この油圧式サスペンションが使えそうだと思っていそうだよな)

 

 ラッサンがムーの地理を思い出しながら油圧式サスペンションの有用性を見出している中、マイラスは友人の考えている事を予想する。

 

 

 これが後にムー国産の戦車誕生のきっかけになるとは、誰も思いもしなかった。

 

 

 

 その後マイラス達は砲兵隊や歩兵の訓練を見学したり、その装備品の見学を行ったりして、その日は終わった。

 

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 その日の夜。

 

 ロデニウス連邦共和国のとあるホテル。

 

 

 

「どうだった? 今日一日を通した感想は?」

 

 ホテルの一室にて、マイラスがラッサンとアイリスに問い掛ける。

 

「どうもこうも、全てにおいてロデニウスが圧倒しているわ」

「戦術面もそのどれもが我が軍よりも上だな。物量なら勝っていると思ったけど、これじゃ質が違いすぎて物量が意味を成さないな」

 

 と、アイリスとラッサンはそれぞれ半ば諦め気味に答える。まぁ自分達の国よりも技術力が大きく上回っているからだ。落胆する気持ちはある。

 

「だが、得られる物は多かった」

「それどころじゃないわ。今回得た情報だけでも、我が国のありとあらゆる部分に大きな変化を起こすわ」

「そうだな。戦術面でもかなり大きな収穫はあったしな」

 

 三人はそう言うと、気持ちを切り替える。

 

「まず技術面だが、戦車が大きいな」

「えぇ。ラ・グランドよりも大きな砲を積み、尚且つ車体をコンパクトにして速度も速い。その上装甲も硬い。とてもじゃないけどラ・グランドじゃただのカモね」

「それに油圧式サスペンションを使った車体の高さや角度を変える機構は、防衛に適している。ムーにはあの類の戦車が必要かもしれんな」

「まぁ、今のムーには戦車の足回りの技術が乏しいんだ。とてもじゃないが油圧式サスペンションの実現なんて夢のまた夢な話だ」

「それもあるけど、エンジンの高出力化に小型化も大きな課題ね。これが出来ないとロデニウスの戦車には遠く及ばないわ」

 

 それぞれが思い思いの事を話すと、ため息をつく。

 

 こうして改めて振り返ると、自国とロデニウス連邦共和国との技術力にどれだけの差があるのかを認識する。

 

「だが、今後ロデニウスから技術支援を受けられれば、俺達はそれを理解してものにしないといけない。でなければ、我が国はグラ・バルカス帝国の脅威に立ち向かえない」

「そうね」

「あぁ」

 

 マイラスの言葉に、二人は頷く。

 

 今回の視察で得られる情報は今後の国防を左右する。その上で、技術支援をどうにか受けなければならない。

 

 それだけ、ムーはグラ・バルカス帝国を警戒しているのだ。

 

 

 

「なぁ、マイラス、アイリス」

 

 と、上層部への報告書作成中に、ラッサンが声を掛ける。

 

「そろそろ休憩しないか?」

「休憩? そういやもう二時間近く経っているのか……」

 

 ラッサンの提案を聞き、マイラスは壁に掛けられた時計を見て作業開始から二時間以上経っているのに気付く。

 

「コーヒーを淹れようと思うが、要るか?」

「いや、俺は水で良いよ。まだ目は冴えているし」

「私も水で良いわ。コーヒーはあまり好きじゃないから」

「相変わらずお子ちゃまな口だな」

「コーヒーが飲めなくて困ることないし」

 

 ラッサンの冷やかしをアイリスはさらりと流す。

 

「まぁいいや。ちょっと行って来るぞ」

 

 彼はそう言うと、椅子から立ち上がって部屋を出ようとする。

 

「どこに行くんだ?」

「ホテルの一階にある売店だよ。そこにコーヒー豆が売っていたからな。水は自分で取ってくれ」

 

 ラッサンはそう言って、部屋を出る。

 

「相変わらず、コーヒーに拘っているな、あいつ」

「あの苦い飲み物のどこが良いのかしら」

 

 部屋に残った二人はそう呟き、それぞれ部屋に備え付けられている冷蔵庫より水が入ったペットボトルを取り出す。

 

 どうやらラッサンはコーヒーに拘りがあるようである。

 

 

 

 ―――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 ラッサンはエレベーターに乗ってホテルの一階へと下り、売店へと向かう。

 

「エレベーターの乗り心地も本国と全然違うな。建築技術も学ぶべきところが多いけど、まぁ俺には関係のない話か」

 

 彼は呟きながらホテル一階にある売店へと向かい、コーヒー豆が陳列してある列の前で止まる。

 

(あれ? 誰か居る?)

 

 ふと、コーヒー豆の陳列棚の前に、誰かが居て、ラッサンは首を傾げる。

 

 後ろ姿であったが、腰まで伸ばした銀髪の女性であるのは分かった。

 

(見た感じ軍服っぽい服装を着ているから、軍人か?)

 

 女性は背中にマントを掛けているものも、その隙間から見える服装は軍服っぽいデザインとあって、女性が軍人と予想する。

 

 ラッサンは疑問に思うものも、ホテルなんだから軍人ぐらい泊まっていてもおかしくないと考えて、女性から離れた場所でコーヒー豆を見る。

 

(ふむ。色んな種類があるんだな)

 

 列の端から端までコーヒー豆が入った袋が並べられており、その下にはコーヒー豆の種類が大陸共通語で書かれたプレートがある。コーヒー好きな彼からすればしばらく眺めていたい光景だ。

 

(でも、ロデニウス産のコーヒー豆は種類が多いな。どれが良いか悩むな)

 

 しかしムーのコーヒー豆と違い、ロデニウス産のコーヒー豆は種類が多いとあって、ラッサンは静かに唸る。

 

「うーん……」

 

 ラッサンはコーヒー豆と睨めっこしながら、しばらく悩む。

 

 

「何かあったのか?」

「っ!」

 

 と、横から声を掛けられて集中していたラッサンは少し驚き、すぐに声がした方を見る。

 

 そこには先ほど見た女性の姿があり、怪訝な表情を浮かべて彼を見ている。

 

 腰まで伸びた銀髪に、右側のこめかみの部分が長く伸びており、黒いカチューシャを着けている、白い軍服に黒いスカートを身に纏い、腰に鞘に収められたサーベルが提げられている。

 

「あっ、すみません。迷惑でしたか?」

「いや、そうではないが……」

 

 ラッサンが謝罪をするも、女性は彼の唸り声を気にしていないようだが、なぜか彼女の様子は何かを期待しているようにも見える。

 

「? 貴官は確かムー国から来た使節団の……」

「は、はい。ムー国より使節団の一人として派遣されたラッサン・デヴリンと申します」

「やはりそうか」

 

 女性はラッサンを見てどこか見覚えがあって首を傾げると、彼が自己紹介をしたことで思い出す。

 

「失礼した。私はムー使節団が宿泊するホテルの警備を任されている『マインツ』だ」

「『マインツ』さんですか。ホテルの警備ってことは、軍の方ですか?」

「そうだ。ところで……」

「はい?」

 

 と、『マインツ』はどこか期待しているような雰囲気でラッサンに問い掛ける。

 

「ラッサン殿は……コーヒーに興味があるのか?」

「えっ? は、はい。少し拘る程度には……」

「そうか!」

 

 と、さっきまでの堅い雰囲気はどこへやら、『マインツ』は目を輝かせて食い付く。

 

「先ほどの様子では、ロデニウス産のコーヒー豆のどれが良いか悩んでいたのではないか?」

「っ! そうです。初めてな上に、種類が多くてどれが良いか悩んでいたんです」

「そうか! ちなみに聞くが、コーヒーはそのままで楽しむか?」

「もちろんじゃないですか。コーヒーは素材の良さを楽しむものですよ。甘くするのは分かっていない輩のすることですよ」

「分かっているじゃないか!」

 

 『マインツ』がラッサンの悩みを当てて、彼は少し戸惑いながらも答えると、彼女は喜色溢れる表情で次の質問をして、ラッサンは迷い無く答える。

 その答えにとても満足したのか、『マインツ』は笑顔を浮かべる。

 

 

 どうやら二人は意気投合したようである。

 

 

「それで、『マインツ』さん。オススメのコーヒー豆はどれになりますか?」

「っ! そうだな。私が好きなのはこれだが……この豆も悪くないぞ。この豆もな―――」

 

 『マインツ』は自身が好きなコーヒー豆や、他人にオススメできるコーヒー豆をラッサンに薦めつつ、そのコーヒーの良さを説明する。

 

 そしてそのままコーヒー関連の話題へと話が変わっていき、二人は周りを気にせずに語り合う。

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみにラッサンが部屋に戻ったのは、一時間後であったとのこと……

 

 

 

 

 

 

 




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竜の伝説編はやっておくべき?

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  • 別にやらなくても良いんじゃね?
  • オリジナル要素を加えてやるべき
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